※この作品はR-18です。

マイナーキャラ妄想短編集   作:ニンニク嫌い

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 もしジェイルの王となったアリスに大好きな想い人がいたら?

 遅くなりますが、あけましておめでとうございます。どうして年始ってあんなに忙しいの? 今年ものびのびと投稿させてもらいますので、よろしくお願いします。



ペルソナ5S(柊アリス)純愛

 

 

「ねぇ、開けて〜? いるんでしょ?」

 

 東京の郊外に居を構える簡素なアパート。家賃が月5万も行かないような、安月給や上京したての苦学生が住むようなそこのある扉の前で、明らかにそこに訪れる類の人間では無さそうなオーラを纏った人影が戸を叩いていた。

 

「開けて〜、開けてよ〜! 君の彼女が帰ってきたんだよ? 部屋に入れてくれてもいいんじゃないの?」

 

 ドアノブをガチャガチャと何度も回しては、ドンドンと強く扉を叩いて中にいるかもわからない相手、いや訪問者からは居ると確信している相手へと語りかける。

 

「君の可愛い彼女が仕事を終えて帰ってきたんだから、おかえりのハグで迎えてよ。私だよ? 君の恋人で、将来を誓い合った未来の奥さん、柊アリスだよ?」

 

 その訪問者の正体こそ、昨今日本の若者たちのブームの最前線に立つ超有名インフルエンサー、柊アリス。

 

 不思議の国をイメージにした新機軸で独創的なファッションデザインで脚光を浴び、本人の優れたルックスも相まって一躍世間の人気者となった彼女は、今ではテレビのお茶の間どころかCMや広告誌で彼女の顔や商品が載らない日はないと言えるほど大ブレイクしている。

 

 自身が手がけたファッションを見に纏い、ふわふわした天然な性格、悪く言えばあざといその強烈なキャラクター性は今では柊アリスのシンボルであり、多くのファンが彼女とあの童話の世界観のような服を関連づけて連想する。

 

 そんな彼女が変装用の黒帽子と、全身を地味目な衣服で着飾っているからか、普段の奇抜な格好をしている彼女と同一人物だと思える者はまずいない。彼女の熱心な追いかけでさえ、初見で見破ることは不可能だ。

 

 それこそ、こんな郊外の貧乏人が住んでいるようなアパートに押しかけてきて扉の前で喚く、痛いメンヘラのような行為をしているのがあの柊アリスだなんて、彼女のアンチでさえ思いはしないだろう。

 

「ねぇ…………開けてよ」

 

 アリスの声のトーンが低く重さを増した。

 それに従って、彼女の発する雰囲気がだんだんと恐怖さえ感じるほどに冷めた物へと変わっていく。

 今までドアノブを回していた手で、鉄で出来た表面を撫でながら恋人にもたれかかるように扉に体を預ける。

 

「いいのかな〜? このままだと私、ここで君の名前呼びながら泣き叫んじゃうよ? 今をときめくスーパーインフルエンサー柊 アリスが、彼氏に部屋を締め出されて号泣してたなんて記事が出たら困るよねぇ?」

 

 それは脅迫だ。自分の社会的地位を使っての、扉の先にいる彼への脅し。

 その風評によって齎される被害の度合いを鑑みれば、誰がどう考えても柊 アリスの方が多大なるイメージ低下を招くとわかるのに、当のアリス本人は平然とそのカードを切ることを戸惑わない。

 

 なぜなら彼女にとって今の地位も、ファンたちも、彼の存在と釣り合うものではないのだから。

 

「私のファンはもちろん、君の両親も許さないと思うなぁ? でも大丈夫! だって君はそんな事しないって、私知ってるもん! 君だけは私を裏切らない。私を悪夢から連れ出してくれたうさぎのヒーローさん」

 

 だけど彼にとっては違う。

 彼は今の私を大切に思ってくれている。

 私と彼で築き上げた世界(ファッション)が日本中を折檻するブームになった事を誇らしく思ってくれている。

 

 それこそ、世間から注目されるようになった私のためなんて、見当違いな気遣いをして行方を暗ましてしまったぐらいに。

 

「さぁ……数えるよ。五……四……三……」

 

 効果は覿面だった。

 扉の向こうからドタドタと走ってくる音が響いて、鍵を解錠するガチャガチャ音。

 そして扉が開くと、そこにはアリスにとっての愛しの王子様があの日と変わらずにそこにいた。

 

「あっ♡ 開けてくれた♡ もう、お風呂にでも入ってたの? 私をこんなに待たせるなんて、君じゃなかったら許さないんだから」

 

 何か言葉を紡ごうとする彼の首にアリスは両腕を回して抱きしめた。そしてそのまま、たたらを踏んだ彼を部屋の中へと押し込めて後ろ足で扉を閉める。

 

 ガチャリと、扉に鍵をするのも忘れない。

 念の為。

 うさぎが逃げないように。

 

「うん、もちろん君だったら私をどれだけ待たせても良いし、私を好きな時に呼びつけても構わないよ。どんな仕事が入ってても、キャンセルして君の元に駆けつけてあげる♡ だって私は君の物なんだもの♡」

 

「まさか叔父様や叔母様にまで引っ越し先を教えてないとは思わなくて、探すのに少し時間かかっちゃった。でも、これも私の君への愛を示すためだと思えば、全然苦しくなかったよ!」

 

「でもどうして引っ越し先を恋人の私に教えてくれなかったの? 私が忙しそうだったから遠慮しちゃったのかな? それとも誰か悪い人に変な事言われちゃった?」

 

 アリスが彼を壁際に押さえつけながら優しく、だけど有無を言わさない強さで質問する。

 

 彼が自分の前から出て行った理由。

 だが質問しておいて、アリスはその訳を全てわかっている。

 

 彼は有名になったアリスの成功を思って身を引いた。その裏で、彼にそうするように頼んでいたアリスの元プロデューサーの存在。

 

 その全てを、アリスはもうわかっている。わかった上で彼に説明させようとしている。彼の口からその事実を言わせる事で、申し訳なさを彼に感じさせて主導権を握るために。

 

「あはは、嘘なんて君らしくないね。知ってた? 君って嘘をつく時まばたきが早くなるんだよ?…………うん、それは嘘。でも、単純な君は簡単に引っかかってくれたね!」

 

 この期に及んで件の元プロデューサーに義理立てしているのか、自分で決めてアリスの下を離れたと言う彼に不思議の国のアリスは嗤う。

 

 その様は、まるで悪辣なるハートの女王のようで。

 

「君が私の前から勝手にいなくなる訳ない。だって私たちは世界一のベストパートナー。不思議の国のキングとクイーン……そうでしょ?」

 

 安アパート故の簡素な布団しか置かれていない小さな一畳部屋に彼を押し倒す。

 社会的大成功を収めて東京の一等地の高層マンション最上階に住む自分と違い、隙間風さえ入りそうなほどにボロボロな彼の部屋。日本中を席巻したファッションを生み出した共同開発者なのにあまりに違うその現状に、その原因を作り出したすでに復讐をし終えた男に、アリスの心は強く深い憎悪を湧き立たせる。

 

「安心して。君を惑わした悪いチェシャ猫はもういないから。私たちを引き裂こうなんて身の程知らずの事をしたあいつには、死んだ方がマシってぐらいの報いを受けてもらったもの」

 

 そう、本当に死ぬほうが何十倍もマシな目にあってもらったのだ。

 

 アリスが手に入れた未知の力。詳細は省くし、アリス自身もある日突然手に入れたのでよく理解していないが、その力を使って彼女は元プロデューサーにありとあらゆる心身的苦痛を味わわせた。

