※この作品はR-18です。

色欲にて運命歪められし白兎   作:塩おにぎり

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悲哀の白巫女
白巫女の胸中


私の名前はフィルヴィス・シャリア、【デュオニュソス・ファミリア】団長でLv.6の第一級冒険者で二つ名は【白巫女(マイナデス)】。

 

しかし、その二つ名で呼んでくれるのは数少ない。

 

多くの冒険者が私を呼ぶのはもう一つの名である【死妖精(パンシー)】。

 

これはある事件がきっかけで付いたものだ。

 

その事件というのが二十七階層の悪夢。

 

闇派閥(イヴィルス)討伐に向かった派閥連合は仕掛けられた捨て身の罠に嵌りモンスター・闇派閥(イヴィルス)・冒険者の三つ巴の乱戦となった。

 

更に最悪なことに、そこへ階層主(アンフィス・バエナ)も巻き込んでの死闘に入った。

 

私はここで死ぬんだと思った、団長も副団長も他の団員も倒れていく状況で私の背後の壁からモンスターが生まれた。

 

反応が遅れてしまった私はモンスターの爪牙の餌食になるのだと思っていた。

 

しかし、それは瞬く間に覆った。

 

それは当時Lv.7の第一級冒険者だったベル・クラネル達【イシュタル・ファミリア】の救援が間に合ったからだ。

 

そこからは形勢が一気に逆転した。

 

モンスターは全滅し闇派閥(イヴィルス)も可能な限り捕縛したが幹部のオリヴァス・アクトはモンスターによって食い荒らされて死亡していた。

 

その後はベルに護衛を任せ、私達は地上にへと帰還した。

 

しかし、払った代償は大きかった。

 

団長、副団長以下の他の団員も死亡し私だけが生き残ってしまった。

 

私も重症になりながらも致命的な部分は避けられたおかげでなんとかといった所だった。

 

これだけで済んだのはベル達のおかげだった。

 

そんな私に待っていたのは仲間達(ファミリア)からの侮蔑と罵詈雑言だった。

 

『なんで貴方が生き残って団長達が・・・』

 

『恥晒しの妖精(エルフ)

 

そんな声を掛けられ心が折れそうになった私の前に立って仲間達と相対したのは・・・他でもないベルだった。

 

『あの場に居なかった弱者が命を賭して戦った者に対する掛ける言葉がそれか?いや済まない、お前達はあの場に立つことすら出来なかった資格も無い覚悟無き眷族(雑魚)だったな』

 

私は初めて見る彼の他者を嘲笑する姿、思わず身体が固まってしまった。

 

怖かった、彼の本気で見下している冷たい眼が。

 

『【デュオニュソス・ファミリア】の奴等は自分の命の危険を顧みずに戦った、命を落とす事になったとしてもだ。それを一命を取り留めて帰ってきた仲間に掛ける言葉・対応は最悪の一言。彼奴等は後進の育て方を間違えた上に犬死だな』

 

次にベルが言い放ったのは死んでしまった団長達への侮辱、それにはアウラ達も黙っていなかった。

 

しかし・・・。

 

『ほう、それならどう間違っていないのか教えてくれよ。都市の平和を、仲間の命を守るために戦って傷つきながらも戦い抜いた仲間(ファミリア)の迎え方をよぉ』

 

その言葉の後、ベルは本拠(ホーム)の床を踏み抜く。

 

私は理解した、ベルは怒っている。

 

私のために、私を思って・・・。

 

『とりあえずフィルヴィス(こいつ)は【イシュタル・ファミリア(ウチ)】で預かる。てめぇらに任せられねぇ』

 

『えっ、あっ、ちょっ!!?』

 

そう言ってベルは混乱している私をお、お姫様だっこで歓楽街まで帰っていった。

 

その後、私はベル達【イシュタル・ファミリア】の庇護の元で治療と療養を受けて世話になった。

 

わざわざ【ディアンケヒト・ファミリア】の治療師(ヒーラー)であるアミッド・テアサナーレまで呼び出してだ。

 

そして、ある日ベルに仲間(ファミリア)が死んだあの日から日々溜め込んでいたモノを、悲しみ、怒り、悔しさ、寂しさなど全て吐き出した。

 

それを全てベルは優しく受け止めてくれた。

 

全てを吐き出した日の夜、私はベルの愛を受け入れる。

 

激しくも優しく私を求めてくれる、必要としてくれている。

 

それだけでも私の心は救われた。

 

しかし、ベルはそれだけを良しとしない。

 

そこから自分を昇華しなければいけないと言ってくる。

 

そうして立ち直った私は【デュオニュソス・ファミリア】に戻り、派閥(ファミリア)を立て直すべく尽力した。

 

主神デュオニュソス様の護衛などはアウラ達に押しつ・・・任せて休日なども謳歌していた。

 

今では【ロキ・ファミリア】のレフィーヤ・ウィリディスという同胞の知己を得ることが出来た。

 

今、私は幸せだ。

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