もしYouTuber三崎 安奈が旧旧Fトンネルで悪霊に殺される前に救われたら?
頂いたアイデアを参考にして書いてみました。アイデアを下さった方、ありがとうございます。
純愛物ばかり書いてると陵辱系を書きたくなり、陵辱系ばかり書いてると純愛物を書きたくなる。そんな執筆生活。
----ああ、こんなところ、来るんじゃなかった。
某県某市に存在する旧旧Fトンネル。私は、そこにオカルト系のネタを求めて友人の子と一緒にやって来た。
心霊スポット探索系YouTuberとして、周りから美少女と持て囃される見た目を持っていた私は、同じく心霊系を扱うYouTuberの中でもトップクラスのチャンネル登録者数と視聴回数を持つ人気YouTuberだった。
ちょっと太ももや腹チラが出来そうな服を着て、心霊スポットを探索する様子を撮った動画を友達の編集が上手い子にお願いして投稿用の動画にしてもらう。それだけで私の動画は何万、バズった時には何十万と視聴される。
それは承認欲求が強い今時の女の子である私にとって快感で、いつしか肝試しや心霊スポット探索のドキドキは、今回はどこら辺で視聴者にウケがいい悲鳴をあげようとか、ここら辺で転んでドジっ子アピと太もものサービスショットを撮ろうと言った、視聴数を優先した打算的なエンタメ精神に取って代わられていた。
そして今夜も、そんな私のチャンネルのファンたちにチヤホヤされるための心霊スポット巡り、その一つのはずだった。
異変に気づいたのは、到着してすぐだった。明らかに今までの心霊スポットとは違う雰囲気。よく墓場の周りは気温が下がるって言うけど、旧旧Fトンネルの前はまるで心臓を直接凍らされたかのような異質な冷気が感じられた。
でも、視聴数のことしか頭になかった私は、これは私のチャンネルで一番のバズり動画になるかも!って脳天気に考えて。怖がってトンネル前に停めた車に残ると言い出したカメラマン役の友人を置いて、一人進んでしまった。
進んで、しまったんだ----
「ひっ、ぃっ、ぁっ……ぁっ、きっ……!!」
噂は本当だった。心霊は実在した。それも、とびきり危険で、悍ましくて、猟奇的な化け物が。
トンネルを進んだ先にあった、両手両足を切断され、胸から腹を裂かれて中身の臓器を取り出されて並べられた死体。顔の皮を生きたまま裂かれたと言う、過去の被害者であり、未来の私でもあるそれは私に『ありがとう』と言って笑った。
あなたも同じになってくれてありがとうって。
微笑った。
嗤った。
呪った(笑った)。
そして現れたのが、人の顔の皮を被った大きな影。それは片手に映画の中でしか見たことないような巨大な斧を持ち、白い服を真っ赤に染めた怪人。
見た瞬間、理解した。これはダメだ。これは違う。これは、この世にあっていい存在じゃ決してない。
これは----出会ってはいけないモノだ。
私は逃げた。逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた。
だけど、いつまで経ってもトンネルの出口には着かなくて。助けを求めて叫んだ声は、誰に拾われることもなく真っ暗闇のトンネルに反響するだけで。
いつしか足の乳酸菌が底を尽きて、走ることどころか立つことさえ出来なくなった私の前に、その怪人はいた。
恐怖に、指一本動かせなくなる。早鐘を打っていた心臓が、死の恐怖に停止してしまったのではと思うほど凍りつく。表情筋があまりの現実感のない状況に泣き笑いの表情で固まり、私は声とも言えない掠れた音を口からこぼすことしか出来ない。
怪人が斧を振り上げる。その狙いは、きっと私の脚。今まで多くのリスナーからムチムチ、エロい、ヤバすぎと褒められた自慢の太ももから下を切断しようとしている。
----なんで、どうして私がこんな目に
一度浮かんだ現実逃避のうわ言は、頭の中を埋め尽くし、それはすぐに目前に突きつけられた死よりも恐ろしい苦しみに掻き消されるのだと悟って。
「----助けて」
誰にも聞き届けられず、そしてこれからも聞き取られる事のないだろう、この世界では良くある悪霊被害者の今際の言葉。
三崎安奈は誰にも助けられる事はなく、この後両足と両手を切断され、死なないギリギリの臓器を取り出されて目前に並べられる。そして彼女にとって自慢だった美貌の顔を生きたまま剥ぎ取られ、それを顔に被った悪霊によってなるべく痛くなるように力を入れられた斧によって頭をかち割られて殺される。
もう殺してと何度も体を解体されながら叫んで、死にたくない死にたくないと泣き叫びながら頭を割られ、そして命が潰える瞬間に見た自分を助けに来た友人が同じように解体される光景に、壊れた心を安心で満たして----彼女は自分を殺した悪霊の奴隷として新たな犠牲者を呼び込む新たな悪霊として生まれ変わる。
それが、彼女が辿った終わりだった。軽はずみに心霊スポットを周る少女に与えられた、あまりに重すぎる罰。
だが、この最悪を煮詰めて腐らせたような運命を覆す光が、この三崎安奈には与えられた。
それを一言で言うのなら、ヒーローが現れたんだ----
ザシュッ
肉が引きちぎれる音が響いた。直後に重い物が地面に叩きつけられる音を安奈は聞いた。
ああ、私の脚、切られたんだ。
その時、彼女は予想していたような激痛もなく訪れたその鈍い切断音を、最初どこか他人事のように俯瞰して認識していた。
恐怖で固定化された目は、自分の下半身に視線を合わせる事が出来ず、どんなふうになってしまったんだろうと感覚が麻痺した壊れかけの彼女は思案する。
だが、その認識が間違っていた事は直後に怪人が勢いよく後ろを振り向いたことで気づかされた。
三メートルはありそうな巨体の後ろ。地面に倒れた安奈からは、その巨体の足の間から覗くことが出来た景色の先。
そこに、別の人影が立っていた。
「危機一髪か。あと少しあの子の声を聞くのが遅かったら、まずかったな」
男性の声だった。怪人の意味をなさない音の羅列と異なる、人間の言葉。その声の持ち主は、安奈と同じくらい、いや少し年上そうに見える若い男の人。
まるで大学の受講帰りの学生のような白シャツと黒のダボッとしたズボンを着た背の高い彼は、顔が整っていると言う点を除けばどこにでもいる、それこそ彼女の通う学校でも見かけそうな普通の青年に見えた。
なのに、その彼は今のこの異常な状況と、同じ空間にいるだけでも濃厚な死の気配を叩きつけて来る怪人を前にして、恐れるでも狂乱するでもなく、両足を地に強く踏み締めて立っていた。
それどころか、怪人を見つめる目には確かな戦意が宿っていて、その佇まいは見る者が見れば動き慣れていると判断するほどいつでも次の行動に移れる構え。殺し殺されの空間での動きに慣れた人間の態勢。
だが、そんな事を有名YouTuberとは言え一般人の安奈にわかるはずがない。彼女はただ、自分を助けに現れた相手がとてもこの状況を変えられる存在と思えず、青年に向けた瞳の光をすぐに曇らせた。
だが同時に、彼女の中に宿った絶望と一瞬だけ垣間見えた光は、彼女に助けられる側とは思えない、最低最悪の思考をさせてしまった。
(あいつを、先に殺しに行って……! そしたら、そのうちに逃げられ……っ!)
