※この作品はR-18です。

マイナーキャラ妄想短編集   作:ニンニク嫌い

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注意! この話は原作主人公の悲惨な最期と非常に人を選ぶ内容になっています。前書きを見た段階で不快な気持ちになった方は即座にブラウザバックをお願いします。


月が導く異世界道中(巴、澪) 後日談

 

 

 真こと深見真は大量の疑問と混乱、全身から走る激痛に支配されながら街から遠く離れた森の地面に這いつくばっていた。

 両手両足は動かすことがままならないほどの裂傷と火傷を負い、確認できないが体の内臓のいくつかはすでにダメになっているのが口から漏れる赤い血潮から容易に想像できる。息を吸うのでさえ気が狂うほどの激痛が走りそうなその身を、さらに苦しめると言わんばかりに黒く細い糸が全身に絡めつきその瀕死の体を締め上げていた。

 

「ガァっ……!!?」

 

 肌を締め上げる黒糸が肉に食い込み、その下の骨まで切断せんと強みを増す。伸縮自在でいかようにも形を曲げられる柔軟さを持った糸がカーボンファイバーの糸を遥かに勝る強度と鋭利さを持ち合わせているのだ。人間の最高到達者でさえその身を縛られれば脱出不可能となるその黒糸に絡め捕られた真に、最早逃げ場はどこにもない。それでも常の真ならばその桁違いの魔力に物を言わせて脱出することも出来ただろう。だがそれを不可能にさせていたのは、全身に無理やり装着された金の装飾品の存在に合った。

 

 真はこの装備を知っている。

 ドラウプニル。真も自身の魔力を抑えるために両指全てに着けている魔力吸収用のマジックアイテム。常人なら一つ付けるだけで魔力を吸いつくされ干からびて死んでしまうこの装備を十個付けてなお、常人を超す魔力を溢れさせる真は真正の怪物だろう。

 だがそんな真でも、今自身に着けられた百に近い数のドラウプニルの前にはその魔力量を赤子以下にまで吸い取られざるを得なかった。

 

 そしてこれを自身に取り付けた者、今自身を締め付ける黒糸の持ち主、その二人を良く知るからこそ真は命の危機を感じながらも、それがどうでもよくなるほどの混乱に支配されていたのだ。

 

「なんで……どうして……! どうしてだよ、巴、澪!!?」

 

 倒れる自身を心底の侮蔑の籠った瞳で見下す二人の女性、家族だと思っていた大切な仲間に真は痛む体と零れる血を無視して叫んだ。だがその反応はどこまでも冷たく、そして無情だった。

 

「どうして、ですと……? 儂らを謀り、こき使って来た下衆がよくもまあ、そのような口を叩けますな。真の愚か者は今際の際まで愚か者と言うことだな」

 

「まったくです。一時とは言えこんな虫けらを主と思っていたなど、自分の事ながら殺したいほど腹立たしいですね。あぁ、何を私たちの体を何の許可もなく見上げているのですか? 気色悪い」

 

 ぶちゅりと、そんな擬音が付きそうな気軽さで真の左目は一生その光を無くす事となった。

 

「ぐ、あああああ゛あ゛ア゛ア゛ぁぁぁ!!!」

 

「うるさいのう、貴様のような汚物の悲鳴など耳に入れたくもない」

 

 左目を束ねられた蜘蛛糸の一刺しで潰され絶叫を上げる真の声が、青い髪の女性が指で何かを綴るような動きをした瞬間、一切の音がその口元から響かなくなる。だがそんな事にも気づけないほどの激痛を顔の左側から受ける真は、口が裂けんばかりに開きながらも何も声を発していないと言う間抜けな姿を晒していた。

 

「く、クフフハハハ!! 愉快、愉快! 儂たちをご主人様から奪い取ろうとしたクズにはお似合いの姿ですね!!」

 

「ぷ、ふふふ。なんて無様。やはり虫ですね、これは、あはははは!」

 

