エルゼ、リンゼ、八重を洗脳して自分の女にしたバルサはリーフリース皇国で妻たちと淫猥な日々を送っていた。
リーフリース皇国首都、ベルンでは最近出来たばかりの新しい商会が既存の店や商人を飲み込みながら、驚くほどの勢いで発展していた。まるで人を操っているのではないかと噂が立つほどに、次々と取り引きを成功させるその商会の主、バルサ会長はわずか一年でベルンの商会ネットワークの中枢の一端に食い込むことになった。
商いは主として冒険者に向けた魔獣の素材や採取品の買い取り先への斡旋、並びに任意の素材を商会お抱えの冒険者となることでの融通に商会が契約する店での値引きと、所謂冒険者ギルドの真似事に近い。
だが、商会の取り引き先となる店がどこもベルンの大手商会だったり、今までどことも契約を結んでいなかった老舗の武器屋だったりと、それこそ多岐に渡るため多くの冒険者がベルン周辺で活動するならここ、と太鼓判を押すほどにその名声は冒険者間で広まることになった。
そしてその商会の儲けは専属冒険者となった者からもらう月毎の契約費だったり、仲介手数料だったり、商会のおかげで儲けが上がった店からのお礼だったりと様々だ。
こうしてバルサ会長が立ち上げた商会は、近年でも驚くほどの成り上がりを見せた夢見る商人たちの憧れとなった。
そしてそんなバルサの成功の裏には、彼を支える三人の妻がいたことは、彼を知る者には有名な話だった。
「帰ったぞ」
「おかえりなさい、旦那様♡」
「おかえりなさい、バルサ様♡」
すっかりかつてのような高価な衣類と住まいを取り戻し、今では大商人バルサとベルンで呼ばれるようになった男は、ここ一帯で一番の大きさを誇る豪邸の扉を開けて彼の帰りを待っていた妻たちに声をかけた。
扉の前のエントランスで主人の帰りを待っていたのは、エルゼとリンゼ。冬夜の下にいた頃とはすっかり雰囲気が変わり、どちらもどこか大人な、夫人と呼ぶべきオーラを纏っている。
そしてそれは彼女たちの身なりにも及び、以前は一般的な平民衣装に身を包んでいた二人は、今では平民の月収半年分の高級なドレスに身を包んでいる。
エルゼは空の青のような紺碧色の、女の魅力を引き立たせる美しいマーメイドラインのドレスを着込み、その下半身には足の付け根までの大きなスリットが入り、この半年ですっかり肉付きの良くなった太ももをチラリと覗かせている。
一方リンゼは輝くエメラルドのような翡翠色の、ミニラインドレス。彼女が元々纏っていた衣服に近いが、その布、模様一つ取っても比べ物にならないほどに豪華で、それを着る彼女の姿勢のいい立ち方も相まって高貴な令嬢のようにも感じさせる。
だが何よりの大きい違いは、バルサを笑顔で迎える彼女たちの体――――大きく膨らんだ、愛する男の子供を宿したお腹だ。
「ちゅっ♡ お仕事お疲れ様、旦那様の愛妻エルゼが疲れを癒してあげるわ♡」
「はむっ♡ 今日も頑張りましたね、バルサ様の妊婦妻であるリンゼがお世話しますよ♡」
バルサに抱きつき、男の頬にキスをする姿は誰がどう見ても両想いの仲睦まじい夫婦の光景だ。いや、顔を赤らめ自身の体を男の体に擦り付けるエルゼとリンゼを見れば、かなり仲睦まじすぎると形容するべきか。
少なくとも、結婚して一年も経つとは思えないほど、二人のバルサへの愛は新婚ホヤホヤのカップルのそれだ。
「ん? 八重はどうした?」
ふと、バルサが唯一ここにいない自分のもう一人の妻のことを指摘した。エルゼとリンゼと共に望月 冬夜から奪った彼の元仲間。
もうすでに自分と過ごした時間の方が長いそんな三人のうちの一人である八重が、なぜ主人である自分の迎えに来ないのか?
