※この作品はR-18です。

マイナーキャラ妄想短編集   作:ニンニク嫌い

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『あレ、ワレの出番が無いってまジィ?』



モナーク(望、遠野姉妹) 純愛 後編

 

 

「はぁ、はぁ……この感じ、あの馬鹿とこころさんが眷属たちを倒してくれたみたいですね」

「----」

 

 場所を変わり、ルクスリアと対決していた信哉と虚飾の王は遠くで響いた大砲の着弾音を耳にして、見事二人が作戦通り眷属たちを撃破してくれた事を確信して、笑い合う。

 だがそんな二人の姿は、とてもそんな余裕そうな雰囲気を出せるような状態ではなかった。お互い、その白い外装がもはやただの燃え滓にしか見えないほど炎で焼き尽くされ、焼け落ちた服の下からは見るも無惨な炎症がいくつも覗いているではないか。

 

 そして彼らの周りには、バラバラに散乱する金属の人の骨を思わせるパーツの数々。それが元は虚飾の王の眷属たちで、今では蘇生も不可能なほどに焼き尽くされ、溶かされてしまっていた。

 

 にも関わらず、彼らの目前に立つ色欲の悪魔、ルクスリアは依然として健在。それどころか傷と言える傷は皆無で、その給仕服のような格好には埃一つ付着していない。

 圧倒的な戦力差。レベル1でレベル50代の終盤ボスを相手取っているような絶望感。こちらの攻撃は相手にかすり傷負わせられないのに、向こうの攻撃は全て即死級。そんなこの異界で行われたどの戦場よりも過酷な地獄の戦いで、それでも生きながらえているのは二人が戦闘においてトップクラスの才能を持っていればこそ。

 

「でも、さすがにこれ以上は……厳しいかもですね」

 

 だが、それも限界。力なく笑う信哉には死相が見え隠れしている。さすがの彼もこれほどの絶望を味わった事はないのだろう。それでも膝を折らずに立っているのは、彼の責任感の強さと、尊敬する父と母の誇れる息子でいたいと言う思いがあるからだ。

 そして何より、まだ希望はある。

 

「望さんが、遠野さんたちを説得できれば……こいつも大人しくなるんですけどね」

 

 それは遠野姉妹との休戦、もしくは和解が成される事。正直宝くじに当たるよりも可能性が低いと思ってあてにしていなかったのだが、ここまで勝ち目がない戦いだと、もうそのか細い希望に縋るしか生き残る道は見えなかった。

 

「----」

「え?」

 

 そんな信哉へと、虚飾の彼が耳打ちしてくる。それはこの事態を打開する唯一の手。半ば玉砕覚悟の、生きるか死ぬかの一か八かの賭け。それを聞いた信哉は一瞬だけそのあまりの策に呆気に取られ、しかし即座に覚悟を決めた顔で頷いた。

 

「わかりました。先輩に、俺の命を託します。ふっ、安心してください。失敗して命を落としても、先輩のことは恨みませんから」

 

 そう言って、年頃の少年のように笑って見せた信哉に、無表情に近い顔にほんの僅かだけ感情の乗った笑みを虚飾の王は浮かべた。そしてそれは確かに、友人同士の会話で高校生が浮かべるような微笑みで、初めて彼が見せた人らしい感情の発露だった。

 だが一秒も経たぬうちにその顔は常の無表情へと立ち戻り、紅く輝く瞳がキセルを吹かす女悪魔を射抜く。

 

 ゾクリと空間が恐怖に怯えたつような感覚がルクスリアの周りを包む。それを、外宇宙からの来訪者であり、感情を理解し得ない悪魔であるルクスリアは感知できない。

 そして直後、虚飾の王はその身を弾丸の如く打ち出してルクスリアに迫って来た。

 

「----」

「!」

 

 無感動な視線と無感情な視線が超至近距離で混じり合い、そして激突。振り下ろされた彼の武器が防御に回されたキセルとぶつかり合う。

 ガキンッと金属音が響き渡り、しかしやはり結果はそれだけ。彼が身を引き裂かれるような痛みを狂気で塗り潰しながら放った一撃は、キセルにヒビ一つ与える事叶わない。

 

 だが……

 

「----!!」

 

 ガキンッ、ガキンッと彼はその効果がないはずの攻撃を全身の肉を軋ませながら敢行し続ける。振り下ろした武器持つ指が反動で折れ曲がり、力を込めた足の骨に罅が入る。全身を絶え間ない激痛が苛んでいるはずなのに、しかし彼の瞳は爛々と紅く輝き続けるだけで……。

 

 いや、違う。ルクスリアは見た。自分を攻撃する虚飾の王の顔を。その真紅に輝く瞳の奥に宿る何かを。

 彼は----嗤っている。壊れ、死に向かいつつある自分の体を理解しながら、楽しそうに微笑っている。それは狂気。あまねく人類に普遍的に存在する悍ましき自壊衝動。

 その時初めて、ルクスリアの中に覚えのない精神の揺れが感じられた。その揺れを、悪魔は理解できない。身を竦ませ、思わず後ろ足を踏みたくなるその震えの言葉の意味を、解釈できない。

 

 バキリッ

 

「!!」

 

 キセルが歪む。

 初めて、ルクスリア側に初めて損害と呼べるレベルの傷が付く。

 暴風の如く吹き荒れる狂気なりし彼の魂威が、単純な格の差を打ち破るように色欲の悪魔の頑強な武器に罅を入れたのだ。

 

 その事態にルクスリアが咄嗟に動く。自身の蠍の尾をしならせ、君主に抗いし不敬なる叛逆者を串刺しにせんと突き刺す。

 それを虚飾の王はまたもや狂気に染まった瞳で、自身の武器を逆に叩きつけるような形で迎撃。ドンッと金属同士がぶつかり合った音とは思えない重低音を響かせて、衝撃波が二人を中心に駆け巡り、そして刹那にも満たない拮抗は虚飾の王の敗北を持って終わる。

 

 吹き飛ばされる彼。その全身は真っ赤に染め上げられ、元の白い衣は見る影もないほどにボロ雑巾と化している。

 数メートルは宙を舞った彼を、ルクスリアは敵の一人を倒したとして僅かな安堵を浮かべ、直後に爆発的な力の一閃を受けた。

 

「諦めろ」

「……!?」

 

 それは電撃の如き一閃。

 弓田 信哉の全身全霊。

 ルクスリアの超越的な五感を持ってしても認識する事さえ困難な速度から齎される回避不能の殉教者の一撃。

 

 バキリと今度は初めて悪魔の体に目に見える亀裂が刻まれた。信哉の自我を洗練した決意の一撃は、確かに圧倒的レベル差を覆して色欲の悪魔に痛手を入れた。

 

 だがやはり、足りない。

 

「…………!」

「ぐあっ!?」

 

 覚醒した攻撃を加えたばかりで身動きが取れない信哉の背を爆炎が包み込む。それは一瞬で少年を火だるまへと変えて、反射的に消火のために地面を転げ回る彼をルクスリアは怒りのままに蹴り飛ばす。普段の余裕然とした足踏みからは考えられないほど強く足を踏み込んでの、ヤクザキック。

 それを受けた信哉がガードに出した槍をへし折られながら吹き飛ぶ。意識を失った少年がボロクズのように地面を転がる姿にルクスリアの胸のイライラが僅かに晴れる。その喜びに、初めて口元を三日月状に歪めて笑顔を形作り…………果て、自分は今何を感じているのだろうか?

 

【共感】

 

「…………!」

 

 ここに来てようやく、ルクスリアは自分が今人間の感情を得ている事に……人間の感情を胸の内で感じてしまっている事に気づいてしまう。悪魔と言う自身に、虫ケラに等しい人間の感情なんて言う無価値な心を感じさせる力を持った存在……それが出来る唯一の相手を、ルクスリアは見た。視た。ミタ。

 

「----」

 

 虚飾の王がそこにいた。

 

 全てがハリボテで形作られた伽藍堂の人形が、そこにはいた。

 

 純白を自身の血で染め上げていたはずの服が、深淵の闇を思わせるような黒に染まり、その王冠は真紅の焔を灯らせ、背からはまるで悪魔の翼を思わせる炎の渦が飛び出ているではないか。

 

 その彼と魂が繋がっている事を、ルクスリアは理解してしまう。だからこそ、感情を理解させられてしまったルクスリアはあり得ざる光景に思考を混乱で満たされる。

 だって、普通の人間が外宇宙からの来訪者と心を共感されて無事で済むはずがないのだから。人間とは文字通り次元の違う位相にいる彼らの魂と刹那とは言え同期しようものなら、即座に彼らの狂気に身を焼かれ、魂が溶け落ちて廃人となるのが道理。

 

 なのになぜ、彼は立っている? 生きている? 変わる事ない赤い、紅い、赫い目を輝かせている?