 

「私たちの関係に対する世間の反応も問題ないよ。もうすぐみんな私の虜になって、文句を言う人はいなくなっちゃうから」

 

 ずっと会いたかった、ずっと触れ合いたかった愛しい彼の頬を両手で優しく撫でながら、アリスは自分の将来を慮ってくれた恋人を安心させるように甘く囁く。

 

 その意味を、きっと彼は理解できないだろう。アリスが今日本中の人々に、一体何をしているのか……人の普遍無意識を自由に行き来する力を持たない彼には察知する事もできまい。

 

 妖しく瞳を輝かせて彼を見つめるアリスは、馬乗りになった態勢のまま恋人の上半身の服を捲り上げ、その下の素肌に指先を重ねて行く。どくんどくんと、震える心音を感じて恍惚の笑みを浮かべて行く。

 

「だからまた昔みたいに一緒にお洋服作ろう? 朝から晩まで、同じ部屋で同じ時を過ごしながら私たち運命の赤い糸で結ばれた二人の新作を作り出すの。世界中に、私たちの愛が生み出した作品を見てもらうの」

 

「ね、素敵でしょう? 私たちがこの世界で最高のカップルだって証明するんだよ。もう誰も、私と君を引き裂くことなんてできない。ーーーーいいえ、させない」

 

 アリスの愛情に染まっていた声に、隠しきれない独占欲と言う名の狂愛が満ち始める。馬乗りになっている事で彼の体に押し当てていた下半身が、興奮に釣られて秘部を擦り付けるように前後運動を開始する。

 

「私たちを邪魔するクズや、苦しめるお邪魔虫さんたちはみ〜んな、私たちの不思議の国には必要ないんだから」

 

 アリスは嗤う。不思議の国に落ちたアリスのように無邪気に、不思議の国の女王のように無慈悲に、全てを嘲笑うチェシャ猫のように彼以外の価値なきモブたちを笑う。

 

 その姿に、彼は何か空寒い物を感じたのだろう。アリスの下で怖気たように震え、そして何か気付いてはいけない事に気づいたかのように恐々と、彼はつい最近起きた元クラスメイトたちの不幸について質問した。

 

 元々人気インフルエンサーだったアリスが急激に日本一のトップインフルエンサーになるのと時を同じくして起こった、ニュースにもならなかった訃報。

 

 当時、アリスをいじめていた女子生徒たち全員に起こった何の事件性もない悲劇。

 

「え? 私をいじめてたあいつら? そういえば、みんな死んじゃったんだってね」

 

 それに、アリスは日本中の男女を老若男女魅了した笑顔を浮かべながら、あっけらかんと答えた。

 

「自殺したんでしょ? でも、それがどうしたの? 君をあんな目に遭わせた人たちなんて、死んで当然だったでしょ?」

 

 アリスにとって初めての共同製作作品。それを踏み躙ったいじめっ子たちに掴みかかった彼を、彼女たちは次のいじめの標的にした。ありもしない最低な噂を学校はおろか街中に流布したのだ。それが、アリスの元プロデューサーが彼をアリスから遠ざけようとした理由の一因となるほどの、口にするのも憚られるデマを。

 

 憎悪を、赫怒を、そしてざまぁみろと言う内心を隠そうともしないアリスの口調に、彼女に押し倒される彼がまさかと口をこぼした。もしかして、君が?と声にならない懐疑の視線がアリスに向かう。

 

 それをアリスは憎々しさと、同じくらいの喜悦を含ませて応えた。復讐を終えた人間が嬉しそうにその結果を報告するような声色で喋った。

 

「だって、あいつらだけは許せない。こんなに優しい君を苦しめたあいつらには、それ以上の苦しみの上で自分から命を絶ってもらわなきゃ割に合わないでしょ?」

 

 そんな、ほとんど自白に近しい言葉。

 目を見開く彼に対して、アリスは蠱惑的な微笑を浮かべて艶やかに自身の唇を指先でなぞる。その瞳の奥で、周りの人間全てに裏切られ、侮蔑され、自ら命を絶った彼女たちを嘲笑いながら。

 

「そう言うことができる力をね、私は手に入れたの。君と幸せになるために、神さまが私に授けてくれたんだよ。この力があれば、もう誰も私たちの愛(絆)を妨げられない。私たちの愛(作品)を壊させない」

 

「私と君の愛(世界)を、日本中に……いいえ、世界中に知らしめられるの」

 

 狂ったように、アリスは自分の展望を告白した。ある日自身のEMMAに宿った、自身と友達登録した人間を虜にして思い通りの奴隷に変えてしまう力を知ってからずっと考えてきた未来を、それを共に歩いて欲しいと思う愛しい彼に告解する。

 

「だから、もう一度私と一緒になろう」

 

 彼ならきっと喜んで受け入れてくれる。

 そう確信していたアリスの法悦に染まった笑みは、しかし悲しそうな顔で首を横に振った彼によって固まる事になった。

 

「ーーーーえ?」

 

 呆然と、現実を受け入れられないような短い絶望の声がアリスの口から零れ落ちる。赤みを帯びていた頬が死人のように色素を無くしていき、瞳孔が収縮を繰り返して震え始めた。

 

「えっ……ま、待って……え? な、なんで? どうして……どうして拒むの?」

 

 訳がわからないと、混乱に包まれた頭のままアリスは自分を拒絶した大切な彼へと縋り付くように詰め寄る。

 そんな彼女に、苦しそうな表情をした彼はそれは間違っていると、今の君とは一緒になれないと、そんな言葉を口にしてきて。

 

「私はこんなに君が好きなのに……! 君以外何もいらないぐらい好きなのに! どうしてそんなこと言うの!?」

 

 その愛する人から告げられた拒絶の言葉に、アリスはヒステリックな叫びをあげた。押し倒した彼の両肩を強く掴み、爪が食い込むほどの力で握りしめる。

 彼を見つめるアリスの顔は、まるで信じる親に捨てられた子供のような悲壮さに満ちていて、それを見た彼が何かを紡ごうとする前に彼女の唇が彼の口を塞いだ。

 

「んっ……!」

 

 相手の抵抗を押さえつけるような、強く暴力的なキス。だけどそこには、言葉にならない必死さが詰まっていた。

 数十秒にも渡る長いキスの末、彼の顔から離れたアリスは長年溜め込んだ想いの全てを吐き出すように彼へと告げる。

 

「いじめられていた私に手を差し伸べてくれた君が好き。ノートに落書きしていた私の絵を、可愛いって褒めてくれた君が好き。私の考えたアイデアを形にするために、一緒に遅くまで学校に残って服を作ってくれた君が好き。私をいじめてた奴らが完成した服を引き裂いた時に、本気で怒って戦ってくれた君が好き」

 

「好き。好き、好き、大好きなの!!」

 

 告白は絶叫に近くて。

 全てが終わった時、アリスの前髪で隠れた光のない瞳が幽鬼のように彼を見下ろした。

 

「…………ああ、そっか。悪いチェシャ猫に毒されちゃったんだね、君」

 

 そして口をついて出たのは、先ほどまでの必死な声色とは異なる、静かに落ち着いた……狂ったような声。

 

「そうに決まってるよ。だってそうじゃなきゃ、君が私を否定する訳ないんだもの!」

 

 アリスが嗤う。その瞳にはすでに正気なんて欠片もない。想い人に拒絶されたと言う事実が、彼女の中の決定的な何かを壊してしまった。最後の一線を踏み越えさせてしまった。

 

