※この作品はR-18です。

マイナーキャラ妄想短編集   作:ニンニク嫌い

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 イングリスに恋人にされてしまったリィンと、天恵武姫の二人を加えた4人の淫らな日常。

 純愛系で一番人気だったので、本編で書けなかった二人のエロを加えたオムニバス的な後日談です。


英雄王、武を極めるために転生す(イングリス、エリス、リップル)後日談

 

イングリスの場合

 

 天上領の評議会における長い謁見を終え、専属騎士としてリィンに付き従っていたイングリスは、夕暮れに染まる帰路を上機嫌で歩いていた。

 

「今日のリィンも素敵でした。あの尊大な評議官たちを、たった一言で黙らせたところなんて特に」

 

「事実を指摘しただけです。それに、あなたは私が何をしても同じことを言うでしょう」

 

「もちろんです。剣を振るうリィンも、眠っているリィンも、食事をしているリィンも大好きですから」

 

「……聞くだけで胃もたれしそうな愛情ですね」

 

 冷めた言葉を返しながらも、リィンはイングリスを決して置き去りにしたらはしない歩幅で歩いていた。彼女が街並みに気を取られれば歩みを緩め、機甲鳥が頭上を通過したときには、翼から巻き起こる風を遮るように立ち位置を入れ替える。

 

 それがあまりに自然な動作だったため、当人は気遣ったことさえ意識していないのだろう。だが、そんな不器用な優しさを見逃すイングリスではなかった。

 

「でも、わたしが一番好きなのは、こうしてリィンと一緒に帰る時間かもしれません」

 

「……何ですか、急に」

 

「どんな任務へ向かっても、最後には二人で同じ場所へ帰れるでしょう? あなたの隣が、今のわたしの帰る場所なんです」

 

 そんな、何気なくこぼれたイングリスのいつもの惚気た言葉に、リィンの足が止まった。

 

 そして振り返ったイングリスの目に映ったのは、顔を隠すように外套の襟を引き上げた彼の姿。ただ、桜色の髪の隙間から覗く耳だけが、隠しきれずに覗いていて。

 夕日に照らされたためだけとは思えない赤みが、その白い肌に広がっているのを、イングリスは確かに見た。

 

「リィン?」

 

「……そうですか」

 

 それだけ告げて、何でもないように再び歩き始めたものの、数歩進んだところでリィンは小さく息を吐いた。

 

「なら、これからも勝手に私の前からいなくならないでください。私も……あなたのいない場所を、もう帰る場所だとは思えませんから」

 

「それは――」

 

「………………愛していますよ、クリス。これで満足ですか」

 

 今度はイングリスの足が、完全に止まった。リィンの口から放たれた言葉だけが彼女の聴覚と視界と触覚と何か色々なところを反芻して、渦巻いて、繰り返して――――イングリスの中でナニかの糸がプツリと切れた。

 

「……リィン。今、何と?」

 

「聞き間違いです」

 

「いいえ、絶対に聞き間違いではありません。もう一度お願いします」

 

「断ります。帰りますよ」

 

 顔を隠したまま逃げるように歩き出したリィンの手首を、イングリスは反射的に掴んだ。本気で逃げられたら追いつくことさえ困難な相手だが、今のリィンは恋人を置いて一人で帰るようなことはしない。

 だから、自分の手首をキツく握ったイングリスの行動も、驚きはしたものの咄嗟に振り払おうとは思わなかった。それが、どれだけまずい失敗だったかを彼が悟るのはこの直後。

 

「捕まえました」

 

「クリス?」

 

「屋敷まで我慢するつもりでしたが、予定を変更します」

 

「何の予定ですか。まさか……っ、待ちなさい、どこへ連れて行くつもりですか!」

 

 イングリスは返事の代わりに満面の笑みを浮かべ、愛する恋人の手を引いていく。表通りから外れた先にあるのは、倉庫と倉庫の間に挟まれた細い路地だ。日暮れを迎えた倉庫街に人影はなく、イングリスの研ぎ澄まされた感覚にも、周囲を行き交う者の気配は捉えられない。

 

 そして奥まで進むと、イングリスはリィンの細い体を壁際へ追い詰め、両手を頭上でまとめて押さえつけた。

 

「こんな場所で何をするつもりですか。離してください」

 

「ふふっ。その台詞のわりに、逃げる時の顔をしていませんね」

 

「……っ、知ったようなことを……!」

 

「知っていますよ。本気で嫌がる時と、わたしに意地悪されるのを待っている時の違いくらい」

 

 その言葉に、リィンは顔の赤みをより増すと、顔を背けて何も言わなくなった。それが図星なのだと、本当にわかりやすくて人の情欲を刺激してくる反応を返す恋人を前に、イングリスは彼の手を解放した。

 それは止めるわけではない。むしろ、これから激しい続きをするためだ。

 

「では、遠慮はしません」

 

「最初からするつもりなどなかったでしょう……っ!?」

 

 イングリスはリィンの襟元を緩め、露わになった白いうなじへ口づけた。柔らかな唇で啄んだあと、舌先を耳の下から首筋へ這わせ、薄い肌の下を流れる鼓動を味わうようにゆっくりと舐め上げていく。

 

「っ、ぁっ……! クリス、ここは外です……!」

 

「分かっています。ですから、誰かが近づいたらすぐに気づけるよう、周囲の気配は探っていますよ」

 

「そういう問題では、んんっ……!」

 

 耳朶を甘く噛まれ、リィンの肩が大きく跳ねた。押し殺し損ねた吐息がイングリスの耳をくすぐり、それだけで彼女の体にも強い情欲の熱が宿る。

 

「戦っているときは、何をしても表情一つ変えないのに……こちらでは本当に隠し事が下手ですね」

 

「誰が、こんなふうにしたと思っているんですか……!」

 

「わたしです。これからも、わたしの前でだけは素直なリィンでいてくださいね」

 

 悪びれる気もなくそう言って、イングリスは首筋へ吸いつき、白い肌に自身の薄い紅色の痕を刻む。シミ一つない綺麗な肌に残された口紅の痕跡は、それだけで淫靡で卑猥で、独占欲を満たしてくれる。

 そのままもう三箇所ほどに自分の印を残して、満足したイングリスが顔を上げると、リィンは抗議するように睨みつけてきた。

 

 しかし潤んだ瞳と赤く染まった頬では、死神にも例えられる普段の威圧など生まれない。むしろ目を離せなくなったイングリスは、そのまま彼の唇を奪った。

 

「んっ! んぅっ、ふぅ……!」

 

 最初は驚いて身を固くしたリィンも、すぐにイングリスの腰へ腕を回した。触れるだけだった口づけは徐々に深まり、互いの舌が重なり合うたび、静かな路地に濡れた音が小さく響く。

 

 やがてイングリスの手が衣服の内側へ滑り込むと、引き締まった胸板を撫でた。指先で突起を探り当て、円を描くように刺激すると、リィンは口づけを途切れさせて彼女の肩へ額を預けて、潤んだ瞳と情欲に染まった赤い顔で睨んでくる。いや、イングリスから言わせれば『誘ってくる』。

