ズポッと肉棒が引き抜かれた時、自身を支える力さえ残っていなかったエルゼはそのままベッドにうつ伏せに倒れ伏した。
そんな彼女の姿を間近で見せられたリンゼと八重は……手マンされているマンコをキュッと締めて男の指に次は私の膣を壊してくださいと無言の求愛を行ってしまう。
「ほう……欲しがりな雌め」
「ふぅ……ふぅ……!」
「はぁ……はぁ……♡」
指を指圧する女の膣の感覚はしっかりと目的である男に伝わったようで、二人を見るバルサの顔が露骨に下衆で見下した目に変わる。
その視線に、二人は快感を刺激される。自分が目の前の主に媚びる雌であると、主の方から目線で教えてくれるその姿に、リンゼと八重は高まる興奮を抑えることが出来ない。
リンゼが腰を動かし、自分の膣に挿入っている指を出し入れさせる。それで望んだ快感を得られるわけがないが、これはポーズだ。主人たるバルサに自分の方の膣を使ってくださいとアピールしているのだ。
それに数巡遅れて、八重も腰をヘコヘコと動かして主人の指を使ってのセックスアピールを行う。八重が出遅れたのは、尊敬する主人の指を使ってオナニー紛いの行為を勝手にしてしまって良いものかと、彼女の武士としての心が一瞬だけ彼女の性欲を阻害してしまうまでからだ。
そしてその遅れは、バルサに次の扱き穴を決めさせるには十分な遅れだった。
「あんっ、バルサ様♡」
「くっ……! 不覚でござる!」
選ばれたのはリンゼのマンコであった。引き抜かれた指の代わりに当てがわれた、硬く膨張したバルサの逸物の熱さにリンゼが歓喜の声を、指を入れられたままの八重が悔し気な声を上げる。
そしてそんな二人の雌が自分の雄棒を求めて一喜一憂する姿に、バルサは男としての優越感を刺激されながらその剛直を彼女の姉にした時とは逆に、ゆっくりとリンゼの処女穴へと挿入していく。
「はぁぁぁあああーーーーっっ♡♡」
肉棒が自身の膣襞を押し広げながら、奥に入ってくる感覚。熱い肉の皮が自身の敏感な部分を擦り上げる快感に、リンゼは処女とは思えない陶酔の表情を浮かべて絶頂した。
「く、おお! 姉に負けず劣らずのキツマンではないか! 儂のチンポを強く締め付けてくるわ!」
「あ、ひぃ……♡ バルサ様の熱、感じます♡ 私の膣と一つになって……はぁぁ♡♡」
まだ処女膜まで到達していないというのに、すでにリンゼの顔は出来上がっている。雄を最も興奮させる雌のアヘ顔。それを本能レベルで理解して、だらしなく歪ませた顔でバルサへと肩越しに振り返って媚びるのだ。
「バルサ様、あなたの忠実な雌であるリンゼ・シルエスカの処女膜、どうかバルサ様の偉大なチンポで貫いてください!」
「はは! 媚び諂うのが得意な娘だ! 望み通り破り捨ててやろう!」
「ありが――ッ、ああああッッ!!」
ブチブチッとそんな音が聞こえる幻聴を耳にして、リンゼの愛する人に取っておいた処女はバルサの肉棒によって無惨に消えていった。後に残るのは、これから毎日男の剛直を受け入れ開発されるのを待つ女の膣だ。
「あ゛ぁ、あひゅっ、すご、すごいですッ! バルサ様の、チンポが子宮まで!!」
処女膜と言う防波堤がなくなった事で、バルサの剛直がリンゼの膣奥への侵入を阻むものはいない。リンゼの膣の形を確かめるように彼女の最奥まで、自身の亀頭が子宮口にキスするまで押しやると、そこから一気にピストンを始めた。
「あっ、ああっ、バルサ様、あんっ! は、激しっ! あ、あ゛あ゛ッ、イキます、私またイッちゃいます、バルサ様!! ああああぁぁぁぁッッ!!!♡♡」
