※この作品はR-18です。

マイナーキャラ妄想短編集   作:ニンニク嫌い

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 もしセラスが灯河と出会う前に訪れた辺境の村の道具屋で催眠をかけられて万引き犯にさせられてしまったら?

 頂いたアイデアを参考にして書いてみました。アイデアを下さった方、ありがとうございます。




ハズレ枠の状態異常スキル(セラス・アシュレイン)

 

 その道具屋は最近戦争によって敗北したネーア国首都から数千里離れた村中に存在していた。村と言っても総人口300と、町と村の境目ほどの居住者。そしてある程度整備された景観は、数ある村と呼称される人口密集地帯の中でも飛び抜けて裕福であった。

 深い森林地帯を抜けた先に根を生やしたその村は、奇跡的にネーア国とパクオス国の戦争に巻き込まれる事なく難を逃れ、さらには周りから採れる豊かな資源のおかげで、戦争前と戦争後で経済状況が変わらなかった唯一の地区でもあった。

 

 それはこの地が戦略的にも戦術的にもさして価値のない辺境にあったが故。そしてそんな辺境と言えど、冒険者と呼ばれる人間は依頼を受ければやって来る。

 村の一画にある道具屋は、そんな冒険者たちのために開かれた店であった。

 

 だが、所詮は辺境の村。いくら資源に溢れているとは言え、あまり訪れない冒険者や商人のためにストックしておく道具の類は首都に居を構える道具店とは雲泥の差。

 それは今まさに護衛の依頼を終えて自身の拠点としている町に帰ろうとしている冒険者の男にとっても予想出来ていた事であった。

 

「やっぱりしけてんなー」

 

 町の道具屋の三分の一しかない広さの店内に、種類の少ないポーションなどの道具類。唯一状態は良好でありそうなのが褒められた点だが、それは金を貰って物を売る商売である以上必要最低限のクオリティと言える。

 

 だからこそ、店内を見て回る男の目は冷めたそれだ。わかってはいたけど、やっぱり期待通りの期待外れだったかーと頭を掻いてボヤくばかり。これなら町に帰ってから今回の浪費分の道具を買い集めた方がいいな、と男が判断して踵を返そうとした、その時だ。

 

「いらっしゃいませ、ボンフリークス道具店にようこそお越しくださいました」

 

 女神の竪琴の音色を聞いた。いや、そう錯覚するほどの美しい、聞いただけで陶酔してしまうような音色を纏った女の声。閑古鳥が鳴いていそうな閑散とした店内が、それだけで女神の宮殿の一室に変わったような法悦を覚えてしまう。

 

「----」

 

 反射的にその声の方を振り向いた男が見たのは、その美声に相応しい、まさしく女神の如し金髪の美女であった。

 神が手ずから編んだのではと思うほど、毛の一本に至るまで繊細な輝きと艶を内包した金色の髪を腰まで伸ばし、過去現在未来全ての優秀な画家、彫刻家を持ってしても再現出来ないような一つの美の極地を形にした美貌。そして、万人が女神と聞いて思い浮かべる女性の理想の体つきをそのまま具現化したような魅惑的な胸の膨らみ、引き締まったお腹、肉付きの良い臀部と吸い付きたくなる太もも。

 

 女神が自分の前に降臨したと、冒険者の男が馬鹿げた錯覚を抱いてしまうのも無理はないだろう。初めて初恋を経験した時でさえ訪れなかった真の意味での一目惚れに、男は心奪われ固まる事しか出来ず、だがそんな彫像と化した彼に対して、女神はその美貌をより艶やかに彩る魅惑的な微笑みを投げかけながら言葉を投げかけてきた。

 

「何かお探しですか? よろしければ、私もお手伝い致します」

「へっ……あ……いや、その……」

 

 この狭い店内の中で、わざわざ人の手を借りてまで探さなければならないような道具など存在しない。店の棚に並んでいる物が全てで、その商品の全ての効果を冒険者である男は正しく認識していた。

 だがそれでも、男はこの傾国の美女からの誘いの言葉を跳ね除けられる事はできなかった。

 

 女性の身ではかなりの高身長を男の目線に合わせるために頭を屈めることで見えてしまう、豊満な胸の上部。距離が近づいたことで香ってくる、最上級のフレグランスにも勝るとも劣らない彼女の芳香。それを食らって、首を触れる男なんているわけがない。

 

「ぇ……えっと、ポーションを……す、少し……」

「ポーションですね。実はちょうど先日、多めに入荷したところなんです。なので今なら、まとめて三十個ほど購入していただければ、割引きさせていただきます」

 

 男の完全に吃って緊張した答え。それを聞き取った彼女は、誰もが虜になるしっかりとした口調で商品の売り込みを行って来た。

 

 彼女が提示した内容は、普通の冒険者ならまず受け入れない常識知らずの交渉。こんな辺鄙な村でポーションを大量に購入したところで、それを持ち帰る手立てと手間を考えれば明らかなマイナス。さらには割引きになる個数も三十個からと、男の住まう町の道具屋なら五個からしてくれるサービスを、さも特別大出血と言わんばかりに語るのだ。

 

 一般店員が言えば、即座に馬鹿にされて常識の無さとおつむの悪さを指摘される接客。だがそれを、彼女はまるで魔法のような見事な話術と、ちょっとしたリップサービスで欠点さえも利点のように惑わしていく。

 

「このポーション、実は私が今朝容器に初めて詰めたんです」

 