 

「んっ……本当に、ここでするつもりですか……?」

 

「リィンがあんなに嬉しいことを言ってくれたんです。わたしが平静でいられると思いますか?」

 

「普通は、手を繋ぐなり抱き締めるなりで満足するものでしょう」

 

「それだけで満足できるほど、慎ましい恋心ではありませんので」

 

「知っています。嫌というほど……ふあッ!?」

 

 胸元を弄ぶ手とは別の手が、リィンの腰帯へ伸びる。衣服越しにも分かる昂りを掌で包み、形を確かめるように撫でると、リィンの指がイングリスの背中へ食い込んだ。

 

「リィンも、わたしを欲しがってくれているんですね」

 

「これは、あなたが勝手に……」

 

「分かりました。そういうことにしておきましょう」

 

 イングリスはそれ以上からかわず、リィンの衣服を緩めて熱を帯びた肉棒を解放した。冷たい外気に晒された瞬間、固く昂ったそれが僅かに震える。

 

 彼女は自身の外套を広げて二人の下半身を覆い隠すと、片足をリィンの腰へ絡めた。もう片方の脚を持ち上げられやすいように僅かに開き、濡れ始めた秘所へ肉棒の先端を導いていく。

 

「んっ、ゃっ……クリス、せめて屋敷へ戻ってからにしませんか」

 

「今さらそんな顔で言われても、説得力がありませんよ?」

 

 膨らんだ先端が入口へ触れると、イングリスの唇から甘い息が漏れた。すでに十分なほど濡れていた秘所へ肉棒を擦りつけ、敏感な場所を押し上げる感触に、彼女自身も腰を震わせる。

 

「んっ……リィンのこれ、触れているだけで気持ちいいです……」

 

「お願いです、声を抑えてください。もし誰か来たら……っ」

 

「では、リィンが口を塞いでください」

 

 そう挑発するように微笑むと、イングリスは深く腰を沈めた。

 

「あっ、はぁぁぁっ……♡♡♡」

 

 熱い肉棒が入口を押し広げ、濡れた内側へ少しずつ入り込んでくる。ただそれだけで無限の幸福と快感と陶酔がイングリスの全身を満たしていく。そして最も太い部分を受け入れた瞬間、膣壁を擦り上げる刺激に、かつて英雄王と前世で持て囃された彼女は背筋を大きく震わせて絶頂した。

 

 だがそれで腰を止める事はなく、結合部から愛液を噴出しながら、イングリスはリィンの首へ両腕を回し、さらに深く腰を押しつける。根元まで受け入れたところで子宮口へ先端が触れ、敏感になった身体にさらに鋭い快感が下腹部から全身へ突き抜ける。

 

「んあぁあぁっっ……♡♡♡ やっぱり、リィンと繋がるのは格別ですね……♡」

 

「だから、声を……んっ! ちゅっ、ちゅぱっ……!」

 

 快楽による艶声を隠す気のないイングリスに対して、リィンは少しだけ悔しそうな表情を顔に浮かべながら、先ほど彼女が求めたとおり、自分から彼女の唇を塞いだ。噛みつくような口づけを交わし、壁に預けた体で彼女の腰を支える。

 

 そしてしばらくの間、二人はすぐには動かず、重なり合った体温と鼓動を味わった。イングリスが深く息を吸うだけで内側が肉棒を締めつけ、リィンの腰が反射的に小さく揺れる。

 

「ふふっ……リィンも、待ちきれないんですか?」

 

「あなたが動かないからでしょう」

 

「それなら、一緒に動いてください」

 

 イングリスは絡めた脚へ力を込め、深く繋がったまま腰を引いた。肉棒が抜けかけるところまで膣道を擦り、再び奥まで受け入れる。湿った音とともに子宮口を押し上げられ、彼女の口から抑えきれない声がこぼれた。

 

「んっ、あぁ……♡」

 

「クリス……!」

 

「大丈夫です。音を遮るためのエーテルは、もう張りましたから……♡」

 

「なっ、いつの間に……本当に用意だけはいいですね」

 

 呆れた言葉とは裏腹に、リィンはイングリスの臀部を両手で支えた。彼女の動きに合わせて腰を突き上げ、深く結ばれた場所へ確かな刺激を返してくる。

 

 最初は静かだった動きが、少しずつ速さを増していく。壁とリィンの体に挟まれながら、イングリスは愛する男を全身で味わうように何度も腰を振り、お互いの性器を深く強く重ね合わせる。

 

「んっ、あっ、あんっ♡ リィン、そこ……もう少し、強く……♡」

 

「注文が、多いですね……!」

 

「だって、リィンに抱かれていると……もっと欲しくなってしまうんです……♡」

 

 口では文句を言いながらも、望みに応えるように、リィンの腕へ力がこもった。持ち上げたイングリスの体を自分へ引き寄せ、奥深くへ鋭く肉棒を突き入れる。

 

「んおぉっ……!!♡」

 

 それまでとは異なる強い一撃が、敏感になった子宮口を正確に捉えた。イングリスは咄嗟にリィンの首へしがみつき、その肩口へ声を押し殺す。

 

「今の、とてもよかったです……♡ もう一度、同じところを……♡」

 

「簡単に言わないでください。体勢にも限界が……」

 

「リィンならできます。わたしの夫ですから♡」

 

「まだ夫ではありません」

 

「いずれなるのですから、同じです」

 

 強引な理屈にため息をつきながらも、リィンはイングリスの望む場所へ再び腰を突き上げた。深く貫かれるたびに彼女の膣壁が絡みつき、外套の内側から湿った音が連続して響く。

 

 イングリスの余裕も次第に失われていった。愛する男を翻弄しているつもりだったのに、今では彼の一突きごとに甘い声を漏らし、体を預けている。

 

「リィン……わたし、もう……♡」

 

「私も、長くは……っ!」

 

「では、わたしの名前を呼んでください。今、誰を抱いているのか……ちゃんと聞かせて♡」

 

 イングリスが顔を上げると、リィンも羞恥から逃げず、まっすぐに彼女を見つめ返した。普段の冷ややかな瞳は、今だけは隠しようのない熱と愛情を宿している。

 

「クリス。私が抱いているのは……あなたです」

 

「あぁ……♡ リィン、大好き……愛してます♡」

 

 名前を呼ばれた喜びに、イングリスの内側が大きく収縮した。締めつける力にリィンの呼吸も止まり、次の瞬間、二人の体が同時に強張り、共に相手の性器の熱を感じながら果てる。

 

 びゅるるるるるるる!!