「大丈夫。それなら、私が君を治してあげる。君が昔私を助けてくれた時みたいに、今度は私が君を悪夢から連れ出してあげる」

 

 そう言うが早いか、アリスは彼を馬乗りの態勢で捕まえたまま狭い部屋内を物色する。目的の物……自身が手に入れた力を使うために必要なツールを見つけるために。

 

「君の携帯は…………うん、見つけた。あっ、これ私があげたキーホルダー! 使っててくれたんだね! ふふ、嬉しいな。さすがは私のうさぎのヒーローで王子様」

 

 小さなテーブルの上に置かれていた数世代前のスマホ。それを手に取り、そこに付けられていた思い出の品を見てアリスは心からの笑みを浮かべる。

 

 それは二人にとって、何よりもアリスにとって大切な物。昔は引っ込み思案であったアリスがなけなしの勇気を振り絞ってプレゼントした雪だるまのキャラクターストラップ。

 アリスにとって初めての、異性への贈り物。それを彼はしっかりと使ってくれている。ただでさえ狂気に近しい愛情が、より際限なく高まった。

 

「パスワードは変わってないね。君と私の誕生日の合計。あ、これ私の先月の新作! あはっ、ちゃんとチェックしてくれてたんだね!」

 

 そして少しスマホを操作するだけでわかってくる、彼が離れても自分のことを応援してくれていた証拠の数々に、アリスの乙女心はもうその興奮を止めることはない。

 彼女の全細胞が、彼を絶対自分の物にしろと叫んでいる。

 

「それじゃ、EMMAを起動して……って、君EMMA入れてなかったの? 道理でどれだけ私への友達申請探しても君らしき人がいないわけだ。君が早いところ私に友達申請してくれてれば、もっと早く君を見つけられたのに」

 

 EMMA。若手実業家、近衛明が設立した世界的IT企業「マディス」によって開発されたコンシェルジュアプリ。その用法は幅広く、学習型人工知能を搭載しているが故に使えば使うほど使用者の好みや性格を蓄積して、使用者に適した返答を導き出すと言う科学が生み出した理想の秘書であり、友達。

 

 だが今のアリスにとっては、もはやそれだけに留まらない存在となったアプリ。

 

 アリスが持つEMMAには、いつの間にか大衆を思いのままに支配できる力が備わっていた。やり方は簡単。EMMAの友達機能を使って相手のEMMAと友達になる。それだけで、友達登録した相手はアリスの言うことをなんでも聞く奴隷となるのだ。

 

 それに気づいた時、愛する彼がいなくなって絶望に暮れていたアリスは文字通り目の色を変えた。自分と友達登録をした人たちが次から次へと自分を神のように崇め奉るようになり、どんなお願いでも二つ返事で聞くようになったのだから。

 

 そしてその力で彼が自分の前からいなくなった真意を元プロデューサーから聞き出し、それから彼を探すためにインフルエンサーとしての人気を使って数多くの人と友達になって、彼を探すようにお願いした。

 

 そうすると、だんだんと他人を自分の駒のように使うことに快感を覚えるようになった。自分を見下し、あまつさえ彼のことまで排除しようとした連中が媚びを売るようになって来たことに暗い加虐心を覚えて……そして今までの恨みを晴らすようになってからは歯止めが効かなくなって。

 

 他人を思うがままに操る事に罪悪感も躊躇も、何も感じなくなった。

 

 だってなんだってできるのだから。

 

 生放送中のカメラの前で、自分が過去にプロデュースしていた女の子を食っていた事を暴露させたり。

 ある特定の個人を嫌悪し、かつて自分と彼にしたのとそっくり同じいじめを周りにさせたり。

 

 なんだってできるのだ。

 

「でも、今こうして君を永遠に私の物にできるんだし、許してあげるね。もう、抵抗しないでよ。ダウンロード中なんだから」

 

 そう、自分を好きで好きで、柊アリス無しでは生きられないぐらいの愛情を抱かせる事だって。

 私と同じぐらいの気持ちを、彼にも抱いてもらうなんて。

 

 簡単にできるんだから。

 

「はい、ダウンロード完了。スマホの個人情報と同期させてアカウント作成と。じゃあ友達申請……ううん、結婚申請送っちゃうね。だって、実質これは指輪交換みたいな物だものね♡」

 

 甘く、誰もが見惚れる天使のような笑みで、アリスは彼のスマホに表示された柊アリスからの友達申請に承認を押した。

 

「大丈夫。何も怖がる事なんてないんだから。ただ、間違った悪い道に進んじゃった君を改心させてあげるだけなんだから♡」

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこはまるで、メルヘンなお伽話と現代の建築物が歪に合成したような世界だった。渋谷の雑踏と並ぶ建物群が、ネオンとイルミネーションに彩られた悪趣味なワンダーランドへと変貌している。

 

 お菓子の家のように塗り替えられたビル。幼児向けのパーティ会場さながらの装飾とデザイン。ハート型の扉や窓の数々。

 まるで現代社会の象徴たる建築物を、無理矢理夢と幻想のお伽話の建物に上書きしたような歪さ。それはまるで、タチの悪いテーマパークだ。

 

 そしてそんな不思議の国と化した渋谷の中心、渋谷705を侵食する形で聳え立つ王城の頂に彼女はいた。

 

「いらっしゃい。ずっっっっと待ってたんだよ。君がここに来るの」

 

 自身の認知世界へと現れた彼のシャドウに、そこに君臨する柊アリスはこれ以上とない喜悦の表情を浮かべて出迎える。

 

 その姿は男を誘惑する淫猥な女王様。サイケデリックな色合いの、露出面積が非常に多いセクシーな服装は、現実の彼女が好むメルヘンながら肌の露出が少ないデザインとは真逆。

 

 まるで、下卑た男たちが望む性的存在たる柊アリス像へと自分から寄って行ったような彼女の姿に、いつのまにかこの謎の世界へと送られて来た彼は目を丸くし、そして悲しみと怒りが籠ったような表情を形作った。

 

「ーーーーそっか。君は、この私の姿を見て、そんな顔をしてくれるんだ」

 

 その彼の姿に、認知世界の柊アリスは……シャドウアリスは心の底から感じ入るように瞳を閉じた。胸をはち切らんばかりの嬉しさを堪えながら、体を震わせる。

 

 シャドウアリスのこの姿は、柊アリスの自分を見下していた物を見返して見下したいと言う願望と、それに付随して生まれた、今まで踏み躙られて来たんだから今度は私が身勝手に踏み躙っても良いんだと言う想いの偶像化。

 心無い周りによって歪められてしまった、周りに希望を与えるためにファッションデザイナーを志した本当の優しい柊アリスとは似ても似つかない姿。

 

 言い換えれば、本人の理想とかけ離れて醜悪にされてしまった自分自身。

 

「やっぱり、君は優しいね。本当……どれだけ私を惚れ直させてくれるのかな」

 

 それを、彼は初見で即座に気づいてくれた。その事実に憤ってくれた。

 それが、堪らなくシャドウアリスにとっては嬉しくて、幸福で、何百回目かも分からぬ恋をしてしまうから。

 

「やっぱり君は、私の運命の人。絶対に、もう二度と手放さない。この私の隣には、君以外必要ないんだから」

 

 次に目を見開いた時、シャドウアリスに瞳に宿っていたのは見る者全てを萎縮させるほどの強烈な独占欲と執着心。絶対に逃さないと言う固い意志の籠った蛇の睨み。

 