「お客様、とっても腕が太いんですね。力が強い冒険者って、私素敵だと思います」

 

「もし必要なら、後でお客様の宿泊先に買った商品を直接届けにまいりますよ」

 

 そんな甘い言葉で囁かれては、誰であってもこの不公平な買い物を承諾するしかないではないか。

 

「はい、ポーション六十個、解毒薬三十個、強壮剤二十五個でございますね。どうもありがとうございます!」

 

 そして結果、男は今回の依頼で稼いだ額のほとんどをこの道具屋で精算される事になった。だが笑顔で男の手を取って感謝を伝えてくる彼女を見る彼の顔に後悔の色はない。むしろ、この女神を喜ばせられたのなら安い買い物だとまで考えていた。それが、娼館の虜になる男の思考だとこの時の彼は気づいていないのだが。

 

「店主殿、会計をお願い致します」

 

 そしてその幻想を打ち破ったのは、やはり男を虜にした女神その人であった。男から商品の合計金額分のコインが入った袋を受け取った彼女が振り向いた先、そこには今まで影も形もなかった小太りの男性がいた。

 

「いやぁ、わかったよぉセラスちゃん」

 

 碌に鍛えていない事がすぐわかる肥満体に、気色の悪い笑みを貼り付けた醜顔。その言動も見た目から想像できるそのままのキモさの擬音化のような粘ついたもの。

 そんな男が馴れ馴れしく女神の隣に陣取って、その腰に手を回しながら支払いの合計を聞いているのだから、冒険者の彼はタチの悪い悪夢を見ているのではないかと本気で思ってしまった。

 

「以上が、割引き額を差し引いた、んっ、金額になります。一応何度も計算したので、あっ……心配ないとは思いますが、んあっ、念のために、確認を……っ!」

「ムフフ、ありがとねぇ。いつもセラスちゃんには頼りになってるよぉ」

「…………ッ!!?」

 

 冒険者の男の目の前で、醜い店主殿の男が彼女の腰に回していた手をスカート、いやスカートとも呼べない前垂れの中へと潜り込ませた。モゾモゾと動く彼女の股間を隠す布切れと、しきりに艶やかな声をあげる彼女の姿を見れば、男があの布切れの裏で何をやっているかは明白だ。

 

 にも関わらず、セラスと呼ばれた女神の如き美貌の彼女はその即憲兵に通報レベルのセクハラに対して一切の抵抗を見せない。それどころか男の気のせいでなければ、店主殿が揉みやすいようにわずかに腰を突き出しているではないか。

 

「んっ、ああ……ありがとう、ございます、店主殿……っっ!」

「いいんだよぉ、僕とセラスちゃんの仲なんだからさぁ」

 

 目の前で突如繰り広げられた美女と醜男の淫行に、男が固まっている間にも事はエスカレートしていく。セラスの前垂れの裏で手を動かす男の腕が、何かを捏ねくり回すような円運動から何かに出し入れするような上下運動へと変わる。

 

「ふあっ……! 店主殿、あのっ、これ以上は……! 今は、お客さんも、んんっ、いますか、らぁああ……ッ!!」

「うーん? 何のことか、わかんないなぁ? 僕はいつもと同じ事をしているだけだよぉ? む、ムフフ……ほら、お客さん待ちぼうけしちゃうから、僕が会計を終えるまで話し相手になってあげなよ」

 

 その意味する事を知っていても脳が理解を拒む男の前で、絶世の美女と醜い豚男による接客中のじゃれ合いは続く。片手で以前変わりなくセラスの股間部で何かをしながら、もう片方の手で袋に入っているこの地域一帯共通の硬貨を一枚一枚まるで焦らすように確認していく店主殿。

 

 そして店主殿の指示に従ってこちらに目線を合わせた彼女は、先刻男が抱いた女神の印象から大きく外れた淫魔のような雌の顔を晒していて。

 

「はぁ、はぁ……♡ す、すいません、お待たせして、んんぅッ! す、すぐにお金の計算は、あふぅ♡ お、終わると思い、ますから……ひうっ♡」

 

 男への接客対応に戻りながらも、店主殿のセラスへのセクハラは止むことはない。もう艶声を隠す気もないのか、声を抑える事もせずに会話中に淫らな声を響かせる。

 

 目は淫欲に潤み、頬は赤く上気し、口からは熱い吐息がこぼれ落ちる。百人中百人が性別関係なく目を奪われてしまうような美女が、発情を絵に描いたような顔で喘いでいる。それだけでこの世界のどんな春画にも優ってしまう極上の光景を、僅か二メートルにも満たない距離から何も出来ず見させられた男は、情けなくも腰の陰棒を勃起させてズボンに傘を作ることしかできない。

 

「あっ、あっ、あっ♡ そろそろだと思います……もう、済みますから♡ んあっ、くっ、うんんっ♡」

 

 そろそろとは、店主殿の会計と自身の状態、果たしてどちらの意味か。

 それは次第に前垂れの裏から聞こえてきたくちゅくちゅとなる水音と、内股に身をすくませ始めたセラスの姿が物語っている。

 

 店主殿の布切れの下に潜り込ませた手の動きが目に見えて早くなっていく。そして本当に金額を確認していたのかも怪しい、ニヤニヤと気色の悪い顔をより醜く歪めた店主殿がその太い唇を彼女の耳に寄せた。

 

