麗子・マリア・ジョディーの性生活!sexy policeの奮闘記 作:ゼロファイター
今回は麻里愛を主役にした話となります。
違法薬物を使ったキメセクを売りにしているピンサロがあるとの
情報を掴んだ所轄の組織犯罪対策課はsexy policeに協力を仰ぎ、
麻里愛がそのピンサロにキャストとして潜入する。
大まかなあらすじはこんな感じです。
エッチなシーンだけでも読んでいってください!
日曜日の昼下がり、sexy policeの派出所は性欲を持て余した男達で溢れている。美人婦警に性処理をしてもらおうと、皆チケット片手に大人しく自分の順番を待っている。
平日は婦警2人で性処理業務に対応しているが、休日はピーク時のみ婦警を増員して回転率を上げている。例えば今日は通常業務の婦警2人に加えて麻里愛が応援として勤務している。
「38番の方、お待たせしましたわ」
「はいはーい、やったぜ!麻里愛ちゃんだ!」
勢いよく手を挙げた男性がガッツポーズしながら紫色のビキニ制服姿麻里愛の元に駆け寄る。
「うふふ、いっぱい気持ちよくなってくださいね❤️」
麻里愛が耳元で囁くと、男性は身体をゾクゾクと震わせる。右手を麻里愛の桃尻に伸ばして、フニフニと触りながら奥の部屋に消えていった。その様子を順番がまだ回ってこない男連中が羨ましそうに見つめていた。
「じゅぽっ、じゅぼっ、ずずー、じゅぷ、じゅぷ❤️」
奥の部屋に入ると、男性は麻里愛とキスをしたり、おっぱいを揉んだり、尻肉を掴んだりして麻里愛のセクシーな身体を一通り楽しんだ。
そして今は麻里愛の可愛いお口でチンポをフェラチオしてもらっている。
「うおぉ…麻里愛ちゃんのフェラ…他とは別格の気持ち良さだ」
「ちゅば、ちゅぶ、嬉しい❤️ぴちゃ、ぴちゃ、もっとサービスしますわ❤️」
そう言って麻里愛は舌を使ってカリを念入りに刺激する。熟練したテクニックで男性に快感を与ていく。歯が当たらないようにしながら、チンポを喉奥まで深く咥えていく様は清楚な見た目からは想像できない。
「ずちゅうう、ぎゅぽ、ぎゅぽ、ぶきゅっ」
「あぁ…麻里愛ちゃん、そんな激しく…おじさん我慢できないよ…」
「ぶちゅぅ…れろれろ…我慢なさらずに、沢山射精してください…じゅぷ、じゅぷ…ちゃんと全部飲まさせて頂きますわ❤️」
麻里愛は頭を激しく上下させ始めて、パワフルな動きで激しい快感を与える。男性の息遣いは荒くなっていき、限界が近いことを知らせる。
「はぁ…はぁ…ま、麻里愛ちゃん…んっっ!射精る!」
ドピュッドピュッドピュッ…
口内のチンポから白濁液が勢いよく発射される。男性は麻里愛が口を離さないように、頭を手で押さえる。しかし、元より逃げるつもりが無い麻里愛は無抵抗のまま、放出される精液を次々に飲んでいく。
「ゴクゴク…っぷは…とっても濃い…ごちそうさまでした❤️」
「ふぅ…今日も凄く気持ち良かったよ…もしかして麻里愛ちゃんって、元風俗嬢だったりする?」
「レロレロ…いいえ、風俗で働いたことはありませんわ」
麻里愛は鈴口などに残っているザーメンを丁寧に舐め取りながら、質問に答えた。
「本当に〜?それでこのテクニックは凄いよ。はぁあ…もっとこの快感を味わいたかった…」
男性は残り時間を表示しているタイマーを横目でチラリと見る。残り時間はまだ5分も残っている。折角貴重なチケットを使用したのに、こんなに時間を余らせるのは勿体ない。
「うふふ、またいらしてくださいね」
「いや、そうもいかない。実は、やっとボランティア参加権の抽選に当たったんだ。二日間のボランティアだからチケットが4枚手に入る。残り1枚を頑張って工面して、次は本番行為で性処理してもらおうと思っている」
フェラをしてもらうには支給されるチケット1枚を消費するが、本番行為には5枚も必要だ。チケットの入手法は毎月3枚の支給の他に、地域ボランティアに参加することでゲットできる。しかし、sexy policeが始まって以降、ボランティアへの参加希望者が急増してしまい、参加者を抽選で決める事態になっている。
「ボランティアに参加されるなんて立派ですわ!頑張ってください」
「ありがとう麻里愛ちゃん。チケット5枚が貯まったら、その時は麻里愛ちゃんに使うよ」
「お待ちしていますわ❤️」
麻里愛と男性は約束のハグをした。その際に、麻里愛の爆乳が男性の胸板に押し潰されて、男性の顔が綻んだ。
麻里愛が性処理業務に勤しんでる最中、僕は品川区にある警察署の会議室にいた。この警察署には本庁広報課の一つ前に所属していた、いわゆる古巣と呼べる場所だ。しかし、今の僕は表情が緊張で強張り、誰もいない会議室で背筋を伸ばして座っている。
その原因は僕を会議室に待たせている人物にある。約束の時間を10分以上過ぎているが、その人物はまだ会議室の中に入ってこない。
(早く用事を済ませて帰りたい…)
そんなことを考えていると会議室のドアノブがガチャリと大きな音を立て、勢いよくドアが開かれる。
「おう、待たせたな」
僕は椅子から飛び上がって直立する。
「いえ、とんでもございません」
「そうか。まあ、座れ」
「はい。失礼します」
僕は再び椅子に腰をかける。相手の人物も対面の席に座った。
僕が緊張して仕方ないこの人物は、この警察署の組織犯罪対策課課長である小原警視だ。警視とは警察の階級において、下から数えて6番目にあたる階級だ。
昔から現場一筋の敏腕刑事として数々のヤクザ絡みの事件を解決してきた。管理職になった今でも机の前より現場に出ている時間の方が長い。
「どうだ、元気にしてたか?」
「はい、おかげさまで…」
僕はこの警察署の組織犯罪対策課で、つまり小原警視の下で刑事をしていた。その頃は警視が発する威厳やオーラにいつも緊張していた。分かりやすく言えば、昭和の部活動における顧問と生徒のような関係性だろうか。しかも、顧問が校内でも重鎮のパターンだ。