自身を助けに現れたであろう人を犠牲にして、逃げる。それは褒められた考えではないが、同時にどこまでもありふれた人間の弱さだ。少なくとも、生きたまま解体される恐怖を突きつけられていたただの少女がそう願ってしまう事を、一概に責める事は出来ないだろう。
(お願いお願いお願いお願いお願いお願いあっちに行ってお願いお願いお願いあの人にお願いお願いお願い死にたくないお願いお願いお願いあっちを狙ってお願いお願いお願い私を助けて」
いつしか心の中で唱えていた願いは彼女の口からこぼれ出し、恐慌状態に陥っての一人言は想像以上に大きくトンネル内をこだました。
それこそ、助けに来た青年にその最低な願いが聞こえてしまうほどに。
「…………そうか」
男は少しだけ瞼を閉じた。目の前に死の化身のような悪霊がいるのに。まるでそんなモノの存在、微風か何かにしか感じていないかのようで。そして目を瞑った彼が、何かを口にした。
「----え?」
何かが変わる音がした。ただの平凡な青年でしかなかった男が、姿形はそのままに羽化して別の生き物になったかのように存在感が変貌する。
その変化に、素人でもわかる何かを感じた安奈が意識を平常な状態に引っ張り上げられる。先ほどまで壊れて我を忘れていた少女が一瞬で正常な思考を取り戻す。
自身の全身を駆け巡った温かな何かに、安奈は気づかない。それが安心感だと、今の彼女はわからない。
だが唯一気づいたことがある。それは彼女が聞いた切断音。ずっと自身の足が斧で切断された音だと思っていた肉を絶つ音の正体。
目前に立つ怪人の大男。その斧を持っていたはずの右手が上腕二頭筋から下がごっそり無くなっている。乱雑に残された断面図が、そこを無理やり引きちぎられたのだと物語る。
「大丈夫だ。君も俺も、今日は死なない。死なせはしない!」
その言葉が安奈の耳に絶大な安堵をもたらし、だがそこから起こった出来事は彼女の目では追う事も理解する事も不可能な超常現象であった。
「----」
青年の口が再び何かを紡ぐ。それは確かに人の口から発せられた音の羅列のはずなのに、安奈にはなぜか聞き取る事が出来なかった。まるで、音の波紋が流れる異界が違うとでも言うように。
そしていつのまにか彼の手元に握られていた数珠とお札。それが暗闇の中で、見るだけで心を落ち着かせる淡い発光を始めた瞬間、青年に向けて怪人が叫んだ。
それは安奈にとって初めて聞いた、悪霊の悲鳴だった。死のない彼らの、本能からの恐怖の声。
「ア゛ア゛アア--ッ、----!!」
トンネル全体を震わせる呪怨を前に、青年がその手に持ったお札を怪人に向けて投擲した。それは紙とは思えないほど真っ直ぐに、まるで弾丸のような速度で怪人の頭を寸分違わず狙う。
そのお札から非常に良くない浄化の言霊を感じた怪人が、叫ぶのを中途で止めて本能的に顔を横に逸らした。特級の呪霊と化した彼をしても受けるのはまずいと直感的に感じた祓う事に特化した退魔の術。
怪人の頬を掠めたお札はそのままトンネルの奥深くへと消えて行き、次瞬その先にいた怪人に殺され悪霊と化した数多の被害者たちを天国に解き放った。
自身の眷属とも言える奴霊たち。その突然の昇天に、怪人の意識が後方に逸れる。旧旧Fトンネルに住み着いた特級の怪異たる彼にとって、取り込んだ悪霊とはすなわち彼が殺して収集したコレクションであり、自身をより強大な魔へと押し上げる養分。その喪失は、決して彼には看過できない。
ゆえに、それがただの牽制である事に怪人は気づかなかった。お札を投げたと同時に、青年が怪人いる位置に向けて走り出していた。その速度は安奈にとっても目を疑うような速さで、少なくとも学校の陸上部エースの走りよりも数段……いや、次元の違う速さだと断言できるほど。
「----ッ!?」
十数メートルはあったはずの距離を、秒とかからず走破して来た彼に向けて、怪人がわずかに慄いた。
それは彼にとって、自身以外の他人は逃げる者でしかなかったから。逃げ惑い、足を竦ませ、自身に殺される獲物でしかなかったから。まさか自分に向かってくる他人がいるなんて考えがつかなかった。
怪人が反応を数手分遅らせる。そしてその数手は、青年が攻撃と救出を行い終えるには十分すぎる。
「『畏み申す』……っ!!」
スライディングするように態勢を屈めた青年が怪人の脚の間を潜り抜ける。そしてその先で倒れていた安奈を抱きしめると、そのまま反転、ガラ空きの背中に数珠を持った手を叩きつけた。
数珠に纏っていた青光が輝く。成人男性の二倍の巨体を誇っていた怪人が、青年の言葉通り吹き飛ぶ。あれほどの恐怖と絶望が嘘のように、安奈をあれほど苦しめた存在がトンネルの奥にボロ雑巾のように飛んで行く。
だがその姿を、安奈は見ていなかった。見ている暇がなかった。彼女の視線は、自身を圧倒的な死の窮地から救い出した王子様の横顔に釘付けになっていたから。
「ぁ----」
熱を失って青白くなっていた頬が急速に赤みを取り戻す。自身を抱きしめる手の感触に、心臓の動悸が先ほどとは別の意味で早くなる。
まるでアニメのような、現実とは思えないヒロインを救いに来たヒーローの姿。ずっとただの物語だと笑っていた少女漫画の一幕に、先ほど自分がしてしまった最低な行為も忘れて見惚れてしまう。
三崎安奈は、生まれて初めて運命に感謝した。
芳山 蒼太くん。鎌倉時代から続く祓い師と呼ばれる家系の人間で、悪霊や厄を祓って人々の安全を守ることを家業として全国の悪霊を無償で退治している…………ふふ、物語の主人公みたい。
祓い師として高い才能を持っていて、なんと小学生の頃から祓い師として活動して数多くの悪霊を祓って来た本物のオカルト側の人。
もう、私を助けてくれた後にすぐいなくなっちゃったから探すのに苦労したよ。運良く動画用に回してたビデオが蒼太くんの顔を映してて良かったー。
おかげでSNSに君の顔を載っけられて、ファンの人に特定してもらう事が出来たからね。