 そんな事が出来るのは、それこそ----

 

 

「------------!!」

 

 

 ルクスリアの魂が狂気に飲まれる。

 狂気の世界からまろび出た存在が、発狂する。

 それほどの真実を、ルクスリアは今、理解してしまったから。

 

【魂の一片まで】

 

 虚飾の王が剣を構える。共感した事で、ルクスリアの能力、感覚、状態を共有化した今、彼の一撃はルクスリアにも届き得る。

 

 だがその事実を、危機を、もうルクスリアは判別できない。

 狂気に染まり、深淵に気づいてしまった悪魔は、不逞の狂気に堕ちてしまったが故に。

 

【断ち切る】

 

 それは宣告。上位者から憐れなる魂へと告げられる絶対的な死の通達。

 

 焔が燃える。虚飾の王の武器に太陽エネルギーを凝縮したような埒外の力の波動が集まり、全てのモノに破滅を齎す黒がルクスリアの視界を覆う。

 

「ああああああああああああ!!」

 

 ルクスリアは叫ぶ。こんな存在がいるはずがない。

 いや、しかし、そんな。

 こんなものが、この世界に来ていいはずがない。

 

【終わりだ】

 

 いや、そんな!

 あの姿は----あの顔はなんだ!

 

 ああ!

 

 窓に!

 

 窓に!!

 

 

 

 

 

 

 

 ぐちゃり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は? え? 嘘、全滅? あたしたちの眷属が、こんな一瞬で……?」

「まさか、『怠惰』と『強欲』の権能者と手を組んでるなんて……! なんで、どうやって……!」

 

 自分たちの眷属が全員消え去った事を繋がりから感じ取った遠野姉妹が、目論見が砂と崩れ去った事を知って困惑と怒りの声を迸らせる。そしてそんな彼女たちを見つめる望はただ落ち着いた表情で、今回の本校舎における自分たちの作戦を告げた。

 

「私たちが湊くんを奪還してこの本校舎に連れて来たのは、何も彼を助けたいって言う私の我儘だけが理由じゃないの。彼を助ける事で、あなたたちを自分のテリトリーである旧校舎から私たちの拠点であるこの本校舎へと攻め込ませるのが当初からの作戦だったの」

 

 それはバニタスの助言を元に虚飾の権能者たる彼が立案した、強すぎる色欲の二人を倒すための策略。ただでさえレベル差がありすぎる二人に、さらに地形と拠点であるが故の恩恵まで与えられては勝ち目は万に一つもないと判断した虚飾の王は、自分たちに有利な本校舎の異界に二人を呼び込む事を提案した。

 

 攻め込むのではなく、攻め込ませる。何もかも未知で相手の有利に働く敵拠点から、戦力が整い、勝手知ったる自分たちの拠点に戦場を移す。そして何よりの利点が、本校舎であれば館とこころと言う最大級のワイルドカードを戦力として投入出来る事。

 これを持って湊の救出は異変解決の上でも必ず成さなくてはならない必須事項となり、そしてその一番難易度が高かった救出を成功させた時点で、望たちの勝算は一気にゼロから五割方まで上昇していたのだ。

 

 そして残るは、相手の戦力を分散させての各個撃破。幸い一番厄介な相手であった遠野姉妹を覚醒した望が一人で引きつけ、懸念要素であった色欲の悪魔もギリギリとは言え虚飾の権能者と信哉で抑える事が叶った。

 最後に、敵は必ず出口を別動隊に任せて探すはずと言う虚飾の彼の推測が見事ハマり、地味に厄介な眷属たちを別行動させた遠野姉妹と、これ以上とない最高の奇襲を決めた二人の権能者によって戦況は一気に望たち有利に傾いた。

 

「館くんやこころちゃんもそのうち私か彼の方に加勢しに来る。そしたらもう、あなたたちに勝ち目はない。お願い、どうか話し合いで解決させて」

 

 頼みの綱の権能者二人が実はもう静観を決め込んでいるとは露知らず、望は真摯な口調で二人に対して話しかける。そこに打算や下心は一切ない。同じ人を好きになり、助けたいと思う者同士手を取り合いたいと本気で思っている。

 

「話し合い……? この期に及んで、まだそんなふざけた事を言うの?」

「お兄さんを危険に晒す女の戯言なんて聞く気はない! まだアタシたちにはルクスリアがいる! 彼女がいればまだ----っ!?」

 

 望の提案を認めないと、激しく拒絶する遠野姉妹の顔が突如として呆けたように固まり、そして後ろを、ルクスリアと虚飾の権能者たちが戦っているであろう方向を見た。

 

「う……そ……? ルクスリアが、消えた?」

「なん……あり得ない……ルクスリアとの繋がりが、消えて…………え……?」

 

 少女たちの困惑した声。それを聞いて、望は虚飾の彼と信哉の勝利を悟った。どうやってかは知らないが、彼らは強大な力を持った色欲の悪魔を倒したのだ。それはつまり、遠野姉妹の手札が彼女たち以外全滅した事を意味する。

 

「もう、わかったでしょ。これ以上は、もう意味がないの。だから、少しでいい。私のことは憎んだままで構わない。湊くんを本当に救う道を、一緒に模索しよう?」

 

「----ふっ」

「ふざけないで!!」

 

 望が差し出した手。それを跳ね除けようとスミレが叫ぶよりも早く、あかねが怒声と共に極大の冷気の吹雪を解き放つ。

 それを咄嗟に盾で受け止め、しかしあまりにも強すぎる威力に地面を固く踏ん張っているはずの望の足が押されて行く。

 

「勝ち目がない? そんなのであたしたちのお兄さんへの想いを諦められるわけがない! あたしを救ってくれたお兄さんが、幸せになれない未来を受け入れられるわけがない!!」

「……!」

 

 その時、望は初めて遠野あかねの本音を聞いた。お兄さんへの愛だとか、望への嫉妬心だとか、それは全てこの原初の想いから生じた後付けの理由。

 

 好きな人には、幸せな一生を送ってほしい。

 

 遠野あかねが湊に抱く想いは、本当はただそれだけの、どこまでも尊い祈りでしかなかったのだ。

 

「そう……アタシたちを救ってくれたお兄さんが、アタシたちを暗闇から引っ張り上げてくれたお兄さんが、死んでしまう世界なんて間違ってる! そんなの認めない。許さない。そんな世界、こっちの方から願い下げ!」

 

 そしてあかねに続くように、遠野スミレもまたその手から爆発的な炎の息吹を放出する。それはあかねの氷と混じり合い、なのに反発する事なく融合しながら望の盾を喰らい尽くす。

 

 それでも、望は自身を今まさに殺そうとする力の奔流よりも遠野姉妹の心の叫びに耳を傾けていた。

 

 好きな人が幸せになれない世界を認めない。

 

 遠野スミレの血反吐を吐くような絶叫は、どうしようもないぐらいに共感出来てしまうから。

 

「お兄さんは幸せにならなきゃダメなんだから!!」

 

 二人の声が重なり、遂に望の盾に亀裂が入る。そして一度罅が生まれれば、あとは加速度的にその範囲は広がり、望は直後に自身を貫くであろう炎と氷の極光に死を覚悟した。

 無限リジェネは何も不死身になるわけではない。死ぬ前に怪我を癒しているだけなのだから。だからもし、癒えるまもなく全身を消し炭にされれば、リジェネなんて何の意味も持たない。

 

(それでも、私は----っ!)