 

「あっ♡ あっあああぁぁぁぁっっ♡♡♡♡」

 

「うっ、あ! クリス……! クリスぅっ……!!」

 

 イングリスはリィンを逃がさぬように脚を絡め、最も深いところで放たれた熱を受け止めた。子宮口へ脈打つ感触が伝わるたび、何度も快感の波が押し寄せ、彼女は愛する恋人の肩へ顔を伏せて長い絶頂に震え続け、リィンもまた愛する恋人の体を強く抱きしめながらその解放の震えを堪えていく。

 

 やがて動きが止まると、細い路地には二人の荒い呼吸だけが残った。

 

 イングリスはすぐに体を離そうとはせず、繋がったままリィンの胸へ頬を寄せると、耳を彼の心音へ傾かせ、早鐘を打つ鼓動を聞いていた。

 それが、自分と同じくらいの早さで鳴っていると思うと、二人が完全に一緒になれた気がして、イングリスの全身を満たしていた昂りが、穏やかな幸福へ変わっていく。

 

「……評議会から帰るだけだったはずなのに、どうしてこうなるんですか」

 

「私を帰り道で誘惑したリィンの責任です」

 

「誘惑したつもりはありません……! 責任を押しつけるつもりですか」

 

「いいえ。これから一生をかけて、わたしが責任を取りますよ」

 

 イングリスは満足そうに微笑み、リィンの頬へ優しく口づけた。先ほどまでの貪るような愛撫とは異なる、恋人へ贈る静かな口づけだった。そしてそれをされると、すっかりこの貪欲な恋人に心を捕らえられた少年は顔を赤らめて何も言えなくなってしまうのだった。

 

 

 

 

 

エリスとリップルの場合

 

 

 

 天上領での任務を終えたリィンが自室へ戻ると、いつもなら暗いはずの寝室に淡い灯りがともっていた。

 

「お帰りなさいませ、リィン様」

 

「お帰り、リィンくん。待ってたよ」

 

 寝台の前で彼を迎えたのは、エリスとリップルだった。それはイングリスと共に天上領に帰ってきてからは見慣れることになった二人で、しかしその服装はリィンにとって見慣れない卑猥な物へと変わっていた。

 

 エリスが身につけているのは、艶のある黒い生地と白いレースで仕立てられたメイド服だった。胸元は豊かな膨らみを強調するように大きく開き、極端に短いスカートの裾からは、ガーターベルトで留められた黒いストッキングが覗いている。

 

 隣に立つリップルの衣装はさらに大胆で、白いエプロンの下には胸と腰を辛うじて隠す程度の布しかない。短いスカートの後ろから伸びた尻尾が楽しげに揺れ、首のチョーカーについた鈴を鳴らしていた。

 

「……何をしているんですか、二人とも」

 

「見ての通り、あなたをお迎えしているのよ」

 

「今日はボクたちの日だからね。イングリスちゃんとの取り決め、忘れてないでしょ?」

 

 四人で話し合って決めた、エリスとリップルがリィンを二人だけで独占できる日。忘れているはずはなかったが、リィンは二人の扇情的な姿から目を逸らし、何事もなかったように踵を返した。

 

「今日は疲れています。そういう奉仕は必要ありませんので、二人とも着替えて帰ってください」

 

「あ、逃げた」

 

「リィン様。どちらへ行くつもり?」

 

 扉へ手を伸ばすより早く、リップルが背後から腕を絡め、エリスが反対側へ回り込んだ。そのまま左右から柔らかな胸を押しつけられたリィンの肩が、わずかに強張る。

 

「離してください」

 

「本当に嫌なら、今ここではっきり言ってください。そうすれば、私たちは何もしませんよ」

 

「……日取りに異議はありません。ただ、その格好で迫られる必要性を感じないだけです」

 

「つまり、格好の問題なんだ?」

 

「そ、そういう意味では――っ!」

 

 リィンの言葉は、途中で不自然に途切れた。

 

 エリスの指が襟元から入り込み、服の下に隠れていた胸の突起を探り当てたのだ。指先でその周囲をゆっくり撫でられただけで、彼の背筋が伸び、口から浅い息がこぼれる。

 

「任務から戻ったばかりで、随分と体が強張っているわね」

 

「それは、あなたが妙なところを触るからでしょう……んっ!」

 

「じゃあボクは、こっちをほぐしてあげるね」

 

 リップルの手が腰帯をなぞり、そのまま股間へ滑り落ちた。衣服越しに膨らみを包み込まれ、根元から先端へゆっくり掌を動かされると、リィンの膝が目に見えて揺れてしまう。

 

「リップル……!」

 

「お口では帰れって言ってたのに、こっちはもう準備を始めてるよ?」

 

「勝手に、触っておいて……何を……んっ、ぁっ、やめ……ッ!」

 

 左右から異なる場所を弄ばれ、リィンの呼吸は早くも乱れ始めている。胸を擦るエリスの指が僅かに力を込め、股間を撫でるリップルの手が敏感な先端を捉えた瞬間、ビクリと全身を震わせ、とうとう足から力が抜け落ちた。

 

「あ……っ」

 

「危ない」

 

 崩れかけた体を、エリスが腰へ腕を回して抱き止めた。そのままリップルと顔を見合わせ、二人揃って妖しい笑みを口元に浮かべると、リィンを寝台へ運んでいく。

 

「この程度で立っていられなくなるのなら、寝台で続きをしましょう」

 

「賛成。転んで怪我でもしたら大変だもんね」

 

「誰のせいだと思って……待ちなさい、二人とも……!」

 

 抗議するリィンを、二人は柔らかな寝具の上へ押し倒した。起き上がろうとした上体をリップルが正面から抱き締め、その顔を豊かな胸元へ埋めさせる。

 

「今日はずっと頑張ってたんでしょ? ボクたちの前でまで気を張らなくていいんだよ」

 

「それと、この状況は何の関係も……」

 

「大ありよ。私たちはあなたの恋人なのだから、あなたを労わるのも役目でしょう?」

 

 エリスが寝台へ膝を乗せ、リィンの上着を脱がせていく。晒された白い胸板へ唇を落とし、先ほどまで指で弄んでいた突起を舌先でゆっくりとなぞった。

 

「んっ……エリス……!」

 

「声を我慢する必要もないわ。ここには私たちしかいないもの」

 

「そうそう。今夜のリィンくんは、ボクたちだけのものなんだから」

 

 リップルが頬へ口づけながら腰帯を解き、下衣の内側で昂っていた肉棒を外気へ晒した。立ち上がったそれを手のひらで包み、脈打つ形を確かめるようにゆっくり撫で上げる。

 

「ふふ。すっかり硬くなってる」

 

「そんなことを、いちいち報告しないでください……」

 

「でも、嬉しいから。ボクたちを見てこうなってくれたんだよね?」

 

 リップルは返事を待たずに腰を屈め、肉棒の先へ唇を重ねた。最初は口づけるだけだったが、やがて舌先で亀頭の輪郭を辿り、鈴口から滲んだ雫を舐め取っていく。

 

「んっ、ちゅ……れろ……♡」

 

「んっ、くっ……リップル、急に……!」

 

 逃れようと浮かされた腰をエリスが片手で押さえ、その間も胸元への愛撫を続ける。上半身と下半身を同時に責められ、リィンはシーツを握り締めながら、押し殺しきれない吐息を漏らした。

 