「ああ、そうだった! 実はね――――」
――――八重、今産気づいてるの
「ふむぅ……なんの、これしき……んぎぃ……!」
「頑張って、八重! あとちょっと、ほら頭見えてきたわよ!」
「頑張ってください八重さん! バルサ様の第一子、もうすぐ生まれますよ!」
バルサの豪邸の一室。煌びやかな調度品に囲まれた部屋の中で、今まさに新しい生命が誕生しようとしていた。
ベッドに身を沈め、股を大きく開きながらひっ、ひっ、ふぅと息をするのはバルサの三人目の妻である旧姓を九重 八重と名乗っていた異国の少女だ。
彼女は今、これから生まれんとする愛する夫との間に宿った我が子を、お尻からひり出そうと力を振り絞っていた。
「ふぅ……ふぅ……んぎぎぎッ……!」
「いいわよ! もう首元まで出て、んあっ♡ あと少し、おひっ♡」
「八重さん、落ち着いて息を吸ってくださ、あくっ♡ そうです、ゆっくり、んいいッ♡」
女性にとって人生最大のイベントをわずか16の身で迎えた八重を元気づけるエルゼとリンゼの応援。そこになぜか艶声が混じっていく。
その答えは単純、今まさに出産を迎える妻の姿を見て興奮したバルサが他の妻二人のドレスを捲り上げて、その膣に指を挿入しているからだ。
苦しそうな声を上げている仮にも妻たる女性の前でなんたる最低な行為かと、もしこの場に彼ら以外の第三者がいれば激昂していただろうが、残念ながらこの場にいるのはバルサと彼の催眠にかかった哀れな女たちだけ。
エルゼとリンゼはこの一年ですっかり拡張され開発された膣襞を指で擦られるだけで快感に鳴き、クリトリスを摘まれば即座に出産中の友の前で絶頂する淫乱へと変えられてしまっている。
そしてそれを見せられる八重の心に不満も怒りもありはしない。こんな時でも余裕を持って奥方を満足させるバルサ殿はかっこいいでござると賞賛し、そんなバルサ殿の子供を早く産んであげなくてはと奮起する。
「ふんぎぎ……! も、もう少しで……ござる……!!」
八重のお尻からついに赤子の体が上半身まで現れる。それを見たエルゼとリンゼは新しい生命、それも愛する男の遺伝子を持つ赤子の姿に快楽に染まった思考で感動していた。
そしてそれは、八重も同じ。自分と夫の愛の結晶、それを今産み落とすことがこんなに幸せを感じるものとはと、あまりの幸福感で出産しながら絶頂の高みにまで上り詰めていた。
「ふぅ……! ふぅ……! ふ、うんぎぃぃぃぃーーーー!!!」
ぷしゅううう!
そして、最後の一踏ん張りで赤子が完全にお尻から出て来た瞬間に、八重は女性失格の出産アクメを出て来たばかりの娘にかけてしまった。
「おいおい、まったく。これでは生まれながらに母親のような淫乱になるのが確定してしまったではないか」
その無様に、意地悪く応援もせずに見ていたバルサは嘲笑った。生まれたばかりの自身の我が子に愛情がないわけではない。だがそれ以上に、自身の妻である八重の無様が心躍るほどに好ましいのだ。
おぎゃあ、おぎゃあと泣く赤子よりも尻穴をパックリと開けたままの八重の膣内に目が行ってしまうほどに。
だがここである問題が発生した。
「あ、あの旦那様? えっと、この赤ちゃんと八重のお尻に繋がってる紐ってなんなんですか?」
「何これ、どうして赤ちゃんにこんなのが?」
「むむ、なんだこれは?」
ここにいる全員、誰一人として出産されたばかりの赤子への対応を知らないのである。本来なら助産師か医師を呼んで対応に当たらせる出産を、八重のお産が唐突であったことで全員頭から抜けていたのだ。
女性の出産を見るのが初めてのエルゼとリンゼはもちろん、出産なんて物に立ち会ったことのないバルサは赤子から伸びる臍の緒にハテナマークを浮かべて困惑していた。
「はぁ、招待されて来てみれば……いきなり大変なことになってるようね」
部屋にいる誰一人として頼りにならない状況、そこに新しい登場人物が現れた。
扉を開きスタスタと入って来たのは、エルゼたちとはまた違う灰のような銀髪をツインテールにし、頭にカチューシャをしてフリルのついたお嬢様のような黒のドレスを身に纏う少女だった。
この場にいる誰よりも年下であろう外見をしているのに、その身から放たれる不思議な雰囲気と神秘性が、その見た目以上のナニかを彼女を見た者に否応なく理解させる。
「これは臍の緒と言って、母体がお腹の中で赤子に栄養を送る器官よ。だから産まれた後は…………はい、こうして切ってしまうの」
固まるバルサと姉妹を退かし、八重の寝るベッドまで来た少女はテキパキと彼女と赤ん坊を繋ぐ緒をなんらかの魔法で持って切断すると、これまたどこからか召喚したシーツで赤子を包み、唖然とする八重へとそっと手渡した。
「どうぞ……出産おめでとう」
「へっ……あ、ああ。ありがとうでござる」
感情の見えない表情で祝辞を述べる少女に、完全に場の空気を掴まれてしまい、八重は我が子を抱いて感謝を述べるしかなかった。
「………………って、ストーップ! あんた、一体誰なのよ!!」
だがようやくここに来て、そんな突然の乱入者の存在にツッコミを入れらるほど頭が回復したエルゼが少女に向かって怒鳴りつける。
愛する夫の家に入って来た見知らぬ少女。もし不審者であるなら、たとえ身重の体であろうと撃退してみせると気迫を浮かべる彼女は良妻の鏡だ。その愛情がバルサのような人間に向けられているのが不幸でならない。
「誰って……私はここの主のバルサ会長に招待されてここに来たのよ」
「バルサ様に?」
妊娠してからは休業しているが、それでも一人前の冒険者であるエルゼの敵意を軽く受け流す少女。大人でさえ思わず腰を抜かすほどの戦意を受けて平然とする彼女に、エルゼとリンゼ、そして出産したばかりの八重も目を細めた。
そしてそんな彼女が言う自分たちの夫に呼ばれたと言う言葉に、全員がバルサの方を向き直る。
