※この作品はR-18です。

マイナーキャラ妄想短編集   作:ニンニク嫌い

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 もしトラベラーストーリー一章で、ハスミが従者の暴走を止められず、ドルバグの護衛たちと戦闘になった末に敗北してしまったら?

 頂いたアイデアを元に書いてみました。アイデアを下さった方、ありがとうございます。

 
【挿絵表示】

 原作を知らない方へのハスミのキャラデザ


オクトラ大陸の覇者(ハスミ)

 

 

「ご機嫌はいかがな、ハスミ殿」

 

 背後からドルバグの声を浴びせられた瞬間、ハスミの背筋を冷たい震えが駆け抜けた。神器を巡る交渉は、ドルバグの侮辱に耐えかねた従者たちが護衛へ手を出したことで乱闘へ発展し、屋敷の美術品を破損させた末に敗北した。

 

 そしてその結果、賠償の代わりに従者たちの命を差し出すか、自らドルバグの女になるかを迫られ、彼女は後者を選んだのだ。

 

「……最悪です、ドルバグ殿」

 

 嫌悪に満ちた言葉を返せば含み笑いが聞こえてきた。それがより腹立たしく、睨みつけようとした直後、何一つ身に纏っていないハスミの白く美しい臀部へ手のひらが振り下ろされた。

 

 ばちん! と、鋭い音とともに激痛が弾け、ハスミは身体を跳ねさせて悲鳴を上げる。

 

「きゃあっ……! な、何をなさるのですか……!」

 

 打ち据えた手はそのまま尻の肉を掴み、熱を持った膨らみを容赦なく揉みしだいた。指が食い込むたびにさらなる痛みが走り、ハスミは羞恥と憤りに唇を震わせる。そこに快感など欠片もなかった。

 

「その手を離してください……!」

 

「ほう? ワシの女になると認めた方が、まだそのような口を利くのですかな?」

 

「わたくしは従者たちを守るため、約定に従っているだけです。あなたへ心まで明け渡した覚えはございません」

 

「ぬふふ。承知しておりますとも。ですが、呼び方が違いますな。今夜からワシは、あなたの何になったのでしたかな?」

 

 ハスミは肩越しにドルバグを睨みつけた。彼はその反抗的な視線さえ愉しむように、返答を待っている。

 

「くっ……旦那様、です……」

 

「よろしい。では、ご自分の姿をご覧になってはいかがですかな?」

 

 ハスミの身体に残されているのは、乱れた緋袴と腕輪、黒髪を飾る装身具だけだった。下穿きは引き裂かれ、白い上衣も取り払われている。寝台の上で四つん這いにさせられた彼女の胸は、痛みに乱れた呼吸に合わせて揺れていた。

 

 手首にも足首にも枷はなく、その気になれば立ち上がることはできる。ただし、別室には傷ついた従者たちが拘束されているのだ。逃亡や抵抗の代償を彼らに払わせると脅されている以上、ハスミに逃げるという選択肢はない。

 

 そして首に巻かれた金糸の帯締めだけが、形の上で彼女を寝台へつないでいた。本来は装束を彩っていたものが、今は首輪のように喉元を囲み、余った端を天蓋の鉤へ掛けられているのだ。

 

(必ず皆を無事に帰してみせます。そのためなら、この程度の辱めなど……)

 

「さて。まずは約定を確かめておくとしましょうかな。今のあなたが何者なのか、ワシに教えていただけますかな?」

 

 ドルバグが帯締めを引くと、黄金の紐が喉へ食い込み、ハスミの顎が上向かされた。

 

「そのようなことを、わざわざ口にさせる必要はないはずです」

 

「必要かどうかを決めるのはワシですぞ。従者の方々を、いつまで待たせるおつもりですかな?」

 

「卑劣な……!」

 

「お褒めにあずかり光栄ですな。ですが、答えがまだ聞こえておりませんぞ?」

 

 裸体をさらすこと以上に、その言葉を自ら口にするのは屈辱だった。それでも従者たちの安否を思い浮かべ、ハスミは震える息とともに答えを吐き出すしかない。

 

「わたくしは……あなたの女、です……旦那様」

 

「ぬふふ……結構。では、以前のあなたは何者だったのですかな?」

 

「以前などではありません。わたくしは今も、東国に仕える巫女です。失われた神器を取り戻すため、従者たちと旅をしております」

 

「ほう? 今夜、あなたは神器ではなく従者たちを選び、ワシの女になると認めたはずですぞ?」

 

「それは――きゃあっ!」

 

 言い返そうとしたハスミの尻へ、再び平手が叩き込まれた。燃えるような痛みに彼女の反論が途切れる。

 

「もう一度お尋ねしますぞ。以前のあなたは、何者だったのですかな?」

 

「わ、わたくしは……東国に仕える巫女。神器を取り戻すため、従者たちを率いて旅をする者……でした……」

 

「そして、それがあなたのあるべき姿だったのですかな? 扇を手にワシへ刃向かい、戦うことが?」

 

(当然です。それがわたくしの使命。あなたなどに否定されるいわれはありません)

 

 祖国と神殿に仕え、神器を取り戻すことは、ハスミ自身が選び取った使命だ。ドルバグが求めているのは真実ではなく、気高い巫女に己の生き方を否定させ、その誇りを傷つけるための言葉にすぎない。

 

「……お断りします。その問いへの答えは、すでに申し上げました」

 

「では、従者の方々に美術品の賠償をしていただくとしましょう。命をもって」

 

「なっ!? お、お待ちください……!」

 

 嘲笑うように告げたドルバグに、ハスミは反射的に叫んでいた。それが、自分に屈辱的な言葉を言わせるためのフリなのだとわかっていても、目の前の男なら二人の部下のどちらかを戯れに殺してもおかしくない。

 

(これは本心ではありません。皆を救うため、求められた役を演じるだけです)