ふふ、今までYouTuberやって来た甲斐があったよ。私が心霊系YouTuberになったのは、蒼太くんと会うためだったんだね。貯めたお金を使って探偵を雇って調べてもらう事も出来たし、ほんと運命ってやつだね……ふふふ。
家族構成は、お祖父さんと両親がご存命で、今は一人暮らし。東京の○○の☆☆マンション***号室に住んでいる、と。現役の大学三年生で、今は就活をしながら家業を続けている。夢は先生になること、趣味は写真とギター。彼女は…………無し。いたことも………………一応ないみたいだね…………。
性格は真面目な好青年で、いつも堂々としていて、頼りになる人。先生を目指してるだけあって勉強も出来るし、体育は常に学年トップクラス。なのに部活に入ってた事はないのは、家業が忙しかったからかな。
うーん、でもこの内容だと絶対彼に好意を寄せている女の子が一人か二人いそうだよね…………追加で探偵さんにもっと調べといてもらわないと。私と彼が仲良くなって、結婚するまでの道を醜い女の嫉妬なんかで邪魔されるわけにはいかないからねー。
最近の悩み事は家賃を払えるギリギリの貯蓄しかない事。う〜ん、お金は私がなんとかしてあげられるけど、蒼太くんの性格的に受け取ってくれなさそう。
………………そうだ。
ふ、ふ〜ん♪ 良いこと思いついちゃった♡
ふふ、ああ……ああぁ……蒼太くん……♡
私の命の恩人。
私の運命の人。
あの時は最低なこと言っちゃってごめんね。
私を守るためにあの化け物を逃す事になっちゃってごめんね。
お礼も言えずに別れちゃってごめんね。
これから会いに行くから。
あの時言えなかった謝罪と感謝を伝えに行くね。
そしたら、まずは友達から始めよう。それからいっぱいお話しして、デートして、お互いの事を知り合って----家族に、なろうね
「ねぇねえ蒼太くん、今回の私たちの動画もすっごい人気だよ! 投稿してまだ一時間ちょっとなのに、もう1万再生行っちゃった!」
「1万って、すごいのか? 俺はそう言うの疎いんだが……」
「めっっちゃくちゃすごいよ! 私の前の動画で、一時間でこんなに伸びたことないもん!」
「でも、確か安奈さんの動画ですごく見られてたのがあったじゃないか。確か、1Mとか付いてた」
「あれは私の服が枝に引っかかってブラがチラ見えしちゃった所を誰かが切り抜いた動画! 私の動画じゃないのに、私のよりバズってて心外だよ!」
東京の住宅街ではオーソドックスなアパートの一室。今日の分の講義を終えて夕方前に帰宅してきた蒼太の元にやって来た三崎安奈は、開口一番可愛らしいメモ帳を広げながら誰もが見惚れる人気YouTuberの美少女顔で話しかけて来た。
初めて会った時のように太ももがよく映えるショートパンツを履いて、キャップ帽をかぶる姿は実に渋谷や原宿を歩いてそうなオシャレ女子。それで見た目も声も一級品で、YouTuberとしてそこそこの知名度を持っている彼女が男の部屋にいる理由。
それは単純明快で、彼女のファンが聞けば嫉妬と憎悪に狂いそうな答え。
三崎 安奈と芳山 蒼太は付き合っている。恋人、カップル、相思相愛。自身を命の危機から助けた王子様と男女の関係になると言う物語のような展開。
「はぁ……俺にはそう言うのはよくわからん。第一、未だに俺がお前の動画に一緒に出なければいけない理由もよくわからん。金を稼がせてもらってる身でなんだがな……」
「え〜! 何言ってるの!? 私には蒼太くんが必要なんだよ!! 蒼太くんが一緒に居てくれるから、私は安心して心霊スポットに行けるんだから! それに、私の動画の主役の一人が来てくれないと視聴者も困っちゃうよぉ!」
そして芳山 蒼太は、今ではなぜか三崎 安奈の心霊スポット探索チャンネルのレギュラーにされてしまっていた。
数ヶ月前、蒼太の大学に現れた安奈はあの日のお礼を言うと共に、「私と一緒にYouTuberになりませんか!?」と意味不明の誘いの言葉をかけて来た。
当然、祓い師の家業を無暗に喧伝したくない蒼太が断ったが、それからも彼女は毎日彼の大学に顔を出しては、「それなら蒼太くんを主役にした動画でいいです!」、「私が蒼太くんのお仕事を手伝いながら邪魔にならないように配信します!」、「なんなら私が蒼太くんの交通代も全部払うので同行させてください!」と必死に彼を説得し、ついには自身の預金通帳を持ってきた彼女が、「私と一緒にYouTuberになれば、これだけ稼げますよ!」と0が六近く付いた口座残高を見せたことで蒼太が金の魅力に屈する事になった。
それでも、一回だけだからなと渋々同行を認めた蒼太に対し、いつのまにか安奈が自身のチャンネルの新しいメイン探索者として配信に載せたことで、面倒見が無駄に良い彼はその後もなあなあでYouTuber活動を続ける事になってしまったのが事の顛末だ。
そして年の近い美少女(しかも自分への好意を隠そうともしない)と、頻繁に全国津々浦々と泊まりがけの心霊退治旅行を行っていれば、如何に鈍感な人間でも衆道の気がなければコロッと言ってしまうのが道理。
四度目の旅行では、ホテルが同部屋になっている事を怒りはすれど拒否できなくなり、八度目を迎えればもう何も言わずに同じベッドで寝れるようになって、そして旅行回数が二桁を数えた時には恋人同士でもなかなかしないような距離感での生活が出来るようになってしまった。
それが人気YouTuberの作戦である事に気づくことなく、蒼太は安奈を心の底まで無自覚に受け入れるようになってしまった。
「それに、私のリスナーさんに蒼太くん意外と人気なんですよ! あのカッコいい同行者の人誰?とか、あのイケメンの人のオカルト解説すっごく勉強になるって!」
目をキラキラさせながら言う安奈の言葉に嘘はない。実際、『今の』彼女のチャンネルには蒼太を好意的に受け入れ、それどころか彼目当てに見に来る女性視聴者も少なくないほどだ。