「終わっよぉセラスちゃん、もうイイよぉ」

「----ッッッ♡♡!!!」

 

 セラスの体がびくんと跳ねた。店主殿が彼女に囁いた瞬間、まるでタガが外れたように彼女の中の何かが決壊し、言葉にならない声をあげながら全身を震わせたのだ。

 

「ぁっ…………ふあ……ああ……♡」

 

 そして、ツツぅと彼女の股間から何か汗とは違う液体が白く美しい太腿を伝って流れ落ちてくる。それが何なのか、彼女から増した淫臭から明らかなその答えを、それでもこの状況が夢か何かだと思っている、思いたい冒険者の男は目を背け続けた。

 

「ムフフ、どうやら完全にトんじゃったみたいだねぇ。あぁ、それとお客さん。硬貨の数を数えたんだけどねぇ、実はちょっと足りないんだよぉ」

 

 だがそんな男の現実逃避など意に返さず、店主殿は弛緩してもたれかかるセラスの体を弄りながら、人を小馬鹿にした笑みを顔一面に貼り付けながら話を切り出した。

 

「この店ではねぇ、五十銀貨ほど僕のセラスちゃんの接客料として加えさせてもらってるんだ。それと、僕とセラスちゃんの睦み合いを見せてあげたサービス料を加算して、そうだね……金貨一枚、追加で払ってもらうよぉ」

 

 それはあまりにふざけた内容だった。

 接客料なんて、この店の外にも内にもどこにも書かれていないルールだし、そもそも道具屋にそんな物を設ける事自体客を馬鹿にしていると言っていい。

 加えてサービス料云々に関しては、あちらが勝手に見せてきた物だ。タチの悪いぼったくり娼館でももっとマシな理由を考えるだろう。

 

「ぅ……あっ……はい、わかりました」

 

 だがそれに対して、男はなぜか反感も疑問も感じることが出来なかった。

 店主殿の太い指につけられた趣(・)味(・)の(・)悪(・)い(・)指(・)輪(・)が視界に映った瞬間、なぜか向こうから投げかけられる言葉を無条件に受け入れてしまう。

 

「はぁ……はぁ……♡ ありがとうございました、お客様……またのお越しをお待ちしております♡」

 

 最後に百八十度印象の変わった堕ちた淫女神による次のカモられる約束を耳にしながら、男はズボンとパンツを無様に自身の雄汁で汚しながら店を後にしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 ミスト・バルーカス、本名をセラス・アシュレインと言う彼女は、元はハイエルフの国の姫であり、今は亡きネーア国に仕える聖騎士団の団長を務めていた歴戦の姫騎士であった。

 

 だが仕える国が戦争によって滅ぼされる際に、彼女は友人の手を借りて国外に逃亡。それからは自身を追って来る敵国の兵士から身を隠すために、名を変え姿を変えて先の見えない逃亡生活を送ることになった。

 

 だがそれでも一国家の軍部のトップに君臨していただけの指揮官としての才と剣の腕を持ってすれば、冒険者として食い繋ぐのは容易であった。

 

 時に生真面目な性格と、騙し騙されが平然と罷り通る冒険者の世界にあって実直すぎる義理堅さはマイナスではあったが、それでも彼女の高い組織戦のノウハウと一流の冒険者さえ唸らされる剣筋の冴えの前には、誰もが事を構えるより仲良くしておく方が得だと考えさせられた。

 

 ではなぜそんな彼女が、こんな辺境の売れない道具屋で従業員をやっているのか?

 

 それは彼女を知る者からすればありえないと口を大にして叫ぶような、とある不義理を精算するためであった。

 

 『万引き』。

 正義感が強く、不義理や不道徳を何よりも嫌悪するセラスは、な(・)ぜ(・)か(・)この何の特になる物も置いてない道具屋で、金銭を払わない商品の無断所持、窃盗を行ってしまったのだ。

 

 その瞬間の事を、セラスはよく覚えてない。

 気づいたらな(・)ぜ(・)か(・)自分は店の裏部屋の机の前に座らされていて、その前には自分が取ったと店主殿が主張する品物が置かれていた。

 

 一時の気の迷いと称するにも異常すぎる状況。だがセラスはそれもな(・)ぜ(・)か(・)疑いもなく自身がやった事と受け入れて、深い罪悪感と万引きなんてした自身への怒り、そして憲兵に通報される事で敵国の人間に自身の居場所がバレてしまう可能性を恐れた。

 

 そんな彼女に、店主殿は驚きの提案をして来た。

 

『この店で一週間住み込みで働けば、特別に万引きの件は不問にしてやるよぉ』、と。

 

 その寛大な処置に、セラスは深く男に感謝した。ハイエルフ国の元姫として培った礼儀作法を持って、惚れ惚れするような土下座で男への礼を尽くし、元聖騎士団団長として最大限の謝辞を込めた足舐めを店長が差し出した生足に行った。

 

 そして、店長の足指を口に含んで自身の唾液で感謝の奉仕をしながら告げられたこの店で働く従業員のルール。

 

『一に、従業員は店長に絶対服従で、心底愛する恋人を相手にするような態度で店長と接する事』

 

『二に、従業員は店長から何を言われたり、されても、その行為に疑問を持ってはいけない。感謝と愛情を捧げながら全て受け入れる事』

 

『三に、この雇用契約は従業員の働きぶりに応じて、店長のみの意思で延長が可能であり、その決定に異議を申し込む事は出来ない』

 