「俺はてっきり、太い眉毛の厳つい警官が来ると思っていたが、まさかお前が来るとはな」
警視が言っている厳つい警官とはsexy policeのリーダーのことだ。彼はsexy policeを更に拡大させる為には上層部が評価しやすい手柄が必要と考えた。そこで持ち前の行動力を発揮して、本庁や警察署のあらゆる部署にsexy policeを売り込んでいった。
しかし彼の押しの強さを以てしても、sexy policeを使ってくれる部署は中々現れなかった。そんな中、条件次第では応援を要請すると言ってくれたのが目の前にいる小原警視だ。
「なんで、奴は来ないんだ?」
「すいません…しばらくの間、海外に行っていまして…」
「海外?バカンスにでも行ってるのか?」
警視が少しムッとした表情で聞き返す。それを見た僕の心臓がキュッとなる。
「い…いえ、バカンスではなく、海外の警察機関を視察しに行っています」
「視察か…なんで、一地方公務員が海外視察に行けるんだ?」
「それは僕にも分かりません」
本当は内戦地帯におつかいへ行くというネットテレビ局の企画で海外に行っているのだが、本当のことを言っても話がややこしくなるだけなので、嘘をついた。
「まあいい。寧ろ元部下のお前に来てもらった方が却って話は早い」
「ありがとうございます」
「雑談はここまでだ。本題に入るぞ」
雑談だったんだ…と僕は心の中で呟いた。それくらい僕はずっと緊張感を感じていた。
「今、うちの課では麻薬の密売ルートを追っている。バックにいるのは臥馬貯(がばちょ)組だ」
「臥馬貯組?あいつらの縄張りは渋谷周辺でしたよね。こっちまで手を伸ばしてきたんですか?」
「ああ、この辺の組で内紛が起きてな。組織がガタガタになっている隙を突かれて、臥馬貯組の進出を許しやがった」
「それはまた厄介ですね」
「本当に情けない連中だ…それでだな、臥馬貯組の麻薬密売ルートのうちの一つにピンサロを使ったルートがあると情報が入った」
「ピンサロ…」
ピンサロとはピンクサロンの略称であり、フェラチオを主とした性的なサービスで接客をする風俗店である。値段が比較的格安であることや個室ではなくパーテーション等で区切られたブースでサービスを行うことが特徴だ。
「薬を売ってるピンサロですか…」
「信じられないか」
「いえ!とんでもありません」
「いや、気持ちは分かる。俺も最初に聞いた時はガセだと思った。しかし、信用できる筋からの情報だから捜査を始めてみたら、これが意外にも本当みたいだ」
「はあ…」
本当だと言われても中々に信じ難い。薬を売る風俗というのは理解できる。金稼ぎのことしか考えていない反社がキメセクを売りにした風俗を裏で営業させることはあるだろう。しかし、それをピンサロで行う意図が理解できない。ピンサロは正確に言うと風俗店ではなく飲食店である。その為、個室でのサービスはできず、先述の通り広いオープンスペースを区切ることくらいしかできない。
また、こちらも先述の通りピンサロの主なサービスはフェラチオだ。格安故に回転率を上げて儲けるのがピンサロのやり方である。
秘匿性も無ければ、セックスもできないピンサロでキメセクもどきを行うような店舗が本当にあるのだろうか。以上が僕の正直な感想だ。
「そのピンサロは…反社向けの会員制だったりします?」
あまりにも信じられないが故に“会員制ピンサロ”などと口走ってしまう。
「いや、そんなことせず堂々と一般客に向けても営業している。事情を知らない奴から見たら普通のピンサロだ」
「一般向けにも営業…よくもまあ、そんな大胆なことをしますね」
「元々は普通のピンサロだ。最近の物価高で経営が傾いて、その隙を突かれてヤクザに乗っ取られてしまったらしい」
「なるほど…元からあった店舗が急に一般客を締め出すと怪しまれるから、今でも普通のピンサロを装って経営しているという訳ですか」
「そうだ。あくまで表面上はな」
警視は意味深に呟くと、数枚の写真を机に広げた。写真には薄暗い室内の様子が写っている。
「この写真は…ピンサロの店内ですか?」
「ああ、うちの捜査員が潜入した時に盗撮した写真だ」
潜入と良いように言っているが、ただピンサロに行っただけだろと、僕は心の中で思った。しかし、決して口には出さない。
「それでこっちがピンサロが入っているビルを外から撮った写真だ。これを見てどう思う?」
僕は複数の写真を見比べる。
「……なんか、ビルの外観と比べると奥行きが無いように感じますね」
「その通り。中に入った捜査員も同じことを言ってた」
「あと、店内に太い柱が何本かありますけど、これも怪しいですね。この高さのビルにしては多すぎる…奥のスペースを遮っているように感じます」
僕がそう言うと、警視はもう一枚写真を取り出した。
「これは同じビルの下の階にある中華料理店の写真だ。見ろ、こっちの店には柱が無い」
警視の言う通り、ピンサロも中華屋も店内は殆ど同じ構造であるが、柱の数だけが全然違う。
「ピンサロには同じ捜査員を何度か通わせたが、いつも決まって入り口に近い手前側の席に案内される。柱より奥側の席に案内されたことは一度ない」
「つまり、手前側のスペースに一般客を入れて、隠れた奥のスペースで薬を売ってるということですか?」
「俺はそう睨んでる。他にも怪しい点があってだな、捜査員の1人が受付で見た嬢の出勤リストにはいなかった嬢が店内の奥のスペースへ向かう所を目撃している」
「小さな怪しい要素が積み重なってくると、このピンサロが真っ黒に見えてきますね」
「そうだろ。奥のスペースでは、ドラッグ目的の客に専用の嬢をあてがって違法なサービスをしている、と推察している」
「そこで秘匿性を確保しているという訳ですね」
一般客とドラッグ目的の客を店内を分断しているというなら、この話にも多少の信憑性を持たせることができる。
さっきはピンサロだから本番行為は無いと決めつけていたが、挿入有りのキメセク専門の嬢を雇っている可能性が出てきた。