自身の膣を抉るように挿入と排出を繰り返すチンポが齎す刺激に、リンゼの快楽を覚えたばかりの体は容易くエクスタシーを迎えてしまう。うら若い少女の小尻に六十を越えた男の腰が打ち付けられる様はかなり背徳的で、リンゼの容姿も相待って汚れを知らない一輪の白花がヘドロに侵されたようだ。
「くぅぅ……悔しいでござる……拙者も、拙者も早くバルサ殿の魔羅を頂戴したいでござる……!」
だがそう思うのはこの場にいないまともな精神を持った者だけだ。バルサに催眠をかけられた八重は、そんなリンゼの犯される姿を、理想の夫婦のまぐわいだと認識していた。愛し合う男と女の年齢を超えた本当の愛が結実した瞬間だと。
それを、早く自分も体験したいと八重は自分の膣穴を弄るバルサの指を切なく締めて、その懇願を口ではなくマンコで伝える。
「可愛い奴め、すぐにこの娘に射精したら使ってやる。それまでこっちの穴ででも感じていろ!」
「んおっ! バ、バルサ殿!? そ、そちらは菊穴にござれば、そんな指を入れては、お゛おっ!!?」
八重の懇願は彼女の思惑とは全く別の結果をもたらした。リンゼの膣に肉棒を打ち込みながら八重を手マンしていたバルサの指が、なんと彼女の後ろの穴、排泄用の尻穴に挿入されたのだ。
八重に後ろの穴を性行為に使うなんて知識は全くない。そこは不浄の穴で、自身の糞尿を吐き出す場所。そんな場所に指を入れるなんて、あまつさえ気持ちよくなるなんて、彼女の常識では考えられない。
だがバルサにしてみればアナルセックスなんて、今まで金で買った女たちを使って何度もやってきたものだ。もちろんその際はアナルセックスに慣れた専用の人間がバルサにあてがわれていたのだが、そんなことを知らない彼は女は皆ケツ穴でもイける変態だと馬鹿にしていた。
そしてだからこそ、八重の全く慣らしていないアナルへと指を突っ込むなんて、女性からしたら異物感と痛みしか感じないことを平然とするのだ。
「ほぉ……! ま、待ってくだされ……これ、おかしいでござる……! おっ、おっ……なぜ拙者は、菊穴で、こんな、んおおッ!!」
だがそれもまた普通の女なら。
今の八重はバルサの使ったアーティファクトによって感度を高められた、全身敏感発情状態と言っていい最高のセックス奴隷。彼女の脳は痛みと快楽の区別も出来ない状態で、結果初めてのアナルプレイでオホ声を上げる淫乱に八重を変えてしまったのだ。
「あああッ、バルサ様♡ 好き、好きです! 愛してます!!♡ もっと私の膣で、感じてください! 私の子宮の赤ちゃんの巣、全部捧げますから♡」
「んほおおッ!! バルサ殿の指、お゛おっ、知らなかったで、ござる……ッ! 菊穴が、こんなに、んひぃ! き、気持ちよくなれる穴でござったとは……んお゛お゛ぉぉ!!?」
美しい銀色の髪を持つ美少女のマンコに肉棒を打ち付けながら、これまた黒真珠のように美しい黒髪を持つ異国の美少女のケツ穴をほじくる。
これぞ勝者であるバルサのみに許された光景。負け犬である冬夜には決して味わえないだろう、酒池肉林なのだ。最も冬夜の嫁になる人間はあと六人いるので、数的には未だバルサに二倍の差をつけていると言う彼も知らない理不尽な未来があったりする。
「くく、出すぞ! 姉妹で儂の子種を受け取れ!」
「――――! はい、出してください! バルサ様のザーメン、私にくださ、イぃぃぃぃいいッッ!!!♡♡」
びゅるるるるるる!