『四に、もしこの契約を結んだ従業員が店長との間に子供を宿した場合、その従業員は店長の妻として生涯忠誠と愛を捧げながら永久就職する事』

 

 その一切お(・)か(・)し(・)な(・)所(・)の(・)な(・)い(・)常(・)識(・)的(・)な(・)内(・)容(・)に、セラスは店長の足裏を男とキスした事もない舌先でくすぐりながら承諾した。

 

 そして現在。

 つい先日久しぶりのお客様からお金を巻き上げたセラスは店長のいない店内で一人自身の体の昂りを収めていた。

 

「ふぅッ♡ ふぅッッ♡ どうして……こんな事……いけないはず、ですのにッ♡!!」

 

 カウンターの裏で前垂れをたくし上げ、その下に履いていた純白の下着を下ろして割れ目に細指を挿入する。何度も店主殿からして頂いたように、指を内側の肉襞を擦るようにしながら出し入れし、もう片方の指で丸く膨れた陰核を潰すように触る。

 

 それだけで心地よい刺激が全身を包むのに、しかしいつも店主殿から与えられる快感と安らぎに比べれば全然足りない。

 

「ああッ♡ んむぅッ♡ どうして、どうしてぇ……っ♡!」

 

 店長と共に同じ屋根の下で暮らすようになってから、セラスは常に自身の内を駆け巡る女の情欲に悩まされていた。

 朝から晩まで。特に店長が用意してくれた食事を食べた時に、セラスは自身の下腹部が熱くなって、股座から興奮液が漏れ出すのを抑えられなくなる。

 

 その理由がなぜなのか。自身が頂いている食事に何か入っているのではと一度として疑ったことのない彼女は、自分が男性と屋根を共にするだけで興奮してしまう淫らな女なのではと言う思考を強めてしまっていた。

 

「あっ、ふぅッ♡! んん、店主殿……もっと、私のお尻を……っ♡!」

 

 そしてその溜まりに溜まった性欲を発散するために思い浮かべるのは、いつも店番中の自分を指導してくれる心優しい店主殿の姿。接客に不慣れな自分の胸を揉み、乳首を捏ねり、尻肉を抓って、秘部に指を挿入して緊張を解して頂くのはセラスにとってとてもありがたい物で。

 

 そんな店長としても、人としても優れた彼に、逃亡中の自分が心惹かれてしまうのは申し訳なく思いながらも、あんな素敵な人なんですから女としてしょうがないと自己弁護してしまう。何よりも、店主殿の事を思い浮かべて、今自身の秘部を犯しているのが彼の指だと思うだけで脳に走る甘い刺激が先ほど以上に膨れ上がるのだ。

 

「んんっ、イク……イってしまいます、店主殿……ッ♡」

 

 そしてその快楽の波に抗う事なく、セラスはよりここにはいない店長を思っての指オナを激しくしてラストスパートをかけた。

 カウンターに体を預けて、ほとんどくの字に体を曲げながら両手を股座に突っ込んで一心不乱に自慰に耽る。

 それはかつての聖騎士団団長の頃の彼女を知る者からすれば目を疑うような色に染まった姿で、騎士としての誇りもエルフとしての矜持も投げ捨てた浅ましい雌でしかなかった。

 

「イッ、イクッッ----♡♡!!」

 

 ぶしゅしゅしゅ!!とカウンター裏で激しく潮を撒き散らし、店の地面に淫液の玉粒を残すセラス。悦楽の表情で快感を享受する姿からは、自身が万引きの罪滅ぼしにここで働いている事さえも忘れてしまっているようだ。

 

「----♡」

 

 絶頂の余韻に浸かり、思考を溶かす甘い倦怠感に身を任せるセラスは、聖騎士団団長としても冒険者としても失格物だろう。その証拠に、彼女は今まさに自分の後ろから近づいて来る男の気配にさえ気づいていないのだから。

 

「ムフフ、まったく困ったちゃんだなぁ、セラスちゃんわ。まさか店番中に、お、オナニーしてるなんてねぇ」

「……っ! な、え、あっ……て、店主殿!?」

 

 にちゃあと言う擬音が実に似合う笑みを浮かべた店長が、下着を脱いで魅惑的な臀部を丸出しにしたセラスを後ろから抱きしめた。その彼の接近に今初めて気づいた姫騎士は、先ほどまでオナニーの相手として思い浮かべていた男の登場に微睡みから強制的に覚醒させられていた。

 

「あ、あ、あの店主殿……こ、これは……!」

「ムフフフフ! 言い訳はダメだよぉ、セラスちゃん。仕事中にこんな事、クビにされても文句を言えないよぉ」

「…………っ!! ご、ごめんなさい店主殿! わ、私がどうかしてました!!」

 

 店長からの言葉に、セラスが顔を真っ青にして謝罪する。万引きを不問にしてもらうためにタダ働きをしている彼女にとって、クビとはイコールそのまま憲兵への突き出しを意味する。

 

 それは何としても避けたいし、何よりこれほど親切で優しくて、セラスにとってオナニーの対象にしてしまうほど素敵な店主殿に見限られてしまう事が、彼女にとってクビになるより恐ろしかった。

 

「ムフフ、そんなに謝らなくていいよぉ。セラスちゃんも女の子だからねぇ。ムラムラしちゃってついヤっちゃうのもしょうがないよぉ」

「……っ♡ あ、ありがとうございます! 万引きを許してくれただけではなく、贖罪の最中にこんなはしたない真似をした私を許してくれるなんて! 店主殿は、神のように広い心をお持ちなのですね!」

