うぅ……ケリュドラちっちゃくて可愛いね…うわすっごい暴君……ケリュドラと結婚してセイレンスと浮気したい…
「お前は器用だな」
聞き慣れた声が耳朶を打った。聖都オクヘイマを統治する、見た目だけは小さな女皇───というのは、本人には絶対に言わないように。事実身体は小さくとも、彼女には僕のような矮小な存在を遥かに凌ぐ力がある
女皇、ケリュドラ───古今東西、様々な都市国家がそれぞれ多様な統治をとっている。どれが正解、という話でもないが、有能な独裁者、というのはある種の完成形だと思う
「器用?」
「昔から思ってはいたが……お前、何かできないことはないのか?」
「ご存じの通り、戦闘となるとあまり得意ではないですね。それ以外となると…昔から飽き性でしたので、色々なものに手を出しておりましたから」
僕と彼女の関係は主従だ。彼女が女皇でなく、王女であった時代からの。紆余曲折を経てオクヘイマの統治者となり、僕よりも優秀な多くの臣下ができて尚、ケリュドラは僕を手放そうとしなかった
臣下であれと育てられてきた身だ。放り出されれば路頭に迷う───ということもないだろうが、彼女の下は居心地が良かった
「僕の杖を作り、玉座を作り、王冠を作り………はぁ、飽き性とはな、神も残酷なものだ」
「……?はぁ…」
ああして使ってくれているという事は、僕が作ったものの出来に不満がある、という事ではないだろう。多少器用な自覚はあるが、所詮はただ触れたものの多いだけの飽き性な人間だ。道を極めた者に敵うなどと傲慢な考えは持っていない
「まぁ、いい。剣旗卿の様子はどうだ?」
「目立った変わりははありませんが……少し、表情が柔らかくなったようには思います」
「そうか」
剣旗卿──とは、亡国スティコシアの最後のセイレーン、セイレンスの事である。全てを失い、抜け殻のようだった彼女をケリュドラが拾い、以来セイレンスはケリュドラの忠実な剣として仕えている
種族の違いもあり、中々手を焼かされることも多かったけれど……アグライアやトリビーの助けもあり、抜け殻の中身を取り戻してきているように思う
「………剣旗卿は、お前にとって何だ?」
「良い友人、でしょうか」
「そうか」
………ケリュドラの問いの意味が、よくわからない。何だって僕みたいなやつと、こんな世間話みたいな真似をしているんだろうか
「剣旗卿がな、お前のことばかりを話すんだ」
「はい?」
「服を織ってもらった、髪を整えてもらった、剣を手入れしてもらった………出会うたびに、そんな話が増えていく」
「え………あ、ええっと、鍛治も齧ってましたから、はは…」
誤魔化すように、下手な冗談まで言ってしまったのは、文字通りケリュドラの雰囲気が一変したから。瞳を見つめれば、その奥にあるどろどろとした感情が嫌でも伝わってきてしまう
「じょ、女皇陛下……?」
「………あぁ、なんだ?随分とよそよそしいじゃないか。僕とお前の仲だろう?なぁ──何故下がる?」
雰囲気に呑まれ、身体が行ったほんの僅かな後退りを、ケリュドラは目敏く見つけた。そして、その距離を詰めてくる
「あ……ぅ……」
「そんな怯えた顔をするな。僕がお前に酷いことをしたことがあったか?」
確かに、ケリュドラは僕に酷いことなどしなかった。いつだって働きには報いてくれたし、僕と彼女の間に上下関係はあれど、そこに理不尽を感じたことはなかった。けれど──暴君と呼ばれる彼女の側面を、ついに味わうことになる予感がする
ただ───その予感が、あまりに遅すぎた。わざわざこうして彼女の私室に呼び込まれた時点で、何かの事態を考えておくべきだったのだ
「……こうして見ると、愉快だな。お前がそうも怯える姿は見たことがない」
歩み寄ってくるケリュドラに、腰を抜かして尻餅をついた。彼女の王冠より下に頭を下げてしまった──だなんて失敗も一瞬頭によぎったが、今はとにかくそれどころじゃなかった
ケリュドラが、怖い──だなんて、今まで一度だって感じたことがなかった。明確に、正面に迫る恐怖……というものを体験したことのある人間は少ない。だが──幸運なことに、僕にはその経験があった
ケリュドラに反感を抱く元老院が、僕に遣わした刺客。鋭いナイフを携え現れた暗殺者との対峙を思い出す