 

 視界の先で扉の方に向かうフリをして振り向いたドルバグに対して、ハスミは必死に怒りと恥辱を心の奥深くに押し殺すと、今できる精一杯の

 

「い、いいえ……わたくしは、戦う者となるべきではありませんでした。女がその手に、ぶ、武器など……持つべきでは、ございません……」

 

 屈辱に満ちた答えを聞き届けると、ドルバグは愉快そうに笑い、寝台の脇を回ってハスミの正面へ移動した。彼女が顔を上げたときには、衣服から取り出された男根が、目の前へ突き出されていた。

 

「もっとも、握る“剣”にもよりますかな、ハスミ殿?」

 

 下卑た言葉の意味を悟り、ハスミの頬が羞恥と怒りに染まる。身を引けば帯締めが喉へ食い込み、逃げられないことを思い知らされた。

 

「あなたという方は……恥というものをご存じないのですか」

 

「商いに余計な恥じらいを持ち込んでいては、欲しい物は手に入りませんからな」

 

 ドルバグが腰を進め、熱を帯びた先端を頬へ押し当てた。ハスミは嫌悪を隠せず顔を背けたものの、やがて震える両手を上げ、男根を包み込む。ゆっくりと手を上下させるたび、生々しい硬さと熱が手のひらへ伝わった。

 

(耐えるのです。皆が無事に帰れるのなら……)

 

「その目は実によろしいですな。誇り高い女が、逆らえぬ事情を抱えてワシに仕える。なんとも価値のある眺めですぞ」

 

「このような真似で、わたくしの誇りを奪えると思わないでください」

 

「では、ご自分にふさわしい場所を仰っていただけますかな。誇り高き東国の巫女殿」

 

 かつて誇りであった「巫女殿」という呼び名も、今のドルバグにとっては現在の姿との落差を嘲笑うための道具だった。ハスミは男根を扱う手を止められないまま、喉に詰まった屈辱を呑み込む。

 

「……ここ、です」

 

「もう少し詳しくお願いしたいものですな」

 

「わたくしの居場所は、ここでございます、旦那様。あなたの前に跪き、命じられたとおりに仕える場所です……」

 

「そして、ワシに何をしてほしいのですかな?」

 

 ハスミの指が止まった。その先まで口にすれば、まるで自分からこの仕打ちを望んだかのように聞こえてしまう。

 

「わたくしが本心から望んでいるわけではないことは、あなたも承知しているはずです」

 

「さて、何のことでしょうかな? ワシに分かるのは、従者を救いたいあなたが、ご自分の意志で答えようとしていることだけですぞ」

 

 逃げ道を塞がれ、ハスミは固く目を閉じた。握っているものの感触を意識から追い出し、守るべき者たちの顔だけを思い浮かべる。

 

「わたくしを……罰してください、旦那様。あなたに逆らったわたくしを、望むままに扱ってください……」

 

 それはドルバグに求められた文句を並べただけであり、打たれることを望んだわけでも、痛みを好んでいるわけでもなかった。彼はそれを理解したうえで、気高い巫女が最も嫌悪する男の前に跪き、自ら誇りを否定する姿を愉しんでいるのだ。

 

 ドルバグが寝台の傍らから短鞭を取り、剥き出しの背へ振り下ろした。

 

「――っああぁ!? い、痛っ……!」

 

 鋭い痛みに背筋が反り、男根を握る手が離れかける。ハスミは従者たちを思い出し、震える指でどうにか握り直した。

 

「罰を望んだのは、あなたではありませんかな?」

 

「本心ではないと、分かっていながら……!」

 

「約定に従い、ご自分の口で仰った言葉ですぞ。旦那様として叶えて差し上げなくてはなりませんな」

 

 再び短鞭が振り下ろされ、背へ赤い筋が刻まれた。乱闘で負った痣や擦り傷も残る身体に、快感など微塵もない。ハスミは痛みと屈辱に涙を流しながら、乾いた唇を舌で湿らせた。

 

 ドルバグが腰を前へ押し出す。何を求められているのか悟ったハスミは、強い嫌悪に眉を寄せながらも、従者たちのために覚悟を決めて唇を開いた。

 

 硬い先端が口内へ入り込むと、ドルバグは何の前触れもなく腰を突き出した。太い男根が舌の上を滑り、喉の奥まで押し込まれる。

 

「んぐっ……! う、うぅっ……!」

 

 ハスミは目を見開いて激しくむせた。顔を引こうとしても、黒髪を鷲掴みにされて逃れられない。さらに短鞭が背を打ち、悲鳴は口内を塞ぐ男根によって、くぐもった呻きに変わった。

 

「んぐぅっ! ごほっ、んんーっ……!」

 

 ドルバグは彼女の口と喉を一方的に使い始めた。奥へ突き込まれるたびに息を奪われ、わずかに引き抜かれる間だけ、ハスミは鼻から必死に空気を吸い込む。

 

「そう、それでよろしい。逃げずにすべて受け入れるのですぞ、ハスミ殿」

 

(好きで従っているのではありません……! 従者たちの命を守るためです……!)

