※この作品はR-18です。

色欲にて運命歪められし白兎   作:塩おにぎり

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ある意味茶番劇が繰り広げられたが、なんとか気を取り直して本来の本筋に戻ろうとしていた。突き刺さった大剣を回収し王道(じぶん)と対峙する。

 

「さて、やろうか」

 

「うん」

 

大剣を構えるベルに応じて王道(ベル)もナイフを構える。

 

『さぁ、色々遭ったがいよいよ特別試合(スペシャルマッチ)を開始するぞぉ!!』

 

『『オォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!』』

 

ついにやってきた戦いの幕開けに観客全員が歓声を上げる。

 

「さぁ、二人共準備はいいか?」

 

「あぁ」「はい!!」

 

「よし、それじゃあ⋯はじめい!!!」

 

戦いの火蓋が切って落とされた。

 

最初に攻め上がったのは王道(ベル)だった。

 

神様のナイフ(ヘスティア・ナイフ)と白幻の二刀流で切り込んでいく。

 

しかし、色欲(ベル)は動じない。

 

借りた大剣の腹で王道(ベル)の攻撃を防ぎきっている。

 

その光景を見たフィンが口を開く。

 

「あれはオッタルの『絶対防御』・・・?」

 

「!!」

 

王道(ベル)の連撃を涼しい顔で受け続ける色欲(ベル)の姿にこっちの世界の最強(オッタル)の姿と重ねる。

 

オッタルもそれに気付いたのか驚愕の表情を見せる。

 

「温い」

 

その一言とともに薙いだ、そして攻撃を強制停止されられた王道(ベル)は闘技場の壁に激突した。

 

「がはっ!?」

 

壁に激突した事で血を吐く王道(ベル)

 

「立て、こんなものではないだろう」

 

悠然と王道(ベル)を見下ろす色欲(ベル)の眼には感情を読み取らせない「無」そのもの。

 

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ・・・」

 

「こないのならこちらから行くぞ」

 

立ち上がりはしたものの全身に走る激痛が身体を強張らせる。

 

そして、ここで初めて色欲(ベル)が自分から動いた。

 

その動きというよりは歩み、悠然と歩いていく。

 

これは明らかに舐めている、だれしもがそう思う。

 

それは眼の前に居る王道(ベル)も同じ。

 

「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

「激情して噛みついた所で強者には叩き潰されるのみだ」

 

雄叫びを上げながらナイフを振るうもそれは虚しくも空を切り、大剣の腹を鈍器の代わりにして叩きつけられた。

 

「ぐふっ!!」

 

「ほら、追撃が来るぞ」

 

そして、追撃の蹴りを喰らい飛ばされて転がる。

 

「がはっ、ごふっ!!」

 

「立て」

 

倒れる王道(ベル)色欲(ベル)はそう言うだけだった。

 

 

 

観客は静まり返る、そしてこう思う。

 

これは派閥大戦の序盤、オッタルVSベル・クラネルと同じだと。

 

「まだ立たないのか、ベル・クラネル()?」

 

「もう立てないのか、ベル・クラネル()?」

 

立とうとするも全身の損傷(ダメージ)が重く力が入らない王道(ベル)

 

それをただ見下ろすだけの色欲(ベル)

 

()()()()()()()()()()(ベル・クラネル)?」

 

「!!」

 

三つ目の言葉が嫌になるほどはっきりと聞こえた。

 

助けてもらう・・・? 誰に・・・? 誰を・・・?

 

その時、王道(ベル)の眼に憧憬(アイズ・ヴァレンシュタイン)が入った。

 

そして、王道(ベル)の脳裏にあの時の記憶が駆け巡る・・・!!

 

『今、助けるから・・・!!』

 

「!! 〜〜〜〜〜〜〜〜〜あ゛ぁ゛っ!!」

 

その瞬間、王道(ベル)は立ち上がった。

 

今まで立ち上がることが出来なかったのに・・・。

 

そして、その眼は死んでおらずまっすぐに色欲()を見据えナイフを構える。

 

その姿を見た観客は大歓声を上げる。

 

「ありがとう、ベル・クラネル()

 

「何のことかは知らないが・・・どういたしまして」

 

観客席【ロキ・ファミリア】

 

「立った立ったよアイズ」

 

「うん、立ったね」

 

王道(ベル)が立ち上がった姿を見てティオナが興奮し、アイズもそれに同意する。

 

「全く貴方って人は!!」

 

「燃えるわね」

 

「あぁ、彼はそういう資質を持っているんだろうね」

 

「兎野郎・・・!!」

 

レフィーヤが嬉しそうに悔しそうにそう言い、ティオネは静かに闘志を燃やし、フィンはベルの性質(たち)に注目し、ベートは獰猛な笑みを浮かべる。

 

「これを見ておると血が滾るわい!!」

 

「あぁ、私もそう思う」

 

ガレスも闘気に満ち、リヴェリアもそれに同意する。

 

観客席【フレイヤ・ファミリア】

 

「ベル、頑張れ!!」

 

「ふん、及第点だ」

 

ヘグニは純粋に応援をし、ヘディンは眼鏡を元の位置に戻しながらそう言った。

 

「立ったな」「あぁ、立った」「立ち上がった」「立ちやがった」

 

「これでもっとシル様がベルのことを夢中になってしまうから複雑だ」

 

「「「それなー」」」

 

「チッ!!」

 

「・・・」

 

ガリバー兄弟は兄弟で話し合い、アレンは舌打ちをし、オッタルは無言のまま大剣を投げ入れる。

 

そして、その大剣はベル達の間に突き刺さる。

 

「・・・{オッタルか}。遠慮するな使え」

 

「ありがとう」

 

色欲(ベル)の言葉に王道(ベル)は大剣を握る。

 

互いを見据えながら闘技場の中央へと戻る。

 

王道(ベル)、この一撃で終わりにしよう」

 

「うん」

 

「互いに最強の一撃だ」

 

「うん」

 

そうして、決着の時がやってくる。

 

「【ファイアボルト】」

 

王道(ベル)が魔法を唱え大剣に蓄力(チャージ)すると、何処からか鐘の音が響いてくるのと同時に大剣に蓄積されている力が増幅していることに気づく。

 

最大火力までは少し掛かるようだ。

 

その間に色欲(ベル)も動き出す。

 

「【金星(きん)の愛を否定する全てを滅する者なり】【その大蹄にて踏み潰し蹂躙せよ】【この身は天の牡牛を拝命せし】【駆け抜けよ、女神の神意に従って】」

 

「【グガランナ】」

 

詠唱を終え魔法を言った瞬間、色欲(ベル)の大剣が金星(イシュタル)白兎(ベル)を思わせる白金(プラチナ)の輝光を放つ。

 

「あれは俺の【ヒルディス・ヴィーニ】と似たものか・・・!!」

 

オッタルが反応する。

 

そう、【グガランナ】は【ヒルディス・ヴィーニ】と似たものではあるが・・・。

 

【ヒルディス・ヴィーニ】は強化魔法、対して【グガランナ】超強化魔法。

 

単純な力で言えば【グガランナ】の方が上である。

 

王道(ベル)の方も限界蓄力(フルチャージ)に到達し、その時は来た。

 

「行くよ、(ベル・クラネル)!!」

 

「来い、(ベル・クラネル)!!」

 

二人が駆け出す。

 

「【聖火の英斬(アルゴ・ウェスタ)】!!」

 

「「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」」

 

白き光と白金の光が激突した瞬間、大爆発が起きる。

 

 

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