だが最初に彼が動画に登場した際(蒼太本人の許可なし)、多くの美少女 三崎安奈目当てのリスナーたちは自身の推しの隣に現れた男の存在に憤慨して、コメント欄は大炎上した。
元々安奈の心霊スポット探索チャンネルは、彼女の美貌が人気のほとんどを占めていたのだからそれも当然だ。雑な編集、ただ動画主が心霊スポットに行って驚くだけの、YouTubeにゴロゴロ転がってそうな動画が視聴数を取れていたのは、超絶可愛い女の子が肌面積の多い服でカメラの中心で動いていたからだ。
そんな彼女目当てだったガチ恋オタクたちにとって、男が彼女の隣を歩いている事は自分たちへの裏切りに等しいと、それはもうたくさんの蒼太への暴言罵倒をコメントへ書き綴った。
それを安奈は、全て消去して書いたアカウントは二度と書き込めないようにBANした。自身を今までチヤホヤしてくれて、承認欲求を満たしてくれたファンたち。それを彼女は、もう必要ないとばかりに捨てたのだ。
そして残したのは、自身を救ってくれた彼を褒め称えてくれる同士たち。彼を肯定する書き込みをする人に「そうでしょ、そうでしょ!」と反応し、彼を安奈さんの彼氏ですか?と聞いて来るコメントに対して「えへへ〜、それはま・だ……なんだよねぇ!」と思わせぶりな答えを返す。
結果彼女のチャンネルは、蒼太登場前と後で180度変わったファン層を獲得した。それは、オカルトに関わる本職の人間である蒼太の語る蘊蓄を聞きに来るガチのオカルトファンと、鈍感な美青年を振り向かせようとする美少女の青春配信を楽しみにして来る人たち。
可愛い女の子目当てのオタクたちが減った代わりに、オカルトファン、面食い、他人の恋路を応援する恋愛ドラマ大好き系と多くの視聴者層を取り込む事に成功した安奈のチャンネルは、却って登録者数が伸びる異例の事態になった。
「もう私のチャンネルは蒼太くんが居ないと成り立たないんだから、可愛い私を助けると思って……ね?」
「ね……って、あのなぁ……」
首後ろを掻きながらめんどくさそうに顔を顰める蒼太だが、その表情にマイナスの感情がないことを見て取って内心ニヤリと安奈は笑った。
「そ・れ・に----お礼として私の体、好きにしていいんだよ」
「〜〜〜〜!!」
ここぞとばかりに両手を蒼太の首に巻きつけた安奈は、超至近距離で彼の耳元にわざと熱い吐息のこもった囁きを送りこむ。その行動に彼氏が顔を真っ赤にする姿に胸と子宮をきゅんきゅんさせながら、そのまま自身の体重で彼をベッドに押し倒した。
安奈は自分の見た目とコミュ力には相当の自信を持っている。でなければ顔出しYouTuberになろうなんて思わないし、世間も彼女を人気YouTuberの一人に押し上げなかっただろう。
そんな彼女が、本気で男にアタックして、本気で堕とそうとしている。それは頭の悪いギャルが好き好きと連呼するのとは訳が違う。自分の魅力を分かっている人間が、それを最も有効に活用できる魅せ方まで熟知した上でのアピール。
そんな美少女の性的な誘いを断れるほど、蒼太は男を捨てていなかった。
「んちゅ……ちゅぱ、じゅずず……んはぁ♡」
重なり合った二人が、お互いに唇を突き出してキスをする。啄むだけのバードキスは、すぐに蠱惑的な笑みを浮かべた安奈によって情熱的な舌と舌を絡ませたディープキスへと変わっていく。
「んぢゅる……ずずっ……れろ、むふぅ……♡」
二人の舌がなめくじのように絡まり合い、粘液を交わせ合う。興奮で荒くなった鼻息がお互いの顔に当たって、その熱風がより二人の中で相手への肉欲を高めて行く。
馬乗りになった安奈がショートパンツに包まれた魅惑的な臀部と太ももを蒼太の腰に擦り付け始める。それだけでなく両手で彼の服を捲り上げると、熱を持った上半身に直で手を這わせて優しく愛撫して行く。
それは男を誘惑する事を熟知した女のテクニック。三崎 安奈が大好きな彼氏を喜ばせるためにネットを漁って身につけた魔性の技だ。
安奈の指先が胸元をさすり、その左右にある男の乳首を小さな指先ですりすり♡と弄る。時に臍穴の周辺を指で円を描くようにくすぐり、露わになった筋肉質な男の腹回りを自慢の太腿で挟み込んでぎゅうう♡と押し当てる。
「んんっ……安奈さん……!」
その責めに堪らず蒼太が呻き声をあげる。数々の悪霊を退治し、常人なら数秒と経たずに発狂するような空間でも平常心を保つ歴戦の祓い師たる青年が思わず声をあげてしまうほどの快楽。
自分を救ってくれた男の、そんな可愛らしい姿に、安奈の中の雌はより一層昂り、だからこそ彼の自分への遠慮をした呼び方に不満を覚えた。
「もう、蒼太くん。呼び捨てにしてって何度も言ってるよね? そろそろ私も我慢の限界になっちゃうなー」
蒼太とのキスを一時中断し、彼との距離が1センチもないような近さで熱のこもった吐息を浴びせながら不満の声をあげる安奈。
それは言葉だけなら少女の可愛らしいお願いに聞こえるだろう。美少女YouTuberが付き合って何回もエッチしてる年上の彼氏から未だにさん付けで呼ばれているのが嫌だと言う、字面にすれば何とも可愛らしい乙女の考え。
だが、彼の目を見る安奈の瞳はそんな純な動機が持つ愛らしさが感じられないほどに、暗く澱む、闇のように深い暗黒を灯していた。
「安奈さ……っ!?」
「安奈。もう蒼太くんは恥ずかしがり屋さんなんだから♡」
つい咄嗟に再び彼女をいつものような呼び方で呼んでしまった蒼太は、自身の下半身に突然走った刺激にその先の言葉を止められる。
それが安奈が自身のお尻でいつの間にかズボンとパンツを脱がせて取り出した蒼太の勃起した男性器を踏み潰した刺激なのだと、彼が気づいた時には、彼女によるショートパンツと太腿による股コキが始まっていた。
「んっ、ほら蒼太くん? あ・ん・な、君の恋人の名前、ちゃんと呼び捨てで呼んで? あっ、んんっ、でないと……このまま君のチンポ、こうして、シコシコしてイかせちゃう、よ?」
「あっ、ぐぅ!? ま、待ってくれ……、わかった……わかったから!」