 

 だがセラスの不安は全て杞憂と化した。彼女が尊敬した店主殿は、やはり懐が深い御仁であったのだ。

 

 自身の騎士としても人としても失格の行いを、心良く許すどころか理解まで示してくれた店長に、セラスは自身の中でただでさえ高かった店主殿への好感度がさらに高くなるのを感じた。

 

 胸が今までにないほど熱くなり、エルフ族とての子宮がこの男なら番として満点なのではとキュンキュンと震え出す。

 

 もし自身が逃亡者と言う身分ではなく聖騎士団団長としての頃に彼と出会っていたらその場で求婚していたかもしれないと思うほどに、セラスは店主殿の人柄に心打たれていた。

 

(だけど、それは出来ない……! 私は今はパクオスの手の者に追われる身。私のせいで、この素敵な御方に迷惑をかける訳には……!)

 

 だがやはり、セラスは敗戦国の逃亡者。それも、その美貌で敵国の高官から何がなんでも物にしたいと私兵を差し向けられるほどの超の付く美貌を持った姫騎士なのだ。

 だから彼女は自身の想いに蓋をし、店主殿の下で罪を償ったら大人しく身を引くべきだと自身を戒めた。

 

 だが----

 

「ムフフ! でもそんなにムラムラしてるなら、いっそのことぼ、僕がだ、だ、抱いてあげようかぁ? む、ムヒヒッ!」

「----ッ!!?」

 

 心が震えた。

 店長のこちらの意を汲んだかのような紳士的な誘いに、セラスの中の女が歓喜の悲鳴をあげた。

 先ほど大量の潮を吹いた蜜壺が、興奮と嬉しさから新たな淫液を噴出し始め、その昂りが伝染するように体中を真っ赤に染め上げる。

 

「なっ…………あっ……そ、それは……!?」

「僕の名前を呼びながらオナニーしてたって事は、僕に気があるってことでしょぉ? ムフフ、いいよぉ! セラスちゃんみたいな超美人な女の子だったら、喜んで抱いてあげるよぉ!!」

「び、美人……っ♡♡!!」

 

 今まで何百、何千と男女問わずから言われて来た言葉。だけどそれを店主殿から言われた瞬間、なんて事なかったただの文字の羅列が途端に特別な意味を持って自身の心を喜びで満たしてくる。

 

 心の中で何回と店長から言われた言葉を反芻し、その度に子宮が熱を上げてしまう。

 今のセラスは完全に恋する乙女と同じであった。

 

「だ、だけど私は、色々と厄介な事情を抱えていて……!」

 

 だがそれを押し留めるのは、彼女の亡国の騎士としての責任感と男を危険に巻き込ませまいとする善性から来る理性だ。

 

 必死になって事情を説いて、私はあなたに抱かれる価値のない女なんですと説明しようとするセラスだが、そんな彼女に対して店長は粘ついた笑みと手つきで彼女を抱きしめた。

 

「問題ないよぉ。じゃあこう考えよう。これは仕事中にオナニーしてたセラスちゃんへのお仕置きセックスだから、ね?」

 

 何が「ね?」なのか全くわからないが、店主殿のその言葉にセラスはまるで天啓を授けられたかのように目を見開いた。

 

(そ、そうですね。これは悪い事をした自分へのお仕置きなのだから、受けないとダメですよね……♡)

 

「そういうことなら……はい♡ 店主殿、どうか仕事中にはしたなくもオナニーしてしまった私を、あなたのたくましい雄棒で教育してください♡」

 

 そして男とセックスする恰好の言い訳を与えられたセラスは、喜色満面の笑みで男に感謝のキスを捧げるのだ。

 

 

 

 

 

 数分後、道具屋の裏部屋では用意された簡易的な布団の上にこの世の美と淫靡さを凝縮したような至極の女体が濡れそぼった秘部を広げながら横たわっていた。

 

「お、おっふ。す、すごい……色々弄ってきたけど、全裸にするとまた格別だ」

「んっ、そんなに見ないでください店主殿。私も、恥ずかしいんですよ」

 

 おそらく世界中を見渡しても最上位に君臨する女の生まれたままの姿に、恋愛経験どころか碌な女性経験のない男は唾を口から垂らしながらその艶姿を上から下へと凝視する。

 

 一切弛んでいない理想的な形状を維持した乳房。その中心でピンと立った美しい桜色の突起。どんなインポも思わず撫でまわし、吸いつきたくなるような瑞々しい白雪の肌。

 そして目線を下にやれば、引き締まった腹筋の中心で可愛らしく揺れるお臍と、ムチムチと肉付きの付いた太腿が目に入る。そしてその付け根部分生い茂る金色の陰毛と、ヒクヒクと揺れる蜜壺が、彼女の指で開かれてその内側の淡いピンク色の膣肉を晒している。

 

 男の欲望を形にしたような天女の美体。それをこれから味わう権利を得た男は、その醜い外見に見合った悍ましい生殖器をズボンから取り出した。

 

「なんて、大きいの……」

 

 その巨大さに、セラスが驚嘆のため息を漏らした。男の性欲の強大さをそのまま形にしたように太く長くそそり立つ肉の柱は、逞しい冒険者の男性と比しても過不足ないほどにデカい。

 