「色々調べて怪しい点は幾つか見つかった。だが、逮捕の決め手になる証拠がまだ掴めていない。客として潜入するだけでは限界がある」
犯罪者を逮捕するには裁判官に逮捕状を発布してもらえる程度の証拠を集める、もしくは犯行現場を直接押さえる必要がある。
「ここまで言えば、お前の部署に何を協力して貰いたいか、分かるよな?」
警視は僕の目をまっすぐ見て話してくる。鋭い眼光に思わず僕は息を呑んでしまう。
「このピンサロの嬢となって潜入捜査をする婦警を派遣する、で間違いないですか?」
「おう、その通りだ。肝が据わった器量の良い子を頼むぞ」
僕は警視のお願いに苦笑いで返す。
「…わかりました。ご期待に沿えるよう、全力を尽くします。しかし、よく上層部から了承を得ることができましたね」
「そんなこと造作もない。俺に反論できる奴なんてこの警察署にいない」
実際にその通りだから恐ろしい。この警察署の署長の階級は同じく警視だ。しかも、年齢・実績・人望全てにおいて小原警視の方が上回っているので、この署における実質No. 1は小原警視なのだ。
僕は警視との打ち合わせを終えると、古巣に軽く挨拶をしてから署を後にした。緊張から解き放たれて、軽く腕を伸ばしながら帰路に着く。行きと違って帰りの足取りはなんと軽いことか。
しかし、大変なのはこれからだ。潜入捜査といった難易度の高いミッションを課されたのだ。人員の選抜、必要な知識の教育、二重生活を送る為の部屋の手配など数多くの準備が必要である。また、潜入捜査員へのメンタルケアなどのサポートも欠かせない。
リーダーが不在の中、僕が殆どをこなさなくてはいけない。
(できるかな…でも、少し燃えてきた)
不安や心配を感じてしまうが、それと同時に久しぶりの本格的な刑事捜査に高揚感も感じている。sexy policeの日常業務や盗撮犯の逮捕にもやりがいは感じているが、体の芯まで悪事に染めている反社相手の捜査は腕が鳴る。
(潜入捜査を誰にお願いするか)
この捜査で最も重要なファクターは何と言ってもピンサロの内部に潜り込んで、仕事をこなしながら証拠を集めることができる捜査員だ。性奉仕はsexy policeの得意分野だからピンサロの仕事に順応するのは簡単だろう。しかし、性奉仕しながらの捜査は未知の領域だ。そもそも刑事捜査の経験者がいないし、しかも相手は違法薬物を売り捌くヤクザだ。
敵地でも平常心を保つ強靭な精神力と、いざとなったら自分の身を守れる程度の自衛力を有する人物が適している。となると、あの2人のどちらかしかいない。
「…という訳で、お願いできないかな。麻里愛ちゃん」
僕は警視と打ち合わせをしたその足で新葛飾署に向かった。偶然にもsexy policeの勤務を終えた麻里愛が書類を提出しに来ていた。僕はこの機会を逃すまいと、麻里愛に声を掛けた。署の応接室を借りて事情を説明した後に、ピンサロへの潜入捜査をお願いした。
(すぐに答えは貰えないかな…)
「いいですよ」
「えっ⁉︎いいの?」
あっさりと了承してくれた麻里愛に思わず本当にいいのか聞き返してしまった。
「ええ、皆野さんの話を聞く限り、ピンサロというのはsexy policeの性奉仕と似ていますよね。だから問題ありませんわ」
「そうだけど…、ヤクザがバックにいるピンサロで働くことになる点は大丈夫?」
「大丈夫です。いざとなったら、壁に穴を開けて逃げますわ❤️」
「ははは…」
あまりにも軽い口調なので冗談に聞こえてしまうが、たぶん本気で言っているのだろう。麻里愛の規格外のパワーに僕の愛想笑いも引きつってしまう。
「逆に私で大丈夫ですか?風俗で働いこともありませんし」
「麻里愛ちゃんが一番の適任だよ。風俗の知識とかは僕がフォローする。むしろ、未経験者の方が都合が良い。相手も油断するだろうし」
「だったら、大丈夫ですわね。でも、麗子さんではなくて、私を一番に選んで頂けるとは少し意外ですわ」
潜入捜査は麗子か麻里愛のどちらかにお願いするつもりだった。演技力や臨機応変な対応力の観点から考えると、麗子の方が適任に思える。しかし、麗子は衝撃的なAVデビューが世間の話題を掻っ攫ったばかりだ。いくら髪を染めたり、カラコンを付けたりして変装しても、身バレするリスクは比較的高いだろう。
一方、麻里愛はsexy police界隈では有名な存在だが、世間の知名度はそこまで高くない。かつて僕が書いたsexy police密着記事に麻里愛の写真を掲載したこともあったが、こちらも注目を集めたのは麗子の日本人離れした容姿だった。素性を隠しやすいという観点から考えると、麻里愛の方が適任だ。加えてあの腕力があれば、ある程度のピンチは切り抜けることができるだろう。以上が麻里愛を選んだ理由だ。僕は理由を正直に麻里愛に伝えた。
「そのようなお考えなのですね。納得ですわ」
麻里愛が納得してくれて良かった。潜入捜査は孤独な戦いだ。気になる点は些細なことでも潰していくに越したことはない。
麻里愛に了承を貰ったことで気が晴れた僕は潜入捜査の具体的な打ち合わせを始めた。
「潜入捜査の件は、捜査関係者以外には警官であっても口外してはいけないんだけど…麻里愛ちゃん的には、麗子には協力してもらった方が安心かな?」
「そうですわね。メイクやヘアセットでアドバイスを頂きたいです」
「麗子のメイク術はハリウッド級だからね。分かった、僕から麗子に声を掛けておくよ」
潜入捜査を成功させる為には麻里愛の印象をガラリと変える必要がある。最低でもsexy policeの常連が偶然見かけても分からないくらいには。それができれば警視を始めとする捜査本部は容認してくれるだろう。
「麻里愛ちゃんからは何か質問ある?」
「そうですわね…名前は偽名を使ったりするんですか?」
「いや、そこは本名でいく。というか、いかざるを得ない」
潜入捜査といえば偽名を使うイメージであるが、現実はそうもいかない。