 

 声に出して反論できないハスミは、涙に濡れた目でドルバグを睨みつけた。だが彼はその視線すら、誇り高い巫女を辱めている証しとして愉しんでいた。

 

 短鞭が何度も背へ振り下ろされ、やがて緋袴を捲り上げられた尻にも新たな痛みが刻まれた。ハスミは苦痛に身を捩ったが、髪を掴む手は緩まず、男根も喉の奥から抜けない。それでも従者たちを救うという目的だけは手放さず、逃げることも噛みつくこともせずに耐え続けた。

 

 しばらくしてドルバグの動きが荒々しさを増し、呼吸を奪われたハスミの視界が暗くなりかける。やがて男根が口から引き抜かれると、彼女は激しく咳き込み、酸素を求めて喘いだ。

 

「げほっ……ごほっ……! ひどい……このようなことまで……」

 

 顔を背けるより早く、黒髪を強く引かれた。顎を上向かされ、逃げられないハスミの顔へ熱い白濁が浴びせられる。額から頬、唇、顎までを粘ついた精で汚され、彼女は反射的に目を閉じた。

 

(これが……皆を救うために、わたくしが選んだ代償……)

 

 射精を終えたドルバグが髪を離すと、ハスミは両手を寝台について辛うじて身体を支えた。白濁に汚された顔から涙と唾液が滴り、乱れた呼吸と咳はなかなか収まらない。

 

「はぁっ……げほっ……お約束は、守りました……これで、従者たちには……」

 

「まだ夜は始まったばかりですぞ。ワシが求めたのは、一度きりの奉仕ではありませんからな」

 

「そんな……!」

 

 ドルバグは赤い痕の残る乳房を掴み、乱闘で負った痣の上から強く揉みしだいた。ハスミは痛みに顔を歪め、掠れた声で訴える。

 

「くぅっ……痛い……お離しください……!」

 

 そう言ってはみたが、ハスミはこの邪悪な男がやめてくれるとは期待していなかった。だから、ドルバグが彼女の求め通り乳房から手を離した時、彼女ともあろうものが戸惑って動けなくなってしまったのだ。

 

 それが、これから更なる陵辱のための前振りとも気づかず、ハスミは自身の肩を押したドルバグによって簡単に姿勢を変えられてしまった。そしてそんな彼女へ、ドルバグは胸を触られるよりも屈辱的な命令を下した。

 

「さあ、顔を伏せ、尻を高く上げるのですぞ。この雌め」

 

 そのドルバグの命令が落ちると、ハスミは一瞬だけ身体を硬直させた。顔を伏せて尻を上げる――その姿が何を意味するのか、分からないほど彼女は無知ではない。命令どおりに動けば、ついに最後の一線まで踏み越えさせられることになる。

 

(ここまで耐えたのです。皆を救うためなら……最後まで約定を果たさなくては)

 

 迷っていれば、再び従者たちの命を持ち出されるだろう。ハスミは白濁に汚された顔を寝具へ伏せ、震える膝をわずかに開いた。首へ巻かれた金糸の帯締めが張り、喉元へ食い込むものの、動きを止めるほど強くは締まっていない。

 

 緋袴はすでに腰まで捲り上げられ、赤く腫れた尻も、何も身につけていない下半身も隠せなかった。命じられた姿勢を取っただけでは足りないと悟ると、ハスミは片手ずつ後ろへ回す。指先まで羞恥に震わせながら両腿を左右へ開き、秘めていた場所をドルバグの前へさらした。

 

「ぬふふ……実に美しい。東国の巫女殿が、自らワシのためにそこまでしてくださるとはな」

 

「違い、ます……あなたのためでは、ございません……」

 

「理由など、ワシにはどうでもよいのですぞ。あなたがワシの寝台で尻を上げ、ご自分の手で身体を開いている。それが今ここにある事実ですからな」

 

 否定したくとも、現在の姿がドルバグの言葉どおりであることは覆せなかった。ハスミは寝具へ顔を押しつけ、目を固く閉じる。背後で衣擦れの音が聞こえ、太い指が腿の内側をなぞると、身体が恐怖に震えた。

 

 やがて熱く硬い先端が、ハスミの秘所へ押し当てられた。先ほどまで喉の奥へ押し込まれていたものが、今度は最も無防備な場所を割り開こうとしている。その事実だけで強い嫌悪と恐怖が込み上げ、彼女は反射的に腿を閉じかけた。

 

「お、お待ちください……まだ、心の準備が……」

 

「ほう? ここまで来て、何を今さら仰るのですかな。ワシの女になると認めたのは、あなたご自身ですぞ」

 

「それは、従者たちを……あぎぃぃっ!!?」

 

 言葉の途中で、ドルバグが腰を突き出した。硬い先端が狭い入り口を押し広げ、ハスミの身体へ無遠慮に入り込んでくる。緊張し切った内側を太い肉が進むたび、引き裂かれるような痛みが走り、彼女は寝具を強く掴んだ。

 

「い、痛い……! ドルバグ様、お願いです、少し……!」

 

「力を抜いた方が楽になりますぞ。もっとも、そのように必死に締めつけられるのも悪くありませんがな」

 

 ドルバグはハスミの訴えに構わず、さらに腰を押し進めた。秘所の奥まで男根が入り切ると、腹部には圧迫されるような重苦しさが広がる。打たれた背や尻の痛みも残っており、この段階で感じられるものは苦痛と恐怖、そして己の身体を奪われた屈辱だけだった。

 

 ドルバグはしばらく深く埋めた状態を味わったあと、ゆっくりと腰を引いた。内壁を擦りながら男根が抜けていき、先端だけが残ったところで、今度は勢いよく最奥まで突き入れられる。

 

「ああ゛っ……! あ、ああ゛あ゛ぁっ……!」

 

 寝台が軋み、ハスミの身体が前へ押し出された。首へ巻かれた帯締めが張るたび、彼女は苦しそうに顎を上げ、どうにか呼吸を確保しようとする。ドルバグはその腰を両手で掴み、逃げられないよう引き寄せながら、一定の速さで腰を打ちつけ始めた。

 

「よく受け入れておりますな、ハスミ殿。ワシの“剣”は、あなたの扇よりもお気に召しましたかな?」

 

「あ゛っ、あ゛っ! あぐっ、そのような……ことは……! くぅっ、ございま、せん……!」

 

 見下すように告げるドルバグの言葉をハスミはなおも否定した。だがそれは、自身の体の中で緩やかと生まれ始めた未知の何かを否定するためでもあった。

 