 その先端が開かれたセラスの割れ目へと突きつけられる。これから、この雄棒がお前の初めての男のとして生涯刻まれることになるんだぞと示すように、男の亀頭が彼女の表面を撫で上げる。

 

「ムフ、ムフフフフ!! じゃ、じゃあ! セラスちゃんのマンコ、ぼ、僕が頂いちゃうね!」

「はい、どうぞ店主殿♡ 私の初めて、どうかあなたに捧げさせてください♡」

 

 二人の了承を得て、完全合意の上で辺境の道具屋の店長の醜いペニスがハイエルフ国の姫で、元聖騎士団団長で、世界中にその絶世の美貌で知られるセラス・アシュレインの誰にも許したことのない花園へと押し進んで行く。

 

「ん、んんんっ----!!」

「ふ、ふおおお!!」

 

 美しい乙女の美声と、醜い男の聞くに耐えない興奮の声が重なり合う。ゆっくりと繋がり合っていく二人の性器。

 初めて侵入を許した男性の肉棒に対して、セラスの膣肉が絡み付いて締め上げる。その貪欲な極上の雌穴に、男は早くも自身の昂りを解放してしまいそうになった。

 

「お、おおお……なんてすごい締め付けなんだ。美人は顔だけじゃなくて、マンコも最高なんだなぁ……!」

「ふぅぅ……て、店主殿……っ♡」

 

 まだ先っぽが挿入っただけなのに、膣の浅い所をカリ首で擦られただけなのに、自身でオナニーした時の比じゃない快楽がセラスの思考を犯した。

 膣肉を内から押し広げられる感覚。それが自分の意思ではなく、他人から与えられた物であるだけでここまで違うのだと、日々のセクハラ指導で知っていたはずなのに、初めての肉棒の挿入はそんな彼女の経験と知識を優に吹き飛ばすほどに絶大だった。

 

「ムフフ、わかってるよぉ!このまま、一番奥まで突いてあげるからねぇ!!」

 

 男が僅かに腰を引く。それはまるで弓矢を放つために弦を引くようで、離れ行く肉棒にセラスの膣肉が喪失感に震えた瞬間に、それは来た。

 

「お゛ッ----♡♡」

 

 ズドンッと、それは最早砲撃に近かった。男の全体重を乗せた蜜壺への挿入は、一息で彼女が生まれてから今日まで守ってきた純潔を破り去り、彼女の子供を欲して降りてきていた子宮口までを膣肉を押し広げながら一突きで貫いた。

 

「ほぉっ♡ おっ……おおっ……オチンポぉ……き、たぁぁ♡♡」

 

 処女喪失と同時に、セラスは絶頂した。自身の雌穴を、まるでここは俺の場所だと言わんばかりに占領した逞しい雄の存在感に、決して諦めない高潔で勇ましいセラス・アシュレインの魂が白旗を振りながら完全降伏をしたのだ。

 

(ああ……私の処女は、今この時……彼に奪ってもらうために……♡ ネーアが敗戦したのは、私が彼と出会うためだったのですね……♡)

 

 あの屈辱の日の出来事が、今この瞬間の幸福のためにあったのだと理解すると共に、セラスの膣道が膣口から子宮口までを貫く凶悪な肉棒を飲み込み、その肉襞全てで包み込む。自分を極楽へと連れてってくれる愛しの雄棒とその持ち主に、最大限の感謝を込めながら下腹部を締め付ける。

 

「お、おおおおお----ッ!!!」

 

 そしてそんな極上と言う言葉でさえ生ぬるい絶世の美女による愛情たっぷりの膣肉の締め付けを、この醜い豚男が耐えられるはずがない。

 獣のような咆哮と共に放たれた雄の絶頂。射精された雄汁は貫いたばかりの子宮口に余すことなく注ぎ込まれる。処女喪失してから僅か数秒に満たないうちに送られた、初膣中出しに、セラスの絶頂したばかりの体はさらなるオーガニズムを感じて腰を高く持ち上げながら再びの絶頂を決めた。

 

「--------ッッッ♡♡!!」

 

 男の咆哮にも負けない、雌の幸せ一色に染まった嬌声。それは心からの叫びで、悦楽に堕ちたセラスは無我夢中で男に抱きついた。

 男好きのする体を、脂肪の多い男の不衛生な体に密着させてお互いの熱を共有し合いながら絶頂の昂りも伝え合う。

 

 ようやく男の射精が終わった時、二人の結合部からは収まりきらなかった性液と愛液の混合液が溢れてお互いの肌を濡らしていた。

 

「ああ……店主殿♡ とても、気持ちのいい射精でした……私のお腹、こんなに膨らんで……♡」

 

 射精の余韻で陶酔したようにこちらを見る男に、セラスは愛おし気に自身の下腹部を男のお腹に押し付けた。彼女の引き締まった腹筋は、大量の男の子種を子宮に注がれたことで押し上げられてまるで妊娠初期のように膨らんでいたのだ。

 

 そしてそれが、男の絶頂したばかりで萎えていた肉棒に再び血管を張り巡らせた。

 

「あっ♡ オチンポが、また大きく♡ はい、どうぞ店主殿が満足するまで、私にお仕置きセックス、してくださ----お゛おっ♡♡!?」

 