 

 だけど望は争うのだ。ようやっと二人の原初の想いを聞けたのだから。やっと、二人と心から分かり合えるきっかけを見つけた気がしたのだから。

 

 だけど現実は残酷で。想いの力だけではどうにもならない。盾に広がった亀裂は遂に盾本体の耐久力を超過し、刹那と絶たずに自壊する。そして光の奔流は望を飲み込み、彼女の存在をこの世から消し飛ばして--

 

 

 

「もう、いいんだよ。二人とも」

 

 

 彼女たちが何よりも待ち望んだ少年の声が、全ての悲劇を終わらせるように鳴り響いた。

 

 

 

「…………ぇ?」

 

 その瞬間、望の口からは先ほどまでの悠然と構えた立ち姿からは考えられないほど惚けた声が漏れ出た。

 消し飛ばされたと思った自身の体が、五体満足でそこにはあって、そしてそんな自分の前には何よりも愛しい想い人の背中があったから。

 

「湊くん!?」

「あ、え? お兄さん?」

「うそ、なんで?」

 

 そしてそれを理解すると同時に、望も、遠野姉妹も驚きに目を見開いた。彼女たちにとっての戦いの理由であり、そして何を犠牲にしても守りたいと思った少年が殺し合いの戦場に出てきてしまっていることに、心臓が止まるほどの衝撃を覚えていた。

 

 特に遠野姉妹にとっては望を殺す気で放った攻撃の射線上に突如として、彼が現れたのだ。その驚きと殺してしまうのではないかと言う恐怖は如何程の物だったか。

 

「え、あ、ええ!? ちょ、ちょっと待って! だ、大丈夫なの!? て言うか、どうやってこの世界に!!?」

 

 そしてそんな彼女たちの驚きと疑問を代弁するように、望が目を白黒させながら言葉を紡ぐ。それを見た湊は、この戦場には相応しくないような、それでも彼女たちにとっては何よりも彼らしい微笑みを浮かべた。

 

「ああ、俺は大丈夫。新しく出来た友人……ほら、あの白髪の彼からちょっとおまじないをしてもらってね。ここに来れたのも、彼のおかげなんだ」

 

 そう言って、この異界に繋がる携帯の着信画面を見せる湊に、彼が言う白髪の彼が誰なのかを察した望は今度こそ、虚飾の権能者に尊敬を超えた畏敬の念さえ感じてしまった。

 

「実は望が出て行って入れ替わりで彼が訪ねて来てね。必要になるだろうからって、ここに来るための着信番号を貰ったんだ」

 

 そしてここに着いてすぐに彼の眷属から【権能の否定】なる能力を貰って、ここまで走って来たのさ、と。そう語る彼に、もう望はただ呆気に取られるしかない。

 こんな、いつ死ぬかもわからないような場所に来る彼の胆力に怒ればいいやら嬉しがればいいやら、ついでに全てを見越していた虚飾の王と、それを黙っていた事をどう問い詰めようかとか、色々な感情が望の頭の中を駆け抜ける。

 

「色々言いたいことはあるだろうけど……今は、あの二人と話し合わなきゃね」

「…………!」

 

 彼の言葉に、視界の向こうで遠野姉妹が怯えたようにぴくりと震えた。それは先ほどまでの強烈な圧力と覚悟を伴った目からは考えられないような、まるで親に叱られるのを恐れる子供のような心象を、望は覚えた。

 

「あかね、スミレ……ようやく、二人と話ができる」

「……っ、な、何……お兄さん? い、言っとくけど、あたしの想いは変わらないからね……お兄さんを死なせない……そのためならお兄さんは一生あたしたちの側で監禁して、愛してあげる……!」

「お兄さんが幸せになるためには、この世界にいるしかないの。でも安心して、アタシとお姉ちゃんがずっとお兄さんを快楽で溺れさせて……幸福にしてあげるから!」

 

 近づく湊に、遠野姉妹はその瞳を再び闇に染めながら狂ったように言葉を紡ぐ。だけど、それが虚勢でしかない事を湊は、そして望でさえわかってしまう。だって脅すように妖しく笑って手を翳す二人の足は、わかりやすすぎるほどに震えているのだから。

 

「お、お兄さん? な、なんでそんなに不用意に近づいて来るのかな? あ、あはは……そっか、やっぱりあたしたちから与えられた快楽が忘れられなかったんだね?」

「二人には、謝らなきゃいけない事がたくさんある……許してもらえないほどいっぱい」

「や、やめてよ。お兄さんが謝る事なんて、何にも、ない……っ! アタシたちが好きでやってる事で、お兄さんは、ただそれに溺れてれば……」

 

 遠野姉妹の仮面が剥がれ落ちて行く。望があれほど頑張って、ようやく本音を引きずり出せた二人を、湊はただ普段通りであるだけでガラス細工よりも容易く彼女たちの心の壁を取り払う。

 

「でもまずは……うん。ありがとう、あかね、スミレ。俺を、こんなに頑張ってまで救おうとしてくれて……」

「あっ……」

 

 そして、ゼロになった距離で、湊はただ優しく二人を抱きしめた。彼女たちがした事、起こした悲劇、それらを全部受け入れて、理解しながらも、湊は二人に感謝した。

 それほどまでに自身を想い、助けようと心が壊れるほどに戦ってくれた大切な幼馴染に、惜しみない、心からの思いを。

 

「二人はやっぱり、本当に大切な俺の家族だ。愛してるよ、二人とも」

 

 それが限界で。そんな事言われたら、彼のために悪魔とさえ契約した二人が、耐え切れるはず、なくて。あかねとスミレは、まるで今まで封じていた思いが決壊したようにその目から大粒の涙をこぼして。

 

「あ、ぁぁあ……! お、お兄さん……あたし、あたし……! お兄さんに、幸せになってほしくて……死んでほしく、なく……て……!」

「ひぐっ、ごめ、ごめんなさい……ごめんなさい、お兄さん……! でも、死んじゃやだ……死なないで……ずっとアタシたちと一緒にいて……!!」

 

 それはまるで憑き物が落ちたかのよう。いや、その表現はあながち間違ってない。

 

 ルクスリア、色欲の悪魔との繋がりが消えたことで彼女たちを蝕む狂気が緩和したのだ。悪魔と契約した権能者は皆、その悪魔によって元となった想いを暴走させられる。

 

 彼女たちの愛の深さ。それに付け込み、より混乱を巻き起こす形で、彼女たちの愛のベクトルを想い人さえ顧みないほどに歪ませた諸悪の根源たる悪魔が消え去った事で、ようやく二人は湊と本心で言葉を交わす事が出来た。

 

 そしてそんな三人に、蚊帳の外に置かれてしまった今回の立役者たる生徒会長は幸せそうに微笑みながら、姉妹を抱きしめる湊の背中からそっと話しかけた。

 

「ふふ、これで少しはハッピーエンドに近づけたかな?」

「望……ありがとう。さすがは、俺が憧れた生徒会長」

「ううん、君がいたから私はここまで強くなれた。感謝するのは私の方」

 

 それは偽らざる望の本音。自分がここまで頑張れたのは、間違いなく湊に今までの自分を肯定してもらって、そして背中を押してもらったからだと。

 そしてだからこそ、もう望は自分のエゴを押し隠すようなことはしない。

 

「それに、まだ君を助ける事……私も諦めたわけじゃないから」

「助けるって……俺の体は……」

「うん、そうだね。ここを出たら死んでしまう。わかってる。その上で、私は諦めないって言ってるの」

 

 それはめちゃくちゃに聞こえるかもしれないわがまま。湊が生きながらえる道を彼のために否定しながら、それとは別に彼を救う事を諦めないと宣う。

 身勝手で、自己中心的。でもそれが、人を救うってエゴなんだと今の望は理解したから。

 

「だってこの世界は権能者や悪魔やら異世界やら、常識じゃ考えられない事態ばっか起こってるんだよ? だったら、君の病気を無くせる何かだって、あるかもしれないでしょ?」

「お姉さん……それって……」

 

 そしてその救うための可能性も、あながちないわけではないのだ。二人の会話を聞いていたのか、涙に濡れた顔をあげる遠野あかりに、望は強く頷く。彼女たちの想いを肯定するように。自分もまた、あなたたちと同じだと証明するように。

 

「私は君を死なせない。でもそれは、君が望まない形でやっても意味がない。だから、私はみんなで幸せになれる可能性を追求する。そう、決めたの」

「………………そっか。まいったなぁ、望は。やっぱり、すごい強い人だよ、君は。俺が知る、誰よりも」

「ふふ……君の騎士だもの、当然でしょ?」

 