 最初のうちは貫かれるたび、狭い内側を押し広げられる痛みしか感じていなかった。だが何度も深く往復されるうち、張り詰めていた身体は少しずつ男根の太さへ馴染み、鋭い痛みの下から、これまで経験したことのない熱が滲み始める。

 

 そしてドルバグが腰の角度を変えると、男根の先端が内側の敏感な場所を強く擦った瞬間、ハスミの身体は痛みとは異なる理由で大きく震えてしまった。

 

「〜〜〜〜っ! い、今のは……!?」

 

「ほう? 何かございましたかな?」

 

「あっ、くっ……! なんでも……ございません……!」

 

 慌てて否定したものの、同じ場所をもう一度擦られると、ハスミの喉から短い声が漏れてしまう。それは打たれたときの悲鳴でも、喉を犯されたときの苦悶でもない。自分でも聞き覚えのない、柔らかく甘い響きを含んでいた。

 

「んあっ……!」

 

 ハスミは驚愕に目を見開き、身体の奥から湧き上がった感覚を認めまいと寝具へ顔を押しつけた。それでもドルバグは変化を聞き逃さず、腰を打ちつけながら愉快そうに笑う。

 

「ぬふふ……今の声は、ずいぶんと可愛らしかったですな」

 

「違います……痛みに、驚いただけです……!」

 

「そうですかな? では、もう一度確かめてみるとしましょう」

 

 ドルバグは同じ角度を狙い、男根を何度も深く突き入れた。秘所の内側を擦り上げられるたび、ハスミの下腹部へ熱が集まり、腰から背筋へ甘い痺れが駆け上がっていく。逃れようと身をよじっても腰を掴まれているため、かえって別の場所へ擦れ、新たな刺激が生まれてしまった。

 

「やっ、ああっ……! そ、そこは……んあっ!? そこは、いけません……!」

 

「何がいけないのですかな? 先ほどより、ずいぶんと濡れてきておりますぞ」

 

「そ、それは身体が勝手に……! わたくしが望んでいるわけでは……んあああっっ!!」

 

 亀頭のエラが再び敏感な部位を勢いよく押し上げた時、もう弁明の効かないほど確かな喘ぎ声が口から漏れた。言ってしまってから、羞恥で染まった瞳でドルバグを見て、勝ち誇ったような表情を浮かべた彼から目を逸らしてしまう。

 

(これは、わたくしの意志ではありません。身体が刺激へ反応しているだけ……)

 

 そう考えることで、ハスミは辛うじて心の均衡を保とうとした。だが痛みが薄れるにつれ、男根が出入りするたびに生じる摩擦は、はっきりとした快感へ変わっていく。

 奥深くまで貫かれるたびに熱が膨らみ、引き抜かれるたび、次の一突きを待つように秘所が無意識に収縮した。

 

 認めたくはなかったが、腰も次第にドルバグの動きを受け止めるように揺れ始めていて。唇から漏れ出す声も、もはや痛みを訴える悲鳴ではない。

 

「あっ、あっ、あぁっ……! だ、駄目です……このような、んあっ、声を……!」

 

「誰に聞かれるわけでもありますまい。もっと素直に声を聞かせてくださってもよいのですぞ」

 

「わたくしは……まだ、あなたに屈したわけでは……あぁんっ!」

 

 言葉を遮るように深く突き入れられ、ハスミの思考が一瞬途切れた。腹の奥を直接揺さぶられるような刺激に、両腕から力が抜けかける。ドルバグは彼女の腰を支えながら、同じ場所を執拗に責め続けているのだ。

 

 やがて下腹部へ集まっていた熱が、耐えられないほど大きく膨れ上がってくる。それが何を意味しているのか、何が起ころうとしているのか分からないまま、ハスミは恐怖に首を振った。

 

「ま、待ってください! 何かが……あんっ、あっ! 身体が、おかしく……!」

 

「おかしいのではありませんぞ。それが女の身体というものです。力を抜き、ワシに委ねてごらんなさい」

 

「嫌……そのようなことをすれば、本当に……!」

 

 拒絶しようとした瞬間、ドルバグが最奥へ深く男根を押し込み、腰を擦りつけた。張り詰めていた熱が一気に弾け、ハスミの身体を内側から真っ白に吞み込んでいく。

 

「あっ、ああぁああぁぁぁっ!!!?」

 

 ハスミは背を大きく反らし、初めて知る絶頂に全身を震わせた。秘所が男根へ何度も収縮し、意思とは無関係にさらに深く受け入れようとする。頭の中が真っ白になり、祖国も神器も、従者たちのことさえ、ほんの一瞬だけ意識から消え去っていた。

 

「ぁっ……あっ、ぁぁ……っ」

 

 絶頂が過ぎると、彼女は荒い息を繰り返しながら寝具へ崩れ落ちた。そして靄のかかる思考で、自分の身体に起きたことをゆっくりと理解した途端、遅れて激しい羞恥が込み上げてくる。

 

(わたくしが……ドルバグ様に抱かれて、あのような声を……?)

 

「いかがでしたかな、ハスミ殿?」

 

「何も……感じてなど……おりません」

 

「ほう? それは残念ですな。では、ここで終わりにするとしましょうかな」

 

 ドルバグの動きが止まり、男根がゆっくりと引き抜かれ始めた。苦痛と屈辱に満ちた行為がようやく終わる。そう安堵するはずだった。

 

 ところが男根が半ばまで抜けると、満たされていた場所に奇妙な空虚さが生じ、残された疼きだけが行き場をなくして広がっていく。

 

(何を考えているのですか。終わるのなら、それでよいはず……)

 

 だがドルバグがさらに腰を引き、先端まで抜け落ちそうになった瞬間、ハスミの腰は自ら後ろへ動いて男根を追いかけていた。

 

「おや?」

 

「……っ!」

 

