※この作品はR-18です。

幼馴染が外国に売られたらしい   作:No_46

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家庭事情の格差

 掲示板で情報を呼びかけた翌日、僕は学校を休んでいた。

 

 僕は携帯を取り出して彰の家に電話をかける

 

 彰は父親が居ないため母親の園美さんが一人で家庭を支えていると説明してくれた。

 

 僕のこともよく面倒を見てくれた彰によく似た力強い母親だった。

 

 今回は当たり前だがあの音声データのことを話すのではなくなにかおかしなことは無かったかの確認だ。

 

 プルルル…プルルル…

 ガチャ

 

「京ちゃんじゃない

 …どうしたんだい?」

 

「園美さん、えっと、彰がいなくなって大丈夫かなって」

 

「はは、ありがとうね

 でも大丈夫さ、あいつは私の子供らしく強いから

 きっとすぐ帰ってきて、またいつもみたいにメシメシーって言うようになるよ」

 

「…そうですか」

 

「…心配かけちゃったか? 

 私も心配してるけど警察も探してるんだ、警察は人探しの専門家だぞ? すぐ見つかるさ

 それに心配で体調でも崩したらきっと彰にも笑われちまうよ」

 

「…彰が居なくなる前、なにかおかしいと思ったことはありますか?」

 

「そうだね、丁度居なくなる数週間前から外食が多くなって金遣いも粗くなってたな

 私の料理もあまり食べなくなって心配してたけど居なくなる直前は笑顔で食べるようになったから安心したよ」

 

「金遣いが荒いって何か買ったりしてたんですか?」

 

「? いや、彰ちゃん、沙織ちゃんとカラオケとかに行くって言ってたよ

 でもほぼ毎日遊びに出てたからお金心配してたんだよなぁ

 居なくなった後確認したら彰の大学の為に貯めていた貯金もなくなってたのは驚いたよ

 お金使いすぎて合わせる顔がないってだけなら、許すからすぐにでも帰ってほしいんだけどね…」

 

「…そうですね

 他には何かありませんか?」

 

「他には、ねぇ

 そう言われても何もなかったよ?」

 

「…わかりました、ありがとうございます」

 

 居場所や4人組につながる情報を得ることができず落胆するが、ある程度気丈に振る舞っていられるようで安心し、彰の虚勢を思い出して憂鬱になった、実は彼女も虚勢を張っているのだろうか。

 気を取り直し沙織の家に電話をかける

 

 正直言うと何か情報があるとしたらこっちだと思う。

 

 白築《しらつき》沙織の家、白築邸はかなり大きい、家に入ったことはなかったがほぼ豪邸と言っていい大きさだ。

 家族に会ったことはなく、家族の決め事で入れられないと申し訳無さそうに謝っていた沙織を思い出す

 

 詳しくは聞かなかったが海外の投資で巨益を上げているらしいことは聞いていた。

 

 海外で巨益、海外に売り飛ばされた二人

 これは何らかの関係性があるのではないか

 僕の考えすぎでないのならきっと情報を得られるはずだ

 

 家の電話に出るのはいつも山口さんという初老の男性の使用人の方が出てくれる、彼は沙織の子供の頃から付いてくれた使用人らしく家族よりも家族みたいと聞いていた

 

「はい、こちら白築です。ご要件は?」

 

 だが出てきたのは女性の声だった。

 

「あの僕、大雅《たいが》 京って言います。

 沙織さんの友人で話を聞きたいんですけれど、使用人の山口さんはいらっしゃいますか?」

 

「山口は1ヶ月前に辞めました。

 では」

 

「ちょ、ちょっと待ってください! 

 沙織について聞きたいんです!」

 

「その件は警察に一任しています」

 

「何かおかしな事があったかだけでも! 

 どうかお願いします!」

 

「ダメです」

 プッ…ツーツー

 

 取り付く島もない応答に僕は驚く。

 山口さんのときはこんなことはなかった、彼が優しかっただけなのだろうか? 

 それに

 

「山口さんが辞めたなんて…

 それも沙織が居なくなってすぐに、絶対おかしい」

 

 僕は靴を履いて山口さんがよく買い物に行っていた果物店に居場所を知らないか聞きに行った。

 

 

 果物屋に入る

 沙織は果物が好きだった、いつも山口さんに内緒で買ってもらっていると恥ずかしそうに言っていた。

 

「おばちゃん、お久しぶり」

 

「あら、久しぶりだねぇ

 今日はどうしたんだい?」

 

「最近白築邸のとこの山口さんが辞めたって知ってさ

 どこらへんに引っ越したか知らない?」

 

「え〜? 

 どうだったかなぁ」

 

「なにかどんなとこだけでもいいから!」

 

 果物屋のおばちゃんはあ~と頭に手を当てながらスマホを出し始める

 

「えーと、確か〇〇町に引っ越して、近くに大きな池と公園があるって言ってたから、多分ここらへんじゃない? 

 間違ってたらごめんね」

 

「いえ! ありがとうございます!」

 

 僕は「次は買っていくんだよ〜」という言葉に手を振り返して走り出した。

 

 

 そこはバスをいくつか乗り継いで着く寂れたところだった。

 

「池付きの公園…メダカ公園ここかな?」

 

 果物屋のおばちゃんが教えてくれた公園はかなり広く、ウォーキング用の道を歩きながら山口さんを探す。

 

 だが結局日が暮れ初めて夕焼けになっても見つけることはできなかった。

 

 椅子に座りたまに通る人を山口さんじゃないかと見続けて数時間疲れた僕はお茶でも買いに自販機へ足を向けた時

 

「山口さん?」

 

「…京くんですか?」

 

 山口さんを見つけた。

 

「はは、そりゃ平日ですから、たまたまこの老体が隠居同然で公園を散歩するから良かったものの、次からはしっかり考えてから行動したほうがいいですよ」

 

 山口さんは笑いながら僕の行動を心配した。

 その姿は昔のピシッとした執事のようなものでは無く、言葉通り隠居した老人のようだった。

 

「すいません、それにしても山口さん、変わりましたね」

 

「…ええ、自分でも驚きました

 まさか仕事を辞めさせられたことでこんなにも憔悴してしまうとは

 いえ、それだけでは無いでしょう

 …沙織様と仲の良かった貴方なら言いふらしたりしないと思いますので、お話します」

 

「…どうしたんですか?」

 

「沙織様は家からいくらかのお金を持って家を出たのは知っていますよね?」

 

「はい、詳しくは知りませんけど…」

 

「その中には塾代などの白築夫妻の貸し与えたものとしてのお金も入っていました」

 

「はぁ、それは、お気の毒に?」

 

「ええ、その程度で済むものでしょう

 精々叱られてお金を返すぐらい

 しかし夫妻は沙織様を絶縁すると言い始めました」

 

「…え? なんでですか!?」

 

「さあ、私にもわかりません、しかし私が異議を唱えると、ならばクビだと荷物をまとめさせられてしまいました。

 一応すぐに絶縁は難しいようで手続きが終わって申請できるまでに一ヶ月あるようです」

 

「…」

 

「私から教えられるのはこれくらいです、京くん

 沙織様をどうか、お願いいたします」

 

「…はい、ありがとうございました!」

 

 この情報が今後どういう風につながるかは分からないが、明らかに異常な情報を教えてくれた山口さんに礼を言うと僕は急いで家に帰った。

 

 

 




シッテイル様 魂魄時雨様 緋色の鳥様
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