 

 こうして、一人の騎士と二人の魔王、そして一人の王子様の物語は一つの決着を見せたのだ。

 

 

 

 

 

 

「さすがだな。まさかあの姉妹と和解しちまうなんて……これも、予知してたのかよ?」

「ううん、私が予知したのはこの戦いが彼らの勝利で終わることだけ。その勝利がどんな形の物で決着するかは、私が見た時は確定してなかった。だからこれは、生徒会長と湊くんの掴んだ奇跡」

「奇跡……ねぇ。あんまり好きな言葉じゃないんだがな」

 

 そしてそんなハッピーエンドの大団円を側から邪魔にならないように見届ける『暴食』と『怠惰』の権能者。もし何かあればいつでも駆けつけられるような位置で、武器を構えて見守っていた二人は最高と言っていい決着を迎えた彼らを暖かく見守っていた。

 

 そしてそんな彼らへと近づいて来る第三者の気配。それが誰かを足音だけで何となく察していた二人は、今回のもう一組の功労者たちに振り向いて笑いかける。

 

「よかった。二人とも無事だったみたい」

「よう、ずいぶんひどい傷……って、フンコロガシの奴気絶してんのかよ…………ほら、そいつを貸しな。保健室に運んどいてやるからよ」

 

 こころが現れた虚飾の少年に笑いかけ、館が彼の眷属にお姫様抱っこで担がれる信哉に、フンコロガシにしてはよくやったな、なんて彼が起きていたら絶対言わない褒め言葉をかけながら近づいて行く。

 そんな二人に虚飾の王たる彼もまた、お互いの無事と、向こうで抱き合って笑い合う湊たちを見て一瞬感じ入るように深く頷く。それは、辛い戦いを終えた仲間たちの安らぎの時。

 

「ん? そう言えば、その眷属見たことない姿をしている。新しく手に入れたの?」

 

 ふと、信哉を運んでいた虚飾の王の眷属を見て、こころが疑問の声をあげる。自然に虚飾の少年の隣に連れ立って来た見慣れない眷属の存在に、当然の疑問を抱いたのだ。

 

 それは他の眷属たちと同じように人間の骨を模った----まるで全身の肉を剥ぎ取られたかのような姿の女型の眷属器。

 

 それがこころの疑問に反応したように、ギチギチと金属音を響かせる。それが、まるで悲鳴のようだとこころは感じた。

 

「----」

「色欲ノ眷属? …………そう。なんにせよ、新しい戦力を手に入れたのは喜ばしいこと」

「んなこと後でいいだろ? 怪我人を放置して呑気に団欒する趣味はねぇんだ。とっととこのフンコロガシを連れてくぞ」

 

 だがその疑問も、館の至極真っ当な言葉で霜と消える。

 

 眷属から信哉を受け取った館が彼を背に担いで現実へと帰って行く。そんな口が悪いが親切心を隠す気もない男に、呆れたようなため息を吐きながらこころも続くような現実へと戻って行き。

 そして最後に残された虚飾の王は、友人をここまで運んでくれた彼の新しい眷属に無感情なまま、これからの友好を告げるのだ。

 

【よろしく、ル◼︎ス◼︎◼︎】

『ハイ、我ガ主』

 

 心ないはずの無機物な眷属器が、一瞬恐怖で震えたような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 それから湊、そして遠野姉妹は虚飾の王を中心とした異変解決チーム、新生徒会のメンバーとして加入して共に事態の解明に乗り出す事になった。

 そこであった数々の戦いや悲劇、そして黒幕の存在を、ここで明かすことはない。

 

 重要なのは、全ての戦いを終えた先で、望と遠野姉妹は望む結末へとたどり着く、どんな願望も叶える力を持った外なる世界の神と相対し、そして願いを叶える権利を得たということ。

 

 虚飾の彼の協力を得て手に入れたいその権利によって、望が願う内容は決まっていた。

 

 

 

 

 

 

 

「うう、さすがに恥ずかしいよ」

「そう? ならお姉さんは出て行ったらどう? 代わりにあたしたちがお兄さんとたっぷり愛し合うから」

「ねぇ、お兄さん♡ もうアタシ我慢できないよ……早くお兄さんのおちんちんで、アタシのアソコを躾けて♡」

 

 むわり、と強烈な雌臭が充満する部屋の中でベッドに膝をついた三人の美少女たちが下着姿で想い人たる少年を誘惑する。

 

 自身の清楚さを表すような水色の下着を晒し、赤い髪をうなじで結んだ日向望は体から熱が漏れるのではないかと思うほど肌を朱に染め上げながら、愛しの恋人へと恥ずかしげに目を潤ませる。

 だが彼女は気づいているのかいないのか、そんな自身の姿が実に男性の劣情を唆るものになっている事を。

 

 そしてそんな望の隣で煽るように言葉を投げかけるのは、『新御門のシンデレラ』と呼ばれ、そしてその呼び名に似合った穢れなき純白の下着を履いた遠野あかね。

 素の毒舌的な内面を隠す気がお兄さんの前限定とは言えなくなったからか、穢れなきという部分には語弊が出るが、むしろその天使のような風貌と見え隠れする腹黒さがより背徳的な淫猥さを感じさせる。

 

 最後に目をハートにして、発情したように頬を上気し、熱い吐息を吐く扇状的な黒の下着を履いた遠野スミレがお尻を突き出すように身を屈めて誘惑してくる。

 『新御門の小悪魔』と呼ばれながら、実は姉よりも純情で乙女な彼女は大好きなお兄さんと遂に合意の上で愛し合えると言う現状に、寝室に入ってからずっと熱に浮かされてっぱなしなのだ。

 

「ううん、それはダメ。せっかく湊くんと事件が解決してからの初めてのセックスなんだもん。お預けなんて……無理。はぁ、はぁ……♡ だから、お願い湊くん。私のここに、君の熱いの、突っ込んで♡」

「むっ……やっぱりお姉さんは油断ならないなぁ。清楚ぶって、こんな雌の顔をするんだから。ね、お兄さん♡ あたしのおまんこの方が、お兄さんのおちんちん、気持ちよくできるよ? それはあの霧の部室練で何度もあたしの子宮に射精したお兄さんならわかってるでしょ? さぁ、またあたしの膣内にいっぱいお兄さんの愛をちょうだい♡」

「だめ、お兄さん! 生徒会長やお姉ちゃんより、アタシにおちんちんちょうだい! アタシのおまんこが、一番お兄さんを気持ちよくできるから! だってアタシたちの相性は最高なんだよ? ボタンと穴が噛み合った、世界で一番の運命の二人……それがアタシとお兄さん♡ 大好き……愛してる……だからお兄さんも、アタシを愛して……♡」

 

 三人の美少女からの、雄を殺すこれ以上とない極上の誘惑。それを受けた来島湊は、ただごくりとそのどんな桃源郷よりも魅力的な光景に目を釘付けにされて、股間に集まる熱を意識せざるを得なかった。

 

 病気を望たちの尽力と、そしてその末にあの外なる神によって解決してもらって健常者と同じ、いやむしろそれ以上に健康な体となった湊は、逃れ得ぬ死の恐怖が無くなったからこそ、今までは目を背けられていた彼女たちの女としての魅力と自分への愛の深さに向き合わされてしまった。

 

 ごくりと息を呑んで、まるで誘蛾灯に誘われる虫のようにふらふらと、彼女たちの劣情的な臀部とそれを包む下着に手を近づける。

 

「んあっ♡」

 

 むにゅりと、手に吸い付くようにヘコむ少女たちの美尻。きめ細やかな肌艶はそれだけ女としての理想的で、それでいて全員が微妙に違う弾力を持っている。

 

「ぁあっ♡ 湊くん……そんなに撫でられたら、私……んっ♡ だめ、ずっと出来てなかったから……これだけで……幸せでイっちゃいそう……!」

「お兄さん……はあぁぁ♡ 幸せぇ……好きな人に体を触ってもらうのって、どうしてこんなに幸せなんだろう……♡ ふあ、あふぅ♡」

「んっ、んんっ!♡ お兄さん、もっと、もっと私の割れ目のところを強く触って……♡ お兄さんに触られるだけで、愛液流しちゃう私の淫乱なアソコ、お兄さんに感じて欲しいの……♡」