「ずっと私たちを避けようとするからよ。捕まえた時くらい、素直に愛されなさい」

 

「愛されるというのは、もっと穏やかなものでは……っ!」

 

「ボクたち、十分優しくしてるよ? 少なくとも、イングリスちゃんよりはね♡」

 

 リップルは楽しげにそう答えると、唇を肉棒の中程まで沈めた。上下するたびに濡れた音が寝室へ響き、エリスの舌が胸の先を擦る感覚と重なって、リィンの体から次第に力が失われていく。

 

「二人とも……もう、それ以上は……!」

 

「もう限界なの?」

 

「違い、ます……っ」

 

「では、まだ続けても問題ないわね」

 

「エリスまで、リップルのようなことを言わないでください……!」

 

 余裕を失った抗議に、エリスは微かに笑った。普段の彼女なら滅多に見せない、恋人だけへ向ける柔らかながら加虐心が秘められた笑みだった。

 

 やがてリップルが音を鳴らして口を離すと、唾液に濡れた肉棒が熱を孕んで二人の乙女の前で揺れ動いた。

 

「エリス、もう大丈夫だよ」

 

「ええ。ありがとう」

 

 リップルからの了承の言葉を得て、エリスは短いスカートを捲り上げ、下着を横へずらすと、リィンの腰を跨いだ。濡れた秘所へ肉棒の先を当てがいながら、最後の確認をするように彼の目を見つめる。

 

 リィンは恥ずかしそうに顔を背けたものの、彼女の腰へ両手を添え、自分の方へそっと引き寄せた。

 

「………………来て、ください……エリス」

 

「ええ、リィン様♡」

 

 ようやく観念したように受け入れた愛しい恋人に、エリスはゆっくりと腰を沈める。熱い肉棒が秘所を押し広げ、奥深くまで入り込むにつれて、凛とした美貌が快感に揺らいでいった。

 

「んっあぁ……あっはぁぁ♡♡」

 

「っ、ぁっ……! エリス……きつい……っ!」

 

「当然よ。リィン様を、少しでも深く感じていたいもの……」

 

 奥まで受け入れたエリスはリィンの胸へ両手を置き、静かに腰を動かし始めた。普段の落ち着きを保とうとしているものの、重なるたびに吐息は甘さを増し、頬にも隠しきれない赤みが広がっていく。

 

「私を見て、リィン様♡ 今は他の何も考えないで……私だけを感じて」

 

「エリス……」

 

「ちょっとぉ、ボクのことも忘れないでほしいな」

 

 リップルが横から唇を重ね、リィンの意識を奪った。せっかく自分だけに夢中にさせようとしたのに、それを遮ったリップルにエリスは一瞬目を細めるが、一番目を譲ってもらったのだから今回は許してあげましょうと、彼の肉棒の上で腰を振るのに集中する。

 

 ばちゅんっ♡ ちゅぱっ♡ どちゅっ♡ じゅるる♡

 

「あっ、んあっ……まっ、リップ、んちゅっ! あたま、変になる、か…んんっ!!」

 

 エリスが下半身で深く彼を受け止め、リップルが舌を絡めながら胸元を撫でる。二人の愛情に上下から包み込まれ、リィンは少しずつ強がる余裕を失っていった。

 

「あっ、んぁ……リップル、んっ……エリス……!」

 

 やがてシーツを握っていた手を伸ばし、リィンはエリスとリップルを同時に抱き寄せる。

 

「……愛しています。二人とも」

 

 それはか細く、恥ずかしそうな声だったが、その告白を聞いた途端、エリスの動きが止まり、リップルの耳と尻尾が勢いよく跳ねた。

 

「……そう。なら、もっと強く抱いてもいいですよね♡」

 

「えへへ。ボクも大好きだよ、リィンくん♡」

 

 エリスが再び腰を揺らし始める。先ほどまでよりも明らかに速く、そして深い動きだった。

 リップルもまた二人へ寄り添いながら、エリスの次は自分の番だと告げるように、リィンの耳元へ甘く囁く。

 

「今夜は長くなるから、ちゃんとボクの分も残しておいてね?」

 

 リィンが返事をするより早く、エリスの腰が深く沈んだ。熱を帯びた秘所が肉棒の根元まで受け入れ、離れまいとするようにきつく絡みつく。

 

「んっ、あぁっ……♡ リィン様……♡」

 

 先ほどまでの慎重な動きは、もう影も形もなかった。エリスは豊かな胸を揺らしながら一心に体を重ね、普段は抑えている愛情と欲望を、繋がった場所から余すことなく注ぎ込もうとしていた。

 

「エリス……そんなに急に動いたら……っ」

 

「今は私のことだけを見て……! あなたの全部を、私にください……!♡」

 

 請うような言葉に、リィンは彼女の腰を強く抱き寄せた。自ら下半身を突き上げ、求められるまま深く彼女を貫く。

 

「あっ……リィン様、そこぉっ……!♡」

 

 エリスの背筋が大きく反り、金色の髪が波打った。奥を突き上げられるたびに整った顔が甘く崩れ、やがて耐えきれなくなった彼女はリィンの胸へ倒れ込む。

 

「私も、もう……っ! 一緒に、来て……!」

 

「エリス……!」

 

 短く名を呼ばれた瞬間、エリスの体が細かく震えた。内側が幾度も収縮し、その刺激に堪えきれなくなったリィンも、彼女を抱き締めながら最奥へ熱を解き放つ。

 

 びゅるるるるるる!!!

 

「んっ……あぁぁ……♡」

 

 激しく膣奥に注がれる精液の熱を感じながら、しばらく二人は深く繋がったまま、重なり合う鼓動と荒い呼吸を鎮めていた。

 やがてエリスはリィンの胸元へ頬を寄せると、満たされた余韻の中で静かに微笑む。

 

「……ありがとう、リィン様。あなたの熱、確かに受け取りました」

 

「礼を言われるようなことでは……」

 

「それじゃあ、次はボクの番だね」

 

「えっ」

 

 リップルが弾んだ声を上げると、エリスは名残惜しそうに体を離した。抜け落ちた肉棒は一度解放を迎えたばかりだったが、リップルの手に包まれて優しく撫でられるうち、再び硬さを取り戻していく。

 

「まだ元気そうで安心したよ」

 

「少しくらい、休ませてください……」

 

「そう言いながら、もうボクの腰を支えてるよ?」

 

「……落ちないようにしているだけです」

 

「うん。そういうことにしておくね」

 

 リップルは楽しげに笑いながらメイド服のスカートを捲った。秘所を隠していた下着を脱ぎ捨てると、リィンの腰を跨ぎ、熱を取り戻した肉棒へ入口を押し当てる。

 

「リィンくん。ボクも、いっぱい感じたいな」

 

 潤んだ瞳で見つめられ、リィンは小さく息を吐いた。だが拒む代わりにリップルの腰を支える手へ力を込め、自分の方へ導いていく。

 

「……無理はしないでください」

 

「うん。大好きだよ、リィンくん♡ 本当に……♡」

 

