無意識に愛されて、無意識に犯される 作:ナナシ
突然だが、古明地こいしをご存知だろうか?
東方Projectに出てくる妖怪の一人で、古明地さとりの妹。鮮やかなセミロングの緑髪が特徴の可愛らしい少女だ。さとり妖怪という心を読む力を持つ妖怪なのだが、彼女はその力を嫌い第三の目を閉じてしまった。
それ故に彼女は無意識に囚われるようになってしまい、常に他人に認識されることがほとんどなくなってしまった。一応、何かしらで強く存在を主張すれば見えることもあるのだが、基本的には見えない、見えてても全く気にされない、そんな存在が彼女なのだ。
俺もそんな彼女についてはある程度知っていた。
まぁ可愛いけどちょっぴり可哀想な女の子だな位には思っていた。
――そんな子が、どうして目の前にいるんだ?
時刻は深夜。俺の自室。
何かを感じてふと目覚めると、俺の目の前に立っていたのだ。
俺の顔を、まじまじと見つめているのだ。
夢かと思った。寝ぼけているのかと思った。
だってそうだろう。仮想の世界の存在なんだぞ、本当に居る筈ない。
居る筈がないんだ。
「……ウフフ」
笑っている。
微笑んでいる。
ハッキリと声が聞こえてくる。
怖い。
何故か怖い。何かが怖い。
人間の本能的な部分が逃げろと言っているようだ。
けれど、身体は全く動かない。
どうしようも、できない。
彼女がゆっくりと近付いてくる。
「……♥」
彼女は右手で俺の頬に触れた。
ゆっくりと擦っている彼女の表情は、恍惚で満ちているようだ。
彼女は、何がしたいんだろうか。
そうしてしばらくすると、今度はゆっくりと両手で俺の頭を抱え、抱きしめた。
痛みや苦しみなどは無い。柔らかくて、暖かくて、いい匂いがする。とても心地が良いのに……
胸の動悸が、止まらない。
「はっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……」
呼吸が激しくなる。
離れようとしても、全く体が動かない。
自分の体じゃないかのように、言うことを聞いてくれない。
「――大好き」
彼女が、耳元で甘く囁く。
「大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き」
「あ…………あぁ……」
脳内が彼女の声に侵食されているようだ。
声の反響が止まらない。ずっとずっと、聞こえ続けている。
気が、狂いそうだ。
「やめて……たすけ、て…………」
「ウフフ……ウフフフフ……♥」
彼女はずっと笑っている。
不気味で可愛らしく、微笑んでいる。
「ねぇ、一緒になりましょ……?」
彼女がそう囁いた時、酷い悪寒を感じた。
これ以上は本当にまずいと本能が叫んでいる。
それでも、体は動かない。
「待って…………」
「――はむっ」
耳たぶに唇の感触を感じた刹那。
目の前に光が差し込んだ――
「……やっぱり……夢……?」
スマホ画面の時刻は六時を表示していた。
朝だ。しっかり目も冴えている。
やはりさっきのは夢だったのだろうか?
「……だよな、やっぱりいる訳なんて無いよな」
何となく安心した。何だか悪夢みたいだった気がする。
気を取り直して、俺は朝の準備を始めた。
学園に通い始めてから俺はとあるアパートで一人暮らしをしている。
理由は父親が仕事の都合上よく転勤するからだ。三年間しっかりと学園に通うために、俺だけ一人暮らしをするよつになった。
朝ご飯を食べ、制服に着替え、バッグを持ち家を出る。
朝七時四十分間頃までに駅に歩いて向かい、そこから学校の最寄り駅までおよそ三十分。最後に少し歩いて登校。これが俺の通学路だ。
という事なので今日もいつも通り、駅から電車へと乗り込んだ。
そこそこ人口の多い町なので、電車も中々人が多い。満員電車とまではいかないものの、座席に座るのは中々苦労する。週に一回、座れれば良い方かもしれない。
今日は空いてるかな、なんて期待してみる。
「ダメか」
小声で呟いた。残念だが満席だ。
そうなれば、俺はいつも座席と扉の間にある角の部分に立っている。そこがもたれかけられて楽だからだ。
ガタンゴトンと電車が揺れる。電車の中はいつも暇だ。乗客も皆、スマホを見たり新聞を読んだりしてばっかり。
勿論、俺も暇つぶしに軽く動画を見ていた。お気に入りのゲーム実況なんかで目的地まで適当に時間を潰す。
電車に乗り始めて数分といったところだった。
何だか下半身がむずむずする。
トイレ、だろうか? でもおかしい。朝のルーティン的にいつも電車で催すことなんて無いのに。お腹だって壊してないし。
それに個人的に電車のトイレはあんまり好きじゃない。俺はとりあえず我慢することにした。
それからまた数分。
やっぱりおかしい。なんだか漏れそうだ。
最寄り駅まではまだ十数分もある。これじゃ間に合わない。やっぱりトイレに――
「――あれ?」
脚が動かない。
どうして? 我慢し過ぎて下半身がおかしくなったのか!?
いや、違う。そうじゃない。まるで両脚が誰かに抱え込まれたかのように抑えつけられて……
「あっ」
今、全てが分かった。
『両脚が抱え込まれている』そう意識した途端、それは突如として認識された。
一人の少女が、俺の両脚を抱え込んで抑えつけている。
そして、その少女が咥えているのは……
俺の、肉棒だ。
「――あっ、やめ、ろ……」
それを認識した途端、尿意が一気に射精感に変わる。
彼女を突き放そうにも、あまりの力に抵抗できない。
有り得ない程の力で俺の肉棒を吸い上げ、亀頭を舌で舐め回してくる。
全身を快楽が駆け巡り、痙攣が止まらない。
「他の乗客が、見て……」
電車の中でこんな事をされては捕まってしまう。
そんな焦りで周りを見渡すが、俺は唖然とした。
誰も、こちらを見ていないのだ。
俺の隣に立っているおっさんも。
向かい側で座席に座っているおばあちゃんも。
同じ学校に向かっている他クラスの同級生も。
誰も今の俺を見ていない。誰も今の俺を気にしていない。
「どういう事……あっ、待って……ダメだッ」
事態を把握しきれていないにも関わらず、彼女は容赦なく肉棒をしゃぶり続けている。
これまで頭が混乱していたお陰で耐えきれていたものの、流石にもう限界だった。
寸前まで精がこみ上げて来るのを感じる。
「もう、出ッ……っッ!!」
射精の瞬間、彼女は自ら俺の肉棒を喉の奥まで突き刺した。
彼女の喉に、俺の精が注がれていく。背中の髄から精液を吐き出しているような感覚に、目眩を感じてしまう。
それ程までに強烈な快楽。これまで感じた事の無い刺激。
童貞には、あまりにも強すぎる。
「く、ぁ…………」
長い長い吐精が終わり、彼女はゆっくりと肉棒を吐き出す。
彼女の唾液と俺の精液で酷く汚れた肉棒。そして、そんな俺の精液を全ての見込みながらも、屈託のない笑みを見せる少女。
まるで美味しいケーキでも食べたかのように、満足げな笑顔。
「お前は……やっぱり…………」
彼女は手を振ると、まるで幽霊のようにその場から消えてしまった。
俺はかろうじてズボンだけ履き直すと、その場でぐったりと倒れ込んでしまった。初めての経験で、体力がいっきに持っていかれた感覚がする。
「古明地……こいし……なん、で……」
やっぱりあれは夢じゃなかったのか。
そう考えながら、俺はゆっくりと眠りに落ちてしまった。
それから起こされたのは終点だった。
学校は結局、欠席した。