 

 湊の水色の下着からはみ出た尻たぶを揉み、あかねの白の下着に包まれた鼠蹊部を撫で、スミレのぐっしょりと濡れた黒の下着の股間部をくすぐるように擦る。

 

 同性からも異性からも尊敬を集める生徒会長と、学園のアイドルとして男子生徒から絶大な人気を誇る遠野姉妹、その三人を並べて尻の揉み心地を比べていると聞けば、新御門全生徒から百回は殺されそうな羨望の体験だろう。

 そしてその体験を出来るのが、後にも先にも自分だけだと言う、雄として優越感を覚えずにはいられない事実に、湊の股間はパンツの下で痛みさえ感じるほどに膨らんで来る。

 

「あっ♡ もう、辛いよね。いいよ、好きな時に、好きなように私たちの誰かに突っ込んで♡」

「上の口でも、下の口でも……そしてもちろんお尻の穴でも……お兄さんが望むままにあたしたちの中に入れて、めちゃくちゃにして、びゅーびゅー射精していいからね♡」

「妊娠とかも気にしないでいいから。だってアタシたちはもう結婚するのは決まってるんだもん♡ お金も……ふふ、パパに頼めばいっぱい結婚祝いで出してくれるから」

 

 それは小悪魔を通り越し、淫魔たちの堕落の誘い。色欲の悪魔よりも色欲の化身と言う言葉が似合いそうな三人の美少女は、指先で、足先で、甘い吐息で、湊の敏感になった体を刺激して来る。

 

「ほら、最初は私の中に挿れて」

「だぁめ、最初はあたしだよね……お兄さん」

「お兄さん、アタシの膣……もうこんなに濡れてるよ」

 

 思考全てを埋め尽くす、彼女たちの言葉に遂に湊の理性は限界を迎えた。

 

「ぁああっ♡ やった、お兄さんの一番目、アタシがもらい♡」

 

 そして獣欲のままに取り出した肉棒で最初に突き刺したのは、スミレの膣穴。彼女の黒のショーツをずらして、そのまま前戯も無しにチンポを突き刺す荒々しい挿入は、彼女が大量の淫液で膣道を満たしていた事でスムーズに最奥まで達した。

 

「あっ、ぁぁあああッッ♡♡♡ すっご……お兄さんのおちんちんとアタシの子宮口、キスしちゃってる……あはぁ♡ お兄さんが、自分からアタシのおまんこ貫いて、子宮までパンパンしてくれてる……♡」

 

 そしてそのままスミレの腰を掴んで、激しく彼女の尻に自身の股間を打ち付ける。すでに何度も体を重ねた彼女の膣は、それでも初めてと言える湊側からのピストン運動に歓喜の震えをあげながら彼のチンポをぎゅぅぅっと締め付ける。

 

「うう、しょうがないとは言え湊くんが私以外の人とエッチしてるのを見るのは、胸が痛い……」

 

 一方、そんな二人のラブラブなセックスを見させられてしまった望が、何とも言えない表情で胸を痛める。遠野姉妹と共に彼の恋人になる事を納得した彼女だが、それでも初めて好きな人が自分じゃない相手と愛し合っているのを見ると複雑な乙女心を刺激されてしまう。

 

「むぅ……お兄さん、早くスミレちゃんの膣中に射精して私の相手して欲しいなぁ」

「きゃぁ!? お、お姉ちゃん!」

 

 そしてもう一人、あかねの方は可愛らしく頬を膨らませると、自分より早く王子様に愛される妹の胸を指先で弄り始めた。

 

「ちょ、待って、今お兄さんのおちんちんで奥、こんこんされて、んあ、敏感なんだ、から……っ!」

「わかってるよ。だから早くイって、お兄さんのおちんちん締め付けて射精させてあげるの。ほらお兄さん、スミレちゃんの蕩けた雌顔にキスしてあげて」

「ふあ、そんなお兄さん……今のこんな私の顔、見せられ……あっ、んちゅ、ちゅう♡」

 

「うわー」

 

 あまりの淫猥さに少し引き気味になってしまう望の前で、あかねとスミレの美少女姉妹による湊を中心にした甘いプレイが繰り広げられる。

 

 あかねの言葉のままに、後ろを向かせられたスミレの潤んだ顔にキスをして、上の口も下の口も繋がり合う湊。そしてあかねの思惑通り、ぷしゅっとキスイキを決めたスミレの膣が肉棒を愛液でコーティングして、その滑りを良くしてピストンの速度をより高める。

 

「あぁああぁあっ!♡」

 

 ガリガリと勢いを増した肉棒の出し入れの影響か、エラが膣襞にひっかかって擦り上げる。そのあまりの悦楽に、スミレが嬌声を響かせて体を弓形に跳ね上げて、ビクビクと全身を震わせる。

 

 その姿に、湊が彼女の事を心配して腰振りを止めようとし、だがそんな彼の耳元へとあかねが悪魔のように囁いた。

 

「お兄さん、遠慮しないで。スミレちゃんは、イキながらおまんこパンパンされてまた絶頂するのが好きなんだよ。スミレちゃん、変態さんだから。オナホだと思って……激しく、めちゃくちゃにしちゃって♡」

「…………っ!」

 

 天使の振りをした淫魔。自分の番が早く回って来て欲しいからと、妹を快楽地獄に堕とすような事を平然と言うあかねは、やはりスミレ以上に悪女の素質があるのだろう。

 だが幸い、あかねの愛情の全ては湊にだけ向けられていて、そして彼女のスミレ評は決して間違っている訳ではなかった。

 

「あっ♡ イっ、イクっ! お兄さんのおちんちんが、アタシのおまんこ、掻き回して、ぉおおっ、んいぃぃっ、き、気持ちいい……!♡ これ、ぉおっ、おほぉぉっ、す、好きぃぃ♡ お兄さんに、め、めちゃくちゃに、されてぇ……愛されてるって、感じてぇぇ……大すきぃぃぃッッ……!!♡♡」

 

 あかねの言葉通り、スミレはめちゃくちゃにされ、自分が彼の女、恋人、人妻なんだと徹底的にわからされるセックスが大好きだった。それだけ、彼に愛されているとわかるから。自分の運命の人は彼以外にあり得ないと、身も心も深く躾けてわからさせてくれる、快楽を貪る雄と雌の本気交尾。

 

「ぁ、ぁぁあああ〜〜……♡ だいすひぃ、お兄さん……アタシの、旦那ひゃまぁ……♡ 射精して……アタシを、お兄さんの奥さんにして……♡♡」

 

 雄として嬉しすぎるスミレの言葉が、湊の欲望を掻き立てる。新御門の小悪魔、遠野スミレが、幼い時から共に遊び育った彼女が、自分の事を好きすぎて乱れ喘いでいる事実が、湊の射精感を一気に高めた。

 

 膣襞に包まれた肉棒が膨らむ。反射的に抜こうとした湊の腰を、ギュッとスミレの脚が絡みついて阻み、そしてそんな妹を助けるようにあかねが湊の背中を押さえつける。

 

「あっ……ああっ……!」

 

 そして、そんな快感の声を湊はこぼして、スミレの子宮口に密着させた肉棒から溜まった精液を全て放出せんと、勢いよく子種が飛び出て行く。

 

「ぉ、ぉぉ……お兄さんの赤ちゃんの素……いっぱい、いっぱい注がれてる……ん、ぁ、温かい……あはぁ……幸せぇ……」

 

 感極まった表情で陶酔のままベッドに沈むスミレ。そんな彼女の姿を見た望が、熱が移ったように自身の水色の下着から興奮の液体を滴らせた。初めて見た他人のセックスは、どうやら彼女にとっても良い興奮材料になったらしい。

 

「お兄さん!!」

「うわっ!?」

 

 そして望でさえそうなら、愛に溺れて天使からサキュバスへと変貌したあかねが耐えられるはずがない。スミレの膣から肉棒を抜いたばかりの湊を押し倒すと、射精したばかりでまだ萎えている男性器を自身の下着と太ももの間で挟み込んだ。

 

「はぁ♡ はぁ♡ 好き、好き、好き好き好き好き……♡ お兄さん、あたしとも繋がろう? お兄さんとの子供、一緒に作ろう……!」

「あっ……うっ……!」

 