「どうした?抵抗はしないのか?そちらの方が征服のし甲斐があるというものだ」
あの時の恐怖は──そう、そうだ。セイレンスが瞬きの間に退けた
……経験が人を作る。何かを決断する時、何かを行動に移す時。そこには本人が覚えているかに関わらず、経験というものが関わっている
恐怖は、セイレンスが退けてくれる。そんな経験が、僕の口を動かした
「せ、セイレンスっ……」
「─────────」
小さな、小さな声が漏れた。極限まで耳を澄ませ、相手以外の存在を認識から排していなければ聞こえないような、小さな小さな声だっただが、その声にケリュドラは動きを止めた
最悪の行動をとったと、あまりに遅く理解が及んだ
「そうか、よくわかった」
「ぁ──」
自らの失策に気付いた時にはあまりに遅く、片腕を万力のような力で掴まれた。ぎりぎり、と音すらしてくる。彼女の細腕の、どこにこんな力が秘められているのか
「いっ、た……!」
「痛いか、そうか。僕も痛い。お前が別の女の名前を叫ぶ度に胸が痛くなる」
彼女は怒気のようなものを僅かに滲ませながらそう言った。僕を押さえつける力は増す一方だ───懸命にもがけども、ただいたずらに体力を失うだけで抜け出すことはできない
「だが……あぁ、良いな──僕は今最高に機嫌が良いぞ。今からお前という存在を征服できるのだからな」
ずるずると、抵抗すらできずに引きずられて、ベッドまで連れていかれる。有無を言わせずシーツの上に投げ捨てられ、そのまま組み伏せられる
「っ……」
「……そんな顔をされると、流石に体裁が悪い…そうだな、こうしよう───我が最も古い従者の働きに、僕自ら褒美をくれてやるのだ、とな」
──────────────────
「あっ♡うっ♡は、ぁっ♡いっ♡あぅ♡」
「ずい、ぶんとっ…!楽しんでいるようで、何よりだ」
「ちがっ♡そうじゃ♡ぁっ♡」
片手で抑えられた両手、僕の上で跳ねるケリュドラ。力なくふるふると頭を振るたび、その笑みに嗜虐心が増していくのがわかる
お互い、最低限の布だけを取り払って………僕の場合は取り払われて、一も二もなく勝手に挿入れられてしまった。馴らしたり、だとか愛撫だとか。そういった行為は一切ない。ただそれで充分、とでも言わんばかりだった
ケリュドラは激しく動き、僕の方はというとそれを甘んじて受けるだけの人形だ。けれどその指だけは僕の胸元を弄ぶのに使われていて、全く遠慮のない様子でつままれる度にびりりとした快楽が走る
「ぃあっ♡そこっ♡だめですっ♡ぅあ♡」
「そうか、これを耐えるのは不得手だったか」
「ひぅ♡うぅっ♡ううっ♡」
男女が逆なだけで、これは立派な強姦だ。だが、それはあくまで僕視点での話。オクヘイマにおける新たな法である彼女が、僕への褒美だと言ったならば、それはその通りに定義される
つまり、僕がどれだけ嫌がろうとも。この行為の正当性は彼女の手中にあり、僕はそれを享受しなければならないのだ。そして、それがまた恐ろしい
「っ♡うあっ♡いっ♡」
「なんだ?もう果てそうなのか」
小さな、小さな身体に抑え込まれて、犯されて……その惨めさが、僕の興奮を煽っているのは事実だった。だが、その興奮も終われば、残るのはどうしようもない自己嫌悪だ
「堪えのないヤツめ、少しは我慢というものを覚えろ」
「ごめっ♡なさっ♡あっ♡ぅう♡」
「お前の主人は僕だ、いいな?」
「ごめっ♡ごめんなさっ♡うぁっ♡」
その瞳を、今は見ていたくなくて、瞼を強く閉じた。視界を覆うと感覚への依存度が上がるから、今はなるべく目を開いておかないといけないのに
「あっ♡でるっ♡でちゃっ♡」
「いいぞ、出せ」
短く、冷たい命令に、腰の奥底がきゅんと疼いた。言葉に、容姿に、行動に……快楽に、ケリュドラの全てに惚れ込んでいくような錯覚さえ覚えてしまう
「うっ♡ああっ♡あっ───♡───っ♡♡」
頭が真っ白に、塗りつぶされて。ガクンと大きく腰が跳ねた拍子に、溜まっていたものが一気に吐き出された
「ん、はぁっ…♡」
ケリュドラの声に、ほんの少しだけ快楽の色が混じる。膣内に出された精液の感覚を味わうように腰を軽く前後させてから、彼女は上体を起こす