吐き出された本日二度目となるバルサの精液は、エルゼに射精した時と過不足ない量をリンゼの子宮へと放出していく。それを膣全体を使っての蠕動運動で一滴も漏らさず搾り取ろうとする、リンゼの貪欲マンコ。
それは控えめながら、実は誰よりも肉食系だったリンゼを象徴するかのような淫らな行動だった。
ジュポンッと最後の一雫までリンゼの膣中に取り残したバルサの肉棒が引き抜かれる。
すると姉であるエルゼと同じように、リンゼもまた力なくベッドへと倒れ伏した。初めてのセックスの荒々しさは、冒険者である彼女たちの体力を持ってしても意識を保てないのだろう。
そして――――
「ああ……やっと……やっと、拙者の番でごさる……!」
唯一まだベッドで意識を保っている少女である八重が、愛する男の肉棒を一人占めできるという事でもあった。
膣と排泄穴への愛撫で、すっかり股下のシーツをびしゃびしゃに濡らすほどの淫液を垂れ流している八重はその瞳の情欲を隠そうともしない。
かつては武士らしく自分を律し、大和撫子らしいお淑やかさを持っていたのだが、そんなバルサとのセックスには必要のない物、彼女はとっくに捨ててしまっていた。
「なんと淫乱な雌か。お前の祖国の雌はみなこうなのか?」
「はいっ! 愛する殿方の魔羅を見れば、拙者の祖国の女は皆股を濡らして発情するでござる!」
とんでもない風評被害と国辱甚だしいセリフを平然と口にする八重に、嘘を言っていると言う自覚は欠片もない。彼女にとって、今の言葉は真実だ。なぜならバルサを見ればどんなオエドの女性も恋をして、彼の子供を産みたくなって発情すると心から信じているのだから。
「ガハハ! それはなんと猿畜生の住まう国か! いや、国ではなく蛮族の巣か! ガハハハハハッ!!」
自分の国を馬鹿にされていると言うのに、八重の心には怒りも何も浮かばない。それは当然だ、バルサのメインヒロインの一人たる九重 八重が自分の祖国を侮辱された程度で偉大なる主人公様へ嫌悪を抱くはずもないのだ。
むしろ、バルサ殿がそうおっしゃるなら、オエドは国であることが間違っているのではござらぬか? と彼女の今までの常識をたかが男の一言で揺るがされている。
「そんな猿の国で生まれたお前に種付けをしてやる儂に、せいぜい感謝するがいい!」
「はい! もちろんでござる! このご恩、生涯をバルサ殿の忠臣としてお仕えし、その身に降り掛かる如何なる火の粉も振り払う刀となり、そしてバルサ殿の女として、その魔羅を鎮め、子種を注がれる鞘となるでござる!♡」
侍としての矜持。女としての務め。その全てをバルサに捧げることを誓う八重の告白は、ともすればとても素敵なものとなっただろう。
だが平伏するように尻を頭より高く掲げ、その女陰から大量の蜜を垂らしながら言う姿には、無様さしか存在しなかった。
「ならばその最初の務めを果たしてみせるがいい!!」
「あああああぁぁぁーーーー!!♡♡」
勢いよく八重の膣口に突き刺さられた肉棒は、一突きで本日三度目となる処女膜を破り捨てる。一瞬で膣奥まで埋まった男の肉棒に、武士として丹田を鍛えてきた八重は何とか意識を飛ばさずに耐えることが出来た。
自分の努力の成果が愛する人とのセックスで身を結んだことに、八重は自分に丹練法を教えてくれた父に感謝する。父も娘がこんなことで感謝していると知ったら絶望するだろう。
「く、おお! これは前の二人とはまた違った締まり心地。なかなかの名器ではないか!」
「ああ、あひ、あ♡ バルサ殿が喜んでくださり、拙者も嬉しいでござる、あきゅうっ♡」
悲しいかな、彼女が剣術を磨くために極めてきた肺活量や下腹部にある丹への気の溜め方、素早いすり足で動くための腰使い、それら技能の全てが今バルサとセックスをする上でこれ以上となく役に立っている。
道場で学んだ経験を使って、八重は呼吸を合わせてバルサのピストンに自身の尻をタイミングよく打ち付ける。
パチンッ、パチンッと二人の肌が強く打ち合う音が廃屋に響き渡り、エルゼたちよりも深く八重はバルサの肉棒を膣で咥えていた。
そして丹田を引き締める要領で膣に力を入れれば肉襞がバルサの肉棒を程よく締め付け、二人の性器がより強く擦り合う助けとなる。
どうやらセックスにおいて、八重はエルゼとリンゼよりも一日の長があったようだ。
「くおお! これが処女の腰使いだと!? なんて天性の淫売だ!」
「あひっ、あ゛ぁ♡ 感じてくだされ、バルサ殿! 拙者の女陰は、努力は、バルサ殿を気持ちよくさせるためにあるのですから!♡」