 目を完全に情欲で染め上げて興奮したあかねが、湊の肉棒をむぎゅうと太ももで締め付けながら腰を動かす。そうすると、肉茎が彼女のモチ肌と下着のクロッチと擦れ合い、膣に出し入れするのとはまた別の快感を湊へと送って行く。

 

「ほら、気持ちいいでしょ? あたしの素股コキ♡ 大きくなあれ、大きくなあれ、あたしのおまんこをパコパコして孕ませてくれる理想のおちんちんの大きさになあれ♡」

「あ、あかね……休ませ……っ!?」

 

 湊の必死の訴えも虚しく、激しさを増す素股コキに彼の股間は再び興奮の熱を溜め始める。あかねの下着の割れ目と擦れ合うたびに感じる、濡れた感触。それが彼女の発情液によるもので、それがもう下着の許容量を超えるほどに分泌されているのか彼女の太ももまで淫液でコーティングされ、それによって素股の激しさがより増して行く。

 

 ぐちゅ♡ じゅちゅ♡ とまるで膣内で肉棒を扱いているかのような音が鳴り響き、まだ挿入していないというのに、すでに湊の二度目の射精欲がむくむくと刺激され始めていた。

 

「ふふ、もう十分大きくなったねお兄さん。それじゃ……いただきまーす♡」

 

 そして自身が望む通りの大きさまで膨らんだ肉棒を舌舐めずりして見やったあかねは、一度肉棒を自身の太ももから解放する。するとぬちゃあとスミレの膣内に射精した精液の残りと、あかねの淫液が混じり合った液体が糸を引いて新御門のシンデレラの太ももに橋を作っていた。

 

 そのあまりに卑猥な絵に、さらに湊の肉棒が限界を超えて勃起して、それを優しく両手で包んだあかねが自身の陰部を覆う下着の位置をずらし、亀頭を蜜口へと合わせてゆっくりと咥えて行く。

 

「んぅ、ぁ、ぁぁあああ……♡」

 

 ずにゅうううっと、あかねの綺麗なマン肉に肉棒が埋没して行くのを、騎乗位の態勢になっているために湊はよく見えた。何度も部室練で体を重ねられた経験から、あかねの膣はすっかり湊専用まんこに開発されていて、すんなりと彼の肉棒を最奥まで飲み込む。

 

「ぁあ、ふぅぅ、ぉ、もうすぐ、奥まで、届くよ……お兄さん……♡」

 

 あかねの蕩けるほどに温かい膣が肉棒を歓迎する。ぬるぬるとした愛液が絡み付き、膣襞のおうとつまで感じられるほどに膣道がキツく締め付けて来る。肉棒が膣に入っている、ただそれだけの事があかねと湊に多大な快楽を齎して来るのは、二人の体の相性が良すぎるからこそ。

 

「んっ、ぉ♡ んんっ、お兄さんのおちんちん、奥まで、きたぁ♡」

 

 そして子宮口まで届いた亀頭が重なり合う。愛する人の性器を胎でキスしたのを確認すると、あかねは湊の腰上で激しい上下運動を行い始めた。

 

「ぁんっ♡ あっ♡ あっ♡ いっ、イイっ♡ お兄さんのおちんちん、あたしの中、全部擦って、んぉおっ!♡」

 

 極上の美少女と言っていい遠野あかね、そんな彼女が数多くの男子生徒を虜にした可愛い顔立ちを快楽に歪め、股間に悪いアヘ声を響かせながら一心不乱に腰を振って男の肉棒を貪っている。

 

 それは世の男全てを色欲の庭に堕とし込む魔性の光景だ。これを見ては、インポでさえ性欲をくすぐられて勃起からの射精を決めてしまうほどの淫靡。

 それを独占出来る優越感が、湊の中に確かに生まれて来る。愛液と我慢汁で濡れた肉棒があかねの膣からじゅぶっと抜き取られ、すぐにまた挿入されて温かな膣襞に絡み取られる。

 

「あは、お兄さんも気持ちよくなってくれてる♡ あたしのおまんこで、顔をそんなに蕩けさせて、ぁあああっ!♡ だめ、そんな顔されたら、もう腰振り、止まらない、んぁあ、ぁあっ、ぉお、おっ、おっ、ぉおおおッ!!♡♡」

 

 ぷしゅ、ぷしゅ♡♡ と繋がり合った性器の間からあかねの淫液が潮となって噴き出す。腰に降り注ぐ彼女の汁に、湊の獣欲もまた限界を迎えて来て、自分から腰振りを始めて愛する幼馴染の膣奥を亀頭で打ち付ける。

 

「あっ♡ あっ♡ おく、子宮、貫かれてる、ああぁ……っ♡ イっ、イクっ、気持ち良すぎるよ、お兄さん……! こんな、ラブラブなセックス……愛し合う夫婦の種付けセックス……! んんっ、ぁあっ、作ろう、お兄さんとあたしの愛の結晶、あたしたちの子供……! あたしをお兄さんの最初のボテ腹妻に、正妻に、して……ッ!」

「…………っっ!」

 

 パンっとあかねの亀頭をギリギリまで引き抜いた美尻が、強く湊の腰に叩きつけられる。先端から根本までが一気に彼女の膣に埋没し、亀頭が膣襞にぐちゅぐちゅと揉みほぐされながら子宮口へと到達。脳が蕩けるほどの快感が一度に押し寄せ、そして抗うことも我慢することも出来ずに、湊はあかねの赤ちゃん部屋へと子種を注いだ。

 

「ぁああああぁぁあああっっ!!!!♡♡♡♡♡」

 

 あかねの幸福一色の嬌声が部屋を満たし、彼女の子宮が愛しい男の精で満たされる。膣襞が蠕動運動をして肉棒を刺激し、その最後の一滴まで子宮に吐き出して妊娠させろと貪欲に蠢く。

 天使の皮を被った淫魔に精の全てを搾り取られる。

 

「もっとぉ、もっと、出して、お兄さんの子種、あたしの子宮に出して、種付けしてぇぇ……っ!!」

 

 自身の胎に精液を浴びる快感に病みつきとなったあかねが、射精されたまま腰を動かして二射目を強請る。そのあまりの強いエゴと、彼女の淫乱な姿に、湊の視界は釘付けにされ、このまま彼女に身も心も捧げてしまおうとさえ考え…………そんな彼の頭を我慢のダムが決壊した望のお尻が押し潰した。

 

「なっ、生徒会長さん!? なんで、あたしとお兄さんが愛し合ってる中に入って……!」

「んんっ♡ ご、ごめん……もう、無理……限界だからぁ……♡ こんなすごいの……湊くんの、乱れた姿見て、私……我慢なんて、無理だから……っ!」

 

 突然の乱入に目を血走らせるあかねに対して、形だけの謝罪をする望は自身のぐちょぐちょに濡れた秘部を愛する人の口に押し付けて、擦り付けるように微細に腰を動かしている。

 愛液を湊の口に流し込み、強烈な雌の臭いを醸し出す陰部を鼻先へと押し当て、彼の顔のおうとつで筋を刺激させて快感を貪ろうとする。

 

 男の顔を使ったオナニー。そんなあさましいマネを清廉潔白な生徒会長がしてしまうほどに、彼女の頭は淫欲に支配されていた。

 

「それに……あかねちゃんは、もう中出し、してもらったでしょ? じゃあ、順番、だから……! んっ、ぁあ……次は私が湊くんと、セックス、交尾……する番だからぁ……っ♡」

「っ、それは…………。いいよ、順番だからね。まぁ、お兄さんとのセックスなんて、これから何万回もできるから……譲ってあげる」

 

 そう余裕そうに言って、その実一発中出しされた程度じゃ全然熱が収まりきらない膣を渋々抜き取るあかり。こういう時4Pって不便だよねぇと一人愚痴りながら、望が貪るための肉棒を差し出す。

 その直後、望は自身の秘部を湊の顔に押しつけたまま、彼の股間にしゃぶりついた。

 

「んちゅうう♡ じゅる、じゅぷ、んじゅる♡♡」

「うわぁ……生徒会長さん獣すぎ。これで自分は清純ですみたいなフリしてたの、恥ずかしくないの?」

「なにこれ? 生徒会長さんって、こんなに淫乱だったの?」

 