「それは、どうしてですか?」
「風俗といえども、面接の時に身分証明書を提示する必要がある。特に最近は外国人の不法労働に警戒してて、本籍地まで確認してくる」
この説明だけで麻里愛は理由を察した。
「そういうことですか。身分証を偽装できないから、本名でいく訳ですわね」
「そう。公文書偽造は立派な犯罪だから、偽物の身分証を作る訳にはいかない」
最近は偽の身分証を捜査に使える“仮装身分捜査”の導入が決まりかけているが、sexy policeが関わる捜査に使えるようになるのはまだまだ先の話だろう。
「でも、本名を使ったら身元がバレないでしょうか?」
「署にくるまでに麻里愛ちゃんの知名度をネットで調べてみたんだけど、殆ど全てのケースで麻里愛ちゃんのことは“マリア”と呼ばれてた。“あさと あい”と呼ばれているものは皆無だった」
「言われてみれば、確かにそうですわ」
「僕が書いた密着記事にも名前は書いてないから、名前だけではバレないはずだ」
とは言いつつ不安要素であることは間違いない。風俗関係者ならあの記事を読んでていてもおかしくはない。
でも今更、他の子に打診するつもりはない。麻里愛以外の子で成功する青写真を描くことができない。
「あと確認しないといけないことは…あっ、パスポート持ってる?」
「はい、持ってますわ。身分証はパスポートを使うんですか?」
「さっきも言ったけど、外国人の不法就労を防ぐ目的で、面接の時に本籍地を確認する。住民票と免許証のセットでも大丈夫だけど、麻里愛ちゃんは署の女子寮に住んでるから、本物の住所はバレないようにしないと」
「だから、パスポートなんですね。でも、履歴書に住所を書かないといけないのではないですか?」
「ピンサロの面接に履歴書は要らないよ。代わりに、面接する時に“ヒアリングシート”というのを書くけどね」
「でしたら、結局そこでバレてしまうような…」
「大丈夫。今回の捜査のために、アパートの部屋を借りるから。住所はそのアパートのものを記入して。流石にピンサロから女子寮へ帰るわけにはいかないからね」
「すごいですわ。部屋を借りるなんて本格的ですわ」
本格的ではなく、本物の捜査なんだけどねと僕は心の中でツッコミをいれた。
その他に確認しておきたいことを聞き終えて、僕は麻里愛との打ち合わせを終わらせた。その日のうちに、潜入捜査員の候補として麻里愛の写真とプロフィールを警視に送りお伺いを立てたところ、すぐに承認の返事が返ってきた。
繁華街の隅っこにポツンとある喫茶店。店内には外回りをサボってる営業マンやノートに新曲のアイデアを書き留めている新人アーティストが長時間居座っている。
カランコロン
喫茶店の扉が開けられて、新しい客が入ってきた。ロングの茶髪をふんわりとカールさせた女性だ。濃いめのアイシャドウをしており、メイクは若干派手だが、服装は安っぽくてアンバランスだ。
「いらっしゃいませー、おひとり様ですか〜」
「いえ、待ち合わせをしてまして…」
店に入ってきた女性は男性店員のやる気のない問いかけに答えて、店内をキョロキョロと見渡す。
すると、奥のテーブル席から1人の男性が女性に向かって手を振り、手招きをしてきた。
女性はその男性のいるテーブルに向かって歩き始めた。
「すいません、お待たせしてしまいましたか?」
「いえいえ、全然待ってません。わざわざご足労いただきありがとうございます。ささっ、どうぞ座って」
男性は女性に座るように促した。
女性は失礼しますと丁寧に断ってから椅子に座った。
「麻里と申します。本日はよろしくお願いします」
茶髪の派手メイクの女性の正体は麻里愛だった。麗子からのアドバイスを基に、普段のイメージとは真反対の印象を与えるメイクに挑戦した。その結果、清楚な見た目だった麻里愛はメイクの下に隠れて、姫系ギャルのような見た目に生まれ変わった。
ここまで印象が大きく変われば、麻里愛推しの常連にもぱっと見では気づかれないだろう。
「よろしくお願いします。本日の面接を担当させて頂きます。店長の今井です」
今井と名乗る男性はテーブルに両手をついて頭を下げた。顔を上げると白い歯をキラリと光らせて、麻里愛に笑顔を向ける。
肌は浅黒く日焼けしており、肌との対比でホワイトニングした歯が余計に白く見える。面接相手の女性に怖い印象を与えない為なのか分からないが、髭をきちんと剃っていたり、無地の白いワイシャツを着ていたりと清潔感のある見た目を心がけているように見える。
しかし、サイドを刈り上げてたワイルドツーブロックの髪型や首に掛かっているゴツい金のネックレスなど、所々からヤンチャな素性が見え隠れしている。
「まずはこの用紙の記入をお願いしますね」
今井は白紙のヒアリングシートとボールペンを手渡してきた。シートには名前や住所、スリーサイズなどの個人情報を記入する欄の他に、風俗経験の有無やホームページへの顔出しの可不可、OK/NGプレイなどを記入する欄もある。
麻里愛は事前のシミュレーション通りに空欄を埋めていく。
「綺麗な字ですね。今まで面接してきた子の中でダントツだ」
「ありがとうございます」
今回の潜入捜査にあたって、麻里愛の綺麗な字や丁寧な言葉遣いを隠して、今の見た目に合った言動をするという案もあったが、小さなキッカケでボロが出てしまうことが危惧されたので、言動に関してはいつも通りのままでいくことにした。
「書き終わりましたわ」
「はいはい、ありがとうございます」
麻里愛は今井が読みやすいようにシートを反転させて渡す。
「うんうん、バストは93.5cmでGカップか、グラビアイドル並みののプロポーションだね。風俗経験は無し、ホームページの顔出しはNGか…」
今井はボソボソとシートの内容を声に出していく。他の客には聞こえない程度のボリュームだが、少しデリカシーに欠ける行動だ。
一通り読み終えると目線を麻里愛に戻して、質疑応答が始まった。
