勇者愛人刑~敗北勇者は女の子として魔王の妾に~ 作:よるめく
―――格闘家ダズル
スライムの拘束は、ともすれば鋼鉄よりも強固である。
ウィンは無意味に藻掻きながら、修業時代に受けた授業を思い出す。
優秀な魔法使いが仲間にいたため、知識としてのみ留められていたものを、今になって現実で体感している。
スライム娘のクリームは、ウィンの抵抗を楽しむように、時に腕と綱引きをし、時には急に力を緩めて拍子抜けさせる。
口と鼻をふさがれているせいで、暴れるたびに酸素が余分に奪われていく。体力も呼吸も底を突きかけたウィンの裸体を、浴場の蒸気が愛撫した。
両手にメレンゲ状の泡を持ったメリエンが、ウィンの前に滑り込む。
「魔王城の大浴場へようこそ~! それでは早速、可愛い元勇者様をお世話させて頂きますね~!」
ワキワキと動く指に従って、弾力のある泡が跳ねる。ウィンは首を振ろうとしたが、クリームに阻まれているせいでままならない。
それどころか、呼吸すら限界に達しかけていた。
「あらあら? クリームぅ、勇者様ったら、死にかけていますよぉ~? 放してあげたら?」
「そうなの? 重臣たちを殺し尽くした勇者様って聞いていたのに、この程度で死にかけちゃうんだぁ。うふふ、よわよわ♡」
メリエンがウィンの耳元で囁き、口と鼻を解放する。
生暖かい空気が一気になだれ込んできて、ウィンは思わず咳き込んでしまった。
スライムの双子はウィンが落ち着くまで、悠々と待ち続ける。ウィンはキッと目の前のクリームを睨みつけた。
「何、見てるんだ……! 僕を辱めたいなら……やればいいだろ……っ!」
メリエンは一瞬目を丸くしてから噴き出した。
「ぷふっ! 聞いた、クリーム? 勇者様ったら、いじめられたくってたまらないみたい」
「あはははは! 魔族に虐められるのが好きなの? こんなのが勇者だなんて、人間もたかが知れてるねぇ~!」
言ってろ。所詮魔族の戯言に過ぎない。ウィンは剣呑な視線を鈍らせず、沸騰したような音を立てて笑うスライム娘を睨み続ける。
メリエンはひとしきり笑ったのち、泡を持った手のひらを無防備なウィンの体に近づけ始めた。
「それじゃあ勇者様も待ちきれないみたいですしぃ~、失礼しま~す♡」
泡がウィンの乳房に迫り、乳頭に押し当てられる。乳首が先端から飲み込まれると同時に、ぴりっとした刺激が流れた。
「ん……っ!」
「おんやぁ~? もう感じちゃったんですかぁ~? もしかしてぇ~、乳首が弱ぁ~い勇者様なのかなぁ~?」
「だま、れ……っ! んふっ……!」
クリームのささやきを跳ね除けている間にも、メリエンはねっとりとした手つきでウィンの乳房に泡を塗り込んでいく。
下から持ち上げ、乳房全体を撫でまわし、時折指で撫でるように乳首を弾く。ぷるぷるした質感の手に、本来存在しない部位を優しく苛まれるという、全く未知の感覚。乳房が徐々に熱を持ち、ウィンの顔も赤らみ始めた。
ウィンは甘い声を出さぬようにと唇を噛む。すると、磔台の役割を果たしていたクリームが、体から細い触手を何本も伸ばしてきた。
「せっかく解放してあげたのに、息を止めたら駄目ですよぅ。ほら、深呼吸して~。リラックス~……」
「……っっ!」
意識していなかった箇所をくすぐられ、ウィンの体がビクッと震える。
乳房の付け根や鼠径部、脇のくぼみの縁を触手の先が引っかき、なんとも言えない感覚を流し込まれる。
思わず体を閉じようとしても、拘束されているせいで上手くいかない。その間にメリエンの両手は鎖骨から首、うなじへと回され、ウィンを抱きしめるような恰好で体を洗っていく。
声を出さないように必死で喉奥の声を押し殺すウィンの耳に、甘い毒にも似たメリエンの声が注ぎ込まれた。
「そう我慢せずともよいではないですか。もう勇者様は負けてしまったのですから。戦いなんてもうやめて、女の快楽に身をゆだねましょう? その方がきっと幸せですよ」
「そうそう、勇者様は負けちゃってぇ~、女の子にされちゃってぇ~、私たちに虐められて気持ちよくなっちゃってるんですからぁ~。こぉ~んな姿、お仲間さんにも人間界の皆さまにだって見せられませんもんね?」