 リップルは肉棒の先を濡れた入口へ押し当て、ゆっくりと腰を沈めた。先端から根元まで受け入れていくにつれ、犬の耳がぴんと立ち、尻尾が抑えきれない喜びを示すように激しく揺れる。

 

「んんっ……♡ はぁっ……♡ 入ったぁ……♡」

 

「リップル、大丈夫ですか?」

 

「うん……リィンくんでいっぱい♡ すごく幸せだよぉ♡」

 

 彼女はリィンの胸へ手を置き、弾むような動きで腰を上下させ始めた。エリスの慎重で情熱的な愛し方とは異なり、触れ合うこと自体が嬉しくて仕方がないような軽やかな動きだった。

 

「あっ、んっ♡ リィンくん……♡」

 

 その声に応えるようにリィンが腰を突き上げると、リップルの尻尾が大きく跳ねる。エリスも寝台の傍らから身を寄せ、汗ばんだリィンの額を拭ってから、そっと唇を重ねた。

 

「んっ……エリスまで……」

 

「リップルだけに任せて見ているつもりはないわ。私にも、あなたを愛させて」

 

 エリスの舌が口内へ入り込み、リィンの声を甘く塞ぐ。下半身ではリップルが次第に動きを速め、繋がり合った場所から湿った音を響かせていた。

 

「リィンくん、ボクのことも見て……!」

 

 リップルに呼ばれ、リィンは口づけの合間に彼女へ手を伸ばした。揺れる体を抱き寄せ、そのまま上体を引き倒して腕の中へ受け止める。

 

「……愛していますよ、リップル」

 

「あっ……♡ そんなこと言われたら、ボク……もう……っ、〜〜〜〜♡♡♡」

 

 リップルはリィンの首へ両腕を回し、全身を密着させた。短く激しく腰を重ねるたびに尻尾が震え、耳元では堪えきれない甘い声が漏れる。

 

「一緒に……お願い、リィンくん……!」

 

「ええ。離しませんから」

 

 抱擁が一層強まり、二人の体が同時に震えた。リップルは深く繋がったまま絶頂を迎え、続いて内側へ注がれた熱を余さず受け止めると、幸福そうに目を細めてリィンの頬へ口づける。

 

「えへへ……リィンくんの気持ち、ちゃんと届いたよ」

 

 力を使い果たしたリィンの左右へ、エリスとリップルが身を横たえた。乱れたメイド服のまま二人に抱きつかれ、リィンは疲れ切った顔で天井を仰ぐ。

 

「……奉仕を受ける側が、なぜ一番疲れているんですか」

 

「私たちが心を込めすぎたのかしら」

 

「次はもっと優しくするね。たぶん」

 

「次があることは、もう決定しているんですね……」

 

 呆れた声を出しながらも、リィンは二人の肩へ腕を回した。エリスは安堵したように寄り添い、リップルも胸元へ頬を擦り寄せる。

 

 三人はそのまま、重なった体温と満ち足りた余韻に包まれながら、静かに目を閉じた。

 

 

 

 

3人の場合

 

 

 ただの海水浴になるはずだった。

 

 真夏の日差しを反射した海面が、遠くの水平線まで青く輝いていて、寄せる波が白い砂を濡らし、海鳥の鳴き声と、ラニたちの明るい笑い声が潮風に運ばれてくる。任務も立場も忘れて過ごすためにラニが企画した休日だった。

 

 昼までは、イングリスたちも海水浴を楽しんでいた。イングリスはラニと泳ぎを競い、リップルは波打ち際を駆け回る。リィンも勝負を挑まれ、一人で沖まで泳いでいった。

 

 問題が起きたのは、そのリィンがひと泳ぎを終え、海から上がってきた時だった。

 

 波間から現れたリィンが、濡れた桜色の髪を片手で掻き上げる。色素の薄い肩を流れる雫が真夏の光を弾き、華奢に見える胸や腹には、長年の死闘で培われた強さが隠れている。

 

 だが問題となったのは、水を吸った黒い水着が、その体の線へぴったりと貼りついていたことだ。整った容貌と白い肌に組み合わされると、ただの男性用水着でさえ扇情的に見える。本人はそれに気づかず、冷めた顔で歩いてくる。その無防備さが、三人の理性を揺さぶった。

 

「……リィン。その水着を選んだのは誰ですか?」

 

「私ですが。何か問題でも?」

 

「大問題です。そんな姿で浜辺を歩かれたら、誰もがあなたを見てしまうではありませんか」

 

「気にしすぎでしょう」

 

 呆れたリィンがイングリスの横を通り過ぎようとする。しかし反対側へ回ったエリスも、平静を装いながら、濡れた腹部から腰へ視線を走らせていた。濃紺の水着が似合う顔には、薄い羞恥が浮かんでいる。

 

「もう少し布面積のあるものはなかったのですか、リィン様?」

 

「これでも一般的な男性用水着ですよ」

 

「一般的かどうかは問題ではありません。着る方の容姿を考慮すべきだと言っているのです」

 

「エリスまで何を──」

 

「ねえ、リィンくん」

 

 最後に、橙色の水着を着たリップルが腕へ抱きつき、濡れた体を密着させた。犬耳は落ち着きなく動き、尻尾も期待を隠せず、大きく左右へ揺れている。

 

「ボク、さっきから頑張って我慢してたんだよ。でも近くで見ると、もう無理かも」

 

「何が無理なのですか。……クリス、なぜ私の後ろへ回っているんです?」

 

「三人とも同じことを考えていると分かったからです」

 

 次の瞬間、リィンの体が軽々と抱え上げられた。不意を突かれて目を見開いたものの、本気で振りほどこうとはせず、イングリスの肩を掴んだ。

 

「ちょっ……クリス! ラニたちの前で何をしているんですか!」

 

「少し日陰で休んできます。日差しに当てられてしまったようなので」

 

「当てられたのはあなたたちの頭でしょう……!」

 

 ラニたちが不思議そうな視線を向けたが、イングリスは足を止めず、リップルとエリスも何食わぬ顔で後へ続いた。リィンの抗議もむなしく、四人は浜辺の端にある大きな岩場の奥へ入り込んだ。

 

 岩と岩の間には、外から見えない三角形の空間ができていた。リップルが大判の布を砂の上へ広げる。浜辺から姿は見えないが、ラニたちの声は波音に交じって、すぐ近くから聞こえてくる。

 

「こんな場所で始める気ですか……?」

 

「その声の小ささでは、止めているように聞こえませんね」

 

 イングリスが背後から抱き締め、濡れたうなじへ唇を寄せた。泳いだ後の肌はほのかに熱く、舌先で海水の雫を掬い取られただけで、リィンの肩が小さく跳ねた。

 

「しょっぱいですね」

 

「海から上がったばかりなのですから、当然でしょう……っ」

 

「味の感想ではありません。もう少し可愛らしい反応を期待していたんですよ」

 

「十分すぎるほど見せていただいています」

 