 自分のしたことに気づき、ハスミの頬が真っ赤に染まる。すぐに身体を離そうとしたが、ドルバグはそれより早く腰を掴み直し、男根を浅く差し込んだ状態で焦らすように止めた。

 

「終わりにしても、よろしいのですかな?」

 

「それは……」

 

「ワシは無理強いをするつもりはありませんぞ。あなたがやめてほしいと仰るなら、今すぐ抜いて差し上げましょう」

 

 それはこの夜に初めて与えられた、明確な選択だった。ハスミは「やめてください」と答えようとする。そう言えば、この快楽に心まで奪われる前に逃れられるはずなのだ。

 

 だが、望んでいたはずの拒絶が声にならない。身体の奥では、浅く差し込まれた男根をもっと深く受け入れたいという疼きが増し続けている。

 

(今なら、まだ戻れます。拒みなさい。わたくしは東国の巫女なのですから……)

 

「さあ、ハスミ殿。やめてほしいのですかな?」

 

「……ぁっ、んっ……!」

 

 くちゅくちゅと、男根が膣穴の周りをくすぐる。甘くて、切なくて、物足りない刺激。もっと、もっと深くまで欲しくなる刺激。

 

 長い沈黙の末、ハスミの唇からこぼれたのは、心の中で繰り返していたものとは正反対の言葉だった。

 

「……やめないで、ください……」

 

「ほう?」

 

「お願い、いたします……もう一度、先ほどのように……わたくしを……」

 

 それは従者たちを救うために言わされた台詞でも、ドルバグの脅しに屈した答えでもない。初めてハスミ自身が、身体の奥へ戻ってきてほしいと望み、自らの意志で口にした懇願だった。

 

「いいでしょう!」

 

 ドルバグは満足そうに笑うと、引きかけていた男根を一気に最奥まで突き入れる。空虚だった場所が再び満たされる感覚が全身を陶酔するように包み込み、ハスミは喜びを隠せず甘い声を上げた。

 

「あっ、あぁっ……!♡ そ、そこです……もっと、奥まで……!」

 

「ぬふふ。ようやく素直になられましたな」

 

「違うと、思いたいのに……身体が、あなたを……旦那様を、求めて……!♡」

 

 再び激しく腰を打ちつけられると、ハスミは先ほどまでのように逃げようとはしなかった。

 

 それどころか、ドルバグを旦那様と呼びながら両手で腿をさらに開くと、今夜からそこの所有者となる男が動きやすいよう自ら腰を高く上げるのだ。

 ハスミは男根が最奥へ届くたびに声を悦楽に弾ませ、次第に自分からもドルバグの動きに答えるように、腰を押し返すようになっていった。

 

 彼女を変えたのは、打擲の痛みでも、以前から隠し持っていた被虐の願望でもない。初めて知った強烈な性的快感を自ら求めたことが、心へ生じた亀裂の始まりだった。

 そしてドルバグはその亀裂へ容赦なく快楽を流し込み、何度も彼女を絶頂へ導いて、亀裂をより深く、二度と修復できないほど砕いていく。

 

「んあっ、あぁんっ♡ あっ、あんっ、旦那様……!♡ また、身体が震えるんです! さっきのが、止まらないんです……!♡」

 

「我慢する必要はありませんぞ。すべてワシへ委ねてしまいなさい」

 

「はい……。はい……! もう、我慢できません……! わたくしを、もっと……もっと満たしてください……旦那様ぁ!」

 

 絶頂を重ねるにつれ、ハスミは何のために耐えていたのかさえ曖昧になっていった。もはや従者たちを救うためではなく、自らの快楽を終わらせないためにドルバグを求めている。

 

(これ以上は、心まで戻れなくなります。それなのに……戻りたいと思えない……)

 

 わずかに残った冷静な部分のハスミが、状況の不味さを客観的に分析していた。このままでは、長く背負ってきた使命も、気高く振る舞い続けなければならない重圧も、快楽へ飲み込まれ、全て忘れ去ってしまうと。

 

 そして同時に、ある一つの結論も導いていた。

 このまますべてをドルバグに委ね、彼の望む女として扱われれば、自分で何かを決める必要も、誰かを導く責任も感じる必要は無くなるのだと。その甘い安堵が、快楽とともにハスミの心へ染み込んでいった。

 

「今のあなたは、何者ですかな?」

 

 それは今までと同じ問いだった。これまでは従者たちを守るため、偽りの答えを口にしていた問いだった。だが今度は、ドルバグに脅されるより先にハスミは自身の唇が開き、心からの答えを口にした。

 

「わたくしは――――あなたの女でございます、旦那様……」

 

「東国の巫女ではなかったのですかな?」

 

「それよりも今は……旦那様に抱かれる女でいたいのです。どうか、このまま……わたくしを離さないでください……」

 

 その言葉とともに、最後まで残っていた抵抗が崩れ落ちた。ドルバグの女であることは、もはや従者を守るために演じる役ではなくなった。彼に満たされ、快楽を与えられ、そのために甘い声を上げることを、今のハスミは自ら望んでいたのだから。

 

「旦那様……もっと、激しく……! わたくしを、旦那様の女にしてください……!」

 

 ドルバグは望みどおり、ハスミの腰を強く掴んで激しく突き続けた。肉のぶつかる音が寝室に響き、彼女の乱れた声が幾重にも重なる。もはやハスミは声を抑えようともせず、快感が押し寄せるたびに男を呼んだ。

 

 何度目かの絶頂が訪れる頃には、彼女の身体はドルバグの動きへ完全に馴染んでいた。男根が深く入るたびに内側から絡みつき、自ら腰を押し返して迎え入れる。最初に感じていた痛みは遠くなり、最奥を抉られる刺激さえ、新たな絶頂へ導く快感の一部となっていた。

 

「まもなくですぞ、ハスミ殿。ワシのものをすべて、あなたの奥へ注いで差し上げましょう」

 

「はい……! お願いいたします、旦那様……! あっ、んあっ、わたくしの中へ……奥まで、すべて……!♡」

 

 ドルバグが最後の一突きとともに腰を押しつけ、男根を最奥へ深く埋めた。

 直後、熱い精が脈打ちながら身体の奥へ注ぎ込まれる。その感触を受け止めた瞬間、ハスミも大きく背を反らし、この夜で最も激しい絶頂に吞み込まれた。

 

 びゅるるるるるるる!!