 全身に酷い裂傷を刻み、顔から大量の血を流しながら縛られて地面に転がる少年を前にして嗤う二人の美女の姿は、まさしく地獄の底から這い出て来た餓鬼のようにおぞましい雰囲気を全身から放っていた。だが畜生の如き残虐な行為を行いながらも、二人の女性の身に纏う淫靡で妖艶な魅力は全く損なわれておらず、それがなおさらこの光景の異常さを際立たせていた。

 

「おいおい、二人とも。俺が来る前に殺すなよ、そいつが苦しむ顔が見れないだろ」

 

 その異常な舞台に、新しい登場人物が現れた。二人の美女の後ろからやって来たのは銀髪にオッドアイの瞳をした少年だった。顔立ちは悪くないのだが、それでも目前の世界最高レベルの美女二人と並ぶと見劣りする感が否めず、また身に纏う雰囲気はそれこそ軽薄なナンパ師のそれだ。だがそんな少年が浮かべる邪悪その者と言っていいほどの狂笑が、彼がこの異常な舞台の登場人物として相応しい存在である事を物語っていた。

 そして事実、彼はこの狂気の一幕の立役者であり、脚本家であった。

 

「ご主人様♡」

 

「旦那様♡」

 

 先ほどまで狂ったように嗤っていた二人の美女が、まるで人が変わったように現れた少年にまるで娼婦のように媚びた艶声で彼を出迎えた。二人は少年の両側に侍るように移動すると、その両手を彼の腕に絡ませ、その男好きしそうな魅力的な体を押し付けたのだ。

 

 その光景を残った右目で捉えた真は、痛みさえも忘れてただ唖然としたように、自身の家族の体を抱き寄せその臀部を揉みしだく少年を見つめていた。

 

「────」

 

「ああ? 何て言ったの? おい、負け犬の声が聞こえないだろ。早いとこ魔法解けよ、俺はこの陰キャの泣き言が聞きたいんだよ」

 

「あん♡ 申し訳ございません、ご主人様♡ 直ちに解かせていただきます!♡」

 

 声を封じられている状態の真の状態に不服を持った少年が、自身の左側に侍る青髪の女性の尻を強く鷲掴みながら命令する。それに誰もが見惚れるほどの容姿を持った女性がまるで奴隷のように即応し、少年に媚び諂いながら真の方を一瞥ともせずに片手だけを向けて再び空中に何かの文字らしきものを綴る。

 瞬間、真の周辺を包んでいた魔力が四散するのをこの場にいた少年以外の全員が認識した。

 

「……まえ……たりを……」

 

 そして声を届ける事が出来るようになった真の口元からぼそぼそと、何かの言葉が吐き出される。だがそれはあまりにも小さく、それを聞きとれたのは少年に侍る美女二人だけ。そしてその内容を聞き取った二人の女性の顔に目に見えて深い険が浮かぶのを、真の無様な姿を堪能していた少年は気づかない。

 

「あぁ!? 聞こえないんだよ陰キャ野郎! もっと大きく喋れや!」

 

「……っ!! お前が、巴と澪の二人を、あやつっ、がぁっ!!!」

 

 少年の言葉に真が叫ぶように言葉を告げ終わるよりも先に、その身を縛る蜘蛛糸がその締め付けを万力の如く強め、同時に風が刃のようにうねり真の全身を切り裂いた。

 

「貴様ぁ!! よくもご主人様をお前などと……っ! 身の程を知れこのクズが!!」

 

「不快、不快、不快ですわ!! お前のような虫けらがまだ生きていられるのは全て旦那様の娯楽のためだと言うのに……! 見苦しい汚物ごときが!!」

 

 空間が歪み、大気が揺れるほどの怒気が二人の女性を中心として迸った。森中にいた動物や魔物がまるで大災害を目前にしたかのようにその発生源たる二人から離れて行く。空からこの森を見れば、ある一点を中心とした形で円状に逃げて行く生物たちの姿を垣間見る事が出来ただろう。さらに二人の女性から放たれた真への殺意が、荒れ狂う暴風のように木々を震わせ、その余波が何百キロと離れた人間の町にまで届いたほどと言えば、二人の真の言動への怒りと憎しみが伝わるだろう。