自身の茎を両側から圧迫する安奈のムチムチとした太腿の弾力と感触、肉皮を刺激するショートパンツの材質と擦れ合う感覚が、蒼太の性器を不覚にもそそり立たせ、快楽神経を過敏化させて行く。
三崎安奈と言う少女のチャームポイントを最大限に活かした射精責めに、耐えると言う選択肢を最初から投げ出して慌てて降参の白旗を振る蒼太。
そもそも彼女をさん付けで呼ぶ事自体も別に特別な意味があってのものとかではなく、出会って自己紹介した時の呼び方をそのまま続けていただけなのだから無理して拒否する理由は彼にはない。
ただ何の気なしにそのままにしていた呼び方が、愛の重い恋人の病んだ沸点に触れてしまったのだ。
「安奈。これで……いいか?」
「うん、よくできましたそ・う・た♡」
ようやく呼び捨てで自分の名前を呼んでくれた恋人に、安奈もまた深愛のこもった声色で彼の名前を呼ぶ。
ラブラブのカップルの一幕のような砂糖たっぷりの甘い光景。だがそれも、今もなお変わる事なく女性側が両手で男の胸を弄り、下半身で肉竿を扱いているとなれば、甘さよりも淫靡さが優ってしまう。
「お、おい……! 呼び捨てにしたら、やめるんじゃ、なかったのか……!?」
「えー、私がいつそんな事言ったかなー? やめてあげる、なんて一言も言ってないよ」
安奈が現役大学生とは思えないほど色っぽい悪戯気な笑顔を浮かべる。白い歯を見せてニンマリと笑う姿は男を煽り、肉欲を焚き付ける淫魔そのもの。
彼女が身も心も焦がすほどの強烈な出会いと恋を得て開花させた、三崎安奈の女の顔。
「ふふ、晴れて呼び捨てで呼び合うラブラブカップルになれたんだから、記念にこのまま射精して、私のお尻にびゅるるるって君の精液、浴びせちゃおう♡」
そして返答を待たずして、安奈は男の口を再び塞ぐとそのまま全身を隈なく使っての快楽責めを激しくする。
舌で彼の抵抗する口内を封殺し、女子大生の平均ぐらいはある胸を押し付けて、彼の肉棒を挟んだ下半身を卑猥に擦り合わせる。
やがてぐちゅ、ぐちゅと先端から垂れてきた先走り汁が潤滑油と興奮を煽る淫音となり、安奈は股と太ももで肉棒をいじめる速度をより早めて行く。
「むちゅぅ♡ じゅぱっ、じゅっ♡ ほら、射精して♡ 射精しちゃえ♡ ちゅ、ちゅぅぅ♡ 私の太ももにチンポ包まれながら、金玉の精液全部私にぶっかけちゃえ♡ ふふ、カウントダウンしてあげる♡ 五ぉ、あん、んんっ、よんんっ♡ はぁ、ああっ♡ さ〜ん……っ♡♡」
美少女YouTuber三崎安奈の美声による射精カウントダウン。
彼女のファンたちが夢想して、頭の中で何度もイメージしたり動画を切り抜いて自作したりしたAMSRの、何十倍もの破壊力を持った本人による喘ぎ声付き愛情たっぷりの囁き射精サポート。
それを受けて、我慢できる男なんているはずがない。それが彼女による全身愛撫を受けながらと言うなら尚更。
「二っイイい♡♡ あっ、あっ、あっ♡ い〜〜ち♡ ふぅ、ふぅ♡♡ ----ゼ・ロ♡ 射精け、蒼太♡♡」
「----ッッ!!」
びゅるるるるる!
彼女のカウントゼロを告げる声と共に、安奈の太ももに包み込まれた亀頭から大量の白濁液が射精された。それは安奈のムチムチとした肌肉を精液でベタベタに変えて、ショートパンツに包まれた臀部を白く塗装して行く。
熱く煮えたぎった白濁液が全て射精し終わった時、ようやく肉棒を離した安奈の太ももの間には、ねちゃぁ♡と擬音が聞こえてきそうなほど淫液の蜘蛛の巣が張り巡らされていた。
「あぁ……♡ 射精、気持ちよかったね♡ 君の熱を感じられて、私もすごく嬉しいな」
「はぁ、はぁ、はぁ…………まったく、とんでもない女の子を助けてしまったよ」
満足気に陶酔した笑みを浮かべる安奈とは逆に、蒼太の方は意図せぬ強制的な射精に疲れたように息を切らす。
そんな彼の苦笑混じりに放たれた言葉に、それを聞いた安奈は今までの淫靡な微笑みが、まるで縋るような怯えた物に変わる。
「うん……私は君に助けられた。蒼太がいなかったら、私はあの旧旧Fトンネルで殺されて、あの悪霊の一部にされてたかも」
それは間違いなく存在した三崎安奈の未来の一つだ。あの時に感じた恐怖と絶望を、彼女は死ぬまで忘れることは出来ない。今も時折夢に見て、ベッドから飛び起きて泣き叫んでしまうほどに、あの出来事は一生物のトラウマとして刻み込まれている。
「今でもね……たまに思うんだ。この今の幸せな時間は、あそこで死んだ私の見てる夢なんじゃないかって」
「安奈、それは--」
恋人である少女が口にした怯えを含んだ告白に、蒼太は何か言葉を伝えようとして、だけどそんな彼の行動をそっと安奈本人が指先で制した。
「君がいつか教えてくれた胡蝶の夢みたいに、本当の私はもうとっくにあの悪霊のお仲間で、それを認められない私が、都合良く王子様に救われた未来を夢想したのが、今の私だったら、どうしようって…………」
告解は続く。それは三崎安奈が、あの死の運命から逃れた日からずっと抱き続けた恐怖。
今この瞬間にも、シャボン玉が割れるようにこの幸せな時間が泡と消えて、旧旧Fトンネルに連れ戻されてしまうのではないかと、彼女はずっと怯えていた。
「だから、私は君を強く強く感じていたいの。私を助けてくれた芳山 蒼太は本物で、実在するんだって。この幸せな時間は夢なんかじゃないって感じたい、信じたいの……! 私は、死んでなんかないって----っ!?」
そんな今にも発狂して壊れてしまいそうな彼女を、蒼太は望み通り強く強く抱きしめた。自分はここにいると、彼女の心のトラウマを塗り潰すように刻み込ませる。
三崎安奈は死んで悪霊になどなっていないと、彼女を助けた者として証明し続ける。
「君がそんなに苦しんでいたのに、気づかなくてすまない。まったく本当に…………情けない」
「ち、違うの、蒼太は何も悪くないよ! 悪いのは、未だに怖がってばかりの私で----」