 

「んあっ、ああああ゛あ゛あ゛ぁぁぁーーーーッッ!!!♡♡♡ 旦那様ぁぁぁ!!♡♡ お慕いしています、旦那様ぁぁっ……!!!!♡♡♡」

 

 何度も収縮する秘所が男根を締めつけ、注がれる熱をさらに深く受け入れる。ハスミは歓喜に満ちた声でドルバグを呼び続け、身体だけでなく心まで彼のものへ塗り替えられていく感覚を、もはや拒もうとはしなかった。

 

 やがて射精が終わり、ドルバグの腰の動きが止まる。満たされたはずなのに、行為が終わってしまったと気づくと、ハスミの胸へ小さな寂しさが広がっていった。

 

「もう、終わりなのですか……?」

 

「ずいぶんと名残惜しそうですな」

 

「はい……旦那様が離れてしまうのは、嫌です……」

 

 以前なら想像もできなかった言葉だった。だが今は置き去りにされ、一人で使命や責任と向き合うことよりも、ドルバグの傍らで女として求められ続けることを、ハスミは強く望んでいる。

 

「わたくしを……このまま旦那様のお側へ置いていただけませんか。どのような形でも構いません。遊女でも、下女でも、愛玩物でも、便女でも……旦那様が望まれる女になりますから……!」

 

 その必死な懇願に、ドルバグはすぐには答えなかった。男根を引き抜いたあと、ハスミの首へ巻かれていた帯締めを鉤から外して軽く引く。その力に導かれるまま、彼女は寝具から白濁に汚れた顔を上げ、再び四つん這いになった。

 

「では、ついてきなさい。まずはその身体をきれいにして差し上げましょう。少々、匂いますからな」

 

「……はい、旦那様」

 

 言葉は相変わらず遠慮がなかったが、ドルバグの手つきは意外なほど穏やかだった。それは、もう完全にハスミが心身共に自分の所有物となったと確信しているからこその余裕なのだろう。

 

 そして、それは間違いではないのだ。残っていた装身具と緋袴を脱がせると、歩く力も満足に残っていないハスミを支え、隣接する浴室へ連れていく。その道中、ハスミはずっとドルバグの胸に頬を擦り寄せていた。ここが、これから生涯自分がいるべき場所なのだと、自分自身に刻み込むように。

 

 そして温かな湯へ身体を沈めた瞬間、ハスミは小さく息を吐いた。ドルバグは彼女の背後へ腰を下ろし、湯を含ませた布で、顔や髪に残っていた白濁をゆっくりと洗い流す。乱暴に扱われ続けたあとだからこそ、その穏やかな手つきは胸の奥深くまで染み込んだ。

 

「傷へ触れますぞ。少し沁みるかもしれませんな」

 

「っ……はい。ですが、大丈夫でございます」

 

 石鹸が鞭痕や擦り傷へ触れるたび、鋭い刺激にハスミの肩が震えた。ドルバグは傷を避けながら慎重に汚れを落とし、その手が背や腕、胸元を撫でるうち、全身を支配していた痛みと強張りは温かな湯へ溶けていく。

 

 従者たちを救うためだけに始まった夜だった。最初は痛みと屈辱しか感じなかった彼女も、今では自分がドルバグの女であり、これからも彼の望むままに抱かれたいと受け入れている。

 東国の巫女としての誇りより、彼に必要とされ、その傍らへ置かれることの方が大切なものだと気づいたのだ。

 

(もう、故郷に戻る必要も、神器を探す必要もないのかもしれません。わたくしが本当に望む場所は、旦那様のお側なのですから……)

 

 ドルバグの胸へ背を預けると、彼の腕がハスミの身体を支えた。傷へ石鹸が触れる痛みは残っていたが、それ以上に湯の温かさと背後にいる男の存在が、彼女の心を穏やかにしていく。ハスミは身体からゆっくりと力を抜き、自分がようやく、本当に帰るべき場所へ辿り着いたのだと知った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜が明ける頃、ドルバグはハスミを屋敷の地下へ連れていった。石造りの広間には、乱闘の末に敗れた従者たちが手枷を嵌められ、護衛に囲まれて跪かされている。足音に気づいた彼らは一斉に顔を上げ、ドルバグの傍らに立つ主の姿を見て目を輝かせた。

 

「ハスミ様……! ご無事だったのですね!」

 

「お助けに来てくださったのですか……!」

 

 湯浴みを終えたハスミは、乱れのない東国の装束を身にまとっていた。長い黒髪も美しく結い直され、一見すれば昨夜までと何も変わらない。しかし喉元にはドルバグから与えられた黄金の首輪が輝き、その手には巫女の象徴ではなく、彼の所有物であることを示す細い鎖が握られていた。

 

「いいえ。あなた方を救いに来たのではありません」

 

 ハスミの声は静かだった。その端正な顔には悲しみも迷いもなく、かつての従者たちを見下ろす瞳は、見知らぬ罪人へ向けるように冷え切っている。

 

「あなた方は旦那様のお屋敷で騒ぎを起こし、貴重な美術品を破損させました。そればかりか、護衛の方々へ刃まで向けた。その罪を償っていただきます」

 

「旦那様……?」

 

「まさか、あの男に何かされたのですか? ハスミ様、お目を覚ましてください!」

 

 従者のひとりが叫ぶと、ハスミの眉がわずかに動いた。次の瞬間、閉じられていた扇が鋭い音を立てて開き、その先端が男の喉元へ突きつけられる。

 