 それを間近で見た彼が、反射的に後退る。もう一人の自分と向き合い、力を手にしたわけではないただの凡人である彼では、シャドウアリスが醸し出すジェイルの王としての威圧に立ち向かえるはずがないのだ。

 

 そして僅かとはいえど、自身から離れるような動作を取った彼を許すような女王(妻)ではアリスはない。彼女が手を振るった時には、彼はいつのまにか彼女の腕の中に絡め取られていた。

 

「逃げられないよ。ここは私のジェイル。たとえ君でも、女王の私に楯突くことはできないの」

 

 これこそが一つの認知世界を支配する王たるシャドウの持つ力。EMMAと言う特殊なツールを手に入れたが故の恩恵であるとは言え、その強大さはかつて怪盗団に倒された数々のパレスの王たちに引けを取らない。

 

 ペルソナ持ちならともかく、何の力も持たない脆弱なシャドウ一人、この認知世界の果てまで逃げようが一瞬にして自身の目の前にまで呼び戻せる。

 

「あ、でも安心してね。私は別に君を縛り付ける気なんてないの。だってそうでしょ? 君は私(クイーン)の夫(キング)。愛し合う夫婦なんだもの。関係は対等じゃないとね」

 

 突然の事に体を石のように固まらせた想い人を解すように、彼の体に自身の男好きのするスタイルをした体を押し当てながら、アリスは話す。怖がる必要なんてないと。君は私の特別なんだからと。

 

「ただそうなるためには……少し、君には私との夫婦生活を教え込まないと」

 

 だが、そんな彼女の顔がニヒリと突然に歪んだ。悪どい、サディスティックな笑み。次の瞬間、いつのまにか現れていた巨大なキングベッドの上に寝転ばされた彼の股座を、アリスはストッキングに包まれた足で踏みつけた。

 

「ねぇ、君はどんなプレイが好き? こんなふうに、私におちんちんを足で踏まれて気持ちよくなりたい? ぐりぐり、ぐりぐりって私の足でみっともなくいじめられて、びゅるるるって射精したい?」

 

 足裏でズボンに包まれた彼の股間の膨らみを女王様のように踏んで嘲笑うようアリス。だが彼女の加虐心に溢れた言葉遣いに反して、その足圧は決して痛くならないよう、彼が気持ち良くなれるように細心の注意を払った優しさに満ちた愛撫。

 

 柊アリスはたとえ彼を改心させるためでも、絶対に彼を傷つけない。あくまでも、快楽だけで心を奪うのだ。

 

「ほら、どう? 女の子にアソコを足でぐりぐりされるのって、気持ちいいでしょ? 返事はしなくてもいいよ、その顔を見れば君が感じてるのなんて丸わかり。この変態さん♡」

 

 自分の足が彼の物を上下に擦るたびに、彼が顔を赤らめて悶えるように首を振る。それがあまりにも可愛すぎて、アリスの興奮のボルテージはどんどんと高まって行く。

 

 もっと見せて。君が私のテクで感じてる顔、もっと見せて!

 

「アハッ! どんどんと足裏のこれ、固くなって来てる♡ ほらほら、こうやって指先ですりすりされるのが好きなの? それとも、こうやって強く踏みつけられるのが好み?」

 

 アリスの下でこの世の何よりも愛しい彼が情けない表情を浮かべている。女性に大事なところを踏まれている屈辱。なのにそれで気持ち良くなってしまっている羞恥。

 

 そんな、この歪んでしまった認知世界のアリスの加虐心を唆る魅力的すぎる顔。それを見せられて、彼よりも早くアリスが我慢の限界を迎えた。

 

「それとも、こうやって私のホットパンツに包まれたお尻で顔を潰されて、喋れないようにされたまま私のお口でおちんちん奉仕されたいかな?」

 

 早く自分のアソコも彼に触れて欲しい。その愛欲のままに、アリスは彼の顔に自身のほとんどV字型のマイクロミニホットパンツを押し当てる。

 むぎゅっ♡と彼の鼻先がホットパンツのピンクのハート部分に埋没する。彼の鼻息が、布越しに彼女の割れ目に浸透した。

 

「んっ……!!」

 

 ぶしゅ♡

 

 それだけで、アリスのセクシーパンツに包まれた蜜壺から愛液が迸った。好きな人の呼吸を秘部で感じただけで、幸せで彼女の脳が軽イキしたのだ。

 

「はぁ、はぁ…………♡ ふふ、それじゃ……君のおちんちん見せてもらうね」

 

 予想外の絶頂。だがそれはアリスを落ち着かせるどころか、より発情させて淫乱兎としての才能を開花させる。

 

「あっ♡ 意外と、大きいんだね。んっ、それに臭いも。すぅぅぅ♡ んっ、とっても強烈♡」

 

 彼のズボンから取り出した怒張に、激しい情欲を宿した目で唾さえ垂らして見つめるアリスは、そのままその肉竿に鼻腔を近づけて鼻いっぱいに吸い込んだ。

 これから一生嗅ぐ事になる雄臭の、その最初の一嗅ぎを、脳全体に記憶して忘れないようにするために。

 

 そしてそんな超有名インフルエンサーで、トップクラスの美少女であるアリスの色欲に染まったチン嗅ぎ姿を見て、雄欲を刺激されない男なんているわけがない。

 

 アリスの鼻の穴を押し当てられていた肉棒が一際強くビクンと跳ね上がり、その先端から先走り汁を噴出させた。

 

「アハッ! こんなにビクビクさせちゃって、そんなに私に踏まれたのが気持ちよかったの? 君って案外ドMだったのかな?」

 

 その興奮を、先ほどの足踏み責めによる物だと勘違いしたアリスが、ニヒリとメスガキ感たっぷりの笑みを肉竿に頬擦りしながら浮かべて煽る。

 ずちゅっ♡ ずにゅっ♡とフォロワー数何百万人と言う彼女の頬に先走り汁に濡れた肉棒が擦れて卑猥な音を鳴らせ、それがより彼の頭を蕩けされる快感を呼び起こす。

 

「安心して。どんなに君が変態さんでも、恋人の私がしっかりと全部受け止めて満たしてあげる。んっ、ちゅうう♡」

 

 そしてアリスの赤い口紅を塗った唇が、彼の肉棒の先端にリップ跡が残るほど強くキスをした。彼女のお尻にむぎゅうう♡ むにぃぃ♡と潰された彼の呼吸音が激しさを増し、びゅっと彼の亀頭から再び雄汁が漏れてアリスの顔に振りかかる。

 

「んあっ♡ もう……おちんちんキスされただけで漏らしちゃうなんて、早漏れすぎ♡ そんなにこう言うの好きなの? それなら、ちゅっ♡ ちゅっ、ちゅっ、んちゅ♡ おちんちん全部に浴びせてあげる♡」

 

 顔に男の先走り汁を浴びた彼女は、その液体を拭う事もせずにキスの雨を彼の肉棒に降らす。その際に無意識に彼の顔のおうとつでオナニーするようにお尻を前後に動かす。

 

 リップ音が鳴り響くたびに、肉竿に赤いキスマークがこれは私の物と言うように残されて行き、何十目ともなる熱烈な唇と肉茎の接吻が終わった時には、彼の雄棒はアリスの口紅で真っ赤になっていた。

 

「アハッ! いい感じ! 君のおちんちん、私の物だってマーキングできちゃった♡」

 

 それを独占欲に染まった目でうっとりと見つめるアリスの下半身はもう愛液でびしょ濡れだ。それこそマイクロミニホットパンツの間から透明な淫液が滴り、彼の顔を濡らしてしまうほどに。