「----だからこそ、もう迷うのはやめた」
強く言葉を切った蒼太が、涙目にまでなっている安奈をベッドに残して勉強机へと向かって行く。
数々の教員免許取得に必要な科目や試験の過去問集が綺麗にまとめられた机は、それだけで青年が本気で先生になる事を目標としている証。
そんな机の引き出しを開けると、中に仕舞われた多くの教材の奥から何かの小さな箱を取り出した。
「本当は、ちゃんと教員免許が取れて仕事先が決まってからがよかったんだけどな」
「え……え、え、え……?」
そう言って笑う彼の手に握られた箱に、僅かに見覚えがあった安奈はただ戸惑いの声をあげることしか出来ず。
そんな彼女の目前へと、恋愛ドラマでよく見る小さな青い箱を持ってきた青年は。
「結婚してくれないか。俺が、君のその怯えを生涯勘違いだったと思わせ続けてやるから」
「〜〜〜〜〜〜〜〜っっ!!!」
その待ち望んでいた言葉に、安奈は人生で一番満たされた泣き笑い顔で、何度も頭を縦に振るのだった。
「じゃあ、挿れるぞ?」
「うん、来て……蒼太」
想いを伝え合い、晴れて夫婦となった二人は今度は安奈が下で、蒼太が上になる態勢で向かい合っていた。
すでに服は全て脱ぎ捨てて、生まれたままの姿となった両者は互いの目に映る愛しい相手の顔を見つめ合いながら重ねた性器を繋げあって行く。
「んっ……ああ……♡」
愛する青年の性器がゆっくりと自身の蜜壺へと収まり、一つとなって行く感覚。それは今までも何度もした行為なのにも関わらず、初めてした時と変わらぬ幸せを安奈の心へと響かせてくれる。
ずにゅううっと広げられて行く膣道の感覚が心地良い。
奥へと進むたびに自身の膣襞を擦るカリ首が気持ち良い。
襞肉を通じて伝わる愛しい彼の肉棒の脈動がこれ以上となく愛おしい。
「ああ……ああぁぁ♡♡♡ 入ってきた……蒼太のが私の、奥まで……んんっ♡」
こんなの幸せで脳が蕩けると、安奈は肉欲と愛欲に包まれた顔で肉棒を締め付ける。
相手の手と自分の手を恋人繋ぎで握り合い、愛しい男の顔を間近で見ながら挿入されるなんて、もう一生物の幸福だろう。
「っ、ぁ、はぁぁ、ふあ、ぁぁあ……♡」
お互いの腰が深く繋がり合い、安奈の膣が根本まで青年の肉棒を咥え込む。下から上までみっちりと肉襞で包み込まれた肉棒は、彼女の下腹部でドクドクと脈打ち、その波だけで安奈は絶頂に上り詰めそうなほどの悦楽を感じてしまった。
「動かすぞ、安奈」
「ぁあ……来てぇ……思いっきり、突いてぇぇ……♡♡」
目を潤ませ、頬を赤らめ、口をだらしなく蕩けさせた人気美少女YouTuber三崎安奈の淫欲に染まった求め。それを聞いた直後、蒼太は己の雄欲を彼女の望むがままに解き放つ事を決めた。
ゆっくりと、彼女の膣襞に肉棒を擦り付けるように抜き去って行く。そしてその先端が安奈の蜜壺から抜け落ちるギリギリまで腰を引くと、思いっきり自身の腰を彼女の尻肌に叩きつけた。
「----お゛、ぉおお゛おぉぉ……♡!!」
バチンッと肉肌同士がぶつかり合う肉欲の音が奏でられ、蒼太の肉棒が安奈の子宮口近くまで深々と挿入される。
そのあまりの気持ち良さに、安奈の口から美少女とは思えない喘ぎ声が鳴り響き、だがそれが青年のストッパーが外れた股間の熱をより高めさせた。
「ぉほおっ、お゛っ、すごい、しゅごい、きもちっ、気持ちイイッ♡♡ んおっ、あっ、あっ、蒼太に、子宮突かれるの、イイっ♡ 好き、好き、好き♡♡!!」
繋ぎあった両手を支えとし、青年が腰を激しく振って安奈の膣穴へと自身の剛直を何度も抜き差しする。その度に男の肉欲を煽る嬌声をあげて喘ぐ彼女の姿に、蒼太の視線は魅入ったように釘付けになる。
「ねぇ、もっと……もっと激しくしてぇ、めちゃくちゃにしてぇ!! 私の体に、君を刻みつけて! 君と結ばれてる今が、現実なんだって、私を理解させて!!」
「ああ、わかった!!」
自分が命を助け、そして愛し合う関係となった少女の懇願に、青年は彼女の体に覆い被さって貪るように腰を打ち付ける事で答える。
多くの悪霊、怪異との戦いのために培った筋肉質な体が、華奢な彼女の体を抱擁し、その温もりと熱を彼女に伝える。抱きしめ合う形となった両者はより深く性器同士を咥え込ませ、ついにその亀頭が子宮を突き上げるようにめり込む。
「っ、ぉ、ぉっ、おあああぁぁああ----ッッ♡♡♡」
安奈の全身がぶるりと震え、次の瞬間につま先から頭までを反りあげて今日一番の絶頂声を青年の部屋に響かせる。
ばちゅん、じゅぱっと大量に分泌された愛液が青年の抜き差しされる肉棒にかき混ぜられて、淫猥な音色を奏でながら二人の下半身に飛び散り、肌へと染み込んで行く。
「ぁ、あぁああ〜〜っっ♡♡」
あまりの幸福と悦楽で脳をダメにされたのか、安奈が目と口をだらしなくアヘらせたトロ顔のまま甘い声を上げ続ける。
ほとんど意識もないだろうに、それでも青年の肉棒を締め付ける膣穴はぎゅぅぅっと強く茎に食い込み、その肉感を味わおうと貪欲に脈動する。
もう君は私の物だと言わんばかりの強欲な安奈の独占欲に蒼太の雄は刺激され、だが同時に高まる性感の限界を感じて腰を引こうとした。
「ぁ、あへ、ぁはぁああ……♡ 出してぇ……私の膣中に、ぉあっ、蒼太の子種、精液、全部出してぇ……♡!!」
「安奈……!?」
だがその腰を、逃がさないと言わんばかりに回された安奈の両手両足が縫い止めた。
恋人による大好きホールドを不覚にもこの射精間近な状況で味わう事になり、驚きに目を丸くする蒼太。
コンドーム無しでの膣中出しなんて、もし万が一があったら妊娠してしまうと焦る青年に対して、肉欲に溺れ、ただ無意識に心の内を曝け出す安奈はその願いを叫び上げた。
「私の、
「----ッッ!!」
その心からの懇願に、思わず気をやってしまった青年は安奈による射精を求める媚肉の締め付けに抗う事ができず、その亀頭から熱く煮えたぎる精液を彼女の子宮へと解き放ってしまった。
びゅるるるるるる!!
