ベテラン冒険者の男が既に堕とされていた後輩に邪教のメスガキ教会騎士へと堕とされる話 作:ナメクジ次郎
「……て、起きてください、ロックさん」
アタシを呼ぶ声に、意識が覚醒する。
まだ少しだけ意識がはっきりしない、重い体を起こして声のした方へ目を向ければそこには二人の人間が立っていた。
ソフィアと、その横には見た事のないローブを羽織った一人の男。
まるで色素の抜けたような薄い色の髪や肌に、紅の瞳だけが光る、整った顔の異質な男。
見れば傍らに立つソフィアは熱っぽい視線を向けている……恐らくこの男がさきほど言っていた司祭様、なのだろう。
「君が……ソフィアが言っていた先輩……ロックさん、か」
若い、青年の声だった。
しかしその落ち着き払った声色は、どこか安心感を覚えさせる。魅力的な声だった。
「ロックさん……あなたも、僕の……いや、カミサマのものになりませんか。ちょうど欲しかったんです……戦える人が。あなたは優秀な戦士だと……ソフィアから聞きました」
「断る! 誰がお前のものなんかに……たとえ体は変えられてもアタシの心までは……え!?」
司祭の発言に反抗する声を上げたところで、違和感に気づく。
アタシはいつから自分のことをアタシって呼んでいた?
「アタ……俺に、何をしたの!」
ソフィアを睨みつけ、そう言うが口はどうしても違和感が凄い。
さっきまでは自分の事を俺と呼んでいたはずなのに、アタシって呼ばないと落ち着かない。
いつの間にか心の中にまで邪神の魔力が侵食しているという事実、それに気が付けなかったことに寒気がした。
「その可愛い可愛いリボンですよ。ネックレスと同じでそれにもたっぷりカミサマの加護がかけられているんですよ? 司祭様直々に作られたそれを二つも身に着けているんですから、頭の中まで変えられてしまって当たり前です」
まるで頭を鈍器で殴られたような衝撃だった。
自分でも気づかないうちに、既に心も蝕まれていたのだと。術中であったのだと。
「そんなことよりも、ほら。私じゃなくて司祭様の方を見なさい?」
ソフィアにそう促されて、体は反射的に司祭の方を向く。
気づけば司祭はゆっくりとこちらへ歩みを進めているようで一歩、一歩と歩を進める度に肌に感じる魔力が強くなっていくのを感じた。
「もう一度……言うよ。ロックさん……僕とカミサマのものになりませんか。君は教会騎士として、カミサマの為に働くんだ」
司祭が目の前に来て、アタシに手を差し出す。
見上げなければその顔を見る事ができないほどの身長差と、近くにいるだけで気をやってしまいそうな邪神の魔力にくらくらして、体が熱くなる。
アタシの中にある、注ぎ込まれた邪神の魔力が司祭のそれと呼応して、強くなっていく。
ドクンドクンと心臓はどんどん早く脈打って、まるで初めて恋をした時のようで。
理解した、理解してしまった。あれを注ぎ込まれた時点でアタシはもう、こうなるしかなかったことを。
「は……い……なります。アタシは……あなたと、カミサマのものに……」
体の熱にしたがうままにそう言って、アタシは司祭の手の甲へキスをする。
教会騎士になれと言われたから、まるで絵物語の騎士みたいに、そうした。
「んっ……はぁ、んぅっ……」
肌と唇が触れたその時、アタシの中で何かが弾けた。
それはカミサマの魔力でもあり、頭が真っ白になるほどの強い快楽でもあり。
この人に、司祭様に従うと気持ちがいいと、アタシの中のカミサマが体に刻み込んでいるようだった。
「ロックさん……いや、ミロク。歓迎するよ」
真っ白になった頭に、司祭様の声だけが響く。
ミロク、と呼ばれた。
ソフィアが、後輩の男だったあいつがシスターのソフィアへと名前を変えたように、アタシもそうしろと言っているのだ。
ミロク、ミロク、ミロク。教会騎士のミロク。
頭の中でその名前を反芻する度に、頭に書き込まれるようにその名前が、役割が馴染んでいく。
そして目を開いて司祭様を見据えた時には、アタシは本当の意味で「アタシ」になっていた。
「それじゃあ……最初の仕事はわかってる……ね?」
「はい♡ アタシは消えたことで来る次の冒険者を捕まえてアタシみたいにすることですよね! 任せてください!」
男だった頃のアタシみたいにノコノコとやってきた愚かな冒険者を捕まえて、カミサマの虜にする。
ソフィアお姉さまがやってくださったことをアタシもやる、そう考えただけで嬉しくて楽しくて。
アタシは思わず嗜虐的な笑みが浮かべていた。
◇◇◇◇
自慢のツインテールと、カミサマが授けてくれたメッシュ状の外套が風に揺れる。
アタシが男だった時に付けていた鎖帷子を改造して作られたそれは、着心地はまるでそのままカミサマの触手に包まれているような安心感を持ちつつも、加護によって攻撃を通さない。最高の防具にだった。
その下に付けるのは、黒いマイクロのビキニ。
大胆に素肌は晒しているけど、これもやっぱり加護のお力で体は守ってくれている。
ソフィアお姉さまが露出の多い恰好をしているのも、納得だった。大いなる存在から授かったこの体は、誰かに見せつければ見せつけるほど興奮するしカミサマの存在を誇示するのにうってつけだ。
現に今、アタシが追い詰めている街に忍び込んだ哀れなネズミさんは、絶対絶命のピンチだというのにこのエッチな体から目を離せないみたい。
「あれー? おにーさん、どうしてアタシのおっぱい、じろじろ見てるのかなー? アタシの事、殺すんじゃなかったの~?」
壁際に追い詰められもたれかかっているその冒険者に、煽るような目つきと言葉を送る。
昔は自分もこんなだったと思うと、なんて弱くて、哀れで、ザコザコだったのだろうと思う。
視線を少し下へ移してみれば、股間が膨らんでいるのが見て取れた。
「な~に? おにーさん邪教徒の子供に興奮してるの? さいって~♡」
見たところサイズは大きそうで、きっと挿入したら気持ちいいんだろう。
カミサマも司祭様も別に姦淫は禁止していない、むしろ積極的に行うように言ってるから信者の人だったらすぐにハメちゃうくらいの当たりチンポの気配がするんだけど、この人は信者じゃない。
だから……。
「でもぉ……あなたがエッチするのは、アタシじゃないよ?」
司祭様がそろそろ騎士を増やしてもいいかもしれないって言って渡してくれたネックレスを取り出す。
教団が大きくなって信仰がより集まったことによって更に強力になったそれは、一時的にカミサマを顕現させるほどのもので。
「それじゃあバイバーイ、ザコ冒険者のおにーさん♡」
ネックレスを首にかけてあげると、うっとりするほどの魔力と共にカミサマの触手が出現しておにーさんを包み込む。
闇夜の中で、触手が絡まる音とおにーさんがだんだんとおねーさんになっていく声だけが響いていく。
この触手の繭が開いた時、彼はどんなに可愛くて素敵な姿になっているのだろうか?
それを楽しみにしながら、この街の闇はまた一つ、深くなっていった。