 

 それに気づいていないのか、もう彼の肉棒以外目に入らないアリスは今度はその剛直をビスチェをずらして露出させたおっぱいで挟み込んだ。

 

「あっつい……♡ これが、君のおちんちんの熱なんだね……! とっても落ち着く……気持ちいい……♡」

 

 ぶるりと今までで一番強く脈動する肉棒。胸肉越しにその興奮を感じ取ったアリスが両手で肉棒をサンドイッチしたおっぱいを掴み、そのまま圧迫感を与えながら上下に揺り動かす。

 ぬちゅっ、ぐちゅっ、にゅちゃっ、と先走り汁をコーティング剤にした美少女の胸が、挟み込まれた男性器に暴力的な快楽の波をぶつけてくる。

 

「パイズリって言うんでしょ? いつか君にしてあげようって、勉強してたんだよ。君のおちんちんの大きさを想像しながら、通販で取り寄せたディルドで練習して。でも、本物の君のおちんちんは予想より大きいから……あっ、私の胸から溢れちゃいそうだよ♡」

 

 雄として、あまりに嬉しすぎる言葉を語るシャドウアリス。認知世界の彼女と言えど、その言葉は真実だ。学生時代からアリスは自分の胸を性的ツールとして、彼を喜ばせるために磨いていた。だから現実世界の彼女もまた、シャドウと同じくらいパイズリの才能を持っている。

 

「んっ、じゅるる! ぢゅぷっ、ぢゅずっ……どう、おっぱいに挟まれながら先っぽを舐められるの? 我慢なんかしないで、射精していいんだから。ちゅっ、じゅぽっ……!」

 

 アリスの責めは止まる事はない。胸だけでなく口も使って、それどころか淫汁と雌臭を滾らせた蜜壺をホットパンツ越しに強く彼に押し付けて、溢れた愛液を彼の口内に染み込ませた。

 

「ほら、素直になっちゃいなよ。私に溺れて、私の虜になって。そうしたら、スーパーインフルエンサー柊アリスのおっぱいにおちんちん挟まれて、みんなを魅了したこの顔に君の精子ぶちまけられるんだよ?」

 

 世の男全てを堕落させるような色欲の悪魔と化したアリスの甘い囁き。五感全てを犯された彼に、それを拒絶する力はもう残っていなかった。

 

「射精せ、射精しちゃえ♡」

 

 最後のダメ押しの、メスガキの無様射精煽り。そして同時に肉棒を挟む胸肉が締め付けを強くし、その爆発寸前の尿口をアリスの舌先がほじくり返し、それが決壊となった。

 

 びゅるるるるるる!

 

 我慢した分の激しい射精がサイケデリックなメイクをしていようとも、元が美少女すぎるために一切減点とならないアリスの美貌に降りかかる。

 シャドウアリスのピンクに青のメッシュを入れた髪に大量の白濁液が飛び散り、妖しく金色に光り輝く瞳を覆い隠すほどの精液が彼女の顔を塗りつぶした。

 

「んふっ……ぁっ……♡ ふ、ふふふ……アハハッ♡ 改心完了……ってね♡」

 

 自身の自慢のメイクアップを台無しにした白濁液。それを愛情深く指で掬って舐め取りながら、アリスは想い人のシャドウの魂を完全に手中に収めた喜びに恍惚の表情でその余韻に浸かるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 そして認知世界で交じり合うシャドウの二人と同じくして、現実世界でアリスは彼の性器と自身の性器を擦り合わせていた。

 

「ああぁ……♡ 君のおちんちん、あったかいよ。んっ、ぁ♡ だめ、愛液漏れるの、止まらないよぉ♡」

 

 現実のアリスは、すでに一糸纏わぬ裸体を彼の上で晒していた。いつもメルヘンチックなドレスを着ているから誰も知らなかった、彼女の現役モデルとも渡り合える理想的な美しい胸の膨らみと引き締まったくびれ、そして肉付きの良いお尻。それが一切のシミのない、綺麗な色白の肌艶を伴って輝いているのだ。

 彼女をデザイナー兼モデルのインフルエンサーとして売り出す事を選んだ元プロデューサーの目は正しかったと言える美しさが、そこにはあった。

 

 そんな顔だけでも日本中の男を魅了した可愛らしさを持つ柊アリスが、その極上の女体の陰部を押し倒した彼の股間部に擦り付けた、所詮素股コキを行っている。

 好きな男の逸物を使ったオナニー。そんな浅ましいマネを、あのトップインフルエンサーである彼女はただ自身の中に灯った消せない情欲に任せて行っている。

 

「あっ、あっ! 君のおちんちんが、私のアソコの割れ目、スリスリって擦ってる! んっ……! ねぇ、良いよね? もう、こんなに濡らしちゃったんだし、君のおちんちん、私のおまんこに挿れていいよね? お互いの初めて奪い合って、夫婦になるんだよ!」

 

 もう準備万端とばかりに、いつでも挿入される態勢を整えた彼女の蜜壺が彼の肉棒の熱を感じてヒクヒクと開閉を繰り返す。それでもアリスがまだ処女喪失セックスを始めないのは、彼からの合意がないから。初めてはやっぱり合意の上が良いと、アリスは彼の洗脳が完了するのを待って、何度も甘イキを決めながらもずっと堪えていたのだ。

 

 そしてその甲斐があって、ようやく押し倒した彼の瞳に光が戻り……その眼差しに強い自身への愛欲が渦巻いているのを見て、アリスは全てがうまくいったのを悟った。

 

「はぁぁ……♡ 良かった……ようやく正しい君に戻ってくれたんだね♡ もう、本当に困ったさんなんだから。私を困らせたお詫びに、初めては君から奪ってね♡」

 

 アリスの心からの安堵と喜び、そして好きな人にしかしない本気の甘えが籠った声に、つい先ほどまで今の狂ってしまったアリスを拒絶していた彼は嬉しそうに笑って頷いた。

 そして騎乗位の態勢で挿入を待つアリスの誰も侵入を許したことのない未開の秘所に、その腰を上げてバキバキに固まった剛直を突き刺した。

 

「んっ、あっ、ぁああああ♡♡♡」

 

 狭い肉穴を押し広げながら、太く逞しい肉棒が一息にアリスの奥深くまで挿入される。ミチミチと彼女の膣襞が反射的に侵入して来た肉塊をこれ以上の通行を阻むように締め付け、だけど愛し合う男女の合意によって一直線に処女膜へと突き進む逸物を止める事はできずに擦り抉られる。

 

 そしてぶちんっと、処女膜と亀頭が接触した瞬間にはアリスの長年守って来た潔癖の証は、それを捧げると誓っていた想い人によって願い通り貫かれたのだ。

 

「ーーーーぁっ、あああ……! 感じるよ……君のおちんちんが、今……私の膣中奥深くまで入って、処女膜を破ったの……! あはぁ♡ 私たち、やっと一つになれたんだね……!」

 

 感極まった表情で、喜びの涙さえ流しながらアリスが言う。自身の秘部と繋がり合った肉棒が愛おしくて、精一杯の力で締め付ける。ここが、今日から君の帰る場所なんだよと言うように。

 

「あっ、ふぅ……♡ 初めては痛いって聞いてたけど、全然だったよ。やっぱり私たちが世界一のベストパートナーだからかな? 心だけじゃなくて、体の相性も最高ってこと♡」

 