「ああ、そうだそうだ。儂がこの娘を屋敷に誘ったのだよ」
その一言で、彼女たちの中で少女への警戒心が一瞬にしてゼロとなった。正体も身元も彼女たちには一切不明、だがバルサが彼女を知っているというただ一点だけで彼のメインヒロインたる三人は全幅の信頼を置くのだ。
そしていつのまにか少女の隣へと移動していたバルサはあまりに気安く、彼女の肩へと手を置いた。それはともすればセクハラと訴えられそうだが、当の彼女はさして気にした風もなく平然と感情の読み取れない微笑みを浮かべたまま。
「お前たちには紹介しておかねばならんな、なにせ――――」
「…………ッ!!」
むんずッと少女の肩に置いていた手を、そのまま彼女の後ろへと移動させ、スカート越しに彼女のお尻をバルサが鷲掴んだ。
今までミステリアスな笑みを終始浮かべていた少女の顔が、初めて崩れる。一瞬驚いたように目を細め、ほんのり頬を赤らめたのだ。
そのあまりに先ほどの神秘的な雰囲気とは真逆の――――まるで今のエルゼたちと同じ雰囲気を放ち始めた少女に、三人の妻はまさかと、ある考えが頭をよぎった。
「これから一緒にここで暮らすことになるんだからな。ほら、自己紹介をするんだ…………リーン」
リーン。そう呼ばれた銀髪の少女は、自身のお尻を揉むバルサの手を跳ね除けることもせず、それどころかスカートを捲りあげ、ショーツの上から尻を揉んでくるというセクハラを通り越した蛮行を許したまま、男に言われた通りの新しい家族としての自己紹介を三人に告げるのだ。
「んっ……私は、リーン。ミスミド王国の“元”宮廷魔術師で、妖精族の長だったわ。今では、リーフリース皇国駐在大使兼バルサ会長の個人秘書として就職させていただいて、んんっ♡ 公私に渡って、バルサ会長のお世話を、させてもらってるわ、んあっ♡」
それはエルゼたちにとって初耳だった。彼女たちは妊娠が発覚してから基本的にバルサ所有の豪邸とその近辺しか出歩いておらず、夫である彼の仕事の手伝いは出来ていなかったのだ。
もちろん、ある日優秀な秘書を手に入れたと言う話は聞いていたが……まさかそれが、ミスミド王国の重鎮で、しかも妖精族だとは。
それもリーンのあの様子からして、彼女が言う秘書の仕事がどこまでを含んでいるかは明白だ。
バルサの指がリーンが履いていた黒のレース下着をずらして彼女の膣穴を直接弄んでいる。ミスミド王国の重鎮たる人間に、他国の商会会長たる男がそんなことをすれば国際問題だ。
だがその当人たるリーンが、まるでそれを当然のことのように、むしろ自身の秘部に挿入されたバルサの太い指をギュッと締め付けて膣襞を絡みつかせている。
それでいて顔は赤みを帯びながらも、そのミステリアスな微笑と全てを見通したような瞳を崩すことなく立つ彼女の姿は、あまりにアンバランスだ。
それは昨日今日で男を知った女の振る舞いではない。毎日のように仕事中に尻揉みセクハラをされ、第三者がいる場で膣穴を愛撫される中で身につけたポーカーフェイス。バルサの個人秘書として、リーンが最初に学んだ技術だ。
「たまたまリーフリース皇国に大使として来ていたこの娘の容姿が気に入ってな。仕事も出来るし儂の秘書に相応しいと、ちょいと説得をしてな」
そう言ってニヤニヤと笑いながら指に嵌めた指輪を光らせるバルサ。彼が何をしたかは明白だ。アーティファクトの力を使い、ミスミド王国の宮廷魔術師を催眠にかけ自分の女としたのだ。
「え、ええ。バルサ会長は、私が今まで出会った人間の中でも、んぁ♡ 特に、個人的に心惹かれてしまって……んん、ミスミドにいるよりも、彼といるのが楽しそうだと思って、こうして秘書として、あんっ♡ 四ヶ月ほど前から働かせてもらってる、わ♡」
それはなんて恐れ知らずで、考えの浅い犯行だろう。ミスミド王国の大使を、容姿を気に入ったからという理由だけで引き抜こうとすれば、たとえ催眠で本人の了承を得ても、怪しんだ国側から必ず偵察の者が送られてくるのは目に見えている。
そうなれば催眠というアーティファクトを持っていようが、国という圧倒的な力の前にはバルサは抵抗敵わず倒されるしかない。
だがここで再び彼は天運に救われた。
リーンは元々ミスミド王国の中でもかなりの権力を握っており、本来の歴史ならわざわざ冬夜のいるところに行きたいからと言う理由でベルファスト王国の駐在大使になったり、未来に建国される冬夜を王とした国、ブリュンヒルド公国の駐在大使に鞍替えして、あまつさえそこの王である冬夜と結婚したりと言ったはちゃめちゃが許される立場なのだ。
そんな彼女が、面白そうな人を見つけたからリーフリース皇国の駐在大使になると言えば、ミスミド王国の者はまたかと思い彼女の好きにさせるしかない。
つまりリーンは、各国の重鎮たる存在の中で、唯一唐突に別の国に長期滞在してそこに住まう人間と結婚しても、まあ彼女ならするかもしれないとギリギリ怪しまれない存在なのだ。
いや、もしかしたらそれは本来冬夜の妻になるはずだったリーンだからこそ、バルサの中の第六感が彼女を物にしろと訴えたのかもしれない。冬夜の将来の花嫁となる女を一人でも多く奪い取って自分の花嫁にしてしまえと。
「それで、バルサ会長の元で働いているうちに……ああ♡ 私が、彼のことを好きになって、愛してしまったみたいで、あんっ♡ その、結婚して四人目の妻にしてもらったのよ♡」
くちゅくちゅとショーツをずらし、直接その妖精族の長たる神秘の塊のような秘部をバルサによって指で愛撫されながら、リーンはあくまで冷静に自分が彼の妻となってここで暮らすことになったわけを告げる。
だがそれを正面から見せられるエルゼたち三人の目には、誰がどう見ても発情しているとわかるほどに顔をだらしなくアヘらされたリーンがスカートから大量の愛液を溢す姿がまじまじと映っていた。
パンッ! パンッ! パンッ!