 

 だが驚嘆すべきはそれほどの殺意を解き放ってなお、彼女たちが抱き着く少年に一切の被害を出さないどころかそよ風一つほどの振動も感じさせていないと言う事だ。少年からすれば唐突に自分が世界から切り取られたように感じただろう。何せ周りが台風に直撃したかのように荒れ狂う中、当の自分の触感も嗅覚も聴覚も何も変わらないのだ。相当高度な魔力障壁が少年の周りに張られているのは明らかだ。その事実に、少年はニヤニヤと笑いながら目前でボロ雑巾のように強風に煽られながらも蜘蛛糸で固定されて身動き一つとれずになすがままそれを享受するしかなかった真を見ていた。

 

 もう良いと言う風に目線で二人に伝えた少年に、あれほどの怒りを発露していたはずの二人はまるで何事もなかったように平常に戻り、再び少年へ甘えるように顔を埋めていく。

 

「言葉使いには気を付けろよ。でないと俺の可愛い妻たちがお前を今度こそ八つ裂きにしちまうからな」

 

 可愛い妻と言う言葉に顔を嬉しそうに赤く染める美女二人の姿を、霞む視界の中目にした真の全身をどうしようもないほどの絶望が根を生やした。

 

「あ……ぁ……巴……澪……」

 

「くはは、さっきから巴に澪と喚いてるが、この二人はもうそんなクソみてぇな名前じゃねぇんだよ! 言ってやりなお前らが誰で、俺の何なのかをな!!」

 

 その言葉に、二人の美女は満面の笑みを浮かべて少年の、石橋智樹の足元に跪いた。そして口を智樹のズボンの腰元に近づけた二人は、そのまま口だけで智樹のズボンを下ろし始めたのだ。目を丸くする真の前でかつての仲間二人はそのままその綺麗な桜色の唇で少年のパンツを咥えると。ズルっと一気に下まで下げたのだ。そうすると当然その中に隠されていた男の最も汚い部分であり、最もその性欲の強さを主張する醜い肉の塊が露わになるわけで。

 

 ペチンと二人の美しい顔にその醜悪な男性器が当たるのが、真の位置からも見えた。平均より少し上ぐらいの決して巨大とは言えない程度の長さだが、そんな事は真にはどうでもよかった。

 

「や……やめろ……やめてくれ……巴、澪……!」

 

 全身を引き裂くように感じる激痛を無視して、真は懇願した。残った右目から血の涙を流しながら、文字通り血反吐を漏らしながら叫んだ。

 だが現実は残酷で、真の見上げる視界の先で智樹の肉棒に甘えるように頬ずりをした二人の美女は、その綺麗な桃色に輝くふっくらとした唇をその亀頭に重ね合わせた。

 

 ちゅっ♡

 

 そんなリップ音が聞こえてくるような、愛らしい口付けだった。そのキスをした相手が男の肉棒でなければどれほど素敵なものだったろう。まるで結婚式の誓いのキスのようにその唇を捧げた二人は、そのまま舌を伸ばして智樹の醜悪な雄棒を舐め始めたのだ。そして同時にその視線を真の方へと向け嘲笑うように言葉を発する。

 

「んちゅ♡、じゅる……ご主人様がお望みのようだから、教えてやろう下郎……じゅぷ、んあ♡ 儂の名はカーマ♡ 偉大なる勇者であり儂の永久の主、石橋智樹様から与えられた聖名♡ 巴何て言うふざけた名前など記憶にございません、儂は生まれた時からご主人様の性奴隷カーマです♡」

 

「ちゅぱ♡ 私の聖名をその汚らわしいウジの詰まった耳で聞けることを旦那様に感謝してください、はじゅ、んあっ♡ 私の聖名をリリス♡ この世全ての雄の頂点に立ち、全ての雌を支配する御方である石橋智樹様より賜った神聖な名です♡ この名こそ私の本名であり、澪など口にするだけでも腹立たしい忌み名ですわ。過去、現在、そして遥かな未来世まで、私は旦那様の愛の奴隷リリスなのですから♡」