 正面のエリスがリィンの顎を持ち上げ、背けられていた顔を自分へ向けさせた。落ち着いた手つきとは裏腹に、その瞳の奥には熱が灯っている。口づけは徐々に深くなり、舌を絡め取られたリィンの喉から吐息が漏れた。

 

「んっ……! エリス……っ!」

 

「声を抑えてください。ご友人に聞かれてしまいますよ」

 

「誰のせいだと思って……んぅっ!?」

 

 抗議は再び唇で塞がれた。その間にイングリスの手が脇腹から胸へ滑り、濡れた指先で敏感な突起を探り当てる。リィンは逃れようと上体を捩ったが、背中は豊かな胸に包まれ、抱き締める腕も緩まない。

 

「剣を向けた時は、指一本触れさせてくれないのに。こうしている時は本当に素直ですね」

 

「今の私を見て、素直だと思えるのですか……?」

 

「ええ。本気で逃げる時のリィンは、こんな顔をしませんから」

 

 顔を覗き込まれ、リィンは羞恥を隠すように目を逸らした。しかし耳まで差した赤みと揺れる吐息までは誤魔化せない。イングリスがうなじを甘く噛み、同時にしゃがみ込んだリップルが、水着越しの膨らみへ手を添えた。

 

「わあ……もうこんなになってる。さっきまで涼しい顔をしてたのにね」

 

「リップル、急に触らないでください……っ」

 

「じゃあ、ゆっくりならいい?」

 

「そういう意味ではありません」

 

「でも、退けとは言わないんだね」

 

 リップルの指が、水着の上から形を確かめるように往復する。布一枚を隔てた刺激にリィンの呼吸は早くなり、腰が無意識にその手へ押し返された。僅かな動きだったが、三人は見落とさなかった。

 

「あっ、今、自分から動いたよ」

 

「……っ。………………忘れてください」

 

「無理だよ。二人にもしっかり見られてたもの」

 

 三人の視線が集まり、リィンの顔が耳まで赤く染まった。腰を引くものの、背後にはイングリス、正面にはエリス、足元にはリップルがいる。死闘ならばどんな包囲も破る彼が、恋人たちの情欲を前にすると、逃げ道を見つけられない。

 

「三人がかりなんて、卑怯でしょう……」

 

「自分より強い相手には大勢で挑む。それが正しい戦法だと、以前リィン自身が言っていましたよ」

 

「こんな時だけ都合よく引用しないでください……!」

 

「安心して。勝負はすぐにつくと思うよ」

 

 リップルが水着の内側へ手を滑り込ませた途端、リィンは声を漏らしかけ、慌てて口を押さえた。細い指に直接包み込まれた肉棒は硬く昂り、先端から滲んだ雫が彼女の手を濡らす。リップルはその熱を楽しむように、掌の中で優しく握り直した。

 

「リィンくん、すごく熱いよ」

 

「言わなくていいです……」

 

「言われると恥ずかしい?」

 

「分かっていて聞いているでしょう……っ、あっ!」

 

「うん。困った顔が見たかったから」

 

 リップルが悪戯っぽく笑い、黒い水着を太腿まで引き下ろした。解き放たれた肉棒が起き上がると、間近で見た三人が息を呑んだ。すぐ近くに仲間たちがいる緊張が、見慣れた体をいつもより扇情的に見せていた。

 

「……今日の予定を海水浴だけにしたのは、間違いでしたね」

 

「リィン様にこれを見せられて、平静でいろという方が無理でしょう」

 

「見せていません。あなたたちが勝手に脱がせたんです……!」

 

 リィンの抗議を聞き流し、リップルは剥き出しになった先端へ口づけた。柔らかな唇で何度か啄み、舌先で滲んだ雫を舐め取る。ほんの小さな刺激しか与えていないのに、リィンの両脚は目に見えて震え、指先がエリスの腕へ縋るように触れた。

 

「んっ……! リップル、舌は……ぁっ、ふぅ!」

 

「舐めてほしくない?」

 

「ここでは、という話です……っ!」

 

「じゃあ、帰ったら続きをしていいんだ」

 

「どうしてそうなるんですか……!」

 

「リィン様、少し静かに」

 

 エリスがリィンの頬を包み、深い口づけで声を塞いだ。舌を吸われている間に、下半身ではリップルの口が少しずつ肉棒を呑み込んでいく。

 

「んんっ……!」

 

 先端が温かな口内の奥へ触れた瞬間、リィンの背筋が跳ねた。呻き声はエリスの唇へ吸い込まれ、行き場を失った両手は彼女の肩を掴む。上下から同時に愛撫され、感覚は二人の熱だけで占められていった。

 

「そんなに強く掴まなくても、私は逃げませんよ」

 

「それなら……少しは、助けてください……!」

 

「嫌です。今のリィン様を、もう少し近くで見ていたいので」

 

「エリスも意地が悪くなりましたね……」

 

「誰に教えられたと思っているのですか?」

 

 エリスの視線がイングリスへ向けられる。当のイングリスは悪びれずに微笑み、リィンの胸を包んだまま、左右の突起を交互に摘み上げた。

 

「わたしだけのせいじゃないと思うな。二人とも、最初から素質は十分だったもの」

 

「人を玩具にして談笑しないで……くぅっ!」

 

 リップルの頭が上下するたび、濡れた水音が波音へ紛れていく。舌先で裏側をなぞり、頬の内側で先端を擦られると、リィンは腹部へ力を込めた。それでも耐えきれず、腰が僅かに浮いた。

 

「リィンくん、動いてもいいよ?」

 

「あなたの口を傷つけたくありません……」

 

「そういうところ、ずるいなあ」

 

 その気遣いにリップルは嬉しそうに尻尾を揺らすと、リィンの腰へ両手を添えた。自ら肉棒を奥まで迎え入れ、喉を鳴らして吸いつく。その刺激にリィンの指がエリスの肩へ強く食い込み、呼吸が急激に浅くなった。

 

「待って……もう、出ます……っ、んっ!」

 

「リップル、聞こえましたか?」

 

「んぅ……♡ もちろん」

 

「出して構いませんよ、リィン様。彼女もそのつもりのようですから」

 

「そんな冷静に……言わないで、ください……!」

 

 イングリスが背後から耳朶を甘噛みし、胸の先を同時に摘み上げた。重なる刺激に耐えきれなくなったリィンの腰が前へ跳ね、リップルの口内へ熱が放たれる。

 

「んっ、んんぅ……♡ じゅるる♡ ごくっ♡ ごきゅっ♡」

 

 リップルは逃げずに受け止め、何度か小さく喉を鳴らして呑み込んだ。射精の震えが収まってからも、余韻を与えるように舌を緩やかに這わせ、最後の一滴まで舐め取ってからようやく口を離す。唇と先端の間に細い糸が伸び、潮風に触れて途切れた。

 

「ごちそうさま、リィンくん♡」

 

「……ここは、海水浴場ですよ」

 

「うん。いつもと違って、すごくドキドキしたね!」

 

「あなたには緊張感というものがないのですか……?」

 