強くお互いの性器を相手にぶつけ合いながら交わる二人の男女。それだけなら前の二人と一緒だが、姉妹と違うのは八重が持って生まれたもう一つの武器。その豊満な乳袋だ。
「んひぃ! バルサ殿、今乳を揉まれては、拙者ぁぁ!」
「やかましい! こんなデカい胸をぶら下げて、どの口がほざくか!」
激しい前後運動によって揺れる八重の少女とは思えない巨乳を、バルサの両手が後ろから鷲掴む。形を変えるほどに強く握られ、しかしそれにさえ快楽を感じてしまう八重は膣と胸両方から得られる刺激に、ついに腰を振る余裕を失ってしまった。
「あ、あっ、あ゛っ♡ 無理で、ござる♡ バルサ殿の性技、ああっ! 巧みに、ござる♡ やはり、強い雄は、寝床でも強いのでござる♡ あああぁぁぁ!!♡」
乳房を捏ねくり回され、乳首を強く引っ張られ、弛緩した体へとオナホのように肉棒を膣へと突き込まれる。そんな雌を屈服させる圧倒的な雄の強さに、八重は心からメロメロだ。これぞ真なる益荒男。もはや名前さえ思い出せない、能力頼りのくせに調子に乗っていた脆弱者とは魂の格からして違う。
心地よい雌の快楽に浸かる八重と、それを犯すバルサ。そんな彼の後ろへと二人の野獣の声を聞いて目を覚ました銀髪の少女たちがしなだれかかった。
「さすがバルサ様。女の子をオチンポ一つで幸せにしちゃうなんて。そんなバルサ様だからこそ、あたしは恋しちゃったんだから♡」
「私たちを幸せにしてくれるバルサ様。 好き、大好き、愛してます。これからも私たち全員、バルサ様の女として側においてください♡」
バルサの両耳からそんな愛情のこもった囁きを投げかける二人の雌。さらには「はぁぁぁ……♡」と本来の彼女たちなら絶対に恥ずかしさで出来ないような、甘い吐息まで浴びせてくるおまけ付きだ。
それは男の聴覚を甘美な音色で溶かし、ただでさえ限界近かった射精感を破裂されるには十分だ。
「あっ♡ バルサ殿、どうか、どうか拙者の膣内を、バルサ殿の優秀な子種で満たして、拙者に子宮を捧げての従者の誓いをさせてほしいでござる♡」
膣内で大きさを増した肉棒に、八重もまた主人の猛りが近いことに気づいた。瞬間、今まで気をやっていたことが嘘のように意識を安定させた彼女は、その膣をギュッと締め付け、自身の胸を揉む男の腕が決して離れないように抱きしめた。
手弱女ならなんてことない拘束だが、八重はオエドの剣術道場で幼少より鍛えられ、一つの流派を収めるにまで至った一流の剣客だ。そんな少女からの中出しをしてもらうための本気の拘束、権力と金に溺れたバルサごとき老いぼれた男の手で解けるはずがない。
もちろん、バルサはそれを拒絶するはずもないが。
「いいぞ! お前のその冒険者としての才、この体、全て儂のために死ぬまで使うがいいわ!」
「はい! イーシェンの神に誓います! 拙者、九重 八重はバルサ殿を主人とし、一生をあなた様のために捧げ、滅私奉公いたすでござる!!」
びゅるるるるるる!
八重の誓いの宣誓と共に放たれた三度目となるバルサの射精が、まるで契約の証だと言わんばかりに彼女の子宮に白濁液という淫印を刻み込む。
「ーーーーッッ!!♡♡♡ あ、ああっ…………♡♡」
その主人と従者の間で結ばれた性器の誓いを、八重は溢れる多幸感を噛み締めながら味わっていた。
「ふふ、八重ったら幸せそう。あたしも、あんな顔してたのね」
「バルサ様? お疲れでなければ、もう一度私たちの相手をしてほしいです♡」
ようやく全員の子宮を白濁液で汚したバルサの隣に、次なる子種を求めて雌が擦り寄ってくる。
そんな、多くの女に愛される男の宿命をバルサは歓喜と共に受け入れながら、最後に残った精子の塊を八重の子宮へと吐き捨てるのだった。
「えっ!? エルゼたちが街を離れた!!?」
ベルファスト王国の中心に聳え立つ王城で、望月 冬夜はパーティメンバーであるエルゼたちから言伝を預かってきたというメイドからもたらされた知らせに目を丸くした。
「ど、どうしてですか?」
「それが、心機一転して新しいパーティで冒険者をやっていくとかで。冬夜様とのパーティは解消するので、ベルファスト王国で新しい仲間を見つけてほしいと」
それは冬夜が予想もしていなかった別れの言葉だった。出会ってまだ一月と経っていないが、彼女たちと共に過ごした時間は冬夜にとって大切なものだ。それは彼女たちも同じだと思っていたのだが、それは違ったのか?