 

 それは愛の告白だ。彼女たちの、カーマとリリスと名乗った二人による、彼女たちの愛する男へ捧げた宣誓だ。そこに恥じらいも躊躇も欠片もなく、当たり前の真実を語るような口調で二人はその事実を告げたのだ。

 

「──────」

 

 最早、真の顔は死人のように青白く染まっていた。心が完膚なきまでに壊れたのか、残りわずかであった生命力が一気に無くなっていく。

 

 そんな姿を一瞥もせずに、カーマとリリスの二人は愛する夫への奉仕に集中していた。カーマが舌で亀頭を包むように愛撫し、カリ首を舐め取り、指先で包皮を摘まみその裏すじをちろちろと刺激する。その間リリスは舌を伸ばしながら茎部分を下から上へとコーティングするように舐め上げる。そしてある程度時間が経つとお互いに奉仕する部位を入れ替える。智樹の肉棒はあっという間に二人の美女の唾液でその全体を淫靡な艶に包まれていた。

 

 そして二人は空いた両手の片方でそれぞれ智樹の睾丸を優しく握りしめてマッサージするように揉み込み、もう片方の手で自身の蜜壺を弄り、その情欲を満たそうと自慰をしていた。まだ智樹の一物に舌を這わせてから数分と経っていないにも関わらず、カーマとリリス両名の足元にはすでに淫液による水たまりが出来上がっていた。

 

「アッハッハッハ!! そういう事だ! こいつらはもう俺の物、俺のハーレムの一員なのさ! こんな上物の雌はお前にはもったいないんだよ! あの世で俺と二人のセックスを見ながら永遠にオナってな! ヒハハハハ!!」

 

 智樹の嘲笑が場を支配する。下劣で低俗なその笑い声を聞く彼の雌妻はその頬を光悦に真っ赤に染め、その声に聞き入っている。

 そして、それを浴びせられた真は────

 

「────なっ!?」

 

 空間の重量が増した。まるでそこだけ重力が何倍にも増えたような錯覚を智樹は感じたのだ。先のカーマとリリスの怒りよりもなお強烈で、そして得体の知れないおぞましい何かが、楔を破って出て来たような、そんな感慨を智樹は強制的に抱かされた。

 その発生源は今まさに死にかけで、すでにあの世に片足どころかほぼ全身を飲み込まれていそうなほどの重症の真であった。

 

「……ゆる……さない……お前……だけは……」

 

 地獄の最奥、無間地獄からでさえ地上に届きそうなほどの、憎悪の籠った声だった。人が出す声とは思えない、むしろ悪魔や大魔王が真の口を借りて言葉を発していると言われた方が納得するほど、その声色は重く、底冷えするような寒さを伴っていた。

 

「ひっ!!」

 

 智樹が情けない声を上げて倒れ込んだ。だがそれもむべなるかな、今の真の声を聞けばたとえ世界を救った英雄であろうと思わず恐怖に身を竦ませるほどの響きがあったのだ。チート能力でイキっているだけで、何の苦労も努力もしてこなかった智樹にそれを耐えるなど不可能だろう。

 

 真を縛る黒糸がただ彼から迸る重圧で千切れ飛んだ。剣の道を究めた達人がその集中力全てを使ってようやく糸一本切断することが出来るだろうと言う強度の黒糸が、まるで水に濡れた和紙のように容易く破れたのだ。真の全身に巻かれた百に並ぶ数のドラウプニルがギシギシと軋み出す。吸収している魔力の総量がその限界を超えているのだ。

 真の後ろの空間が歪み、黒い、宇宙の闇よりもなお濃いほどの漆黒が顔を出す。誰が信じられるだろう、それがただ体から漏れる魔力の余波だけで空間が割れたことで起きたなどと。暗黒を纏いながら、今まさに立ち上がろうとする真の姿は、もはや魔王と言う言葉でも足りない、邪神のようで。