 結合部から流れる破瓜の証を見ながら、アリスは驚くほどに小さかった衝撃の理由に思いを馳せる。実際は彼とのセックスの幸せにアドレナリンが出過ぎて痛覚を麻痺させているからなのだが…………それほどまでに興奮できるのはアリスが彼を深く愛しているからこそ。ならば世界一のベストパートナーと言うのも、あながち間違いではないのだろう。

 

 実際、アリスの可愛らしい考えを聞いた彼はそれを肯定するように優しく頷き、彼女にパートナーらしいセックス方を提案したのだ。

 

「うん、一緒に動こう? 二人で初めての共同作業……処女喪失ラブラブエッチ、いっぱい楽しもう♡」

 

 アリスの了解を合図に、彼が自身の腰を上下に激しく動かす。そしてそれに合わせるように、アリスもまた膣内を出し入れする肉棒のピストンに合わせて体を動かした。

 

「あっ、あっ♡ 膣中、擦れる……! 君のおちんちん、私の敏感なとこ、ぐりぐりって、気持ち良く……! ああんっ……!」

 

 肉棒が上に突き上がるのに合わせて、アリスの美尻が彼の腰に振り下ろされる。完璧な呼吸で繋がり合った性器同士は、一突き毎にその到達点をどんどんと進めて行く。

 カリ首がゴリゴリと処女穴だった膣内を自分専用の通り道へと開拓し、自身の秘部が愛する人の肉棒に合わせて広げられる。その快感に、長年の恋心を実らせた少女は脳を蕩けさせられて絶え間ない絶頂を繰り返す。

 

「これ、ダメ……! 頭、幸せすぎて、あっ、あんっ♡ ま、真っ白になっちゃう……♡ もう、君以外、何も見えなくなっちゃう!!」

 

 アリスが仰向けになる彼に覆い被さるように抱きつく。彼の首に両手を回し、一流のモデルとも並び立てる美乳を相手の胸板に押し潰しながら、全身で愛する人と重なり合った。

 

「ねぇ、キスして! 君と、上も下も深く繋がり合いたいの!!」

 

 肉欲に支配されながらも消えることのない乙女心。それを彼は心良く受け入れる。

 

「んっ、ちゅるる! んふっ、んんっ、ぢゅ、ぢゅずず!!」

 

 唇と唇を重ね合わせるだけじゃない、舌深くまで交配させ合うディープキス。相手の口内全てに自身の唾液を塗りつけんと伸ばした舌を絡ませ合い、粘液と熱を交換し合う。

 

 その間も当然繋がり合う性器同士のピストンはやめさせる事なく、むしろキスによって情熱を増した二人の動きはより激しく、肉欲に溺れて行く。

 

 パンッ、パンッ、パンッ!!

 

 永遠にも続く男と女の肌の破裂音。その終わりを感じたのは、自身の子宮深くまで到達した肉棒の膨らみを感じたアリスだった。

 

「あっ、んひっ♡ イ、イキそうなの? んっ、いいよ全部射精して……! 私の膣中に、吐き出していいから! 私も、君と一緒にイクから! あっ、ああっ♡ 二人で、イこうね! だって私たち、夫婦だもんね!」

 

 相手の射精が近いことを察して、彼女もまた今日一番の絶頂に共に登り詰めようと、油断したら即果ててしまいそうになる快楽を彼の熱を感じながら必死に耐える。

 

 ビキビキと自身の臍下でどんどん大きくなって行く肉棒。その中に、自身を孕ませる彼の子種が詰まっているのだと想像するだけでアリスの顔がだらしのない雌顔に変わってしまう。もしかしたらこの射精で彼の子供を妊娠してしまうかもと考えるだけで、自身の作品が世に認められた時の何十倍の幸せが頭を支配する。

 

 これから、毎日こんな幸せを感じながら生きていけるのだと思った瞬間、アリスの限界は訪れた。

 

「んあっ、ぁああいい゛い゛♡ ああ゛ッ、イッ、イクッ♡ 私、イクよ! 君のおちんちん、感じながらイクから! 君も、私を感じながら、私のおまんこで幸せになってイッて!!」

 

 彼女の膣が爆発寸前の肉棒を強く圧迫して、亀頭を肉襞のざらざらとした部分で挟み込んだ。その刺激に、子宮口にまで届いていた尿口から熱い欲望の波が吐き出された。

 

 びゅるるるるる!!

 

「ああああぁああぁあアアアア゛ーーーーッッ♡♡♡♡」

 

 ボロアパートの外にまで響くような大絶叫。頭の先からつま先までをピンッと張り詰めさせた幸せアクメを決めながら、アリスは今日最初の膣中出しの熱を全身で味わうのだった。

 

 

 

 

 

 

「はぁ♡ もう、何回射精されても病みつきになっちゃう♡ 君の精液はどうしてこんなに美味しいのかな?」

 

 現実世界のアリスが長年の大願を果たして子宮に想い人の子種を注がれた頃、認知世界のアリスは何度目ともなるパイズリフェラで射精させた白濁液の塊を口に注いでいた。

 

「んちゅっ、ちゅぷっ、んくっ♡」

 

 アリスの支配する認知世界であるが故に、魂まで支配された彼のシャドウは本体よりも多くの精を絞り出せる。

 その結果、もうペットボトル一本分はアリスに飲み干されたのではと思うほどの量を、彼は射精させられていた。

 

「これで自分が間違えてたって、ちゃんとわかってくれたよね。いい子いい子。申し訳なく思う必要はないよ。キング(夫)を支えるのがクイーン(妻)の仕事なんだもの♡」

 

 アリスの尻に敷かれ、もうただ彼女の蜜壺の匂いを嗅ぎながら白濁液を吐き出す機械にされていた彼がようやく解放される。だがその顔はもう完全に快楽に飲み込まれていて、元の彼の魂がアリスへの愛で染め上げ終わった事を示していた。

 

 そんな彼をアリスは優しく労る。彼の頭を自身の膝に導き、まるで子供をあやすように頭を撫でながら露出した肉棒を手コキする。そうすれば我慢という言葉を忘れた彼の雄棒から、びゅるるるっと追加の射精が彼女の手に降り注ぐ。

 

「そうそう、我慢しなくて良いの。射精したくなったらいつでも私の外でも中にでも出していいんだからね」

 

 そこまで堕落した彼の姿に、満足そうに笑いながらアリスは彼の耳元で思考が蕩けそうになるほど甘い声で囁いた。

 

「それと、私でしたいプレイがあるならそれも恥ずかしがらずに言ってね。どんな過激で変態な物でも、叶えてあげるから」

 

 ビクンッと射精したばかりの彼の性器がアリスの手の中で跳ねる。それを狙い通りと金色に妖しく光る目で流し見ながら、彼女は更なる追い討ちを彼のシャドウに浴びせる。

 

「ねぇ……君は私とどんなプレイをしてみたい? 正直に言っていいのよ。だって私は君の奥さん、隠し事なんてしなくていいんだから」

 

 その言葉に、魂をアリスに奪われた彼のシャドウは操られるように本体たる彼でさえ認識していない深層心理にある望みを口にする。

 

「ーーーーへぇ。そっかぁ、君はそんな事を私にしたかったんだ」

 

 その内容に、過去最高のニンマリとした笑みを口元に貼り付けるアリス。彼の、彼自身でさえ知らなかった雄としての性癖を暴き立てたと言う達成感。そして、それを突いて満足させれば、二度と彼は自分から離れられなくなるという絶対的な確信。

 

「別に軽蔑なんてしてないわよ。むしろ嬉しいの。君はこの私を見て、しっかり興奮してくれていたんだって」

 