「へぇ、そうなの。リーンはその頃から旦那様とセックスしてたのね」
「あ、あっ、んんっ……ええ、そうよ。私がバルサ会長を股を濡らして誘惑して、んんっ♡ セックスするようにおねだりしたの、あきゅ♡」
パンッ! パンッ! パンッ!
「でもリーンさん、結構マンコ弱いですよね? それじゃ旦那様に責められっぱなしだったんじゃないですか?」
「あんっ、あ、ああっ♡ 悔しいけど、そうね、あっ……♡ 妖精族として、600年生きて来たけど、あ゛あぁっ……♡ ふぅ、ふぅ、私が本当に好きになって、処女をあげたいと、思ったのは、はあっ♡ バルサ会長が初めてだったから♡」
パンッ! パンッ! パンッ!
「なんと! つまり、リーン殿は600年間もバルサ殿と巡り合うために処女を守り通したのでござるな! それなら雑魚マンコになるのはしょうがあるまい! それほどの間待ち侘びた男相手とあっては……!」
「はぎゅ、おっ、おぐっ……♡ ひふぅ、ひぃ……私は雑魚マンコじゃないわ、んぎゅっ♡ ただ、バルサ会長と体の相性が魂レベルで良かっただけだか、んほおっ♡」
ベッドの端に手をついた立ちバックの状態で、その小柄な体に見合った小さな膣穴にバルサの巨根を咥え込まられされるリーン。
そんな彼女の前ではベッドに座って二人のセックスを見物するエルゼたち三人が、新しく加わった妻と話し合いをしていた。
激しいセックス中の相手と会話をするなんて普通は無理だが、今バルサの相手をしているのは妖精族という恵まれた魔力と人間とは異なる体の在り方をしたリーンだ。
彼女が自身の脳を魔力操作で強化すれば、バルサから与えられる快楽を享受しながら会話をすることなどどうと言うことはない。素晴らしい才能の圧倒的に無様な無駄遣いだが、バルサによって四ヶ月に渡る調教をされたリーンにこの力の使い方を恥と思う倫理観は残っていない。
「くう、何度突っ込んでも初物のように気持ちがいい! 携帯オナホとして実に便利な膣だ」
「バ、バルサ会長……そんな褒めないで……は、恥ずかしいから♡」
欠片も褒め言葉になっていないバルサの女を物として扱う一言に、リーンは真っ赤に染まった顔を見られまいとベッドシーツに押し付ける。そんな年の割にあまりに可愛らしい姿を見せられたエルゼたちは、一気にリーンに対する親近感を増していた。
「ふふふ、あの澄ました顔が実に可愛くなったものだ。ほれ、もっと儂にお前の無様なアヘ顔を見せろ!」
「ひゃっ……!」
立ちバックで突いていたリーンの綺麗な髪をバルサが掴み、無理やり自分の方へとその顔を向けさせる。
女の命の次に大切な髪、それもリーンのような妖精族のものとなれば国宝級の価値すらある銀髪を乱暴に扱い、しかしそれを咎める者が誰もいないこの空間がどれだけ異常か。
冬夜の嫁たちの中で唯一の常識人で、恋心を暴走させないストッパー的立ち位置だったリーン。
そんな彼女も、この世界線では600年の長きを生きる年長者の余裕をかなぐり捨てて、バルサにメロメロで彼を想うだけで精神の乱れが止まらなくなる乙女へと変えられていた。
「バルサかいちょ…………いえ、あなた♡ 好きよ、大好きよ……♡ 600年の果てに私の前に現れた、運命の人♡」
それはリーンを知る人間からすれば考えられないほどに蕩けて、愛情と感謝に満ち溢れた言葉だった。クールでミステリアスなキャラクター性を快楽と恋心の前に捨て去り、雄に媚びる雌顔を晒す彼女は…………もしかしたら正史の冬馬の妻であった時よりも女として幸せなのかもしれない。
なぜなら――――
「よし、お前のその600年物の熟成卵子を、儂の子種で孕ませてやろう!」
「――――ッ♡♡♡ え、ええっ!! お願い、あなた♡ どうか、私の夫として、私たち妖精族の次世代の長を、あなたの遺伝子を持った私たちの子供に継がせましょう!!♡♡」
これほどまでに欲望全開で彼女が交われる相手は、バルサしかいないのだから。
リーンの小さな胸の先端で輝くさくらんぼをぎゅっと握り、妖精族特有の子供体型な彼女の臍にまで届いた剛直を震わせて、彼女の子宮にその全ての精を注いでいく。
びゅるるるるるる!