 

「な、なんだお前ぇ!? た、立つなよ! な、なんで、し、死なないなどよぉ!!?」

 

 智樹が恥も外聞もなく泣き叫ぶ。あまりにもみっともないその姿を視界に捉えているのかいないのか、真は────

 

 

 

「…………し、ね「調子に乗るな」────」

 

 

 

 ぱんっ

 

 

 

 そんな、小気味いい音と共に、真の頭が吹き飛んだ。

 

「──────────は?」

 

 呆ける智樹の目前で、頭を失った真の胴体がどさりとあまりにも呆気なく倒れ伏した。あの身の毛もよだつ様な恐怖も、全身を押し潰すほどの圧も、空間を破壊するほどの魔力も、何もかもが無くなっていた。

 

「クズがご主人様に歯向かうな。地獄で詫びていろ」

 

「虫けらが何を勘違いしたのやら。はあ、汚らわしい血で汚れてしまいました」

 

 その首のない死体の上に二人の女が立っていた。

 赤黒く染まった刀を薙いで、その剣刃に付いた液体を振り払う澄んだ海のように綺麗な青い髪をした美しき赤目の女。

 赤い糸で手を螺旋状に覆い、その糸を気持ち悪げに地面に打ち捨てる夜の帳の如く幻想的な黒髪を持つ麗しい黄色目の女。

 カーマとリリスが、真の死体を踏みつけてそこに立っていた。

 

「申し訳ございません、ご主人様。あまりにも目に余る愚行であったために、独断で処理させてもらいました。どのような罰も何なりとお申し付けください」

 

「旦那様の命令を破った事、お詫びの使用もございません。ですが、私の身も心も捧げた愛する旦那様に不埒を働く虫けらの蛮行を、これ以上見過ごすことは出来なかったのです」

 

 そう言い二人は、踏みつけるかつて主であった男の死体を強く足裏で踏み抜いた。ぐしゃりと言う音と共に、踏みつけた足の衝撃で多少とは言え原型を留めていた男の胴体が弾け飛び、肉の塊へと変貌していく。そこに、躊躇や迷いなど一つもなく、真実汚物を処理する心持で二人の美女はその死体を乱暴に解体していた。

 その様を見た智樹は、ただ唖然と尻もちをついた体勢で固まっていて、しかし次第に状況が飲み込めて来たことでその顔に過去最高の悪魔の笑みを形作った。

 

「は、はは、ハハハハハ!!! よくやった、よくやったよ二人とも!! クキハハハハ! どうだよ自分のかつての仲間に殺される気分は!? あ、もう死んでるから答えられないか、あはははは!!」

 

 嘲笑、侮蔑、爆笑。ありとあらゆる他人を馬鹿にする感情が智樹の声色にはあった。下品な笑い声を響かせる智樹の勝鬨を、阻む者などこの場には誰一人として存在しない。その口から思いつく限りの罵倒の言葉を物言わぬ死体に浴びせる様は、なんとみっともなくてかっこ悪い姿なのだろう。だがその姿に悪感情を抱く者もまたこの場には一人もいない。恐怖の対象がいなくなった瞬間に調子に乗り出した小物その者の智樹の姿を、まるで偉大な王の御言葉を賜る忠臣のように、カーマとリリスは頬を潤ませて魅入っていた。

 

「よくやったよ、カーマ、リリス。罰なんて必要ないが、それじゃお前らも納得できないだろうし、この場でちょっとした後始末をしてもらう」

 

 ある程度言葉を出しつくして満足したのか、智樹が二人のいる場所、つまり真の死体の目前まで近づいていく。智樹の言葉を聞いた二人の雌は罰と言う単語にその股間を熱くし、興奮による液を滴られていた。すでに二人は、智樹から与えられるものならばどんなモノでも嬉しく思うほどにその心を新生させられているのだ。

 