「まず聞きたいのは、どうしてうちのピンサロに応募してくれたのか、動機を教えてください」
「えっと…恥ずかしながら…借金です…」
麻里愛は面接対策用に作成されたマニュアル通りに、目を伏せながら志望動機を答える。
「ああ、借金ね。そんなに恥ずかしがらなくても大丈夫ですよ。借金が理由で風俗に来る子は沢山いますから」
「やっぱり、多いんですね…」
「そうですね。昔と比べたら割合は減りましたけど、まだまだ多いかな」
今井は面接官として敬語を話しつつも、時折フレンドリーにタメ口を混ぜながら麻里愛と会話をする。
「ところで、借金は麻里さんが借りたもの?」
「いえ、彼氏が作ったもので…」
「それを麻里さんがピンサロで働いて返すの?酷い彼氏さんですね」
「普段は優しいんです!多少、破天荒な部分はありますけど…」
麻里愛は架空の彼氏に対する擁護はやけに感情が乗っていてリアルだ。彼女の脳裏には長年の想い人がよぎっていた。
「すいません。他人がとやかく言うことではなかったですね」
「いえ、私こそ感情的になって申し訳ありません」
「ちなみに、その借金はどこから借りてますか?」
「大手の消費者金融です。借用書を見たので間違いありません」
「それなら良かった。闇金からの借金だと、お店まで取り立てに来ることがあるから、一応確認させていただきました。色々と面倒なのでね…」
今井はシートにこれまでのやり取りを逐一メモしていく。
「風俗への志望動機は分かりました。しかし正直言って、ウチみたいなピンサロには勿体無い気がするなぁ。麻里さんの容姿と身体ならヘルスやソープで稼げますよ」
何だったら良いところを紹介しましょうかと今井は言ってきた。このような展開もしっかり対策済みだ。
「お心遣いは大変ありがたいのですが…今まで風俗で働いた経験が無いので、個室で接客するのは不安があります」
個室で男性客と1対1で相対するヘルスやソープと違って、オープンスペースで接客するピンサロは風俗嬢にとって安心できる環境といえる。初めて働く風俗としてピンサロを選ぶのは納得してもらいやすい。
「そうですか。まぁ、最初は怖いよね〜」
「すいません。ご厚意を無下にして…」
「そんな、気にしないでください。麻里さんは言葉遣いも丁寧ですね。見た目からは想像できないくらい」
「やっぱり変ですかね。母親から厳しく躾けられたので、中々今の言葉遣いが抜けなくて…でも、この格好は大好きなんです」
「いや、いいと思いますよ。ギャル風の見た目の子がお嬢様みたいな口調で話すのは目新しい」
「ふふ、ありがとうございます」
面接はトントン拍子に進んでいき、勤務できる時間帯や日付、タトゥーや喫煙経験の有無を聞かれた。
「それでは麻里さんの面接の結果ですが、合格とさせていただきます」
「ありがとうございます!ホッ…」
麻里愛は第一関門を突破できたことにホッとした。
「美人さんだし、ナイスバディだし、愛嬌もあるし、言うことなしです。事前にお伝えした通り、この後お店まで来てもらって、プレイ内容の講習と体験入店をやって貰います」
「はい、分かりましたわ」
「それでは行きましょうか」
今井と麻里愛は椅子から立ち上がる。しかし、そこで今井がピタリと動きを止める。
「どうかしました?」
「何だろう…何か違和感があるな」
「えっ…」
麻里愛はドキッとする。自身の行動にどこか違和感を感じさせる箇所があったのだろうか…
「あっ!そうだ、身分証を確認するのを忘れていました」
今井は明るい口調で言った。思い出せてスッキリした様子の今井は再び椅子に腰かける。
「ホッ…身分証ですね。パスポートで大丈夫でしたよね?」
麻里愛も椅子に座って、バッグの中からパスポートを取り出す。
「ええ、大丈夫ですよ。確認させていただきます」
麻里愛はパスポートを手渡し、今井がパスポートを開いて氏名や本籍地を確認する姿をじっと見つめる。
「本籍地は東京…他もシートの情報と合ってるな…」
麻里愛は先ほどとは違う緊張に襲われている。パスポートの写真はいつもの麻里愛の写真だ。もしも、今井がsexy police、それよりも前の派出所や交通課の婦警として働く麻里愛の写真をどこかで見ていたら厄介なことになる。
「この写真は何年前に撮ったんですか?今の麻里さんとイメージが全然違いますね」
今井はパスポートの写真と実物の麻里愛を見比べてながら訪ねる。
「2年前です。もうよろしいですか?昔の私を見られるのは嫌なんです」
今までの丁寧な口調とは打って変わって、明らかに不機嫌な口調で話してきた麻里愛に今井は面を喰らってパスポートを閉じる。
「えっ…ああ、ごめんなさいね。関係無いところまでジロジロ見ちゃって」
今井は謝りながらパスポートを麻里愛に返す。
パスポートを受け取った麻里愛は、今度は控えめな口調で、
「…すいません」と呟いた。
「いいんですよ。誰にだって触れられたくない過去くらいありますから。この業界に入る子なら尚のこと」
今井はあまり気にしてないようだ。この手の女の子の過去を詮索しても、得なんて無いことをよく分かっている。
緊張の身分証確認を終えることができて、麻里愛は静かに息を吐いた。
見事に面接をクリアした麻里愛は今井に連れられて件のピンサロの中に入っていく。
僕はビルの中に入っていく2人を確認すると、近くに停めておいたワンボックス車に入って、ノートパソコンを起動させる。
「本当にこんな明るいうちから営業しているのですね」
「風俗は夜のイメージですけど、朝や昼間から営業している店は珍しくないんですよ。ちなみに、うちは朝の10時から夜の0時までの営業です」
パソコンの画面には麻里愛の前方視界が映っており、イヤホンからは2人の会話が聞こえてくる。
「感度は良好だな。このまま録画しよう」
店内の様子をリアルタイムでチェックできるよう、麻里愛には隠しカメラを仕込んでもらった。
仕込んだ場所は麻里愛の頭だ。
