色欲にて運命歪められし白兎 作:塩おにぎり
タケミカヅチ様の稽古を終えた後、ベルは【聖火の揺籠】を後にした。
「ふぅ、タケミカヅチ様の稽古学びがあるなぁ」
武神の指導をうけたベルはそう言いながら歩いていると二人の女性が話しかけてくる。
「あっ、ベルじゃない!!」
「ベル、こんにちは」
ベルに話しかけてきたのは【アストレア・ファミリア】の団長【
「こんにちはアリーゼ、リュー。今日も見回り?」
「そうよ、今日も清く正しく美しい私が都市を見回っているわ」
「アリーゼ、公衆の前で恥ずかしいことを言わないで下さい」
「そうそう、僕に啼かされてる人の台詞じゃないよねー」
「ちょっとその話こそしないでよ!!」
ベルの言葉に自信たっぷりと宣言していたアリーゼは赤面させながら掴みかかってくる。
「おっと、させないよ。それでリュー、
「はい、ベルのお陰でアリーゼ達は生きていますし
「それはよかった」
五年前、
しかし、そこへ当時Lv.6だったベルが加勢しジャガーノートを討伐した。
その結果、ベルは
「ねぇ、ベル今日は暇かしら?久しぶりに、ね?」
「ごめん、今日は店の予約が入ってるんだ」
「ガーン!!」
「アリーゼ、いくら何でも突拍子過ぎます。ですが、今夜の客というのは誰ですか?」
アリーゼを咎めるように言いながらもベルの相手が気になるリュー。
「言わないよ、これは店側の信用にも関わるし」
「うっ・・・」
そう言われると噛み付けないため諦めるしかないと思っていたリューだが、アリーゼがあることに気付く。
「もしかして、今夜の相手って輝夜?」
「なんで?」
アリーゼの言葉にベルは問い返す。
「今日、輝夜が妙に早起きをして出かけていったのよ」
「それだけ楽しみなことが会ったんじゃないの?」
アリーゼの言葉にベルは興味のないふりをする。
実際、今夜の予約客はアリーゼの言っている輝夜、【アストレア・ファミリア】副団長【大和竜胆】ゴジョウノ・輝夜、
しかし、ペラペラと喋るのは店としても、ベルとしても信用を失うので絶対に言わない。
「うーん、輝夜が鼻歌を歌いながら出かけるなんて早々無いもの」
「あんまり詮索してやるなよ、終いには輝夜が怒るぞ」
アリーゼの諦めない姿勢にベルは忠告はしておく。
「それより、見回りはいいのか?」
「そうだったわ、行くわよリオン!!」
「待って下さいアリーゼ、ベルそれでは失礼します」
「うん、またね」
二人と別れた後、着物を着込んだ一人の女性がやって来る。
「全く、団長殿とへっぽこ妖精には呆れる」
その女性は話の話題の中心になっていたゴジョウノ・輝夜その人である。
「それにしても、兎さんは律儀ですな」
「そりゃあ、輝夜だって僕の
「嬉しいことを言って下さいますなぁ、旦那様」
そう言いながら顔を赤らめる輝夜はベルに寄り添うのだった。
「少し買い物があるから先に店に行ってる?」
「いーえ、あの二人に不躾に探られて機嫌が悪いので買い物ついでの逢瀬を希望する」
「いいねぇ、あの二人には良い薬になるかもね」
「えぇ、とっても苦い良薬になりましょう」
そうして、ベルと輝夜は買い物の合間の逢瀬を楽しむのだった。
余談だが、翌日逢瀬の事を話された二人は邪笑する副団長に襲いかかったとか謎の敗北を噛みしめたとか