「そう難しい命令じゃない。ただお前たちはこの場で用を足せばいいんだ。その、負け犬の死体の上にな」

 

「「────!?」

 

 その言葉を受けた瞬間、二人の美女の瞳が大きく見開かれた。だがその表情は、智樹の言葉の内容に驚いたとか言う類の反応ではなかった。なんて素晴らしい案を思いつくのだと言う、尊敬による反応だった。

 

「なんて素晴らしいお考えでしょうご主人様♡ このカーマ深く感銘を受けました♡ 負け犬には無様な死でもまだ足りませんですからね♡」

 

「ああ、お優しい旦那様♡ こんな存在する価値もない虫けらに、最後に塵らしい扱いをしてあげるなんて♡ えぇ、このリリス全力でこの汚物におしっこをさせていただきます♡」

 

 その言葉と同時、二人はその場で大きく片足を高く掲げた。彼女たちの足はまるで時計の針のように半円を描いて持ち上がって行き、まるで新体操の選手さながらの綺麗なI字開脚を晒した。

 持ち上がった着物の下には当然のように下着の類は一切身に着けられていない。智樹の雌妻となったその時から、二人は智樹の許可なしに下着を身に着けるのを禁じられているのだ。今日まで真と依頼をこなす中で、彼女たちは常にノーパン状態で生活をしていた。

 

 智樹の前に晒された二人の割れ目は幾度も使い倒されたとは思えないほどに綺麗で輝いていた。ヒクヒクと開閉を繰り返すその蜜壺からは中のサーモンピンク色の膣壁が見え隠れしており、そこから分泌された二人の愛液が細く伸びた足を伝って下へと垂れて行く。

 そしてその恥部を外気に当ててからしばらくして、ようやく二人の股間、その尿道部分が体内に溜まっていた排泄液を放出しようとその出口である穴を広げた。

 

「んっ♡」

「あっ♡」

 

 チョロ……チョロロロ、シャ────ー……

 

 世界でも上から数えた方が早いとさえ言える美貌を持った二人の女性が、足を開脚して外で放尿をしていると言う目を疑うような光景が繰り広げられる。あまりに背徳的で倒錯的なその絵は、それこそ淫猥な情景と言う言葉を表す被写体として載せられてしかるべき淫らさがあった。

 二人の尿道から放出された排泄液は一切的を外すことなく、目標である真の死体に降り注ぐ。絶世の美女の体から漏れるものは排泄液でさえ透き通っているのか、一切黄ばんでいない綺麗な水のような尿である。雨の事を人は時に天使の尿と言うらしいが、この二人の放尿を見れば、なぜ人が大地の恵みである雨を言い表すのに尿と言う言葉を使ったのかが分かると言うものだ。美しい存在の尿は時に、真水よりも輝いて見えるのだ。

 

 放尿が止む。二人の足元に転がる肉塊は大量のおしっこによって濡れて不快な臭いと姿を晒していた。それにカーマとリリスの表情がムッとしたものに変わり、そそくさとその身を彼女たちが愛する夫である智樹の両隣へと移動させる。その足には飛び散った彼女たち自身の排出液の跡が残っているが、智樹も二人も欠片も気にしてなどいない。

 

「おお、おお、臭ぇ、臭ぇ。鼻が曲がりそうだぜ。やっぱ陰キャは死んでも気持ち悪いんだな。ククク、じゃあな負け犬、この二人は永遠に俺のオナホとして可愛がってやるよ」

 

「ご主人様♡ なんて雄々しいお言葉♡ このカーマ、永久にご主人様への忠誠と愛を捧げ続けます♡」

 

「さすがです旦那様♡ リリスも永劫旦那様にお仕えし続けます♡」

 

 智樹に抱きかかえられたかつての「無敵の蜃」と「災害の黒蜘蛛」は、その瞳にハートマークを浮かべながら光悦とした表情でその主である男の胸に顔を預けた。まるで何十年と寄り添った夫婦のように、何百年の歳月を共に生きた主と従者のように、幾度生まれ変わっても必ず結ばれる運命に祝福された者同士のような愛情と献身がそこにはあった。