「リィンくんが代わりにいっぱい緊張してくれてるから平気」

 

 力の抜けたリィンを、イングリスが背後から支えた。白い水着越しに触れる体は熱く、呼吸にも平静さは残っていない。リップルの奉仕を見ていたイングリスも、とうに限界を迎えていた。

 

「さて、次はわたしの番ですね」

 

「まだ続けるのですか……?」

 

「今ので満足したのはリップルだけですよ」

 

「ボクもまだ満足したとは言ってないよ」

 

「…………帰るという選択肢は?」

 

 リィンはエリスへ、助けを求めるような視線を向けた。だが彼女は端整な顔へ艶やかな微笑を浮かべ、濃紺の水着の縁に指を掛けている。イングリスばかりか、エリスもリップルも、最初から彼を口淫だけで帰すつもりなどなかったのだと、ようやく理解させられた。

 

「最初から存在しません」

 

「そうですか……」

 

 諦めたように息を吐くリィンを、イングリスが布の上へ座らせ、背中を滑らかな岩肌へ預けさせた。白いビキニの下を片脚から外すと、今度は正面から彼の腰を跨ぐ。その動作の間にリップルが再び肉棒を手に取り、いったん萎えかけたそれを撫で上げた。

 

「今、出したばかりです……すぐには──」

 

「そう言いながら、もう戻り始めていますよ」

 

「あなたたちが休ませないからでしょう……っ」

 

「わたしに触れられると、すぐ応えてくれるんですね。嬉しいです」

 

 イングリスは硬さを取り戻した肉棒を支え、濡れた入り口へ押し当てた。熱い先端が触れるだけで下腹部が甘く痺れる。リィンの肩へ腕を回し、彼の膝の上へゆっくりと腰を沈めた。

 

「あっ♡ んああっ……♡」

 

「クリス、声を抑えてください……!」

 

「すみません。リィンが一気に奥まで入ってくるから……♡」

 

「自分で腰を下ろしたのでしょう……! っ、んあっ、くぅ……!」

 

 熱い膣内へ根元まで呑み込まれ、その柔らかさにリィンの膝が崩れかける。だがすぐにエリスが隣に膝をつき、砂の上へ倒れないよう肩と後頭部を支えた。

 

「私に体重を預けなさい。今倒れられては、イングリスも動けないでしょう」

 

「エリスまで協力しないでください……」

 

「すでに始まった以上、途中で終わらせる方が酷というものです」

 

 それがどちらにとってなのかは、彼女は明言しなかった。もっとも、情欲に染まったエリスの顔を見れば一発でわかったが。

 そしてその間に、イングリスは腰を浮かせ、濡れた音を立てて再び深く繋がった。最初は緩やかに動き、だが肉棒が敏感な場所を擦るたびに余裕を失い、気づけば腰を重ねる速さは増していく。

 

「あっ、あんっ、ああぁ♡ リィン……♡ リィン、リィン、リィン♡ やっぱり、あなたと繋がるのは気持ちいいです♡ 私たちの体の相性は本当に最高ですね♡」

 

「んっ、耳元で声を出さないでください……私まで、我慢できなくなる……っ」

 

「我慢する必要なんてありませんよ」

 

「ラニたちがすぐ近くにいるでしょう……!」

 

「なら、こちらをお使いください」

 

 必死に声を我慢しようとするリィンへと、横からエリスが唇を重ねた。熱のこもった口内を舌でなぞり、漏れそうな声を受け止める。その間にもイングリスは恋人の体を自分へ抱き寄せながら、奥まで深く呑み込んだ。

 

 さらにリップルが二人の結合部へ顔を寄せ、出入りする肉棒とイングリスの秘所を一緒に舐め始めた。犬耳がイングリスの腹部をくすぐり、舌先が二人の隙間へ入り込むたび、どちらの体もビクリと跳ねる。

 

「んっ……リップル、そこまでされたら……♡」

 

「クリスちゃん、すごく濡れてるよ。さっきからずっと我慢してたんだね」

 

「リィンのあんな水着姿を見せられたんですよ。我慢できるわけがないでしょう……♡」

 

「三人とも、海へ何をしに来たのですか……っ」

 

「最初は泳ぐつもりでした」

 

「ボクもだよ」

 

「私もそのつもりだったけど、リィンのせいで予定変更になってしまいました♡」

 

「私のせいに、くぅ……しないでください……!」

 

 返事の代わりに、イングリスが深く腰を押しつけた。先端が最奥を突き上げ、内側が強く収縮する。締めつけられたリィンも喉を震わせ、反射的に彼女の臀部を支えた。

 

「ああっ♡ そこ、好きです……♡ もう一度、同じところを、深くっ!♡」

 

「クリス、自分から動いているのに注文まで……っ」

 

「夫婦なのですから、好みを伝えるのは大切でしょう?」

 

「今それを言いますか……!」

 

 リィンの呆れた声に笑いながら、イングリスは彼の首へ抱きつき、何度も深く体を重ねた。エリスは隣から口づけを繰り返し、リップルも結合部へ舌を這わせ続ける。

 

 三人から同時に愛撫され、リィンの呼吸は急速に乱れていった。普段は決して崩れない体も岩肌へ預けられ、それでもイングリスを落とすまいと、彼女の腰を支える腕だけは緩めなかった。

 

 そしてその時だ。岩の向こうから、砂を踏む足音が近づいてきた。

 

「クリスー? リィン様たち、そっちにいるのー?」

 

 ラニの声が聞こえた瞬間、リィンの体が凍りついた。意識が一気に現実へ引き戻され、瞳が大きく見開かれる。イングリスたちも動きを止めたが、深く繋がった体を離そうとはしなかった。

 

「返事を……しないと、不審に思われます……」

 

「今の声で返事ができますか?」

 

「誰のせいですか……っ」

 

「ボクが答えるよ」

 

 リップルが唇の濡れを拭い、岩陰から顔だけを覗かせた。尻尾はまだ揺れているが、声はいつもどおりの無邪気な調子に戻っていた。

 

「ラニちゃん、こっちには来ない方がいいよ! リィンくんがちょっと疲れちゃったみたいだから、三人で休ませてるの!」

 

「リィン様が? 大丈夫なの?」

 

「だ、大丈夫です……! 少し、泳ぎすぎただけなの、んっ、で……っっ」

 

 リィンが平静を装った直後、イングリスがわざと浅く腰を動かした。内側が肉棒を締めつけ、リィンは声を漏らさぬようエリスの肩へ顔を押しつける。声を出せない緊張が、感覚をいっそう鋭くした。

 

「じゃあ、飲み物を持ってこようか?」

 

「ひ。必要、ありません……! すぐに戻り、ぁっ、ふぅ……! 戻り、ますから……!」

 

「分かった。あんまり無理しないでね!」

 

 砂を踏む足音が遠ざかるまで、四人は息を潜めた。やがてラニが仲間たちの元へ戻ったことを気配で確かめると、リィンは恨めしそうに自分の膝の上にいるイングリスを見上げた。

 

「今、わざと動きましたね」

 

