※この作品はR-18です。

無意識に愛されて、無意識に犯される   作:ナナシ

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電車の中で

 

 突然だが、古明地こいしをご存知だろうか?

 

 東方Projectに出てくる妖怪の一人で、古明地さとりの妹。鮮やかなセミロングの緑髪が特徴の可愛らしい少女だ。さとり妖怪という心を読む力を持つ妖怪なのだが、彼女はその力を嫌い第三の目を閉じてしまった。

 それ故に彼女は無意識に囚われるようになってしまい、常に他人に認識されることがほとんどなくなってしまった。一応、何かしらで強く存在を主張すれば見えることもあるのだが、基本的には見えない、見えてても全く気にされない、そんな存在が彼女なのだ。

 

 俺もそんな彼女についてはある程度知っていた。

 まぁ可愛いけどちょっぴり可哀想な女の子だな位には思っていた。

 

 

 

 ――そんな子が、どうして目の前にいるんだ?

 

 

 

 時刻は深夜。俺の自室。

 何かを感じてふと目覚めると、俺の目の前に立っていたのだ。

 俺の顔を、まじまじと見つめているのだ。

 

 夢かと思った。寝ぼけているのかと思った。

 だってそうだろう。仮想の世界の存在なんだぞ、本当に居る筈ない。

 居る筈がないんだ。

 

「……ウフフ」

 

 笑っている。

 微笑んでいる。

 ハッキリと声が聞こえてくる。

 

 怖い。

 何故か怖い。何かが怖い。

 人間の本能的な部分が逃げろと言っているようだ。

 けれど、身体は全く動かない。

 

 どうしようも、できない。

 

 彼女がゆっくりと近付いてくる。

 

「……♥」

 

 彼女は右手で俺の頬に触れた。

 ゆっくりと擦っている彼女の表情は、恍惚で満ちているようだ。

 

 彼女は、何がしたいんだろうか。

 

 そうしてしばらくすると、今度はゆっくりと両手で俺の頭を抱え、抱きしめた。

 痛みや苦しみなどは無い。柔らかくて、暖かくて、いい匂いがする。とても心地が良いのに……

 

 胸の動悸が、止まらない。

 

「はっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……」

 

 呼吸が激しくなる。

 離れようとしても、全く体が動かない。

 自分の体じゃないかのように、言うことを聞いてくれない。

 

「――大好き」

 

 彼女が、耳元で甘く囁く。

 

「大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き」

 

「あ…………あぁ……」

 

 脳内が彼女の声に侵食されているようだ。

 声の反響が止まらない。ずっとずっと、聞こえ続けている。

 気が、狂いそうだ。

 

「やめて……たすけ、て…………」

 

「ウフフ……ウフフフフ……♥」

 

 彼女はずっと笑っている。

 不気味で可愛らしく、微笑んでいる。

 

「ねぇ、一緒になりましょ……?」

 

 彼女がそう囁いた時、酷い悪寒を感じた。

 これ以上は本当にまずいと本能が叫んでいる。

 それでも、体は動かない。

 

「待って…………」

 

「――はむっ」

 

 耳たぶに唇の感触を感じた刹那。

 目の前に光が差し込んだ――

 

 

 

 

 

「……やっぱり……夢……?」

 

 スマホ画面の時刻は六時を表示していた。

 朝だ。しっかり目も冴えている。

 やはりさっきのは夢だったのだろうか?

 

「……だよな、やっぱりいる訳なんて無いよな」

 

 何となく安心した。何だか悪夢みたいだった気がする。

 気を取り直して、俺は朝の準備を始めた。

 

 学園に通い始めてから俺はとあるアパートで一人暮らしをしている。

 理由は父親が仕事の都合上よく転勤するからだ。三年間しっかりと学園に通うために、俺だけ一人暮らしをするよつになった。

 朝ご飯を食べ、制服に着替え、バッグを持ち家を出る。

 朝七時四十分間頃までに駅に歩いて向かい、そこから学校の最寄り駅までおよそ三十分。最後に少し歩いて登校。これが俺の通学路だ。

 という事なので今日もいつも通り、駅から電車へと乗り込んだ。

 