「三人が急にいなくなるなんておかしい。もしかして、何か事件に巻き込まれたんじゃ!」
「と、冬夜様!?」
急に駆け出した冬夜に驚くメイドが慌てて王宮内で走らないでくださいと、至極最もな注意を投げかける。だが一大事だとそれを無視した冬夜は、王宮を抜けて庭の辺りにまでやって来ると自身の得意技たる無属性魔法を使う。スマホ使えよ。
「サーチ。エルゼとリンゼと八重」
サーチ範囲をベルファスト王国内に絞って魔法を使う。冬夜を中心として駆け抜ける無属性という世界でわずかしか存在しない魔法の波長が、ベルファスト王国の隅から隅までに浸透する。
ほとんど空気に近しいその魔力の波動は、微生物にさえ感知させずにベルファスト中の全ての生命をスキャンし、冬夜が指定した対象データに合致する存在がいないかを判別する。
そして数百万という生命の波長を、わずか一分足らずで読み取ったサーチの魔法は、しかし冬夜の望む結果を得るには叶わなかった。
「あれ、見つからない。もしかして、もうベルファストを出ちゃったのかな」
対象者の存在を感知出来ず、三人がすでに街を出ていると結論付けた冬夜は再びサーチを、今度は範囲をより広げて使おうとするのだが。
「あっ、サーチ限界か。うーん、意外と使えないなこの魔法」
さすがに国を超えるほどの範囲を持たなかった魔法に、冬夜があまりにもあんまりな愚痴をこぼす。その魔法がどれほど有用で、チートの塊で、そもそも国一つの生命全てを一瞬で探知出来るだけで頭おかしいだろという常人の考えは彼にはなかった。
「あ、そうだ忘れてた。スマホがあるじゃないか」
やっと、ついに、懐から最近存在を忘れられてて寂しがっていたスマホを取り出した冬夜は、地図アプリを開くと探索欄にエルゼたちの名前を記入する。
だが----
「うわわわ! そうだった、人の名前なんて被ることはよくあるんだから絞らないとダメだよな。田中さんとか、佐藤さんとか」
それは名前ではなく苗字では? と突っ込みを入れる存在はこの場にはいない。彼のボケにハリセンを打ち込める相方がいれば良いコンビになるだろう。
ともかく、スマホのマップ画面に映る対象の位置を告げる赤いピン留めは、ベルファスト王国内、その周辺、果ては大陸の向こうにまで広がっていた。それはこの世界にいる全てのエルゼ、リンゼ、八重の名前を持った誰かさんを全て表示しているからで、細かいことを言えば国によるわずかな発音の違いさえ考慮して対象にしているため、その数はゆうに1000を超えていた。
「ううん、あまりに多すぎるな……。そうだ、エルゼたちの苗字も入れて検索すれば大丈夫のはず!」
ここにきて冬夜が珍しく頭を閃かせ、マップの検索にエルゼ・シルエスカ、リンゼ・シルエスカ、九重 八重の名前を入力する。
確かにこれならもし間違えて同性同名の人間がヒットしても、その数は格段に少なく、簡単に見つかるだろう。だが冬夜は自分がやっていることがSNSで好きな女の子のアカウントを探す、タチの悪いストーカーとほとんど同質であることを理解しているのか。
「あれ…………ヒットなし?」
だが、冬夜の完璧だと思った案は意外にも外れることになった。スマホに表示された文字には入力された名前を持つ存在がいないと告げているのだ。
「えぇ!? そんなことある!? いやいやいや、何かの間違いだって……」
だが冬夜の期待を裏切るように、何度検索しても結果は合致する対象はありませんの一点張り。数度ほど色々試してみるが、結果が変わらないのを見て冬夜は諦めたようにスマホをスリープモードに変えてしまった。
「はぁ……バグっちゃったのかなこのスマホ」
せっかくの出番をバグったで終了させられたスマホは、何の落ち度もないのに主人から罵倒され悲しみのままに再び冬夜のポケットへと収まる。
ここに来て自分の持つチート能力で解決出来ない事態に陥った冬夜は、三人をどうやって探すかと悩んだ。それはこの世界に来て初めてと言える挫折かもしれず、これを自分の知恵を持って乗り越えれば冬夜は人間として、主人公として一皮剥けるだろう。
「冬夜様、ここにいらしたのですか!」