「ああああ゛ぁぁああ゛あぁぁああーーーーッ!!!!♡♡♡」
体を弓形にのけぞらせ、誰もを魅了した妖精族の長の、誰も聞いたことがないような嬌声を響かせる。本来の蠱惑的な澄ました顔は見る影もなく崩れ去り、膣中出しという愛する男の子供を身籠るための行為に、リーンは顔をこれ以上とない陶酔に染まったアヘ顔に変えていた。
だが小柄な体に見合った小さな子宮は、人間一人の射精全てを受け止めるにはあまりに容量が足りなさすぎた。子宮をバルサのねっとりとした白濁液で一杯にされ、それでもまだ射精される精液の波が結合部から流れ落ちる。
見た目には子供のように映るリーンのお腹を膨らませ、その股から精液がこぼれ落ちるほどの射精をするバルサは誰がどう見てもロリコン犯罪者だ。
だがそんな真っ当な評価を下す人間は彼の妻たちの中にはいないし、むしろ彼女たちはその頬を光悦に染めて「女の子に種付けする旦那様かっこいい」と惚れ直しているのだ。
バルサの催眠で施した冬夜の好感度奪取はとことん彼にとってファインプレーだったと言える。
「んおっ……♡」
じゅぽんっとバルサの肉棒が引き抜かれた時、リーンは正史の彼女なら絶対にあげないような声を響かせて、膣からいなくなった愛する男の逸物を求めて膣襞をひくつかせている。
「ふぅ……ふぅ……ん、FLY<フライ>」
そして震える足腰が自身の自重に耐えられなくなる前に、リーンは無詠唱で魔法を使うと自身の体を僅かに浮かせたのだ。それは妖精族にしかできないような豊富な魔力と微細な魔力操作あってこその芸当。人間の魔法使いが、人生の半分を研鑽に捧げてようやく出来るような技を、リーンは口笛を吹くような気軽さで行えるのだ。
そんな魔技を、好きな男の前で無様に倒れたくないから、なんて乙女心で平然と使えるあたりリーンがこの世界において上位の力を持つ存在であることを物語っていた。
最も、そんな彼女も今ではバルサの
「あなた、今日も私の子宮に射精してくれてありがとう。悪くはなかったわ」
再びミステリアスな雰囲気を醸し出そうとすリーンだが、全裸で股から男の精液をボトボトこぼしている姿ではむしろアホらしさが際立つ。
だがそんな彼女の姿をバルサは気に入っている。エルゼたちのように常にバルサ様好き好きと媚びてくる雌も好きだが、リーンのように普段は素っ気ないくせにエッチに持ち込めば途端に目をハートにして愛してると言ってくるクーデレも大好きなのだ。
「そうかそうか。儂もお前さんの膣は気に入っているからな。これからも妻として毎日使ってやろう」
「んっ……♡ そ、そう。嬉しいわ……」
頬を染めて露骨に顔を逸らして早くもクールの部分が剥がれてデレしか見えなくなっているリーン。
その姿に射精したばかりのペニスが再び熱を持つのを感じたバルサは、また彼女にぶち込もうかと考えて……その前に大切な儀式があることを思い出した。
「おおう、そうだった! お前さんに渡すものがあった」
「…………? 何かしら?」
怪訝そうな顔をするリーンの前に、バルサは懐から取り出したアクセサリーを彼女の顔の前に晒した。
「
「ーーーーっ! あ、えっ!」
珍しく本気で焦ったような表情を浮かべるリーンの顔は、はち切れんばかりの嬉しさで満ちている。彼女にとってまさかのサプライズは、彼女の取り付けたばかりの余裕を即座に剥ぎ取ってしまったのだ。クールとは?