超薄型軽量のカメラを麻里愛の頭皮に装着している。かつて、リーダーを監視するために、寝ている間に髪の毛を剃り上げてカメラを装着し、再び植毛して監視カメラを仕込んだことがあったらしい。そのことを麗子から聞いた僕は、そのカメラの改良型を取り寄せた。
改良型は更に小型になっており、ボディが櫛の形になっているので、髪を剃らなくても頭皮に装着できる。体温で充電できる熱電池も更に改良されており、美麗な映像と音声を電波で遠くに送ることもできる。僕のパソコンに届いた映像は警視が率いる捜査本部にも転送されており、署で控えている刑事たちも画面を注視している。
盗撮映像に証拠能力はないが、店内の状況を映像で確認できるのは大きい。小型骨伝導スピーカーを耳の裏に装着しているので、こちらから指示を出して撮影して欲しい場所に誘導もできる。
「ずっと音楽が流れていますね。この曲が好きなのですか?」
「ん?あー、この曲はブース内のやりとりが他の客に聞こえないようにする為に流してるだけなんですよ。だから、誰の、何の曲かすらも知らないです」
ピンサロ特有の大音量BGMの中でも麻里愛達の会話はクリアに聞こえる。何か解決に繋がる会話を拾えればいいなあ。
麻里愛は今井の後ろをついていき、性サービスが行われるソファー群を経由して、この店舗の事務所に入っていった。
麻里愛は見慣れない場所に興味津々な感じを装って、事務所内をキョロキョロと見回してカメラに収める。
(採用されてすぐの麻里愛ちゃんが入れるくらいだから、特に怪しいモノは置かれてないな)
これ以上キョロキョロしてたら怪しまれるかもしれないので、僕は麻里愛ちゃんのインカムに事務所の撮影はもう大丈夫と伝えた。
「まずは実技講習として、30分ほどDVDを見てもらいます。ここに座ってね」
今井はノートパソコンが置かれた机の前に椅子を置いて、座るように促した。麻里愛が腰をかけると、DVDから読み込まれた映像が再生される。
「……(始まった、どんな内容なんだろう)」
映像の内容は、ミニドレスを着用した女性とスーツ姿の男性がそれぞれ嬢と客をロールプレイして、接客の流れを説明していくものだ。
(風俗業界にも教本ビデオがあるんだな。どこの会社が作ってるんだ?)
映像の始まりに制作会社のロゴが無かったから、市販されているものではないのかな。そうなると、ここのピンサロが自作したのか。いや、ここは個人経営だったはず。ピンサロ業界にも大手グループがあるので、そういうところから買い取ったのかもしれない。
僕はそんなことを考えながらカメラ越しに教本ビデオの映像を見ている。映像はいよいよメインのフェラチオの実技パートに入った。嬢役の女性がチンポの代わりにディルドを咥えている所に、アドバイスが書かれたテロップが出ている。
「すいません、終わりました」
教本ビデオを見終えた麻里愛は今井に終了を知らせる。
「もう一度見たいところとかある?」
「いえ、大丈夫です」
「それじゃ、今見たDVDの内容通りに、接客の流れを実演していこう 」
中々辿りつけない麻里愛のピンサロデビュー。これが普通なのか、それともこの店が丁寧なのかは分からないが、こちらとしては暇で仕方ない。僕は大口を開けてあくびをしてしまう。もちろん麻里愛に通じるマイクは切っている。
(どうでもいけど、今井は完全にタメ口に切り替えたな)
麻里愛と今井はそれぞれ嬢と客に扮して、擬似接客を始める。ビデオの内容通りの流れで接客していき、ディルドをいつもの感じで咥えていく。
「そうそう、上手だねー。本当に風俗未経験?」
麻里愛のフェラテクニックを見ていた今井が軽い調子で聞いてくる。麻里愛の動きが一瞬止まった。風俗未経験という設定ということを失念していたのだ。
「麻里愛ちゃん、焦らないで。彼氏にやらされて上手くなったと答えれば大丈夫だから」
僕はマイクのスイッチをオンにして、麻里愛へアドバイスを送った。アドバイスは麻里愛の耳にしっかり届いたようで、小さく頷いて嘘の理由を話し始めた。
「風俗で働いたことは本当にありませんわ。でも、彼氏にフェラチオを毎日のように求められていますので、テクニックには自信がありますの」
「そうなんだ。こんな可愛くて従順な彼女に毎日フェラしてもらえるなんて、その彼氏さんが羨ましいよ」
「そんな、可愛いだなんて。照れまわすわ」
麻里愛は照れ隠しに今井の胸を軽く小突いた。しかし、抜群の格闘センスを持ち合わせる麻里愛は無意識のうちに、最も無防備な部分を的確に打ち抜いてしまった。
「ゲホッ!ゲホッ!ヒュー…」
今井は突然むせ返り、一時的な呼吸困難になってしまった。
「大丈夫ですか⁉︎すいません、痛かったですか?」
「大丈夫…ちょっと変なところに当たっただけだから」
今井は麻里愛に心配をかけまいと、気合いで咳を抑え込んだ。
(ヤクザと絡んでいる割には、この今井っていう人は根っこから悪い奴ではなさそうだな)
画面越しに見た今井は見た目こそイカツイが、親しみやすい性格で、人当たりも良い。しかし、最初の挨拶で店長を名乗っていたから、ピンサロ内でのクスリの売買に絡んでいることは間違いない。引き続き言動には注意を払っていこう。
「実技講習はこれで終了。次はいよいよ本物のお客様にサービスをしてもらうよ」
「はい!頑張りますわ」
「それじゃあ、控え室に移動しよう…あっ!」
今井は突然大声を出した。麻里愛はまたしてもびくりとする。
「まだ源氏名を決めてなかったね。何か希望はある?」
この忘れっぽい性格はどうにかしてほしいと麻里愛と僕は思った。
「希望ですか…うーん、源氏名…」
「初めてだから、どういうのが良いのか分からないよね。そうだなあ」
今井は天井を見上げて麻里愛の源氏名を思案する。
「そうだ!さっきパスポートを見た時に思ったんだけど、麻里さんって女優のマリリンに似てるよね!香港映画によく出てる、知らない?」
「……えーと、すいませんが、存じ上げませんわ」
唐突に実妹の名前が出てきて、麻里愛は咄嗟に知らないふりをしてしまった。
