これまで、謎だったゲームの黒幕が、今、目の前にいる。
それに対して、俺はどうすれば良いのか。
「ふむ、思ったよりも冷静だね、こういう場合は掴みかかると思ったのだが」
すると、俺が、行動を起こさない事に対して、黒幕は興味深そうに見つめる。
「本音を言えば、そうしたいけど、そんな事をすれば、すぐに殺されるだろ」
「まぁ、そうだね」
俺の言葉に対して、次に黒幕は何事もないように言う。
実際にこいつは、俺達にこんな力を与えるだけではなく、ゲームに参加していた奴らに対して、あれ程惨たらしい行為を行った。
ならば、俺に対しても、簡単に行えるだろう。
「ついでに君に対して行うお仕置きは、既に見ていただろう」
「既にって、まさか」
俺の想像が当たったように、黒幕は拍手を送る。
「最初に君達が見たのが、NTRのお仕置きさ、NTRだから、捻れ取る。略してNTRだね」
愉快そうに笑うこいつに対して、恐怖を隠せない。
「さて、君は無事にゲームをクリアしたからね、商品を渡さないといけないね」
すると、こちらにチケットを渡す。
「これは」
「次のゲームの招待券だよ」
その言葉に、俺は思わず見つめ返す。
「そんなのいるか」
俺は、ここまで生き残る為にやっていた。
なのに、この黒幕が、なんでこんな事を。
「君が求めているからだよ」
「なに」
それに、俺はさらに困惑する。
「ゲームの参加者は、皆、無意識に自分が求めた理想を持った能力を与えられる。疑問に思わなかったかい、能力を持つ者達との相性が良かったのは」
それには、確かに。
ここまでの三人は、その相性は良かった。
「特に君には、驚きを隠せなかったよ。無意識とは言え、独占欲が強かったからね」
「俺が」
すると黒幕は、呟く。
「他人の物を羨み、他人には渡したくない。君のそんな願望が君だけのNTRだ。まぁ、これは普通の人間にもあるけどね」
「俺の能力がそんな事に」
「だからゲームに参加しないという事は、君の元から彼女達はいなくなる」
「っ」
すると、俺はどうしようもなく不安になる。
「乗り越えた記憶がなければ、君に惹かれる理由はない。恐怖の記憶がなければ、その理由もない。それはつまり、君は独りという事さ」
そうして、俺に選択を迫らせる。
「俺は」
ゆっくりと、俺は息を吸う。
「ゲームが終われば、記憶は無くなる。ゲームが終われば、能力も消える。
それは君と彼女達を繋ぐ力もない訳さ」
生き残りたいのは本音だ。
だけど。
「忘れたくない」
「ふふっ、さすが、私が見込んだだけはある」
そうして、俺の方に招待状を突きつける。
「だけど、決して諦めるつもりはない。俺は生き残る」
「あぁ、私も、それを楽しみにしているよ」
俺の、ゲームは、また始まる。
これにて、現代編完結です。
未だにゲームは終わらず、彼は次のゲームに参加します。
次のゲームの舞台などは、いずれ公開予定です。
それまで、お楽しみに。