 あかねと、そしてようやく復帰して来たスミレのドン引きするような言葉さえ耳に入らず、望は一心不乱に肉棒をフェラする。

 喉奥まで飲み込み、舌でこびりついた精液やあかねとスミレの愛液を掃除し、また勃起するように頬裏でコリコリと揉む。

 

 一分とかからずに湊の肉棒は望の唾液で綺麗にコーティングされ、早くも我慢汁を漏らして彼女の舌で味わわれた。

 

「じゅるる、みはとくん、みひゃとくん♡ ひゅひ、だいひゅき♡ んちゅぅぅ……♡」

 

 目にハートを灯した望は好きな男への愛情を発露させながら何度も股間の怒張を飲み込んでは、淫らな音を鳴らして舌先で愛撫する。誰もが憧れる生徒会長 日向望が恥もプライドもかなぐり捨てて雄棒をしゃぶる姿は、彼女を尊敬する多くの生徒が失望するに違いない。

 

 だがそんな事を、もう望は欠片も気にしない。自分を助けてくれたチヨちゃんの代わりとなるために、誰もが憧れる立派な人間を目指すのはもう止めたから。

 望が目指すのは、来島湊の騎士で、お嫁さんで、彼のおちんちんを喜ばせるためだけの雌。それが望の新しい理想の自分。

 

「ぷ、はぁあ……湊くんのおちんちん、美味しすぎるよ……こんなの、ずっとしゃぶってたい……生徒会室をなんとか私と湊くんだけのヤリ部屋にできないかな……」

 

 なんて、今ではすっかり自分と湊の愛し合う日々の方が優先事項の最上位に置くようになった望は、自分の役職さえセックスのために利用しようとするほど性に耽っている。

 それは最初のエッチ以来ずっと体を重ねられなくて溜まっていたからこその、一時の気の迷いでもあるのだが、それでも昔の望からすればありえない思考だろう。

 

「ちょっと生徒会長さん、このままだとお兄さんが窒息しちゃうんだけど」

「え? ひゃああ! ご、ごめんなさい湊くん……私、ちょっと気がどうかしてた!」

 

 スミレの指摘に、慌てて望が自身の尻を上げる。湊の顔はすっかり望の愛液で顔を洗ったばかりのようにびちょびちょで、ようやく新鮮な空気を取り込めて荒い息を吐く姿はまるで陵辱された後のようだ。

 

「うっ……いや、俺は大丈夫。うん、大丈夫」

「……あうう、ごめん」

 

 顔から滴る望の淫液に、さすがの湊も苦笑いして、そんな彼に申し訳なさそうに、だがやったことがやったこと故になんとも言えない顔で謝罪する望。

 

「いいって。俺は、そんな望も大好きだから」

「さ、さすがに、こんな変態的なことはもうしない……はず…………うぅ、自信ない」

 

 望は恥ずかし気に俯いてしまう。もしまた同じような状況になれば、高い確率で自分はまた我を忘れて湊の体に欲望をぶつけると彼女自身もわかっているのだ。それだけ、彼のことを好きすぎるのだから。

 

「それに、俺も望のそんな姿を見てたら、熱くなっちゃったからさ」

「あっ♡」

 

 湊の言葉に望がようやく自分が先ほどまで口で咥えていた肉棒を見やって顔を今度は興奮で赤らめる。雄々しくそそり立ち、ビクビクと痙攣するそれは、自分の処女を破り捨ててくれた何よりも愛しい肉の槍。

 その姿に、望は自然と自身の両手を湊の首に巻き付け、見つめ合う態勢で秘部を肉棒に押し付ける。対面座位の姿勢で、彼と初めて繋がり合った姿勢。彼と愛し合ってると感じられる望が一番好きな形。

 

「挿れるね、湊くん」

「ああ、わかった」

 

 望の割れ目と亀頭がキスをして、お互いが繋がり合っていく。下腹部が押し広げられる懐かしい感覚に酔いながら、望は愛しい人の顔だけを見つめ続ける。

 

「ぁああ、んっ、ふあぁぁ〜♡ 君と、繋がってる……湊くんの温もり、お腹から感じてる……♡」

 

 膣肉を押し除け、内側を支配して来る男の感触。自分の膣はこの人のためにあるんだと感じさせてくれる、熱い鼓動。その温もりに、望は心からの幸福と愛情を感じながら見つめ合う湊の唇へと口付ける。

 

「んっ、ちゅ、んぁ、ふぅぅ……」

 

 重ね合った唇から感じられる熱さえも愛おしい。伸ばした舌先が彼の舌とキスをして、そのままお互いの想いのままに交じり合う。唾液を交換し、相手の口内を舐め上げて、興奮に高まる熱を移し合う。

 

 この人と結ばれてよかった。今まで頑張ってよかった。心からそう思える至福の時間。

 そして上の口で深く愛し合うのなら、下の口もまた愛情深く動かし合う。

 

「んぁ、ぁっ、すごい、湊くんの、擦れて……! あっ♡ ぁあっ♡ 繋がってる、湊くんと、私の全部……繋がってる……!」

「ああ、俺も望の全部、感じてる!」

 

 パン、パン、パンとリズム良く鳴り響く破裂音。望の子宮口まで届く亀頭が、その音色に合わせてコンコンと赤ちゃんを作る部屋をノックして、それに母性本能をくすぐられたのか彼女の膣がぎゅううと締まる。

 

「好き、好きなの湊くん……! 何度でも、何度でも言うよ、私は君が大好きだから……! 君と愛し合って、ずっと一緒に生きていきたいから……!」

「ああ、俺も望が好きだ……!」

 

 二人で呼吸を合わせて腰を動かす。お互いの愛の言葉に二人の性器がさらに相手と深く繋がり合おうと密着を強くする。溢れた淫液とカウパー液が、そんな二人の興奮を後押しするように肝油剤となって滑りを良くしてピストンの速度を上げていく。

 

「むぅ……ちょっと生徒会長さんズルすぎない?」

「アタシも次はあの態勢でお兄さんと愛し合おう」

 

 そしてそんなラブラブなカップル二人のセックスを見させられた遠野姉妹は、少し不満気に頬を膨らます。お兄さんの命を救う手を見つけてくれたからと、特別に自分たちと一緒にお兄さんのお嫁さんになる事を認めてあげたが、それでもここまでイチャイチャされると腹立たしい気持ちは抑えられない。

 

 なので……

 

「お兄さん♡ あたしともキス、して欲しいなぁ♡ ん、ちゅう♡」

「お兄さんの可愛い耳、舐めてあげる。ん、はぁぁ♡ ちゅっ、ちゅぱ♡」

「ちょ、遠野さん!?」

 

 遠野あかねが望とキスをしていた湊の唇を奪い去り、遠野スミレが望の愛の言葉を聞いていた耳を占領する。

 驚く湊と望を置いてきぼりにして、二人の小悪魔は愛しの男の口と耳、味覚と聴覚を自分たちの舌で支配する。

 

「あたしだって、んちゅ、お兄さんのこと好き、ちゅぱ、一番大好きなんだから……生徒会長だけに、甘い言葉囁かないで……じゅるる……!」

「んちゅ、れろっ、お兄さんを一番愛してるのはアタシなんだよ……じゅぱ、ちゅ、アタシがお兄さんの運命の人なんだからね……!」

「ず、ずるい……! わ、私だって……湊くんを愛してるんだから……湊くんを、誰よりも幸せにしてあげるんだから!」

「あ、ぁあああ……!」

 

 三人の美少女が愛を囁きながら同時に耳と口と肉棒を奉仕して来る。そのあまりの快感に、湊は語彙力さえ失ってただ喘ぐしかない。

 この三人のうち一人でも恋人にしたら人生の勝ち組を名乗れる美少女全員を妻にして、その腹に子供を孕らせ、生涯を共にする幸せ。

 

「あっ、ぁああっ、君のおちんちん、膨らんで、あぁ♡ 出して、私の子宮に射精して、私を孕ませて湊くん……♡ あっ、ああっ、私も、イク、イクっ、っっ、イッくぅぅぅぅ……!!」

「〜〜〜〜〜ッッ!!」

 

 限界に近い湊の肉棒が絶頂した望の膣襞が強く締め付け、子宮口が亀頭をここに射精してと挟み込む。そして同時にあかねとスミレの両手が湊の乳首をツンっと摘み、その全身から一変に浴びせられた快感に、湊は今日一番の熱の昂りを望の膣内に吐き出した。

 

 びゅるるるるるるる!!