「あっ……ああ♡ う、嬉しいわ……あなた……♡ 贈り物をもらってこんなに幸せなのは初めてよ」
「ククク、それはよかったのう。どれ、付けてやるから指を出せ」
「はい……♡」
バルサへと光悦の笑みで自分から薬指を差し出すリーン。彼女の心にあるのは、生まれて初めて好きになった人間から愛の証を指に嵌めてもらえることの嬉しさだけ。
それは例え洗脳の末の愛情だとしても、リーンが600年で生きてきた人生の中で一番幸せな瞬間であった。
「ああ……これが、結婚指輪♡ 私が、あなたの物だって証……んんっ♡」
自分の指に輝く結婚指輪を見ただけで、リーンは軽くイッてしまった。それほどバルサの女になれたと言う証は彼女にとって幸福で、快感で、自分をここまで幸せに出来る男はいないと確信させる物だった。
それは事実その通りだ。催眠の力で他のチョロヒロインのように無限に好感度が上がり続けるようになったリーンは、原作で冬夜に抱いた恋心の数十倍近い愛情をバルサに抱いているのだから。
「おめでとうリーンさん! これで私たち、奥さん仲間ね!」
「おめでとうございます! これからは一緒にバルサ様を愛し合いましょう!」
「うむ、めでたいでござる! 拙者とバルサ殿の子供は生まれ、新しい妻も出来て、一気に家族が二人も増えてしまったでござるなぁ!」
そしてそれを祝福するエルゼ、リンゼ、八重の三人は満面の笑みでリーンを迎え入れる。同じ男に結婚指輪を薬指に嵌めてもらった者同士、彼女たちはもう生まれも育ちも関係ない
「ククク、まあ待てお前たち。まだリーンには付けていない物があるだろう?」
だがその喜びの声を遮るようにバルサが告げた言葉に、リーンを除く全員がハッとした表情へと変わる。
唯一その話について行けないリーンが何のこと?と目で夫に訴えるが、男はそれを無視して顎でリンゼに何かを促した。
「はい! すぐに持って来ます!」
それだけでバルサの求めることを理解したのか、リンゼは身重の体でバタバタと八重の部屋を後にする。妊婦に働かせるなんて最低な行為だが、その最低なことをさせられているリンゼ自身が夫の役に立てることを喜んでいるので複雑である。
「持ってきましたバルサ様!」
そしてほんの数分足らずで戻って来た彼女の手に握られていたのは二つのピアスだ。
リーンの優れた鑑識眼は、そのピアスが魔道具である事を即座に見てとった。それも纏っている邪悪な魔力の波動から、一度装着したら光魔法と闇魔法に適正のある高位の僧官に頼まなければ外さない、所謂呪いの装備という物であることも見破ってみせる。
そしてリーンは光魔法は使えるが闇魔法の適正はないために、間違ってあれを付けたら恥を忍んで誰かに解呪をお願いしないとね、と心の中で呟いた。
「リーン、お前にはこれを儂への忠誠の証として付けてもらう」
「…………は?」
だからまさか、そんな思考をしていた矢先に付けるように命令されるなんて、リーンは思っていなかったのだ。
「え、ええとあなた? 一応言っておくけれど、そのピアスは呪われていて付けたら色々と面倒なことになるのだけど」
「知っているさ。外せなくなるんだろ? だから付けろと言っているんだ」
どう言うことよ、とリーンは完全に困惑している。外せない魔道具なんて十中八九装着者に対して害しか齎さない負のアイテムだ。そんな物を付けさせて、私の夫は一体何を考えているの。
その疑問を必死に解き明かそうとするリーンは、自分が夫の考えを理解できないことに苛立ちを覚えていた。そう、彼女は訳のわからないことを言うバルサにではなく、彼を理解できない自身に対して怒っているのだ。
これもチョロイン好感度によってバルサの言うことには全て何か深い意味があって、それを一見理解できないのは私の思慮が至らないからだと、本気でそう考える思考回路にリーンは変えられてしまったのだ。
「ククク、これはなお前が儂の雌奴隷になった証なのだよ。エンゲージリングはお前が儂の妻になった証。そしてこれは、言うならばスレイブピアスだ」
奴隷のピアス。その言葉でようやくリーンはなぜ自分がそれを付けなくてはならないのかを理解した。
取り外しの出来ない奴隷の証。それは何とも甘美な響きをリーンに心にこだまさせる。妻としての指輪だけでなく、雌奴隷としてのピアスも用意してくれるなんて!と乙女心が刺激されてしまう。
「そう言うことなら、喜んで付けさせてもらうわ」
ありがたくリンゼからピアスを受け取り、それを耳に付けようとしたところで、それを止めるようにバルサが口を開いた。
「ああ、違う違う。そのピアスは耳に付ける物ではない。おい、お前たち。見せてやれ」
「はい、旦那様」
「ええ!」
「もちろんでござる!」
三者三様に答えたエルゼたちが、急にその手を自身の胸元へと伸ばした。そして全員が胸をはだけさせた時、そこから露わになった乳房を見たリーンは目を見開いた。
エルゼとリンゼの子供を妊娠したことですっかり大きくなった人妻乳袋と、八重の元からの巨乳をさらに豊満にした子持ちおっぱい。その乳首の上できらりと輝く呪いのピアスの存在が、そんな彼女たちの魅力的な胸部を卑猥なオブジェクトに変えていた。
「…………あっ♡」
その屈辱的な姿に、女の体を装飾品のように扱う行為に、人の尊厳を徹底的に侮蔑した
「ククク、理解したか?」
「はい、あなた。それなら、私の愛しい夫の手で……このピアスを私のあるべき場所に付けてくださるかしら?」
「もちろんだとも」
持っていたピアスをバルサに渡し、リーンは自身の机上のない胸を無理やり手で寄せてその突起を強調する。あの聡明で、なろう好感度を持ってしても簡単には靡かなかった妖精族の長が、自分から最低な隷属の証を乳首に付けやすいようにしているのだ。
プチンッ
「ん、んんんんッッ……!!♡♡」
リーンの桜色の可愛らしい乳頭に、汚れた欲望に染まった銀のピアス針が通される。痛みは一瞬、それはすぐにバルサの奴隷となったと言う快感で上書きされて、リーンは歓喜のアクメを決めてしまう。
そして同時に呪いの装備であるピアスから流れ込んだ邪悪な魔力の波がリーンの膨大な魔力に結びつき、決して外すことが出来ないように強力なパスを二つの間で結んでしまった。
彼女が予想した通り、もしこれを外すなら相当な光と闇の魔法適正を極めた者の協力が必要不可欠だろう。そしてその時は、その者の前で乳房を晒してピアスの刺さった乳首の解呪をお願いするのだ。少なくとも、ミスミド王国の重鎮であるリーンの名声が地に落ちるのは避けられないだろう。
「はぁ、はぁ……あぁ♡ 嬉しいわ、あなた♡ んっちゅ……!♡」
だがそんな事にはならないだろう。
なぜならピアスを付けられた喜びで、バルサに対して情熱的なキスを送るリーンの目には、愛する夫への死んでも消えることのない愛情と忠誠心が宿っているのだから。
「愛してるわ……あなた……♡」
そしてそれを邪悪な笑みで受けるバルサは、心からの愉悦を浮かべて今では過去の存在となった憎々しい少年を嘲笑う。
(貴様が儂を国王暗殺未遂の罪を暴いたからこそ、儂はこうしてお前に想いを寄せていた小娘共を全員妻にして孕ませてやったわい。そして今日、ミスミド王国の重鎮さえも儂の妻となった! ククク、悔しいだろう。こんな極上の雌を四人も抱けるのは世界で儂ただ一人よ! ザマァないわ!! クハハハハ!!)