 もう全ては決まった。溢れる喜びの笑いを隠そうともせずに、アリスは彼の望み通り、この卑猥な自身の服装を見た時に彼が心の奥の奥底で抱いた願望を口にした。

 

「だから、ええ。君のお望み通り、女王様が逆襲されて、首輪付けられてバックでハメ潰されちゃう屈服マゾ雌プレイ、やってあげる♡」

 

 それは雄としての支配欲と優越感、そして男尊女卑のプライドを満たすための鬼畜プレイ。メスガキを躾けて理解させたい。そんな願望。

 

「どう? 似合ってる? こんな姿見せるのは君だけなんだから♡ この私に首輪を付けて四つん這いにして、お尻を突き出させるなんて事できるのわ♡」

 

 アリスがジェイルの王としての力で生み出した首輪を自身の首に付けると、同じくいくつもの鎖や手枷足枷を創造してそれを自分の体に取り付けて行く。

 さながら、奴隷の逆襲にあって捕まって女王のように。そして犬猫のように自身の玉座の前で手足を付いて尻を高く掲げれば、見事な負け犬女王の出来上がり。

 

 そしてアリスのその姿は、見事彼の願望ドストライクを射抜いたらしい。はち切れんばかりに起立した肉棒を、彼は容赦なく彼女の蜜壺に突き刺して来た。

 

「んおおッ♡ 君のおちんちん入って来たぁ♡」

 

 アリスの腰を強く両手で掴んでの荒々しい挿入。現実世界の二人がしていたようなお互いを強く求め合いながらも、愛し合う共同作業のようなセックスとは違う、雄の野生的な欲望全開の交尾。

 

 子作りセックスではなく、雌を躾ける屈服調教セックス。

 

 アリスの蜜壺に上から下に叩きつけるように肉棒が突き刺される。子宮口が亀頭に潰され、肉襞がゴリゴリと荒く抉られる暴力的な快感が脳を襲う。自分では一切快感の調整が効かない完全男主導のセックス。

 

「んいっ、おほぉ♡ これすごい……! 君に後ろからのしかかられて、おちんちん突かれるの、気持ちよすぎるぅぅ……ッ! あひぃッ!?」

 

 口から自然と下品なオホ声がこぼれ落ちる。その気持ち良さに顔をアヘ顔に変えて叫ぶアリスの尻たぶをバシンッと彼の平手打ちが襲った。

 赤く染まるスーパーインフルエンサーの美尻。ジェイルの王であるためにたかがいっぱんシャドウの暴力など一ダメージにもならない感覚だが、突然の快楽とは異なる刺激に目を丸くしたアリスが彼を見る。

 

 そんな彼女に対して、彼は文字通り躾けるように彼女のお尻をペチンッ、ペチンッと叩きながら彼女の間違いを正す。

 

「おっ、お゛っ♡ ご、ごめんなさ、ンヒィッ! 君に屈服させられたマゾ女王が、おちんちんなんて可愛い言葉使ってごめんなさい! ち、チンポ! チンポです! チンポ、おまんこにパコパコされるの、気持ちいいのぉ!! おっ、おおお゛お゛……っっ♡♡♡」

 

 生意気な女の尻を叩いて屈服させ、卑猥な言葉を吐かせる。そんな普段の彼なら思いもしない下卑た欲望。だが確かにあったその雄欲は、柊アリスのシャドウを前にして最高の形で開花した。

 

「んおっ、おほぉっ! おっ、おっ、おおお……ッッ!!」

 

 首輪を引かれ、仰け反った彼女の膣を串刺しにするような強烈なプレス。ゴリッと亀頭が子宮口をほじくり、膣が入り口から最奥まで彼のチンポケースとして完成する。

 女性の大事なところをオナホのように扱われている。それが、こんなにも気持ちいい事なのだと、アリスは顔を愛欲と涎塗れの顔で絶頂した。

 

「首輪が締まる……! オッ……すごっ、これ癖になるぅ……っ! こんな女王失格交尾、病みつきになっちゃう……♡ プレイじゃなくなって、本当にマゾ雌奴隷に変わっちゃう……ッ♡ 君に支配されて、屈服されるのが好きな女の子に改心されちゃう……♡♡」

 

 アリスの口から男の腰振りを止めてもらう気の欠片もない、静止に見せかけた屈服懇願媚びセリフが飛び出す。

 彼女は理解しているのだ。こう言えば、より彼はめちゃくちゃに犯してくれると。その欲望を肥大化させて自分にぶつけ、次第にこの世でただ一人私にだけ内に秘めた性欲を晒せるのだと考えるようになると。

 

 脳にマゾ雌奴隷としての幸せを教えられながらも、シャドウアリスの全ては誰よりも愛しい彼を永遠に自分に縛り付けるために動いていた。

 

「おおおオオッ♡ ヤバっ、すごいのキちゃう……ッ! 今膣中出しされたら、この屈服マゾアクメ依存症になる……! あっ、ああっ♡ ゆ、ゆるひて……♡ ゆるして♡ わ、私、一応ここの女王だから……っ、マゾ雌精神擦り付けられちゃったら、もう女王できなくなっちゃう……♡」

 

 大衆の認知とアリスの歪んだ認知が混ざり合って生まれた高圧的で無邪気な女王、柊アリスでは絶対に言わないような言葉と顔を晒しながら彼女は喘ぐ。

 どれだけ歪み本来の形から遠ざけられようとも、決して変わることのない彼への愛情を胸に彼女は好きな男の望む淫乱へと自分の認知を書き換える。

 

 柊アリスは大勢の人間を支配して惑わすセックスシンボル。でも本当は好きな人には媚び媚びの弱々で、チンポ入れられるだけでアクメをキメる発情兎。

 

 それが私。彼の好きな私。私が望む彼の奥さんの姿。

 

「い、いつでも、射精して良いから! 私の子宮に、君のザーメン、子種、たっぷりと種付けしてッ、私を君の理想の柊アリスに作り替えて!!」

 

 興奮に染まったアリスが膣口を抉るチンポを締め付けて射精を強請りながら、自身もまた腰を振る速度を上げる。好きな人の自分に変わって行く快感が、アリスの脳を過去最高に震わせる。それこそ本当に、渋谷ジェイルの王柊アリスとしての自分がいなくなってしまっても構わないと願いながら。

 

 その想いに呼応するように、アリスの女王としての装いがだんだんと崩れて行く。セクシーで卑猥な見た目が、全身を拘束具で覆われたバニーガールのように変わり始める。

 その変化を、バックから突く彼も気づいているのだろう。ピストンの速度がさらにボルテージを上げてラストスパートに入る。自分の腰振りで、傲慢な色欲の女王が低俗な変態マゾ雌兎に堕ちた事に興奮しているのだ。

 

 そしてその昂りは、そう時を置かずにアリスの膣内へと注がれる。ばちゅん!と強く叩きつけられた腰。リードの繋がる首輪をグイッと強く引っ張ってアリスの首を締め上げながら、その子宮口へと精を吐き出した。

 

「ひうっ……♡ おっ、おっ、おっ♡ イッ、イクッーー! 女王失格マゾ雌奴隷アクメ決めちゃう! 君好みの女の子に変えられちゃう……! ぉ、ぁぁあああ! イクぅぅうううーーーーッッ♡♡♡♡」

 

 びゅるるるるるる!!