「ぁ、あああぁぁあああ----♡♡♡♡!!!!」
彼女の両足で強く抱きしめられた事で深く繋がり合った性器がつっかえ棒となり、射精された精液を余す事なく彼女の胎へと注ぎ込む。
青年の腰に潰された美尻がビクビクと脈打ちながら蠕動運動を繰り返して、膣穴を熱く染める子種を体内に閉じ込めようと貪欲に動き続ける。
「ぁ……はぁぁ……♡」
「うっ……大丈夫……じゃないか」
ようやく両手足の拘束が緩み、蒼太が肉竿を引き抜いた時にはもう睾丸で生成された精子の全てが彼女の膣中に飲み込まれた後であった。
栓をする肉棒が無くなった膣口から、どろりと白濁液と愛液の混合液がこぼれ落ちて尻の割れ目を伝って肌に染み込んで行く。
もう洗っても二度とこの日のセックスの匂いが消えないのではと思うほど、蒼太と安奈の淫汁を溜め込んだ膣穴がヒクヒクと揺れる姿は射精したばかりの彼の性欲にまた火を点けそうになり、慌てて視線を彼女の顔へと逸らす。
もしかしたら妊娠させてしまったかもしれない。そんな不安に駆られた蒼太だが、それも幸せ一杯な表情で気絶する大切な妻の姿を見れば不思議と萎んでしまった。
「はぁ……新婚子持ちの大卒生を雇ってくれる学校なんてあるはずない、よなぁ」
最悪出来ていた場合、子育てが安定するまでしばらくはYouTuber生活を続ける事になるかもしれない。
なんて、有名美少女YouTuberを妻にした身としては贅沢すぎる考えかと内心自嘲しながら、蒼太はトラウマも恐怖も忘れてただ至福の微睡みに浸かる彼女に毛布をかけた。
「ふふふ……結婚……♡ 芳山 安奈……♡ オカルト夫婦チャンネル……えへへ……」
夢の中で早くも結婚後の自分たちの生活に想いを馳せる安奈は、二度と覚めることのないこの幸福な現実を噛み締め続けるのだった。
「って言うのが、私たちの馴れ初めと婚約した日の出来事なんだー」
「わぁぁ、すごいすごい! そんなロマンチックな恋愛初めて聞いた!」
夜道を歩く容姿の整った少女二人。
一人は黒髪にキャップ帽を被ったむっちりとした太腿が目に眩しい、片手に録画用カメラを持った今時の若者っぽい現役女子大生YouTuber三崎 安奈。
もう一人は茶髪を後ろに結んだ育ちの良さを感じさせるオシャレな心霊スポット大好き女子、寶月 詠子。
どちらも毛色の違う美少女二人が、月が真上にまで昇る時間帯に女性だけで歩いているなんて普通は身の危険を感じるて然るべき状況だ。
それは不審者だったり、ナンパ目的の若者だったりと様々だが、容姿が良いと言うことはそれだけそう言った事件性のある事案に巻き込まれると言うことが多い。
だがそれも、普通の人が歩くような道を歩いていればの話。
「へへ〜、だからこんな時間帯に、このマイナーで超危険な心霊スポットにいるのはただの探索系の動画を撮りに来たわけじゃなくて、夫の家業の手伝いも兼ねてってわけ!」
「うわ〜、素敵! 趣味とお金稼ぎと好きな人との旅行が一緒に出来るって幸せだね!」
「わかってくれる〜! あは、こんな場所でまさかこんなオカルト好きな子に出会えると思ってなかったから超嬉しいな〜!」
「私もオカルト好きの仲間ができて嬉しい〜っ!」
キャピキャピと騒ぎながら連れ立って歩く二人。そんな二人が歩いている場所が、最近オカルト掲示板の一界隈を騒がす何人もの行方不明者を出している心霊スポットだと言えば、彼女たちが如何に危険な場所で呑気に会話しているのかが窺える。
「でも、それなら詠子はもうここから引き返した方がいいよ」
「……え?」
だがそんな呑気な雰囲気を、安奈が声色はそのままに、纏う雰囲気だけを変えて塗り替える。
「ここはね、蒼太が言うには結構ヤバめの悪霊を封印してるっぽい場所なんだって。だから私は、ここで詠子みたいな子が入って来ないように見張る係なんだ〜」
それはとても、一介のYouTuberが出せるような豹変ではなかった。その温から冷への変貌を、詠子は自身の従妹である寶月 夜宵を思い浮かべた。
幾度もの修羅場と死の恐怖を乗り越え、強い目的を抱いた人間だけが出せる、人を竦ませるほどの威圧。
「詠子は久しぶりに出来たオカルト仲間だからさ。死んでほしくないの」
そう語る彼女の顔は、笑顔を浮かべているのに----なぜだろう、詠子は背筋に走る寒気を止められない。
まるで自身のテリトリーに入って来たネズミを、泥棒かたまたま迷い込んだだけかを見定める猫のよう。自分をいつでも喰らう事ができる絶対的な上位者。そんなイメージを、詠子は安奈に連想する。
「それに、可愛いからさ----
言葉に込められた
漠然と背中に走っていた怖気が、全身の毛が逆立つほどに波打つ。もし一つでも言葉を間違えれば、その瞬間に自分は死ぬのではないかと思うほどの重圧が詠子の身に降りかかる。
「蒼太に助けられてもし頬を赤らめでもされたら、私----詠子のこと、殺しちゃうからさ〜」
声は笑っているのに、それを紡ぐ口は、目は、顔は、欠片も笑っていない。それどころかまるでブラックホールのように人を飲み込む暗闇をその瞳の奥に宿して唇を吊り上げる姿は、それこそ人を喰らう悪霊のように----
「だから、ね? 詠子は、ここで帰ってほしいなー。せっかく出来た友達を、消したくないんだよね〜」