なお望月 冬夜にはリーンが減ってもまだ五人の美少女の妻が出来ることが確定しているので、普通にバルサよりも上である。
なんならその全員が王家の血筋を持っている上に、よくわからないバビロンシスターズなる冬夜に最初から好感度マックス体触らせ放題の美少女ロボットたちがいるという、バルサにとって惨すぎる格差があったりする。
「んちゅ、私もよ旦那様♡」
「私もです、バルサ様♡」
「ずるいでござる、拙者もバルサ殿を愛しているでござるよ♡」
「んっ、今は私が夫とキスをしているのよ♡」
だがそんな事は露知らず。自分こそが世界で最も素晴らしいハーレムを築いたと信じて疑わないバルサは、四人の妻たちにキスの雨を降らされながらこの世の桃源郷を味わっていた。
「なんと、リーンが結婚!?」
ミスミド王国の王室の間では、今まさに届いたリーフリース皇国駐在大使館であるリーンから届いた手紙の内容を読んだジャムカ・ブラウ・ミスミド王が口をあんぐりと開けて驚いていた。
政務よりも戦いが好きで、王国が誇る戦士団を一人で相手できるほどの武才と実力を持ったミスミド最強の戦士でもある男が間抜けな面を晒している。
「え、ええ。私も……その、驚いています陛下」
それに頷くのは、手紙を持ってきた狐の獣人男性オルバ・ストランドだ。娘であるオリガ・ストランドが過去にベルファスト王国駐在大使を努めており、本人もまたミスミドの経済を大きく担う交易商会を営んでいることもあって王の間への立ち入りを許可されている特別な人間の一人だ。
そんな彼らが揃って驚愕をしているのは、手紙の内容。半年ほど前に突然リーフリース皇国の駐在大使となりたいと言って皇国に行ってしまったリーンが、これまた突然そこで出会った男と結ばれて結婚しましたと連絡してきたのだから。
「前から自分が興味が出来たものを観察するために、何かと理由を付けていなくなる自由な人でしたが……まさか結婚とは」
「しかもすでに子供を孕っているとか……むむむ、どうしたもんか……」
頭を抱えるジャムカだが、それも当然だろう。自国の大使が現地の人間と結婚、しかも事前通知無しの事後通達で子供まで出来ているのだ。
これが普通の大使なら大問題だが、相手はあの妖精族の長リーンだ。彼女は自由人で常に何を考えているのか読み取らせないミステリアスな人物だが、その実力の高さとミスミド王国を長く支えてきた彼女の信用は国でもトップクラスだ。
だから誰もが結婚は驚いたが、あのリーンなら万が一は起こるまいと納得してしまえるだけの実績があるのだ。まあだからと言って、結婚に驚いた彼らの心情は変わらないのだが。
「いやぁ、にしてもあのリーンさんが結婚なんてびっくりですね」
そしてそこに新たな第三者の声、王の間に通されることを許された特別な人間の一人、望月 冬夜が腕を組みながらまるで友人に話しかけるような口調で王であるジャムカに声をかける。
王の間という最大限の礼儀が求められる場で一国の王に向かってタメ口、しかも腕を組んでなんて普通なら即刻不敬罪で牢屋行きだが、そこら辺の常識は彼には適用されない。
「いや、冬夜くん。そうお気楽に言われては。一国の大使が他国の人間と結婚するのは色々と大変で……」
「えっ? そうなんですか?」
少し考えればわかるだろ、とか言ってはいけない。彼はもう死んでいるとは言え、闇の術師によって無理やり操られた国の頭である武田信玄の頭を、彼を慕う忠臣たちの前で銃で撃ち抜いてケロリとした顔で笑うことが出来る人間なのだ。
人の心を理解できない彼に、政治を理解するのは難しい。少なくとも、彼が一国の王となった後なら多分少しは理解できたのだろうが。
(でも、ユミナが僕に婚約を申し込んで来た時にはベルファスト王たちには何も言われなかったけどな)
頭の中で自分が18歳になっても気持ちが変わらなければ結婚すると誓った、ベルファスト王国第一王女の顔を思い浮かべる冬夜。
それがかなり特殊ケースというか、普通は冬夜のような身元不明の冒険者と一国の王女が結婚なんて絶対駄目なのだが、主人公である冬夜の知らないところで色んな人が被害を被りながら、不可能を可能にしているのだ。
「んん……でも、好き合っている人同士での結婚なら、やっぱり祝福してあげるべきじゃないですか」