だがそんな冬夜の耳につい最近知り合った、この国の第一王女であるユミナの声が届いた。美しい金髪を腰まで伸ばし、左右で色の違うオッドアイという珍しい瞳をした彼女は、明らかに冬夜に好意を寄せているとわかる声と顔で近づいてくる。
「どうしたんですか? えーっと、ユミナ……様?」
様をつけるのに間を入れるのは失礼だ。私はあなたを敬ってませんと言っているようなものだぞ。だが当のユミナはそんな冬夜の姿に、王女である自分にも気兼ねなく接しようとしてくれていると好感度を上げた。
「実はこれからスゥと一緒にお茶会をしようと思うの! よければ冬夜様も一緒にどう?」
金髪の美少女の、それも王国第一王女からの誘い。そんなもの世の男全てが食い気味で頷くほどの好奇だが、冬夜はすぐには頷けなかった。
それは一国の王女と一緒にお茶をするなんて畏れ多いというのが一つ。なおそれ以上の蛮行をすでに何度も働いているが、冬夜はあれを失礼だと思っていないのでセーフ。
もう一つが、やはりエルゼたちが心配だというのがあった。それは真っ当で、当然の考えだ。突然別れを告げていなくなってしまった仲の良いパーティメンバーを心配し、探しに行こうと思うのは人として当たり前。それが心優しい冬夜ならなおさらだ。
「ダメっ……ですか?」
「ぬぐっ……!!」
だがしかし、目の前で潤んだ瞳で上目遣いに見上げて来る美少女の姿に、冬夜のそんな考えは急速に萎んでいった。
こんなに自分とのお茶会を楽しみにしてる第一王女の誘いを断るのは、さすがに男としてみっともないよな、と誰に訊かれるでもない自己弁護をして。
冬夜はユミナの誘いを受け入れた。
「わかりました、付き合いますユミナ様」
「ユ・ミ・ナ! 呼び捨てで構いませんよ、冬夜様」
そんな他愛もない会話を繰り広げながら、冬夜の脳裏に一瞬エルゼたちの顔が浮かんだ。
(うーん、でもサーチもスマホも使えなかったし、後でいいか! エルゼたちのことだ、大丈夫でしょ!)
だがそれは、すぐに解決出来ないから後回しでいいやの精神で思考の端へと追いやられ、冬夜の頭にはこれからのユミナたちとのお茶会でどんなお菓子が食べれるかしかなかった。そういうとこやぞ。
結局冬夜は自身の未来から三人の花嫁の姿が消え去ったことに気づかず、別の花嫁候補の少女と楽しく歓談したのだった。
ベルファスト王国から数十里離れた街道。
そこを走る馬車の中に、冬夜が探していたエルゼ、リンゼ、八重はいた。彼女たちの新しい主人であるバルサと共に。
「ふーむ、うまくいったのか?」
「あいつが追ってこないってことは大丈夫なんじゃない?」
「ふん、もしやって来たとしても拙者がこの刀で真っ二つにしてござろう!」
「あはは、さすがに八重さんでも難しいんじゃないかな。あれは最低な人だけど、能力だけはすごいから」
バルサがアーティファクトで洗脳した御者に、西にあるリーフリース皇国まで連れて行ってもらっているのだ。わざわざ高級な馬車を持っている御者を狙ったのもあって、バルサと三人の少女が座る馬車内の空間はなかなか快適だ。
もちろんバルサが公爵時代に金に物を言わせて毎日乗っていた物と比べれば数段は落ちるが、それでも一介の冒険者であったエルゼたちには感激もので、また一つバルサへの好感度を上げる結果となった。
そんな四人は今まさに、望月 冬夜からの追跡を躱すために弄した策が上手くいったかを確認し合っていた。
もともと、バルサはエルゼたち三人を物にした段階でこのまま冬夜に復讐をしてやろうと意気込んでいたのだが、それをバルサのメインヒロインとなった彼女たちに止められたのだ。
それにまさかまだあの小僧への情が残っているのかとイラついたバルサに対して、少女たちは望月 冬夜が持つチート能力の全てを知っている限り話したのだ。
最初は、それがどうしたと自分の持つアーティファクトの力に自信を持っていたバルサだが次々と語られる、えっそれズルくない? レベルの能力の数々に顔を青くして冬夜への直接の復讐を諦めるしかなかった。