「ドルバグ様を、そのように呼ぶことは許しません」

 

「ハスミ様……」

 

「あなた方の軽率な振る舞いによって、わたくしは旦那様へ多大なご迷惑をおかけしました。本来なら、わたくしが命をもって償うべき失態です。それでも旦那様は慈悲深く、この身をお側へ置いてくださいました」

 

 従者たちの間に動揺が広がった。哀れむような視線を向けられても、ハスミは怯まない。むしろ自分とドルバグの関係を否定されたことへ、露骨な不快感を浮かべていた。

 

「わたくしはもう、あなた方の主ではございません。ドルバグ様の女であり、あの方の所有する東国の美のひとつ。これより先、わたくしの力も、命も、すべて旦那様のために使います」

 

「ぬふふ……実に頼もしい言葉ですな」

 

 広間の入口で見守っていたドルバグが、満足そうに腹を揺らした。

 

「ですが、拘束されたままの相手を処分するだけでは、あなたの美しさを十分に堪能できませんな。護衛の方々、彼らの枷を外して差し上げなさい」

 

 そう余裕綽々と言ったドルバグは、万が一にも従者たちが自分を殺す可能性など考えていない。それは傲慢で驕りがすぎる考えだったが、その側にハスミがいるのならその傲慢は確固たる事実に基づいた物であった。

 

 そしてドルバグの命令通り拘束が解かれると、従者たちは戸惑いながらも立ち上がった。床へ置かれた武器を手に取り、なおも戦うことをためらっている。彼らにとってハスミは、守り仕えてきた大切な主だった。

 

「ハスミ様、どうかお考え直しください。我々はあなたと戦うことなど――」

 

「構えなさい」

 

 ハスミは扇を胸元へ掲げ、片足を滑らせるように前へ出した。舞を始める直前にも似た、優雅で静かな構えだった。だが、その瞳に慈悲はない。

 

「旦那様の御前で、これ以上見苦しい姿をさらすおつもりですか? それとも、戦う価値さえない者たちを従者として連れていたと、わたくしに恥をかかせるのですか」

 

 挑発されたひとりが、覚悟を決めて剣を振り上げた。だがそれは峰打ち。刃が反対になっており、人を斬ることは叶わない。

 

 それが従者たちの取った主人を助けるための選択だったが、ハスミは紙一重でその刃をかわすと、舞うように身を翻し、扇の一撃を勢いよく男の胸元へ叩き込んだ。同時に眩い光が弾け、男の身体は床を滑りながら壁際まで吹き飛ばされ、やがてピクリと痙攣してその生命を停止した。

 

 残る一人が、それを見て涙混じりの絶叫を上げながら動き出した。しかし、その剣幕を真正面から浴びせられてもハスミの足取りは乱れない。扇が描く軌跡に沿って黄金の光が走り、乾坤一擲と振るわれた刀の峰を弾き飛ばす。

 

 ドルバグに敗れた昨夜は従者を庇い、乱闘を止めようとして満足に戦えなかったが、今の彼女には守るべき相手も、手加減する理由もなかった。

 

 剣をかわし、柄を蹴り付け、懐へ潜り込んで一撃を加える。その姿は舞姫の優雅さと、神殿に仕える者の苛烈さを併せ持っていた。決死の覚悟で挑んだ従者は、ハスミの衣へ触れることさえできず、その場に膝をついた。

 

 だがそれでも、従者の男は涙を浮かべてハスミを見つめ続けていた。目の前にいるのがかつて仕えた主だと分かっていても、なぜ自分たちを殺そうとするのか理解できないのだから。

 

「ハスミ様……我々は、あなたをお守りするために……」

 

「守る?」

 

 ハスミは冷ややかに微笑んだ。

 

「昨夜、旦那様のお屋敷を荒らし、交渉を台無しにしたあなたが、何からわたくしを守ったというのです?」

 

「我々は、あの男からあなたを――」

 

「まだ分からないのですね。わたくしが守るべき方は、ドルバグ様です」

 

 最後の一言は末期まで紡がれることなく、扇が横薙ぎに振るわれ、黄金の光が広間を駆け抜け、男の首から鮮血が噴き出た。そしてそのまま糸が切れた人形のように崩れ落ちると、室内は静寂に包まれる。

 

 ハスミは死んだ従者たちを一瞥して、扇に付いた血を汚らしい物のように紙で拭き取って捨てると、すぐに主人の元へと踵を返した。

 

 その歩みには疲労も動揺もない。ドルバグの前まで戻ると、つい先ほど二人の従者の命を奪った扇を閉じ、彼の足元へ片膝をついた。

 

「旦那様に仇なす者は、すべてわたくしが排除いたします。たとえそれが、かつてこの身を慕っていた者であろうとも」

 

「はっはっは。見事ですな、ハスミ殿。これほど強く美しい女がワシのものとは、実に誇らしい」

 

 差し出された手を、ハスミは両手で恭しく取った。その指先へ口づける顔には、かつての従者たちを自ら倒した罪悪感など残っていない。

 

「お褒めにあずかり、光栄でございます。わたくしの力はすべて、旦那様だけのものでございますから」

 

 

 

 

 それからしばらく後、ドルバグの屋敷では近隣の豪商を招いた商談が開かれていた。高価な酒と書類が並ぶ卓の上では、東方から運び込まれる美術品の値を巡り、男たちの思惑が交錯している。

 

 その堅苦しい席で、ハスミの姿だけが異様なほど官能的だった。

 

 彼女が身につけているのは、薄紅色の透ける絹を幾重かに重ねた、東国風の衣装だった。胸元は深く開き、豊かな乳房を辛うじて覆う細い布が、呼吸するたびに危うく揺れる。

 むき出しの腹部には黄金の鎖が巻かれ、腰布は尻の形を隠すどころか、その丸みを強調するよう短く仕立てられていた。

 