だがここで冬夜が、主人公らしいセリフを吐いた。彼には難しい政治は欠片もわからないが、それでも愛し合って結婚した二人を祝ってあげないのは違うだろと、悪く言えば綺麗事を、しかし当たり前で大切な事を告げたのだ。
彼は本当に元日本人かと疑うほど常識も良識も持ち合わせていないが、他人の幸せを喜ぶという大切な善性はしっかりとその心に根付いている。
「ガハハッ、確かにお主の言う通りだな。儂とした事が、友の婚姻も喜べないような矮小な男になるところであった!」
「これは冬夜くんに一本取られましたな。確かにあのリーンさんがようやく伴侶となる殿方を見つけられたのならば、それは喜ばなくてはいけません」
「い、いえいえ、そんな! 僕は当たり前の事を言っただけですし!」
呵呵大笑するジャムカと、さすが冬夜くんと彼に尊敬の念を送るオルバに、冬夜は両手を振ってそんな畏れ多いと謙遜する。
ここだけ見れば普通に良い主人公だ。
「そうなれば、祝福の手紙を送ってやらねばな! おい、オルバ! 儂の代わりに文を考えてくれ!!」
「わかりました、国王様」
「僕もお手伝いしますよ、リーンさんには何度かお世話になりましたし」
そう言って国王の持つリーンからの手紙を受け取った冬夜は、返事の内容を考えるために中身に目を通す。するとその手紙に添えられるように載せられた一枚の絵が目についた。
「あの、これって何ですか?」
「ああ、それは結婚式の様子を描いた絵ですね。なかなか良い画家に描いてもらったようで、良く描けていますね」
「え? それなら写真を撮った方が……ああ、そっか。この世界には写真とか無いんだった」
時たま自分が異世界にいる事を忘れて地球の価値観で喋り出してしまう冬夜は、その絵を改めてよく見てみた。
描かれているのは幸せそうな顔で微笑むウエディングドレスを着たリーンと、その隣で佇む歳の行ったおじさんの姿だ。
(ええ……年齢差ありすぎじゃない……? これじゃ、犯罪臭しかしないよ。いや、リーンさんって確か600歳とか言ってたから……むしろこれが普通なのか? あれ、でもそうなるとリーンさんが年上だから、むしろリーンさんがショタコン的な?)
他人の結婚式の絵を見ながら頭の中で酷い事を考える冬夜だが、その疑問自体は最もなので仕方ない。なお彼自身も6歳年下のリアル10歳の女の子から婚約を申し込まれて承認してしまう、リアルロリコン野郎になってしまうのだが彼はまだ知らない。
「…………あれ?」
ふと、冬夜は絵に写る男に見覚えがある気がした。リーンに腕を絡ませられ、恋人繋ぎで手を繋いだ、どことなく悪人顔をしたおじさん。頭の中でどこで見たんだっけと記憶を漁るが、彼の海馬にはすでに自分の物語から退場した男の顔を覚えておくような要領の良さはない。
もしここにベルファスト王国の王族であるユミナやスゥ、それかかつて絵に写る男に嵌められたオリガがいれば気づいたのだろうが……そんな冬夜を寝取られ被害者にしてしまうような、彼にとって不都合なシナリオが起きるはずはなかった。
そして結局、その絵の男が誰かを冬夜は気づくことはない。
リーンの夫として、大きくなった彼女のウエディングドレスに包まれたお腹を撫でる男こそ、かつてベルファスト王暗殺を企んだバルサ元伯爵だと。
(まぁ、いっか! 知り合いの祝言とか初めてだし、なんて書くか緊張するなぁ……!)
そのお祝いを送る相手が本来の歴史なら自分が結婚する女性の一人であったと言うのに。冬夜はノリノリで自分から四人の未来の妻を寝取った男へと「結婚おめでとうございます。リーンさん、旦那さんとお幸せに」と手紙を送るのだった。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
後日談でリーンを登場させたのはやっぱり異世界スマホで一番?人気なヒロインを書かないのは駄目だよなと思ったからです。
冬夜くん最初は後日談に登場させる予定が一切なかったのに気づいたら書いていた。
自分ってもしかして意外と冬夜くんのこと好きだったのかも? と思って異世界スマホ第一話を初めて某笑顔動画以外でしっかり視聴して、やっぱり勘違いだったと気付きました。
100話達成記念で見たい陵辱系の後日談はどれ?
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