「ふむ、ここはどうなんでしょうか?」
「えっと、俺の部屋になります」
そうしながら、俺は眼前のベアトリクスさんに、この場所の事についてを話す。
先程までの虚ろな状態から少しだけ変化しているのは、僅かだが彼女の意識がある。
目は、先程まで襲ってきた女性に比べても理性があるのは分かる。
「えっと、ベアトリクスさんはなんであのコンビニにいたのかって覚えていますか?」
「コンビニ?いえ、私は確か大学にいたんですけど、あれぇ、今ってなんでこんな時間に?
大学の朝の講義を受ける前でしたのに」
この反応からして、彼女自身が意識はなかった。
それを考えれば、残る能力の中で、それが可能だと予想出来るのは。
「睡眠、催眠、薬漬けのどれか」
能力に関して、俺自身以外に関してはほとんど分からない。
なんとか理解している能力は、前回の俺と戦った相手である強姦だけ。
その特性に関しても、隠密行動に特化していると考えて良いだろう。
「そう考えると、俺の能力はある意味弱いって、考えると酷いな」
他の能力を見る限り、各々の特性はどこか特化している。
俺の能力に関しては、5段階に行くまでは、他の能力に比べてもあまりにも弱すぎるだろう。
だけど、5段階に達すれば、他のプレイヤーから決して奪われる心配はない。
つまりは裏切りがないと考えて良いだろう。
「それで、なんで私はここに」
「えっ、いやぁ、なんか勢い良く来たという感じですねぇ」
正直に言えば、催眠状態であるベアトリクスさんに対して行為を行う。
それによって、彼女を能力でこちら側に来れば、それだけで情報が分かる。
そう考えた選択とはさすがに言えない。
「けど、能力が解けたのは」
もしかしたら条件がある。
その条件は未だに分からないが、能力に範囲があるのか、時間制限なのか、それとも命令が違う行動をした時に起きたのか。
「未だに分からない事だらけなんだよなぁ」
というよりも一番の謎は、なぜ俺が狙われたのか。
「ますます謎だ」
とにかく、ベアトリクスさんが正気に戻った以上は、さすがに無理矢理行為をする訳にはいかない。
相手の能力の術中に嵌まってはいるけど、それを無理矢理には。
「あの、ベアトリクスさんとにかく」
俺はすぐにベアトリクスさんを送ろうとした。
だけど、その頬はなぜか赤かった
「・・・ベアトリクスさん」
「その、こういうのは初めてですが、もしかして、私達、オツキアイをしているんですか」
「えっ、いや、違いますけど」
「だって、その殿方の部屋に入るのはオツキアイした人間だと、日本では当たり前だと」
「間違ってはいないけど、この状況ではないけど」
何やら暴走している様子の彼女をすぐに宥めようとする。
けど。
「私も、こういうのは初めてで不束者ですがぁ」
そう、ベアトリクスさんは自身の衣服を脱ぐ。
先程まで衣服に隠れていたが、薄い肌着だけの状態。
それと共に露わになった彼女の身体に俺の目が向けてしまう。
「これは一体」
冷や汗をかきながら、そう考えていると、ベアトリクスさんはトロンっとした瞳からは逃れられなかった。