 

「ぉ、ぉああ、ああぁぁああッッッ!!!♡♡♡♡」

 

 ドクッ、ドクッと鼓動を刻みながら、金玉で生成された全ての精液を望の子宮へと注ぎ込んで行く。

 

 望の全身がピンッと張り詰め、絶頂した体に訪れた体を真っ白に染め上げる熱い液体と快楽に、再び彼女はエクスタシーを迎えて愛液を迸らせる。彼女の体液と湊の精液が混ざり合い、許容量を超えた分が結合部から伝ってベッドへと染みを作った。

 

「ぉ、ぉぉ……ぁああ……妊娠、してるといいなぁ……♡」

 

 幸せに微睡む望が、快楽で蕩けた顔で笑う。脱力した彼女は湊の胸へと倒れ込み、そして二人はお互いの射精後の体温を感じ合うように抱きしめ合う。

 

「はい、生徒会長さんは中出しされたんだから次はアタシ」

「えぇ、ここはもう一回お兄さんに選んでもらうべきじゃないかな? ほら、お兄さんのあかねのおまんこ、まだこんなに熱く濡れてるよ♡」

 

 だがそんな二人だけの甘い時間を許してなるものかと、遠野姉妹は二人を引き離した。「うえっ!」と声を上げて望が膣から無理やり肉棒を抜かれ、あかねとスミレが湊の顔前に自身の膣を広げながら誘惑する。

 

「さぁ、お兄さん……今日はあたしたちが満足するまで、付き合ってもらうから♡」

「最低でも、アタシたちの中に五回は射精してよね♡」

「湊くん……その、私もまだ満足してないから……もっと、愛し合いたいな……♡」

 

 三人の美少女たちが底なしの性欲を瞳に浮かべて迫って来る。自身の手を、足を、体を絡めとる六つの細腕に、湊は諦めたような顔をしてこれから死ぬまで搾り取られ続ける未来を想うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『私と遠野あかり、遠野スミレさんたちが来島湊くんと幸せに添い遂げられるようにして。どんな世界でも。何度、生まれ変わっても』

 

 相対した外なる神に向かって、望が願った内容は、神をしても目を細める物であった。

 そのあまりにも強大なエゴの詰まった願いを聞いた虚飾の少年が微笑み、その願いの意味を理解した遠野姉妹が大きく目を見開く。

 

 日向望が願ったのは、来島湊の病気の完治なんて生優しい物ではなかった。彼女が願ったのは、あらゆる並行世界、そしてこれからの輪廻転生する全ての世界で、自分たちと来島湊が必ず結ばれて幸せになるという確約。

 言い換えれば、来島湊が自分たち以外の誰かと絶対に添い遂げられないようにするという、想像を絶する独占欲の塊な願い。

 

『私、湊くんには幸せになって欲しいし、その幸せは彼の望む物であって欲しい。でも、その幸せの中に、私じゃない誰かがいるのは嫌なの。私が救った君が、私じゃない誰かと幸せになっているなんて…………耐えられない』

 

 ここまでずっと隠して来た、日向望の闇が噴出する。彼女の中の、遠野姉妹にも引けを取らない来島湊への深すぎる依存と愛が、どんな望みも叶える神の前に特大級のエゴを纏って開花する。

 

『遠野さんたちは、いいよ。彼の、特別な人だから。まだ許せる。でも、それ以外はダメ。許せない。仮に並行世界でも、湊くんが私じゃない誰かに救われて幸せになるなんて、嫌。だから、そんな可能性……全部無くしてほしいの』

 

 その時の望の目は、ただ澄んだように光り輝いていた。彼女はこの願いを、悪い物だとは欠片も思っていなかったから。日向望と遠野姉妹と結ばれる事こそが、全並行世界の来島湊にとっても一番の幸せだと、確信しているから。

 

『湊くんは望まないかもしれないけど、それが一番だから。湊くんは願わないかもしれないけど、それが幸せだから。そう思えるように、神様……それ以外の湊くんの紛い物の幸せを……消してください』

 

 その言葉に、初めて外なる神が慄いた。

 その言葉に、遠野姉妹が恍惚の笑みで微笑んだ。

 その言葉に、虚飾の少年は----仲間である彼女が本懐を遂げるのを祝福するように、拍手した。まるで、こうなると最初から全てわかっていたように。

 

【ヨカロウ】

 

 そして世界は作り替えられた。一人の少年の運命を永久に病んだ少女たちに縛り付けるように。もう二度と、彼が彼女たちから離れられないように。

 

 

 

 

 

「湊くん……大好き。私は君の騎士だから……ずっと君を守るから……湊くんも、私以外に守られちゃ、ダメだぞ」

 

 

 

 

 

Happy End Endless End-愛鎖ノ盾-

 

 





日向望
 愛の騎士。愛する人の隣に居られるなら正妻とか二番目とか気にしない。でも好きな人が自分以外の人と結ばれるのはたとえ平行世界でも許せなかった。主人公への依存心が強すぎて、まともに見えて実は誰よりも手遅れだった。

遠野あかね
 恋敵が思いの外ぶっ壊れてたけど、同じくらい壊れてるから特に気にしなかった。むしろお兄さんを愛しているならそれぐらいの重さがないと許されないよね。
 
遠野スミレ
 泥棒猫が美味しいところを持っていったのはムカつくけど、お兄さんと絶対に結ばれる運命に確定させてくれたことは素直に感謝してる。それはそれとして正妻の座を譲る気はない。

来島湊
 どうあがいても日向と遠野姉妹と結ばれる幸福な男。世界の理を捻じ曲げる外宇宙からの干渉者たる神の力なので、来島湊の魂が認識され続ける限り何度輪廻転生しようが絶対に最後はあの三人に絡み取られる。

虚飾の王
 本作の影のMVP。学園の異変を解決すると言う妹?からの頼みを叶えるために、RTAみたいな効率で鬼畜ゲーの如き遠野姉妹戦を攻略した。だから湊くんとメルアドを交換する必要があったんですね(biim兄貴リスペクト)
 原作の主人公は選択肢以外で喋らないキャラなので、本作の彼の描写はほとんど作者の想像。ミステリアスなメガテン系主人公はこのぐらい正常なまま狂ってるぐらいのヤベェ奴でいてほしいと言う願望。
 望が正統派主人公ぶりを発揮してしまってたので、埋もれないように作者の癖を載せたらニャル様みたいな存在になった。ちなみに原作既プレイの方に言っとくと、ルクスリアが気づいてしまったのは虚飾の王を創り出したあのメスガキの存在……ではなく、その彼に干渉した『外宇宙の神』の存在を知ってしまったからです。
 眷属の生まれ方も作者の独自解釈ですが、眷属の見た目と、彼らが仲間になる方法がそれぞれ対応する大罪の悪魔を倒した後と言うのを考えると……ヒェッ。

他のパートナーキャラ
 モナーク二次書くなら全員登場させないと。三人はそれぞれ望が神に願った事を知らないのて、単純にお幸せにぐらいの感覚で四人を見てる。この世界線だと、多分こころちゃんが原作主人公といい感じになる。四人の重婚うんぬんは、館の兄貴と信哉くんが解決してくれました。





バニタス(ヨ◾️・◾️トー◾️)
 女こわいなー(外宇宙に)とづまりすとこ。
 


 ここまでお読みいただきありがとうございます。
 めちゃくちゃ長くなっちゃったけど、ようやくモナーク純愛はこれで完結です。次に書き進めるシリーズ予定のはまだシルヴァリオやアトリエやFF10があるので、そのどれかを書きます。

 戦闘シーンとかあれこれは、他のパートナーキャラや原作主人公の戦闘シーンを書きたいために組み込みました。少しでも二次創作の少ないモナークの魅力を表現したくて。
 もしモナークをまた書くとしたら自分を黒幕だと思ってるメスガキさんかな?

もしFFのエロをやるならどのナンバリングが見たい?*FF7は意図的に外しています

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