まるで、今まで何人も消した事があるかのような口調。
声に、感情が乗らなくなった。
言葉に、どろりとした何かを纏わせる事を隠さなくなった。
仕草に、狂気を見せる事を抑えなくなった。
そこにあるのは、どうしようもないほどに純粋で尖り切った----
「私の夫に、女が近寄らないで」
----独占欲と依存心
この少女は、もう愛の水底に堕ちている。決して抜け出せない、抜き出す気にもならない深い深い依存という名の沼に自分から浸かっている。
その狂愛に染まった姿のなんて……なんて----
「その気持ち、すっごいわかります!!」
「…………はい?」
あまりにも共感できる内容だったが故に、詠子は同士を見つけたような心持ちで安奈を抱きしめたのだった。
想い人を別にしたヤンデレが反発し合う理由なんてなかった。
「くしゅん!」
「へくしっ!」
「む、大丈夫か圭太郎、蒼太」
少女二人がよりお互いを身近に感じて好きな人の束縛方で盛り上がり生涯の親友と呼べる程の仲になっている頃、そんな彼女たちより少し離れた位置にいる想われ人二人と、安倍晴明からも太鼓判を押される霊使いの少女一人。
「いや、大丈夫。誰かが僕たちの噂でもしてるのかな」
「だとしたら、俺の思い当たる節は一つしかない。まぁ、いつもの事なんだが」
「あぁ、僕も一人思い当たります」
くしゃみをした青年二人がまるで同族を見るような目でお互いを見る。その眼差しだけで何となくシンパシーを感じて、お前も大変なんだなと女性陣とは別の意味で親交を深め合う。
「? よくわからないけど、ここの心霊と無関係な様ならよかった。なにせ今回は結構厳しいかもと思ってたから、まさか祓い師の蒼太と共闘出来たのは渡りに船。超助かる。ピース」
「いや、こっちもここで夜宵と出会えたのは嬉しい誤算だ。君の実力は見ただけで噂以上だと感じ取れる。沓を並べるなら、心強い味方だ」
「もちろん、期待して。こっちもフォロワー数50万人超えの人気YouTuber、「ラブラブ♡夫婦オカルトチャンネル」の祓い師の噂通りの実力を期待してる」
「………………頼むからそれはやめてくれ」
「本当に苦労してるんですね」
芳山 安奈
ラブラブ♡夫婦オカルトチャンネルの奥さん担当。この後詠子とは深い絆で結ばれた大親友となる。毎日彼女と好きな人の愛し方をメールし合ってキャッキャウフフする。そしてその度に蒼太は搾り取られる。
助けられてからもずっとトラウマに苦しめられてて、それさえも幸せで塗りつぶしてくれた彼に心の底から依存しきっている。もし蒼太が死んだら彼を悪霊化させてから自分に憑かせて、一生一緒だよEndを迎える。
彼女が本当に蒼太の周りの女を排除していたのかは不明。確かなのは、誰も事件を認識していないということだけ。
「えへへ〜、私と蒼太はずっと一緒なんだからね〜。----ずっと、ね」
芳山 蒼太
ラブラブ♡夫婦オカルトチャンネルの旦那担当。夜宵の事は以前から悪霊を使役する一流の霊能者として聞き及んでいた。優秀な霊能者と年齢は一致しない物だと知っているので、彼女の年齢にも特に驚いてはない。その後は安奈共々、時たま夜宵たちと心霊スポットで遭遇しては共闘する頼れる助っ人ポジに収まる。
モデルはすずめの戸締りの宗像 草太。作者が現代物の流浪の怪異退治のイケメンで真っ先に思いついたのが彼だったので。
彼が先生になる前に一児のパパとなるかは、安奈の性欲次第。多分無理。
「いつも私たちのチャンネルを見てくれてるみんなに重大発表ー! 実は、私たち結婚しました〜! 前から応援してくれてた人はありがとね! 晴れて私は、人妻系YouTuberの仲間入りで〜す!! 次は目指せ、子持ち系YouTuber!」
寶月御一行
色々あってその後もちょくちょく出会って親交を結ぶ事になる。特に女子同士の仲良しっぷりが凄まじく、時たま男子たちプラス小学生を連れてショッピングに出かけるくらいには友好を結んだ。
なお二人の性生活に関しては、夜宵には伏せられている。時たま手錠を買う安奈の姿を目撃されていたりするが、今のところバレてない。
「へぇ、詠子は圭太郎のためならそこまでするんだ〜………………ふぅん、そろそろ本気で子供作りたいし…………うん、良い参考になったよ。それじゃ、次は私のアドバイスあげるねー!」
ここまでお読みいただきありがとうございます。
ダークギャザリングを昔あったカードゲームのマジック:ザ・ギャザリングのリブートアニメだと思っていた作者です。
少年漫画のギリギリを攻め続けるグロ描写の連発をする原作に、規制のギリギリを攻め続けるアニメとホラー作品の再ブームを予感させてくれる良い作品でした。
特にヒロインの詠子が素晴らしいヤンデレヒロインでそれだけで大好き。そして詠子の身代わり人形にされて、忘れた頃に再登場して地獄の苦しみを味わされる安奈ちゃん可哀想すぎて泣ける。
この調子で甲田学人さんの作品もアニメ化しないかなぁ。
もしFFのエロをやるならどのナンバリングが見たい?*FF7は意図的に外しています
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