それも宜なるかな、バルサ自身は冬夜のチートをサーチとスリップ、それと無属性魔法による治癒能力しか見ていない。それが全てならまだつけ入る隙はあると思っていたら、全属性コンプリート、超人的な身体能力、アーティファクトレベルの魔道具を片手間で生み出す、すまほ? なる魔道具を持って何百里も離れた相手にも正確に魔法を当てられるし、何ならそのすまほには冬夜の周りの人間の情報が何でも映し出されるらしい。
ふざけるのも大概にせい! とバルサが理不尽な力を持つ冬夜にブチ切れるのは当然の帰結だ。
だって彼がアーティファクトを持って近づいた時に冬夜がスマホでバルサを発見したらそこで詰み。もしエルゼたちを使って囮にしようにも、冬夜が彼女たちに違和感を感じて魔法で彼女たちの状態を確認したら詰み。
というかここまで来たらアーティファクトの催眠さえ効くのか不安になるレベルだ。
結果泣く泣く、非常に不本意ながら冬夜への直接的な復讐、それこそエルゼたちとのセックスを見せつけるなんてものはあまりに危険が高すぎるとして却下となり、バルサは冬夜の大切な三人の少女を寝取ったことで復讐を我慢せざるを得なくなった。
だがそれでも、自分に好意を寄せていた少女が三人も急にいなくなったとなれば冬夜は絶望し、今頃大層悔しがるとバルサは愉悦していた。
なお冬夜はその頃ユミナ第一王女とスゥ公爵令嬢と共に仲良くクッキーを食べながらイチャイチャしていた。
そして話を戻すが、ならばどうやってそんなチートを持った冬夜からエルゼたちを連れて離れるかという問題が立ち塞がった。
エルゼ曰く、あいつは無駄にしつこいから下手にパーティ解消したいと言えば、何か理由があるのかとか俺も力になるよとか言ってあたしたちを逃がそうとしないだろうと。
なのでその対策として、パーティ解消は言伝で頼み、バルサと三人は彼がそれを受け取る前にとっととベルファスト王国を後にしようというものだ。
これはリンゼが考えたサーチ魔法への対策も込みであり、冬夜が持つサーチはあまりにチートすぎて効果範囲内にいたらどう足掻いても見つかってしまう、だから彼が三人を探す前に範囲の外に出るのが最適解となった。
だが最後に、とんでもない難問が降りかかった。それがすまほだ。その魔道具の持つ能力は指定した対象を大陸を飛び越えてまで発見する能力を機能の一つとして持っているらしく、その能力の前ではどれだけ逃げようと意味はない。
まさかのラスボス、スマホにバルサたちは頭を抱えた。だがここに来て、八重が天啓とも言える閃きを見せたのだ。
彼女曰く、冬夜と冒険している時にスマホでサーチして対象の物が発見されなかったことがあると言う。その際に彼女が冬夜に質問したところによると、どうやらサーチするための単語が一文字間違っていたらしく、それで発見できなかったのだ。
それがどうした、と勘の鈍いバルサは頭を捻った。すでに三人の少女の名前はフルネームで冬夜に覚えられている。それなら冬夜が間違えたところで、すぐにまたサーチをすれば----
『ですから、その探される対象である拙者たちの方の名前を変えてしまえばいいのでござる』
そう自信満々に言った八重の言葉で、エルゼとリンゼも彼女の言う意味に気づいたようだ。唯一話について行けていない愚鈍なバルサはどう言うことだと、八重に理不尽な怒りをぶつけた。
だがその返答に出てきた答えで、バルサのそんな怒りは綺麗さっぱりなくなることになった。
『つまり、拙者たちの苗字を変えてしまえばいいのでごさる。バルサ殿の苗字に……♡』
「ここまで来て追ってこないなら、あたしたちの結婚作戦は成功ってことじゃない?」
「よかった! バルサ様との結婚はちゃんとしたものだって認められたってことだよね!」
「うむうむ、当然のことでござる。愛し合う拙者たちの祝言が、神に認められないわけがござらぬ!」
嬉々として笑い合う三人の、かつて冬夜を愛し、今ではバルサの嫁となった美少女たちを見て、その全ての発端となった男は完全なる勝利の笑みに喜んだ。
そう三人が冬夜のスマホから逃れるためにとった手段は単純で明快、しかし意外な落とし穴として冬夜の目を欺いた。