 

 智樹はそんな二人の着物のスリットからお尻に手を這わせると、二人の尿を足したばかりの割れ目を弄りながら、街へと戻る道へと歩を進める。カーマもリリスもその愛撫に艶声を上げ、頬を熱で赤く染めながらも、智樹の歩く速度の邪魔にならないように並走する。淫靡な女の喘ぎ声による二重奏を刻みながら、荒れ果てた空間から消えて行く三人の愛し合う夫婦。

 その場に残ったのは、死体特有の臭気とアンモニア臭が混じった刺激臭を放つ無様で醜悪な、かつて深見真と呼ばれていた負け犬の肉片だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しばらくして、ある冒険者の死が冒険者に伝えられることになる。発見されたその冒険者の死体は原型が分からないほどにぐちゃぐちゃになっており、近くにあった装備品からようやく身元が判明したほどだ。

 その名を聞いて現れたその冒険者の元仲間だったと名乗る二人の美しい女たちによると、その男は自分たちを騙して契約で縛り付けこき使い、しまいには強大な魔物の囮として使うと、自分はパーティの全財産と全ての武器道具を持って逃走したのだと言う。その後二人はたまたま通りかかった勇者様に助けてもらい、以来彼の仲間として一緒に行動していたのだと言う。

 そして彼女たち曰く、おそらく逃げ出した先で大量の魔物に襲われ逃げる事も出来ずに食い殺されたのだろうと、侮蔑混じりに推測された。「いい気味じゃわい」、「死んで当然の男ですわ」と口々に死人を貶す二人をしかし責められる者はいない。もし彼女たちの言う事が真実なら文字通り死んで当然のクズだったという事だ。

 二人は死んだ男がどれだけ酷いクズだったのかを皆に説明した。

 

「わし達にだけ戦わせて自分は後ろでふんぞり返っているだけのくせに報酬のほとんどを契約だと奪っていって、わしらの功績を全部自分の力のように見せびらかしておった」

「騙して契約を結ばされて毎日セクハラまがいの行為を要求されました。外を歩くときはいつも私たち二人を侍らせて、時には湯飲みまで、覗かれ、て……っ!!」

「一目がある時はわしたちの力を契約の力で奪って自分の物にしてそれで敵を倒して、わしらにその太鼓持ちをさせおった。わしらから奪った力で……っ!!」

「私たちに恥辱の限りを尽くすだけでは飽き足らず、数多くの人を騙し、金品を貪り、それだけに飽き足らず、彼の暴虐に気づき止めようとしてくれた、だん……勇者様を謀り、勇者様をこき下ろした挙句、勇者様が善人である自分を身勝手な理由で襲ったなどと悪評を民衆に流して……ううっ……!!」

 

 怒りとかつての恥辱の日々を思い出したのか目に涙を浮かべる二人の美女の言葉を、デマカセなどと思う人間は一人もいない。それを聞いた誰もが、死んだ男の所業に怒りを覚え二人に同情し、死んだ男へ侮蔑の言葉を吐く。

 

 それに感謝した二人は次にそんな自分たちを助けてくれた勇者様がどれほど素晴らしいかを語り出した。

 

「勇者様は、あのような残酷な仕打ちと悪評を流されてもわしらを助けようと追いかけてきてくださっておったのじゃ。そしてわしらがあのクズによって魔物の前に捨てられ、もはやここまでじゃと思った時に魔物を一撃で切り伏せ、助けてくれたのじゃ♡」

「あの時の、『もう大丈夫だ』と言う言葉を聞いた時のことを私は今でも覚えていますわ。勇者様は傷つく私たちを一人で背負い、近くの町まで運んでくれたのですわ。ああ、今思い返してもなんて雄々しく優しい人なんでしょう♡」