「凄く可愛くて、演技も上手で、アクションもできる、香港映画の大スターなんだよ!折角、似てるから“マリリン”っていう源氏名はどう?」
「!!…いや…それは…ちょっと嫌です。女優さんの名前をそのまま使うというのは…」
捜査として風俗で働くのは我慢できるが、妹の名前で呼ばれるのは流石に耐えられない。麻里愛は拒否するが、今井は食い下がってくる。
「ダメかぁ……。じゃあ下の名前だけ取って“リン”はどう?」
どうしても麻里凛の要素を残したいみたいだ。これでは妹の名前そのままだが、良い代案を麻里愛も僕も思いつかない。
「ダメだ、彼の案を拒否するほどの源氏名が思いつかない。悪いけど麻里愛ちゃん、ここは“リン”を受け入れよう。これ以上ゴネたら不自然に思われてしまう」
「分かりましたわ。“リン”でよろしくお願いしますわ」
「オッケー!よろしくね、リンちゃん」
麻里愛は引きつった笑顔で応じると、今井は麻里愛を伴って嬢たちの控え室への移動を始めた。
接客エリアの裏側にある通路を歩いていくと、“控え室A”と書かれた部屋を見つけた。しかし、今井はその前を素通りしていく。
「あの…控え室はここではないのですか?」
「え?…ああ、そこは違うんだ。リンちゃんの控え室はこっち」
今井は早速、麻里愛のことをリンと呼ぶ。麻里愛はこの部屋が気になりつつも、今井について行った。
コンコン
今井は“控え室B”と書かれた部屋のドアをノックする。
「今井だけど、入って大丈夫?」
「いいよー」
中から少し掠れ気味の女性の声が聞こえてきた。
今井はドアを開けて、麻里愛を伴って控え室の中に入っていく。
「お疲れ様です」
「おつかれー」
「お疲れさん」
控え室の中にはスケスケのネグリジェを着た女性たちが各々スマホをいじっていたり、壁に取り付けられた鏡に向かってメイクを直していたりしている。
「はーい、こっち向いて。こちらは本日、体験入店してくれることになったリンちゃん。風俗で働くのは初めてだから、皆んなでサポートしてあげて」
「リンと申します。よろしくお願いいたします」
「はーい」
「よろしくー」
女性たちは麻里愛と今井の方向を一瞥すると、すぐにスマホや鏡に視線を戻した。
「全く…まぁ、無愛想に見えるけど、根っこは悪い奴らじゃ無いから安心して」
今井はこう言ってフォローするが、麻里愛にとっては無関心でいてもらった方が何かとやりやすいから大歓迎だ。
「ここに掛けてあるのが貸し出し用の衣装だから、好きなのを選んで着替えてね。それで、着替えや貴重品はこのロッカーに入れて」
「分かりましたわ」
「それじゃあ、最初の接客までここで待機しておいて。あと、名札の記入を忘れずに」
そう言って今井は控え室を後にした。
麻里愛はハンガーに掛けられている数種類のネグリジェを吟味して、気になったものを自分の体に当てがって鏡でチェックする。
選んだのはいつもの制服と同じ紫色のネグリジェ。控え室の隅っこでセクシーな衣装に着替えた。
ネグリジェに身を包んだ麻里愛はいつもより欲情的な雰囲気を漂わせている。胸はブラジャー部分に覆われているが、開放的な胸元はその爆乳を惜しげもなく晒している。胴体を覆っている丈の短いワンピース部分はシースルー素材できており、麻里愛のくびれたウェストや綺麗なおへそがよく見える。セットのショーツもなるべく素肌を魅せる為にTバックとなっている。
元々着ていた私服とバッグをロッカーにしまおうと、先ほど言われたロッカーまで持っていく。しかし、ここで麻里愛の動きが止まってしまう。この控え室のロッカーは4桁のダイヤル式なのだが、麻里愛はこの手のロッカーを使ったことがない。使用方法が記載されているシールは文字が禿げてしまい読めないし、皆野に使い方を聞きたくても声に出して質問するわけにはいかない。
麻里愛はとりあえず着替えとバッグをロッカー内に入れて、ダイヤルを適当にいじる。こうやっていれば、そのうち皆野が異変に気付いて使い方を教えてくれるだろう。
「何あんた、使い方分からないの?」
皆野より先に異変に気付いたのはさっきからずっとスマホをいじっていたピンサロ嬢だった。
「あっ、はい…こういうロッカーを今まで使ったことがなくて…」
ピンサロ嬢は椅子から立ち上がって麻里愛の側に近寄る。
「ロックをオープンにして、好きな4桁を設定するの。そんで、ロックをクローズにひねったら今の番号が暗証番号になるから…」
ピンサロ嬢はロッカーの使い方を実演してくれた。今井の言う通り、根は悪い人では無いようだ。
「これで使い方は分かったでしょ」
「はい!ありがとうございます」
ピンサロ嬢は座っていた椅子に戻って、再びスマホに目を落とす。名札には“くるみ”と書かれている。仲良くなったら内部情報を教えてくれるかもしれない。
麻里愛はくるみに教えられた通りにロッカーのダイヤルを操作して、暗証番号を“0303”と設定して施錠した。
荷物をしまってからしばらくの間、スタッフに呼ばれるまで麻里愛はキョロキョロと控え室内をカメラに収めて時間を潰している。
(特にめぼしい情報はありませんわね)
コンコン ガチャ
「リンちゃん!初めてのお客様だよ」
今井が部屋に入ってきて、麻里愛に向かって手招きする。右手にはおしぼり等が入っている小さいプラスチックのカゴを持っている。
「はい、分かりました」
麻里愛は立ち上がって、ドアに向かっていく。
「頑張ってー」
くるみ先輩がスマホを見ながらやる気のないエールを送ってくる。エールを送ってくれるだけ、まだ優しいのかもしれない。
「ありがとうございます。頑張ります!」
麻里愛は先輩に一礼してから部屋を後にした。
控え室を出て従業員通路を歩く今井と麻里愛。
「緊張してる?」
「…はい、とても」
本当のことを言えば、性サービスは本業で慣れているから緊張は殆どしていない。しかし、風俗未経験の設定なので、とりあえず同調した。