すなわち結婚。男と女による愛の誓いであり、お互いの姓を一つにまとめて共に寄り添う家族となる儀式。
それを使ってスマホの検索からエルゼ・シルエスカ、リンゼ・シルエスカ、九重 八重の名を無くしたのだ。彼女たちは今では皆がバルサの姓をその名に刻み、彼の妻として、家族としての存在を世界に示している。
それもしっかりとやっておかなければ結婚と認められない恐れがあるということで、宣教師としてベルファスト王国を訪れていた神父を捕まえ、彼立ち会いの元、しっかりと神の身元での誓いの言葉と祝意を述べたのだ。
神父は困惑していたが、戦争によって地位を失った地方の子爵とその使用人たちの年齢を超えた愛とやらを、エルゼたちが必死に語って訊かせたことで涙ながらに快諾してくれた。
ともかく、晴れて無事に神の名の元に夫婦であると認められたバルサとエルゼ、リンゼ、八重の三人は見事冬夜のチート追跡を逃れることができたのだ。
「ねぇ、旦那様? 安心したら、旦那様とキスしたくなっちゃった……♡」
「ちょ、お姉ちゃん! ずるいよ、私も!」
「抜け駆けは卑怯でござる! 拙者もバルサ殿と愛の接吻をしたいでござる!!」
「クハハハハ! いいだろう、あの小僧から奪った儂の妻たちの味、たっぷりと堪能してやろう!」
三人の少女が一人のおじさんの唇を奪い合う。
「ちゅっ♡ 愛してる、旦那様♡」
エルゼがバルサの右腕に自身の体を押し付け、その右手をスカートの中の濡れた秘所へと導きながら愛する男の右唇に熱いキスをする。
「んちゅっ♡ 大好きだよ、バルサ様♡」
リンゼがバルサの左腕に抱きついて、彼の手に自身の小尻を撫で回させながら夫となった男の左唇に情熱的な口づけを交わす。
「ん、ちゅむっ♡ 拙者は生涯あなたをお慕いし続けます、バルサ殿♡」
八重がバルサの太ももに座って向かい合い、もうサラシで隠していない豊満な胸を相手の胸板に押し付けながら、主君であり旦那となった男の唇の真ん中に永遠の忠誠を示す接吻をした。
一人の老人を主人公とした三人のメインヒロインとのラブラブスローライフ。これはそんな物語が始まる最初のプロローグ。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
二番目のなろうはやっぱりもう伝説と言っていい異世界スマホから。
なろうテンプレ作品アニメの走りと言えるタイトル詐欺の万能主人公、チョロインハーレム、脳が溶けるストーリー、どことなくサイコパス見を感じる主人公と全てを兼ね備えていました。
アニメ一期しか知らないので、ヒロインで展開を決めると言うより竿役でストーリーを決めたので、人気の高いヒロインであるユミナやリーンを期待してた方はすいません。バルサ公爵が冬夜くんに復讐できなかったのは、作者の中であのチート主人公を倒せるビジョンが浮かばなかったからです。
100話達成記念で見たい陵辱系の後日談はどれ?
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オクトパストラベラー
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月が導く異世界道中
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龍が如く
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イリスのアトリエ
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ジョジョの奇妙な冒険
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異世界はスマートフォンと共に。
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銀魂
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