「それどころか、わしたちを助けたお礼に何も求めず、『君たちが無事に笑っていることがお礼だよ』と。普通なら歯の浮くセリフじゃが、勇者様が言えばまさしく英雄の物語の一ページの様じゃったわい。勇者様がモテるのも納得じゃ、わしのあのクズに負わされた心の傷を一瞬で癒してくれた。好きになるなというのが無理な話じゃ♡」

「それでもお礼をするのを諦められなかった私たちが、無理を言って彼のパーティメンバーにしてもらえるように頼んだのです。そして共に冒険する中で私たちは勇者様への想いを止めることが出来ず。ええ勇者様は本当に素敵なお方。私たち二人の想いをしっかりと受け止めてくださいました♡」

 

 そう言って嬉しそうに左手薬指に嵌められた結婚指輪を見せる二人に、周りは次々と「良いお相手に出会えたね」「幸せにおなり!」とお祝いの言葉と勇者様への賛辞を浴びせた。

 

 僅かに勘の良い者が魔物に食い殺されたにしては不可解な点を見つけてはいたが、人生で一度でもお目に掛かれるかと言う美女二人の心底から感じられる男への憎悪と訴えにすぐに気のせいだと判断して、彼女たちの結婚を称える集団に加わった。

 

 こうして美しい女性二人を騙して利用した最低のクズ冒険者「三澄 真」とその二人を助け出し、想いを通わせて結ばれた伝説の勇者「石橋智樹」の名は遥か未来にまで語り継がれていくことになった。

 

 数多くの女性を妻とした「勇者」智樹とその中でも最も彼に愛された「愛妻」カーマとリリスはその後多くの子供に恵まれ、生涯愛し合って暮らしたと言う。

 

 

 

 

 

「ご主人様♡ ご主人様♡ どうかこのご主人様専用雌蜥蜴のカーマの子宮にご主人様の尊い精液を注いでください♡♡ ご主人様の235人目の子供を産ませてください!!!♡♡♡」

「いいえ旦那様♡♡ この228人目の赤ちゃんを孕んだこの淫乱肉便器雌蜘蛛の子宮に♡♡ 生まれる前から誰がパパかを赤ちゃんに精液ぶっかけて教えてくださいぃぃ♡♡♡♡」

「はっ、まったくこの淫乱共が、200年経ってもちっとも変わんねえな。いいぜ、お前らの俺への献身によって不老不死になった体で、世界が終わるまで、いや生まれ変わっても誰がてめぇらの所有者か忘れられないほど孕ませ続けてやるよ!! オラァ!!」

「「んあぁぁぁぁぁぁ────────────♡♡♡♡ ありがとうございますご主人様/旦那様ぁぁぁぁ♡♡ わし/わたしも何度生まれ変わってもご主人様/旦那様を愛し続けますぅぅぅぅ────────────♡♡♡♡♡♡♡♡」」

 

 いや、これから先の永遠の先まで三人は愛し合って暮らしていくのだった。世界が終わり、輪廻転生しても、彼らの魂に刻まれた愛は永劫消えることなく彼らを何度でも引き合わせ、そして夫婦とするだろう。

 

 Happy End~その愛は永久に~

 




 その後大陸は岩橋 智樹と彼の妻たち、そしてその子供たちによって完全に征服されるのだった。


 ここまでお読みいただきありがとうございます。
 作者は深見 真くんに対して一切恨みはありません。

100話達成記念で見たい陵辱系の後日談はどれ?

  • オクトパストラベラー
  • 月が導く異世界道中
  • 龍が如く
  • イリスのアトリエ
  • ジョジョの奇妙な冒険
  • 異世界はスマートフォンと共に。
  • 銀魂
  • 仮面ライダーシリーズ
  • デビルメイクライ
  • ペルソナシリーズ
  • 聖女の魔力は万能です
  • Fate/Samurai Remnant
  • 百錬の覇王と聖約の戦乙女
  • SAO
  • 名探偵コナン
  • ハズレ枠の状態異常スキル
  • 魔法科高校の劣等生
  • ハリー・ポッター
  • 悪役令嬢レベル99
  • 忍の一時
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