 セラスの情欲たっぷりの煽りが終わるのを待つことなく、極上の女の胎を自身の性液で塗り潰す悦びを知った男は獣欲のままに腰を振り始める。

 それは世界最高級の雌に自身の劣等遺伝子を着床させる快感。

 一生縁のなかったであろう生まれ持ったステータスが違う美女を、何の才能もない自身の虜にして思うがままに種付けする背徳感。

 きっとこの先、世界に名を残す偉業を達成したかもしれない姫騎士を、辺境の村に店を構える冴えないブサ男の妻として一生を終えさせる悦び。

 

 それが男に理性も何もかも捨て去らせて、ただ腰を振るだけの猿へと変貌させた。

 

「お゛っ、お゛おッ……! て、店主殿……ッッ♡ は、激しい……! そ、そんなに、私に膣中出ししたのが、あんっ、嬉しかったのですか……?」

 

 だがそれは、犯される女もまた一緒だ。

 自分のような守るべき国を守れず、逃亡生活を送る最中に騎士にあるまじき万引きをしてしまったような女を許して贖罪の機会までくれて、あまつさえ性欲の世話までしてくれた優しい殿方。

 そんな相手が我を忘れるほどに自分を求めてくれている。それにセラスの女は、ネーア国の騎士としての思いも、友に誓った約束も、全てどうでもよくなってしまうほどの愛情を感じてしまった。

 

「あ、ああ……っ♡ 私も、んん、私も嬉しいです♡ あなたに……初めてを捧げられて、子宮に精子を注いでもらって……♡♡!」

 

 セラスの魂が、体が、理性が、この瞬間この時、確かに男の女として生涯を捧げても良いと感じてしまう。この人の側で、道具屋の店主殿の妻として、ネーアのことも、追っ手のことも忘れてただ快楽と愛情に浸かり続ける余生を送るのも悪くないのではないかと思ってしまう。

 

 そしてその考えを後押しするように----プチュっと卵巣から卵子が排卵された。

 

『四に、もしこの契約を結んだ従業員が店長との間に子供を宿した場合、その従業員は店長の妻として生涯忠誠と愛を捧げながら永久就職する事』

 

 かつてこの道具屋で働く際に契約した内容が唐突に頭の中でフラッシュバックする。

 

(もし今、また膣中出しされたら私は……)

 

 その意味を、快楽にかき混ぜられた思考でそれでも正しく認識し、反芻し、頭脳明晰と幼少期から謳われた才をフル回転させて検討して----

 

「------------♡」

 

 ぎゅっと両脚を男の腰に巻き付けて、決して肉棒が自身の蜜壺から抜けないように抱きしめた。

 

「あ゛っ♡ おっ、おお゛♡ 気持ち゛いい♡ オチンポ、パンパンされるの、気持ちいいのお゛ぉぉ♡♡!!」

 

 全てを振り切って溺れる快楽の何と甘美で底なし沼のように深いことか。セラスは今ようやく、人生の終着点を見つけた。自分のエルフとして生まれた長い時の、その終生までを捧げるに相応しい場所。

 

 それはここにあった。

 ここ以外にあり得なかった。

 この人の下以外に存在して良い訳がなかった。

 

「あ、あい゛じでます!! 愛しでまず!! 私、セラス・アシュレインはッ! 神に誓って、あなたの妻としで、あなたに終生寄り添いますうぅぅぅ……ッッ!!」

「うおっ……おおおお!!!」

 

 告白と同時にキツく男の子種を求めて媚肉が肉棒への締め付けを強くする。唐突な肉厚に腰を引かせようとした男の腰を鍛え上げられた両脚で持って挟み、ムチムチの太腿でむぎゅぅと押さえ込む。

 そして臍下で膨らむ男の陰棒の感覚に、だらしなく緩んだ頬を、より淫靡で蠱惑的で、母となる事を待ち望む雌の艶顔に変えて見せて。

 

 そしてセラスの願いを裏切る事なく、その瞬間は訪れた。

 

 びゅるるるるるる!!!

 

「----♡♡♡」

 

「--------♡♡♡」

 

「------------♡♡♡!!!」

 

 子宮に注がれ、卵子へと殺到する男の欲望を膣襞で、子宮口で、胎で、余す事なく感じながら、セラスは新しく男の妻として生まれ変わる自身を祝福する白濁色の愛に意識を二度と戻れぬ愛楽の世界にトばすのだった。

 

 ぷつん、と。最後に自身が母となった音を耳にしながら。

 

 

 

 

 

 

 

「えっと、ここが今回の依頼先だな」

 

 物流の乏しい辺境の村の近くに現れた魔物の群れを追い払って欲しい。

 それがハティ・スコル、本名を三森 灯河と言うこの世界ではない異世界出身の冒険者がわざわざこの何の名産物もない村を訪れた理由だった。

 

 あまり旨味の無さそうなこの依頼を彼が受けたのは、単純に始めたばかりの傭兵団の名声を上げるためであった。

 蝿王ベルゼギアを名乗り傭兵団蝿王ノ戦団を築いた灯河だが、やはり土台固めを肝心だと、あえて誰も受けたがらないような格安で労働力の方が高そうな依頼を受託する事で、世間から敵視されない程度の好感度稼ぎをしようと思ったのだ。

 

 後々どんなスタンスで蝿王ノ戦団を運用する事になろうと、過去に稼いだ人々からの信用や好感度はある種の保険として機能すると彼の打算と偏愛に満ちた性格は判断した。

 