 

「おっ、ぉおおおああああッッッッ♡♡♡♡♡」

 

 新しいシャドウアリスの産生を告げる艶声と、彼女を白濁に染め上げる射精音がこだまする。解き放たれた欲望を一滴たりとも逃さないと、アリスの膣が肉棒を締め付けながら脈動した。

 

「ぁぁあ……♡ いっぱい、出てるよ……私のお腹、君の精子で膨らんじゃう……♡」

 

 深く、長い射精時間。妻としてその全てを胎に収めたアリスが、熱くなったお腹を撫でながら感嘆の吐息を漏らす。たぷん♡と聞こえるはずのない子宮内の精液が揺蕩う音まで聞こえてしまう。

 

 こうして認知世界でもまた、アリスと彼の濃厚なラブラブセックスの最初の膣中出しは終わった。どちらの彼女も、最高の形で彼とのセックスを堪能した。

 

「ーーーーそれじゃ、次……しよっか♡」

 

 だが現実も認知のアリスも、たった一回の膣中出しなんかで満足しない。悦楽に染まった顔で、どちらの彼女も自身の子宮とキスする男の肉棒を締め付ける。

 

「「まだまだこれからだよ。だって兎は、性欲が強いんだから」」

 

 そんな恐ろしさと可愛らしさが詰まった宣言を彼へと囁きながら、天性の発情兎は彼の逸物の上で腰を振り上げる。

 

 そして彼の精が尽き果てるまで、二つの世界で淫乱兎が跳ねるのを止めることはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 現実世界の彼の部屋では、あれから数時間が経過していた。休む事なく体を重ね合ったアリスと彼は、今ではお互い全身を体液と汗に塗れさせながら布団の上に隣り合って寝転んでいた。

 

「はぁ……はぁ……ははは。さすがに、初めてで十回も膣中出しするのは、やり過ぎ……だったかな」

 

 発情期の兎のように、内から際限なく溢れ出る性欲のままに彼を貪ってしまったアリスは、隣で疲れて眠ってしまった彼の胸板を枕がわりに頬を押し当てながらそう溢した。

 でも言葉の内容に反して、その声色には後悔や申し訳なさは皆無。むしろやってやったと言う達成感が滲み出ていた。

 

「でも、しょうがないよね。それだけ、君とのセックスは気持ち良かったんだもん。君もそうでしょ? もう、私の体に病み付きになっちゃったよね。私とじゃなきゃ、幸せになれないって身に沁みたよね……」

 

 それは彼に、それだけ自分を刻みつけられたと言う事だから。彼の心に、たとえ洗(・)脳(・)が(・)解(・)け(・)て(・)も(・)消えない快楽と柊アリスとのセックスへの依存心の芽を植え付けたのだから。

 

「ふふふ……可愛い寝顔。これからは、毎日こうやって一緒に寝れるんだね」

 

 だってアリスはわかってる。

 この不思議な力は、きっと長くは続かないって。灰被り姫のように、いつか必ず解けてしまう刻限が定められた魔法なんだって。

 

 だからアリスは彼の心と体を蕩けさせる。魔法が解けても、自分無しでは生きていけないように魂の底の底まで虜にするために。

 

「この後は、君の両親に挨拶に行こうね。それでその後は一緒に市役所に婚姻届出しに行こう。もう、手続きは全部済ませてるんだから。あとは君のサインだけ」

 

 眠る彼の頬に両手を添える。それはまるで眠れる王子様を介抱するヒロインのようでありながら、決してそう表現できないような淫らさと暗い欲望が纏わりついていて。

 

「君が望むなら、私はとってもドSな女王様になってあげる。君が望むなら、常時発情期の変態マゾ雌兎にだってなってあげる。何にだって、どんな私にだって変わってあげるよ」

 

 だからそれはまさしく、ジェイル(牢獄)の王に相応しい姿だった。普く人々の願いを踏み台にしながら、己の愛し人の魂を情欲と体で縛り付ける、愛欲を振り翳す色欲の権化。

 

「なんでも……するから……」

 

 だが彼を見つめる今のアリスの顔は、そんな我欲で全てを支配する女王様のそれではなかった。

 

 そこには縋るような、見捨てられる事に怯えるような…………孤独に震える兎の顔。

 

「だからーーーー私の前から二度といなくならないでよ」

 

 確かに柊アリスのした事は、想い人を洗脳して無理矢理自分の側に縛り付ける最低なやり方だっただろう。

 正義を成す怪盗団に知られたら、間違いなく改心の対象に選ばれて然るべき行いだっただろう。

 

「もう、いやだから」

 

 でも、それでも。

 

「君がいない世界なんて、一秒だって耐えられないから」

 

 酷いいじめに苛まれて心砕けそうになっていた彼女にとって。

 

「柊アリスは、あなた無しじゃ生きられない弱い兎さんなんだから」

 

 全てに絶望して不思議の国に逃避するしかなかった自分を、微笑みと共に救ってくれた彼と出会った彼女にとって。

 

「愛してる。愛してるの。本当に。本当に……! 大好きだから……! 私の……私だけの、王子様」

 

 どれだけ歪んで壊れて狂った鎖(ジェイル)でも。

 それは確かに、本物の愛なのだから。

 

 

 

 

 




柊アリス
 本当はとっても臆病で寂しがり屋な兎さん。彼への想いが暴走しすぎて原作よりも別ベクトルで危険なジェイルの王となった子。自分をいじめから守ってくれて、自分のデザインを誰よりも早く認めて支えてくれた彼に深く依存している。それこそ、「誰かの希望」ではなく「彼だけの希望」でいたいと夢を変えてしまうほどに。
 周りへの八つ当たりじみた暴力や陥れはなくなったが、愛する彼との仲を引き裂くような存在には原作以上の苛烈さを持って排除する。それはいずれ来る怪盗団にも同じ。自分から大切な彼(お宝)を盗もうとする彼らを彼女は女王として絶対に許さない。
「私から彼を奪おうって言うの? なにそれ……許さない。させない。認めない!! ーー殺してあげる。一人残らず。私と彼の愛を邪魔しないでよッッ!!」

彼
 名前は未定。柊アリスの全て。秀尽学園時代に出会い、彼女をいじめから守り、同時に同じくデザイナーの道を志していた彼は彼女の才能に惹かれた。そして同じ時を過ごす中で、どれだけ理不尽な目に遭っても「誰かの希望になりたい」と言う彼女の姿に恋をして、その未来を誰よりも願った。だから自分の存在が彼女の願いにとって邪魔だとわかった時は失恋の痛みを飲み込みながら、そっと身を引いた。それが全ての間違いだと知らず。
 実は原作P5R後の屋根ゴミさんのバイト先の先輩。彼にはちょくちょくアリスへの惚気と心からの想いを語っていた。その言葉を屋根ゴミくんがアリスに届けられるかがハッピーエンドへの唯一の道。
「好き。好き。好き。好き。大好き。愛してる。こんな言葉じゃ足りないぐらい、君は私にとって全てなの。だからお願い、君も私だけを見て。私だけ感じていて。そうしたら、もう私、EMMAも今の名声もいらないから。捨てるから。一緒に、二人だけの不思議の国に行こう?」


 ここまでお読みいただきありがとうございます。
 ペルソナ5S名作だからペルソナ5ファンはみんなやるべき。あんなに魅力的な新キャラたち(アリスやソフィ)のssが少ないのはおかしいもの。正直本編よりもストーリーが好み。そして私の中でP5最推しとなった長谷川さんとか言うおじさん。彼のペルソナ覚醒シーンは正直歴代最高だと思ってます。三木さんボイスかっこええんじゃあ〜。
 

もしFFのエロをやるならどのナンバリングが見たい?*FF7は意図的に外しています

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