 そこそこ人口の多い町なので、電車も中々人が多い。満員電車とまではいかないものの、座席に座るのは中々苦労する。週に一回、座れれば良い方かもしれない。

 今日は空いてるかな、なんて期待してみる。

 

「ダメか」

 

 小声で呟いた。残念だが満席だ。

 そうなれば、俺はいつも座席と扉の間にある角の部分に立っている。そこがもたれかけられて楽だからだ。

 

 ガタンゴトンと電車が揺れる。電車の中はいつも暇だ。乗客も皆、スマホを見たり新聞を読んだりしてばっかり。

 勿論、俺も暇つぶしに軽く動画を見ていた。お気に入りのゲーム実況なんかで目的地まで適当に時間を潰す。

 

 電車に乗り始めて数分といったところだった。

 何だか下半身がむずむずする。

 トイレ、だろうか? でもおかしい。朝のルーティン的にいつも電車で催すことなんて無いのに。お腹だって壊してないし。

 それに個人的に電車のトイレはあんまり好きじゃない。俺はとりあえず我慢することにした。

 

 それからまた数分。

 やっぱりおかしい。なんだか漏れそうだ。

 最寄り駅まではまだ十数分もある。これじゃ間に合わない。やっぱりトイレに――

 

「――あれ?」

 

 脚が動かない。

 どうして? 我慢し過ぎて下半身がおかしくなったのか!?

 いや、違う。そうじゃない。まるで両脚が誰かに抱え込まれたかのように抑えつけられて……

 

「あっ」

 

 今、全てが分かった。

 『両脚が抱え込まれている』そう意識した途端、それは突如として認識された。

 一人の少女が、俺の両脚を抱え込んで抑えつけている。

 そして、その少女が咥えているのは……

 

 俺の、肉棒だ。

 

「――あっ、やめ、ろ……」

 

 それを認識した途端、尿意が一気に射精感に変わる。

 彼女を突き放そうにも、あまりの力に抵抗できない。

 有り得ない程の力で俺の肉棒を吸い上げ、亀頭を舌で舐め回してくる。

 全身を快楽が駆け巡り、痙攣が止まらない。

 

「他の乗客が、見て……」

 

 電車の中でこんな事をされては捕まってしまう。

 そんな焦りで周りを見渡すが、俺は唖然とした。

 

 誰も、こちらを見ていないのだ。

 

 俺の隣に立っているおっさんも。

 向かい側で座席に座っているおばあちゃんも。

 同じ学校に向かっている他クラスの同級生も。

 誰も今の俺を見ていない。誰も今の俺を気にしていない。

 

「どういう事……あっ、待って……ダメだッ」

 

 事態を把握しきれていないにも関わらず、彼女は容赦なく肉棒をしゃぶり続けている。

 これまで頭が混乱していたお陰で耐えきれていたものの、流石にもう限界だった。

 寸前まで精がこみ上げて来るのを感じる。

 

「もう、出ッ……っッ!!」

 

 射精の瞬間、彼女は自ら俺の肉棒を喉の奥まで突き刺した。

 彼女の喉に、俺の精が注がれていく。背中の髄から精液を吐き出しているような感覚に、目眩を感じてしまう。

 それ程までに強烈な快楽。これまで感じた事の無い刺激。

 童貞には、あまりにも強すぎる。

 

「く、ぁ…………」

 

 長い長い吐精が終わり、彼女はゆっくりと肉棒を吐き出す。

 彼女の唾液と俺の精液で酷く汚れた肉棒。そして、そんな俺の精液を全ての見込みながらも、屈託のない笑みを見せる少女。

 まるで美味しいケーキでも食べたかのように、満足げな笑顔。

 

「お前は……やっぱり…………」

 

 彼女は手を振ると、まるで幽霊のようにその場から消えてしまった。

 俺はかろうじてズボンだけ履き直すと、その場でぐったりと倒れ込んでしまった。初めての経験で、体力がいっきに持っていかれた感覚がする。

 

「古明地……こいし……なん、で……」

 

 やっぱりあれは夢じゃなかったのか。

 そう考えながら、俺はゆっくりと眠りに落ちてしまった。

 

 

 

 それから起こされたのは終点だった。

 学校は結局、欠席した。

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