「女皇の胎内に精を放つ。その行為が与える快楽と悦楽を享受しながら───しかしそれが罪である事を理解させられる。浮気者にはあまりに過ぎた褒美だったんじゃないか?」
乱れた吐息の間に吐かれる言葉は、恐ろしく鮮明に僕の耳に届く
「何か言ってみせろ。犯された上に辱めまで受けたことに文句の一つでも垂れてみたらどうだ」
女皇ケリュドラの膣内に、精を放った。子を孕みかねない行為に、恐怖がぞくりと背中を駆けていく。だが───同時に湧き上がった感情は、絶望にも似た陶酔だった
全てが予定調和だったのか、それとも一時の感情に流されたのか。ケリュドラの心の内など、僕には理解できない。強いて言うなら、あのケリュドラが感情に流されるとは思えないけれど
「も、文句なんてっ…」
「無いのか?お前は昔から人と対立するような人間では無かったが……ここまでされて何もないというのは流石に少し心配になる」
だって、本当に文句なんて出てこない。強引なものだったけど──いや、強引なものだったからこそ、この交わりはあまりに───
「……その、気持ち、よかったので……」
「……」
ケリュドラは無言で上体を倒し、口付けをしてくる。その行為があまりに優しすぎて、かえって混乱してしまう
「……僕の負けだ」
唇を離し、吐息がかかるような距離で小さく囁かれたその言葉の意図も理解できない。何故勝利したのかもわからない
「お前を前にすると、牙を抜かれるようだ。だが、それも悪くない」
「な、にが……?」
「なんでもないさ……あぁ、本当にお前は……」
ケリュドラはそう言いかけてから言葉を切り、僕の上から退いた。そしてそのまま、彼女はベッドに身を投げ出す。僕はといえば、その一連の行動の真意を探ろうとして───しかしそれは叶わなかった
「あ……」
「……なんだ?まだ足りないのか?」
「いえっ!そんな!」
慌てて否定するも、時すでに遅し。彼女の視線は既に僕へと向けられていた。そして、僅かに舌なめずりをすると
「ほら、お前の好きにすると良い。強引にして悪かったな、このケリュドラは大人しくお前に嬲られるとしよう」
「っ……い、いえ……大丈夫です……」
「遠慮するな」
まじまじとその身体を見つめると、その幼い身体はどこまでも魅力的だ。身長の割に肉付きが良いからだろうか。着衣のまま投げ出された身体から、その服の下の裸体を想像しかけて……慌てて頭を振る
「……しないなら、僕は少し眠る。お前は好きにしろ」
「は、はぁ…」
「あぁ、そうだ。僕は眠りが深いから、途中で何をされても気づかないと思うが……断った以上、くれぐれも変な事はするなよ?」
ケリュドラのその言葉の意味を深く理解する前に、彼女は目を閉じてしまった。すー、すー、と規則的な寝息が聞こえてくる
眠りが深いから、何をされても気づかない……その言葉の意味を理解できないほど鈍感ではない。無防備に眠る姿に、思わずごくりと喉が上下した
「……」
手を出してはいけないのは知っているし、何より彼女は僕の女皇だ。その彼女に手を出すなんて……そんな恐れ多いことをするはずもないのだが……いや、これはただの言い訳か。つまり僕は欲に負けてしまっただけだ
「……んっ」
ケリュドラの胸に触れると、ぴくりと小さく反応があった。本当に眠ったのか、狸寝入りか、冷静に考えれば眠るには早すぎるけれど、そんな事を考えられる頭は残っていなかった
「バレないならっ……」
甘えるように抱きついて、太ももに露出したままの肉棒を擦り付ける。胸の柔らかさも心地いいが、こうしてすべすべの太ももに触れられるのはまた違った快感だ。柔らかく沈み込む感覚はどこまでも甘美で、夢中になって腰を動かす
「うぅっ♡ケリュドラ様っ、ケリュドラ様ぁっ♡ごめんなさいっ♡こんな、こんなっ♡」
「んっ……ん……」
ケリュドラの吐息に、小さな喘ぎのような声が混じる。その声と太ももの感触に興奮は高まるばかりで、腰の動きも激しくなる一方だ
起こさないように、なんて考える余裕も無く、ただ自分の快楽だけを求めて獣のように腰を振る。この行為で彼女が起きてしまうならもうそれは仕方がないことだとすら思ってしまっていた
「ふっ♡あっ♡こし、とまんなっ♡」
眠っている相手に好き放題腰を振っているだけなのに、こっちが弄ばれているような気分になる。手玉に取られ、手のひらの上で転がされているような感覚