「気のせいではありませんか?」

 

「クリスちゃん、すごく楽しそうだったよ」

 

「リップル」

 

「裏切りましたね」

 

「だって本当のことだもの」

 

 エリスが小さく笑うと、イングリスはリィンの首へ腕を回した。羞恥と快感の間で平静を繕う彼を自分たちだけが見られると思うと、愛情と独占欲はますます熱を増した。

 

「だって、必死に平静を装うリィンが、あまりにも素敵だったんです」

 

「見つかったら、どう説明するつもりだったのですか……」

 

「夫婦で愛を確かめ合っていました、と正直に」

 

「エリスとリップルまでいるでしょう!」

 

「細かいことを気にしていては、武の極みには至れませんよ」

 

「まったく関係ありません……っ!」

 

 抗議の途中でイングリスが腰を打ちつけ、リィンの言葉を途切れさせた。ラニに気づかれかけた緊張が残るせいか、刺激はより鋭く感じられる。リィンはエリスの腕を掴み、声を殺すことさえ難しくなっていた。

 

「クリス……もう、私も……っ」

 

「ええ。わたしもです……リィン、奥へください……♡」

 

「その言い方は……っ」

 

「早くしないと、また誰かが来てしまいますよ?」

 

「急かした原因はあなたでしょう……!」

 

 イングリスが最後まで深く腰を押しつける。エリスがリィンの唇を塞ぎ、リップルが結合部へ舌を這わせた瞬間、四人の体が同時に震えた。

 

 びゅるるるるるる!!!

 

「んあっ、ああああぁ……!!!♡♡ リィンのが……♡ はぁぁ♡ 温かい……♡」

 

 リィンの熱が最奥へ注がれ、イングリスの内側が逃がすまいと収縮する。エリスは声を抑えるため縋りつくリィンを抱き締め、乱れた桜色の髪へ口づけた。

 

 イングリスが体を離すと、力の抜けたリィンは布へ背中を預けた。呼吸を整えようとしても、胸はまだ忙しなく上下している。その左右へエリスとリップルが座り、艶やかな視線を向けた。

 

「終わったと安心している顔ですね、リィン様」

 

「……まさか」

 

「イングリスちゃんだけずるいよね」

 

「ええ。私たちはまだ、口づけとお手伝いしかしていません」

 

「ですが、もうラニたちのところへ戻らないと……」

 

 リィンは最後の希望を託し、岩の向こうへ視線を向けた。しかしイングリスは満足そうに彼の背後へ座り、逃げ道を塞ぐように両腕を回した。岩の向こうからは、何も知らないラニの笑い声が聞こえてくる。

 

「少しくらい遅くなっても、泳ぎ疲れたという言い訳が使えますよ」

 

「ボクはリィンくんの上がいいな」

 

「では、私はその次にしましょう」

 

「順番を決めないでください……!」

 

 リップルが橙色の水着を片側へずらし、リィンの膝へ跨がった。二度目の絶頂を迎えたばかりの肉棒を、指先と掌で優しく撫で上げる。熱を取り戻し始めた先端へ、濡れた入り口を押し当てた。

 

 自分の番がようやくやってきた喜びに、リップルの犬耳がぴんと立ち、尻尾が布の上を繰り返し打った。その後ろでは、エリスも濃紺の水着へ指を掛け、次に自分が愛される時を待っている。

 

「大丈夫。今度はちゃんと静かにするから」

 

「あなたが静かでも、私が耐えられないのですが……」

 

「その時は、三人で口を塞いであげますね」

 

「何の解決にもなっていません……!」

 

 リィンの抗議は、三人から一斉に重ねられた口づけへ呑み込まれた。岩の向こうでは友人たちの声と波音が響いている。そのすぐ傍で、三人に囲まれたリィンの休日は、当初とは異なる形でまだ続いていた。

 

 その後、四人が浜辺へ戻ってきたのは、ラニたちが本気で探し始める寸前のことだった。

 





イングリス
 リィンと付き合い始めてから性欲が解消されるどころか、どんどん湧き上がってくるようになった生粋のベッドヤクザ女子。最近だと人前でも我慢できなくなっていて、さりげなくリィンに悪戯してる。親友のラニからとある相談を受けて、熟考の末背中を押す事を決めた。
「クリス、さすがに最近接触が多すぎます。もう付き合って半年近く経つのですから、少しは落ち着いてください。……え? わかった? そ、そうですか……それならいいんです。 べ、別に残念そうな顔などしていません! こ、こら勝手に人の顔を見ようとするな……!」

エリス
 天上人と結ばれた天恵武姫が一人。リィンの権限で彼専属の天恵武姫となったが、彼は基本自分の刀以外使わないので、使われる相手はだいたいイングリス。最初はイングリスと違って清い交際をしようと思ってたけど、リィンのあまりの無自覚なエロさに理性を数日で手放し、監禁陵辱プレイなるものに目覚めた。
 最近ラニに、リィンはイングリスだけでなく自分たちとも付き合っている事を告げた。
「この拘束を解いてください、エリス。一体イングリスからどんな間違った情報を教えられたか知りませんが、私はこんなプレイを喜ぶタイプでは……ひゃっ! やめっ、何を……目隠しにギャグボール!? ダメです、そんなも……ふむぅ!?」

リップル
 天上人と結ばれた天恵武姫が一人。性欲が3人の中で誰よりも強く、いつかリィンを彼の方から自分をめちゃくちゃに犯してもらえる狼にしようと、眠る彼の耳元で何度も囁いている。最近やっと成果が出てきてスパンキングしてくれるようになって大歓喜中。
 ラニに天上人にも効く特製の弛緩剤と媚薬と、拘束具を貸した。
「んんっ、女は物……女は玩具……女はお尻を叩かれると喜ぶマゾ……ッ! わ、私は何を言って……!? り、リップル! いえ、今のは何でもありません……私はそんなこと一度も考えたこと……!」

リィン
 毎日毎日ところ構わず犯される誘い受けの天才。いつも冷めた対応ばかりしてくるくせに、ふとした瞬間に素直な愛の言葉を伝えてくるからイングリスたちの乙女心はもうぐちゃぐちゃ。そのくせ責められるとクソ雑魚なので、恋人たちをどんどんドS性癖に変えていっていることに気づいていない。
「ラニ、あなたからもその……クリスに少しは落ち着くように言ってくれませんか? あっ、いえ別に彼女を嫌いになったわけではないのですが……その、少し求めが……。え? エリスとリップルから聞いてる? な、何を言って……ら、ラニ? なぜ、急に服を脱いで……私ももう想いを無視できないって…‥何をっ! んんっ!?」



 ここまでお読みいただきありがとうございます。
 イングリスの純愛話が私の作品で一番好きと言ってくださる方が結構いてくださるので、感謝も込めてその後の彼らのお話です。

 純愛系も数が増えたのでそのうち後日談が欲しい話とかアンケート取るか考え中。

もしFFのエロをやるならどのナンバリングが見たい?*FF7は意図的に外しています

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