 左右へ深く切れ込んだ裾からは、腿の付け根まで惜しげもなくさらされている。下着は身につけておらず、脚の組み方を少し変えただけで、隠すべき場所まで見えてしまいかねない。

 首にはあの日と同じ黄金の首輪が嵌められ、そこから伸びた細い鎖の端は、ドルバグの手首へ巻かれていた。

 

 ハスミは自分の椅子を与えられていなかった。ドルバグの膝へ横向きに腰かけ、片腕を彼の首へ回しながら、商談の行方を楽しそうに眺めている。身じろぎするたび柔らかな尻が腿へ擦れ、胸が彼の肩へ押しつけられた。

 

「では、こちらの宝珠につきましては、提示した額の八割で引き取っていただきたい」

 

 向かいの商人がそう告げながらも、視線は書類ではなくハスミの胸元へ吸い寄せられていた。その露骨な目つきに気づくと、彼女は怒るどころか、薄く微笑んで身体をドルバグへ密着させる。

 

「困りましたわ、旦那様。先ほどから、あちらの方はわたくしばかりご覧になっています」

 

「仕方ありますまい。あなたという美女を前にしては、東国の宝珠など霞んでしまいますからな」

 

「まあ……旦那様ったら」

 

 ハスミは甘えるように彼の肩へ頬を寄せ、耳元へ唇を近づけた。吐息を吹きかけるほどの距離から囁き、そのまま耳朶へ小さく口づける。

 

「ですが、わたくしは旦那様だけの宝物でございます。他の殿方には、見せることしか許して差し上げません」

 

「ぬふふ。よく分かっておりますな」

 

 ドルバグの手が腰布の下へ入り、露わになった尻を掴んだ。商人たちが見ている前で指を食い込ませ、柔らかな肉を好き勝手に揉みしだく。ハスミは拒むどころか、腰をわずかに浮かせて、その手へ自ら尻を押しつけた。

 

「んっ……♡ 旦那様……商談の最中でございますよ……」

 

「嫌なのですかな?」

 

「いいえ。皆様の前で、わたくしが誰の女なのか示していただけるのは……とても嬉しゅうございます♡」

 

 甘い声とともに、ハスミはドルバグの頬へ口づけた。卓の向こうで商人たちが目をそらすべきか迷っているのを見て、彼女は愉快そうに目を細める。その仕草に、かつて人前で肌をさらすことすら耐え難い屈辱としていた巫女の面影はなかった。

 

「八割というお話でしたかしら?」

 

 ハスミは片脚を組み替え、透けた絹の裾をさらに大きく割った。剥き出しになった腿をゆっくりと撫でながら、向かいの商人へ艶やかな視線を送る。

 

「これほど素晴らしい品を旦那様からお譲りいただくというのに、少々欲張りすぎではございませんか?」

 

「い、いや、しかし……」

 

「旦那様のお手を煩わせないよう、もう一度よくお考えくださいませ。そうしてくだされば、わたくしも機嫌よく旦那様へご奉仕できますもの」

 

 最後の言葉を告げながら、ハスミの手が卓の下へ滑り込んだ。ドルバグの腿を撫で、衣服の上から股間へゆっくりと指を這わせる。彼の身体が反応し始めると、そのことを確かめるように尻を膝の上で揺らした。

 

「ハスミ殿。あまりワシを急かすものではありませんぞ」

 

「申し訳ございません。ですが、朝からずっと旦那様に抱いていただくのを待っておりましたので……」

 

 ハスミは熱を帯びた瞳でドルバグを見つめた。胸元を覆う細布を指でずらし、そこから覗く桜色の突起を露わにしながら、彼の耳へ甘い吐息を落とす。

 

「商談が終わりましたら、この衣装も旦那様のお手で脱がせてくださいませ。いえ……皆様がお帰りになるまで、待たなくても構いません。旦那様がお望みでしたら、わたくしはこの場ででも……」

 

「ぬふふ。それは実に魅力的な提案ですな」

 

 ドルバグが首輪の鎖を引くと、ハスミは従順に顔を寄せた。二人は商人たちの視線も構わず、唇を重ねる。ハスミは彼の舌を迎え入れ、胸を押しつけながら、商談の席とは思えないほど濃厚に口づけを返した。

 

 ほどなくして、向かいの商人は当初の条件を取り下げ、ドルバグが提示した額を受け入れた。契約書へ署名が記されると、ハスミは誰よりも嬉しそうに微笑み、ドルバグの首へ両腕を回す。

 

「さすがは旦那様でございます。わたくし、とても誇らしゅうございます」

 

「あなたの働きも見事でしたぞ。ご褒美を差し上げなくてはなりませんな」

 

「まあ……何をしてくださるのですか?」

 

「それを本当に聞く必要がありますかな?」

 

 ハスミは答える代わりに、ドルバグの膝の上で身体の向きを変えた。男と向かい合うように跨がり、腰布の奥を彼の股間へ密着させる。商人たちがまだ退室していないにもかかわらず、甘えるように鼻先を擦り合わせ、蕩けた声で囁いた。

 

「旦那様がお与えくださるものなら、何でも喜んで頂戴いたします。わたくしは美術品も宝珠も遠く及ばない、旦那様だけの女でございますから……」

 





 ここまでお読みいただきありがとうございます。
 久しぶりのオクトラ大陸の覇者。まさかオクトラ0名義でSwitchに来るとは思わなんだ。これで知名度アップだ!と思ったらスマホ版のキャラはほとんどリストラなのが悲しみ。
 なのでこれからもちょくちょく大陸の覇者の女キャラを布教目的で書いていきます。

 ドルバグの所有品ハスミ
 
【挿絵表示】

もしFFのエロをやるならどのナンバリングが見たい?*FF7は意図的に外しています

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