「うぃ~ん、なんというか、記憶が結構曖昧というか、いきなりそんな話をされても分からないのが正直な意見かな」
「やっぱり」
俺はなんとか催眠の情報を得る為に、しのびから何か心当たりがないか尋ねる。
しかし、結果は残念ながら、情報は得られず。
「どうしたら良いのか」
このまま、確かに情報を得られず。
「あっけど」
「けど?」
「なんだか、催眠されているかもしれない人物だったら、心当たりがあるかも」
「マジ!?」
その言葉に対して、俺は思わず聞いてしまう。
「うん、私と同じクラスの古手川千紗という子なの」
「その子がどんな風に?」
思わず、俺は聞いてしまう。
「そのね、前までは趣味が生き甲斐という感じの子で、人付き合いもあまり良くなかったんだけど、最近になって、彼氏が出来たらしくて」
「彼氏って、まぁそこまで珍しくないと思うけど」
俺は思わず、それに対して特に思わなかった。
「けど、その彼氏の事は以前から気に入らなかったらしいのに」
そう、しのぶは言うと、少し不思議そうな顔をする。
その表情はまるで、何かを疑っている様な顔で、そして、俺には何だか嫌な予感しか無かった。
いや、それはただ単に、嫌な予感と言うよりも、嫌な事を想像してしまっただけかもしれない。
そうして、俺は考える。
(もしも、それが本当だとすると……)
そうして、俺は考える。
(まさかとは思うけど、その相手が……)
俺は考える。
(もし、そうだとしたら、これはかなりヤバくない?)
俺は考えてしまう。
(もしかしたら、今この瞬間にも、古手川は催眠にかけられている可能性がある)
そのまま、俺は思考を止めない。
「とにかく、大学で調べるしかない」
俺は、そう言い、大学で、古手川千紗とその彼氏に関してを調査を始める事にした。
「とりあえず、まずはその古手川の居場所を突き止めないと」
俺は、大学の構内にある掲示板の前で、古手川の捜索を行う。
「けど、どこを探せばいいんだ? そもそも、どうやって見つける?」
俺は、そう思いながらも、一応は行動を起こす。
大学内で、もしも催眠を使う奴の手の者に見つかれば、その時点で終わりである。
だからと言って、ここで立ち止まっていても何も変わらない。
ならば、少しでも可能性のある場所に行くべきである。
俺は、学内で聞き込みを行いながら、探し回る。しかし、古手川らしき人物は見つからない。
「どこにいるんだよ」
そうしている内に時間は過ぎていき、昼休みになってしまう。
「ダメだ、手がかりなし」
今回のしのぶさんの1件もあり、向こう側はこちらを警戒している。
催眠されたと思われる人物を探す事も出来ず、また、催眠をかけられたと思われる人間を見つけることも出来ない。
俺は、そんな現状に歯噛みしながら、食堂へと向かう。
「あー、どうすっかな……」
俺はそう呟きながら、食堂へと足を運ぶ。
「とりあえず、飯でも食うか」
俺は、食堂で食事をする事にした。
食堂に入ると、そこには賑わいを見せていた。
だけど。
「……」
どこかぼーっとしている女性がいた。
それは、催眠をされている女性の特徴に似ている。
「もしかしてだけど」
俺はそのまま彼女に近づく。