 そして今も、こんな辺境までわざわざ足を運んでくれた傭兵である自分に感謝する村長と思しき男からの歓待を受けながら、灯河はお得意の人当たりの良い少年の皮を被って淡々と今回の仕事の概要に耳を傾けていた。

 

「いや、本当にありがとうございます。いや、実はいつも魔物を退治してくれている人が、身重になってしまいましてね。いや、その間村を守る人手がおらんくなってしまって、そんな最中に魔物の群れと、いや、困りましてねぇ」

 

 やけに「いや」を連呼するオヤジだなと、あまり興味のない村長の世間話を相手が不快にならない程度の相づちで受け流し、魔物の群れの場所を聞き届けると、長旅の疲れを言い訳にして宿で休みますと灯河は村長宅を後にしようとした。

 

「ああ、いや、そうそう。いや、実はその身重になった方は道具屋の主人の奥さんでしてね、いや、是非とも寄って行ってください。いや、あの人も自分が魔物を討伐に行けないのを申し訳なく思っていてね、代わりに引き受けてくださったあなたになら、いや、サービスしてくれるんじゃないかと」

 

 扉を潜る寸前にそう付け足して来た村長。確かに安く道具が買えるなら、あまり品物の品質には期待出来ないが一応見ておくかと灯河は道具屋へと足を進める事にした。決して村長が最後に言った「いや、超が付くほどの美人なエルフの奥さんなんですよ」と言う言葉に惹かれたわけではない。

 

「いらっしゃいませ」

「……!」

 

 道具屋の扉を開けてすぐかけられた声のあまりの美しさに、一瞬灯河は足を止めた。それが忌憚なく、自身が今まで聞いた人の声の中で最も透き通っていると判断できるほどの美声だったからだ。

 

 だがその動揺を深く被った仮面という名の演技で覆いながら、灯河は自身に声をかけて来た声の主を見た。

 

「----」

 

 それは絶世と言う言葉がこれ以上となく似合う美しい女だった。プラチナブロンドの綺麗な髪を腰まで伸ばし、灯河が地球のグラビア雑誌で見たどんな美女や美少女よりも整っている美貌と均衡の取れた肉体。

 それを布面積の少ない、胸と臀部を辛うじて隠すだけの踊り子のような服装で着飾ったことで、より一層その扇状的な肢体を強調している。

 

 男の顔をすっぽり埋められそうなほど大きく育った双丘。ムチムチとした肉欲を刺激する太腿と前垂れから僅かに覗く恥骨と鼠蹊部。

 だが何よりも目に引くのは、大きく膨らんで妊婦線を描いたボテ腹。それが、彼女を美しい処女女神ではなく男を知った母親であり、人妻である事を見る者に否応なく教えてくる。

 

「あら、見ない顔ですが……もしかして、あなたが私の代わりに魔物退治を引き受けてくれた方でいらっしゃいますか?」

 

 固まる灯河に対して、花が咲くような笑みと艶やかな女の魔性の微笑みを両立させた表情を浮かべた人妻は、カウンターから離れると重そうなお腹を揺らしながら近寄って来る。

 その際にもお腹を愛おしそうに摩っていて、それだけその中にいる彼女の夫との間に宿った愛の結晶を大切に思っている事が伝わった。

 

「改めまして、いらっしゃいませお客様。私はセラス。ここの道具屋の店主殿の愛妻で、このお腹の中にいる彼の子の母親です♡」

 

 そして三森 灯河はこの大きく運命が変わった世界でもセラス・アシュレインと介錯した。

 だがそれは、運命の出会いなどではなく。

 ただ一瞬の、お互いの人生に何の波紋も起こさない交差になるだろう。

 

 少なくとも、セラスにとってそれは確定していた。

 

 なぜなら、彼女の人生を変える運命の出会いはもうとっくに済んでしまっているのだから。

 

 頭脳明晰で、剣の腕に長けた美貌の姫騎士セラスはもう存在しない。

 

 ここにいるのは、愛する夫とこれから生まれる子供に母の愛を捧げる幸せなエルフの女、道具屋の美人妻セラス。

 歴史にも残らない、だけど確かな幸せな生涯を送った「モブ」の一人だ。

 





 ここまでお読みいただきありがとうございます。

 ちょうどアイデアをもらった時にHuluで一話から三話まで見てて、あまりのタイミングの良さにアニメ最終話来る前に投稿しようと書き上げました。金髪エルフ姫騎士とか、一体いつから存在する概念なんでしょうか。やっぱりロードス島戦記が最古なのかな。
 異世界系ラノベの原作絵を見る度に思うけど、どいつもこいつも痴女すぎるってレベルじゃねぇ! セラスの通常服がドラクエの踊り子の服と同レベルで改変する必要性ないなぁ……ってなりました。

100話達成記念で見たい陵辱系の後日談はどれ?

  • オクトパストラベラー
  • 月が導く異世界道中
  • 龍が如く
  • イリスのアトリエ
  • ジョジョの奇妙な冒険
  • 異世界はスマートフォンと共に。
  • 銀魂
  • 仮面ライダーシリーズ
  • デビルメイクライ
  • ペルソナシリーズ
  • 聖女の魔力は万能です
  • Fate/Samurai Remnant
  • 百錬の覇王と聖約の戦乙女
  • SAO
  • 名探偵コナン
  • ハズレ枠の状態異常スキル
  • 魔法科高校の劣等生
  • ハリー・ポッター
  • 悪役令嬢レベル99
  • 忍の一時
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