「魔王様以外に受け入れてくれる人なんていませんよ。スライムに虐められて発情しちゃってる勇者様、なんて♡」
今すぐ、黙れと叫びたかった。
まとわりつくスライムを振り払って、斬り伏せてやりたい衝動が胸に沸き起こる。
だが、それも乳首を軽く抓られれば喉の奥に引っ込んでしまう。怒声に情けない声が混じってしまった瞬間、取り返しのつかないことになるのではないか。勇者としての自分にヒビが入るのではないか……そんな形のない恐怖が、ウィンに殻を閉ざして耐える以外の選択肢を奪い去る。
メリエンはそんなウィンの表情を舌なめずりして眺めつつ、尻、太もも、足の先までを丹念に泡で覆い尽くしていく。ただ一か所、無知な少女の秘部を除いて。
スライムの指が、敢えて触れずにいたウィンの秘部へと伸びていく。
ウィンは本能的に強い危機感を覚えて暴れ出す。魔導書によって焼きつけられた知識、未だに残る男だという自認が、そこに触れられるのは恥ずかしいことであると強く訴えかけてきたためだ。
「や、やめろ……っ! 触るな、触るなぁっ!」
「じたばたしないの、元勇者様♡」
「怖くないですよ~、痛くないですよ~。すぐに気持ちよ~くしてあげますからねぇ~♡」
メリエンは指をそろえてウィンの股間に押し当てる。刹那、ウィンの体が大きく震えた。
「ひぅ……っ!」
全身についた泡が振動し、肌を刺激する。だがそれ以上に、男の時にはなかった柔肉をかき分けられ、ねっとりとした手つきで撫でられる感覚が、勇者の心を強く乱した。
本来あるはずのないデリケートな箇所を、押され、ほぐされ、撫でまわされる。
未知の感覚に襲われたウィンは暴れることもできなくなって、ただ身を固くして耐えることしかできなくなった。
スライム姉妹が含み笑いをする。メリエンの指先から、ぐちゅぐちゅと水っぽい音がし始めていた。
「感じてる、勇者様ぁ? だんだん気持ちよくなってきたんじゃないのぉ?」
「……!」
クリームの問いかけを、ウィンが力いっぱい首を振って否定すると、メリエンがあくどい笑みを浮かべてみせる。
秘部に隠れたクリトリスの皮を剥いて、その先端を軽く弾く。効果はてきめんだった。
「っ、ぅんぁああっ!」
「なんだぁ、可愛い声も出せるんじゃないですかぁ♡」
「ほらほらもっと声を出していきましょ? 我慢しないで、いっぱい喘いでいきましょ? 次はぁ、魔王様の寝所でもっと激しいことをするんですから♡」
メリエンはクリトリスをつまみ、きゅっと力を入れて揺さぶる。
強烈な刺激はウィンの我慢をあっさりと砕き、クリトリスの先端が違う方向を向くたびに甲高い声を上げさせた。
喉の奥に湯気が流れ込み、蜜壺が透明な汁を吐き出す。魔が差したメリエンは、最後に強めにウィンのクリトリスを抓った。
「あ゛っ!? あっ、あぁっ、だ……め……っ! や、やだ、いやだ……! いや、だ……っ!」
「あれえ、イカないように気を張れるんだぁ。アハハ、最後の砦ってやつ? メリエ~ン!」
「はぁ~い!」
スライムの指がパッとクリトリスを解放した。決定的な刺激から逃れられたウィンの体から力が抜け、一気に脱力する。
その隙を狙って、メリエンはさっきよりも強い力でクリトリスを抓り上げた。
緩んだところに叩き込まれる再度の刺激に、女の子初心者であるウィンは容易く陥落した。
「あ゛あああああああああああっ!?」
勢いよく噴き出した愛液がメリエンの体を濡らす。スライムの少女は恍惚とした表情でそれを受け止め、なおもきゅっ、きゅっ、とクリトリスをいじってウィンから嬌声を引きずり出した。
クリームがウィンの耳元でけたたましく笑う。
「あはははははは! イッちゃえイッちゃえ! 魔族に滅茶苦茶にされて情けなくイッちゃえ!」
「や、やだ……止めてぇぇぇぇぇぇぇっ!」
脳を何度も殴られるような衝撃を味わいながら、ウィンは悲鳴じみた声で懇願する。
目尻に浮かんだ涙が、首を振った勢いで飛び散る。そこにいたのは勇者ではなく、性的な拷問を受けて泣き叫ぶ無力な少女に他ならなかった。