だから、きっとこれもわざとだ。ずらした下着がそのままだから、少し角度を動かせば挿入できてしまうのも、きっとわざとだ
「あっ♡ううっ───♡は、ぁ……♡なか、すごっ……いぃ♡」
「ん、んっ……!」
挿入れた瞬間、ずるりと奥まで滑るように入っていってしまう。一度出し切った後でよかったと安堵するのと同時に、自分の失態を悟る。もう言い訳はできない
「先にっ…あ♡したの……ケリュドラ様ですからねっ♡ふ、うっ♡」
「……ぁっ……うっ……」
「だからっ♡ぼくが悪いんじゃっ♡ありませんよねっ♡」
腰を動かすたび、ぐちゅぐちゅと音がして。眠ったままのケリュドラの顔には僅かに赤みが差している気がする。彼女も気持ち良くなってくれているんだ。そのことが嬉しくてたまらない。それに何よりも───眠っていても確かに彼女の美しさは健在で、それを犯してしまっているという実感が、たまらなく甘美だった
「きもちよすぎっ……♡ひぐっ♡あっ♡あっ♡う、あ───♡」
「んっ……ふっ……」
ケリュドラの瞼がぴくぴくと反応している。目覚めが近いのだろうか。しかし今の僕はもう欲望を吐き出すことしか考えられなくなっていて、腰を振ることに躊躇いなど無かった
「ふか、いっ……♡んうっ♡すごっ…♡うう……良い匂いもするしっ……♡」
「はっ……ぁ、ん……」
快楽を求めて腰を振りながら、ケリュドラの首筋に顔を埋めて匂いを堪能する。こんなに近くで嗅いだ事はなかったが、高貴で甘いこの匂いが僕は大好きだった。その香りに包まれながら、柔らかな膣内を味わい続けるのは至福の時間だ
「あっ♡もうっ♡だめですっ♡イきますっ♡」
「ぅ……んっ……」
「なかっ♡なかだししますからっ♡いいですよねっ?無防備に寝てるって、そう言う事ですよねっ♡」
「ん、あ……」
僕はきっと酷い顔をしているのだろう。蕩けきっていて、だらしなく快楽を求める顔だ。きっと今の顔を見られたら幻滅されるだろうか、それとも……
「も、もうっ♡出ますっ♡出るっ♡イく───♡」
腰を強く押し付けて、ぎゅう、と胸を掴んで、限界まで身体を密着させて、僕はケリュドラの膣内に精を放った。どくどくと吐き出される精液を、彼女はただ受け入れるように小さく声を漏らしている
「ん……あ…」
「ぜんぶだすっ…♡なかに、いっぱいっ……♡」
「ん……ぅ……」
もう、言い訳のしようもないだろう。僕はケリュドラを───
「………満足か?」
「……え?」
射精後の倦怠感で閉じかけていた瞼を、ケリュドラのその一言が開く。眠っていたはずの彼女はその瞳を開き、僕を静かに見ていた
「……あ、あの…」
「なんだ?まさか僕が本当に眠っているとでも思ったか?」
「い、いや、それは…」
慌てて否定はするが、その実図星を突かれたようで言葉が出てこない。ケリュドラが僕の心を見透かすような目で見つめてくるから、僕は思わず目を逸らしてしまう
「ん♡……全く、やはりお前も男なのだな。それにしてはまぁ、なんとも情けない様子ではあったが」
「う………」
顔が熱い。さっきまでの自分の言動……と言っても、ケリュドラ様に夢中だったから何を言っているかなんてあまり覚えていないが……僅かに覚えている部分だけでも顔から火が出そうだ
「しかしこの様子では、女を娶るのは難しそうだ……僕がいてよかったな」
「え────それ、って」
「………二度は言わない」
ぷい、とそっぽを向かれてしまったけど、少しだけ見えるその頬と耳は真っ赤に染まっていて。つまり、それって
「──ふん!関係が変わろうとも、お前は変わらず僕の従者だ!それを忘れるな!」
「は、はい!ケリュドラ様!」
「……だが」
ケリュドラは僕の方へ向き直り、その小さな身体で僕を抱きしめた。そして耳元で小さく囁くと、彼女はそのまま僕の頬に口付ける。その行動の意味を理解できないほど僕は愚かではないし、鈍感でもない
「女皇の寵愛を受けるという栄誉に浴す事ができたのだ。多少は、浮かれるのも悪くないだろう。お前も……僕も」
「っ〜〜〜!ケリュドラ様っ!」
「ん………まったく、本当に仕方のない従者だ」
嫉妬から深まった関係の中で、毎晩のように小さな身体に押し倒され搾り取られる羽目になるのだが───それはまた別の話だ