「そうだよね。だから、今からサービスしてもらうお客さんはこの店の常連を選んだよ」
「そうなんですか。お気遣いありがとうございます」
「顔はちょっと怖いけど、女性に対しては紳士的だから安心して。今回はオプションも無いから講習通りにやれば大丈夫。もしも、プレイ中にオプションを要求されたら、できるやつ以外は断ってもいいから」
「はい。最初の雑談はどのくらいすれば良いでしょうか?」
「時間は相手のペース任せで大丈夫だけど。今回は30分コースだから、5分から10分くらいが普通かな」
「分かりました!ありがとうございます」
通路を抜けて、大音量のBGMが流れるプレオルームを歩いていく。
捜査対象である店舗奥のスペースはここからは見えない。今井について歩いていくと、入り口から程近いブースで歩みを止めた。
「ここだよ、入りますよ」
今井はブースのカーテンを開けて、中にいる客に挨拶する。
「この子が体験入店中のリンちゃん、可愛いでしょ」
「リンです。よろしくお願いします」
「おおっ!本当だ!むっちゃ可愛いじゃねーか」
ブースの中にはガタイの大きいガテン系の男が麻里愛を見て歓声をあげる。
「でしょ!今日が初めてだから優しくしてあげてくださいね」
「おうよ!リンちゃんって言ったね、こっちにおいで」
客は自分が座っているベンチシートの隣のスペースをぽんぽんと叩いて、ここに座るように麻里愛へ促す。
「はい、失礼します」
「それじゃあ、リンちゃん頑張って!」
今井は麻里愛へ応援の言葉を残してブースを去っていった。
「よろしくお願いします。初めてで至らない点も多々あると思いますが、精一杯ご奉仕いたします」
麻里愛はおしぼりを手渡しして、ピンサロとは思えないようなお堅い挨拶をする。
「おっ、丁寧な挨拶だね。こちらこそよろしくお願いします」
「お客様はこのお店の常連と伺いましたが、どれほど通われているのですか?」
「そうだなー、この店は10年以上かな。さっき一緒に来た今井とはそれよりも前から知り合いだけどな」
「あら、そんなに長いお付き合いでしたの?」
「そうそう、あいつが別の店でボーイをやってた頃から知ってるよ。昔は尖ってたぞ」
「えぇ、とても優しい方ですのに、昔は怖かったのですか?」
「あいつの化けの皮に騙されちゃダメだよ。いつだったかな…新人の嬢に対して本番を強要した客がいて、その客をあいつが思い切りぶん殴ったことがあったんだよ」
「まあ、大変。その後はどうなりましたの?」
「お互い殴り合いになって、警察沙汰だよ。あいつはキレたらマジでヤバいぞ」
「でも、新人の子を守る為に殴りかかったんですよね」
「そうだけどさ、普通は殴らねえだろ。しかも相手はヤクザだったらしいぜ。担当した警官が守ってくれたみたいだけど、下手したらあいつは今頃東京湾の魚の餌になってたぜ」
「うふふ、確かにそうですわね」
上手い具合に相槌を打って、客との雑談を交わしていく麻里愛。客はお酒を飲みながら饒舌に話す。しかし視線は麻里愛の目と胸元を行ったり来たりしている。
「リンちゃんは可愛い上に愛嬌もあって最高だな」
「ありがとうございます」
「そんじゃあ、そろそろ始めようか」
雑談が始まって10分が経った頃だった。顔も身体も魅力的な麻里愛を前にして、客はもう我慢できないようだ。
「分かりましたわ。まずはキスからでよろしいですか?」
「ああ、俺の上に跨ってくれ」
麻里愛は客の股間の上に跨って、両手で客の肩を優しく掴んで顔を近づける。
「ちゅ…ちゅく…んっ…ちゅ…」
麻里愛と客は唇を密着させたり、離したりを繰り返して何度もキスをする。
「ちゅぱ…ん…ちゅ…どうですか?上手にできてますか?」
「ああ、上手だよ。そんじょそこらの嬢より圧倒的にな。本当に今日がデビュー戦?」
「風俗は本当に今日がデビューですわ。ただ、経験値は人より多いと思います」
「ほほお、それは期待できる。じゃあ次はもっと下品にキスしてくれ」
「かしこまりましたわ」
麻里愛は先ほどより深く口づけをして、客の口内に自身の舌を突っ込む。
「ちゅぱっ…ちゅじゅる…っあ❤️…れろ、じゅるる」
麻里愛はわざと下品な唾液の音を立てながら、本業で鍛えたディープキスを繰り出す。
「んおぉ…じゅるる…たまらん…」
客は激しいディープキスに恍惚な表情を浮かべている。そして、両手が自然と麻里愛の爆乳に伸びていき、ネグリジェの上からムニュリと揉み出した。
「んちゅ…れろぉ…はぁん❤️…もうエッチ…」
「ごめんなー、勝手に触り始めて」
「うふ、いいですよ。心いくまで、たーくさん揉んでください」
ムニュ、ムニュリ、ムニュ、ムニュ
麻里愛の許しを得て、客は遠慮無しに理想的な爆乳を揉みまくる。
「ちゅぷ…んん❤️…じゅるる…はうっ❤️」
「リンちゃんのおっぱいは大きいだけじゃなくて感度も抜群なんだな」
「あん❤️ありがとうございます❤️」
「ちくしょう、こんな凄え巨乳ちゃんと分かっていたら、最初からオプションでトップレスを頼んでいたのになあ」
このピンサロではイベントの日以外は、嬢のトップレスやオールヌードはオプションを頼む必要がある。
「あぅん❤️でしたら、今ここでトップレスのオプションを追加なされますか…ああん❤️」
「うぅーん、どうしようかな今月ピンチなんだよな……ちなみにリンちゃんの乳首の色は何色?」
「ピンク色ですわ❤️」
「ピンク!!追加する!オプション追加するから、早く見せてくれ」
「分かりましたわ」
麻里愛はネグリジェの肩紐を両肩から外す。あとは衣服を下にズリ下げれば乳首を拝める状態だ。
「さあ、どうぞ」
「おおっ!分かってるね!」
客はネグリジェを両手で摘んで、ゆっくりと下に下げていく。麻里愛のおっぱいが徐々に露わになっていき、乳首がネグリジェに引っかかる所まで来た。
「あっ…❤️」
乳首が布に擦れて小さな嬌声が漏れ出る。
客は鼻の下を伸ばして、麻里愛のおっぱいをガン見する。そして、少しを力を入れてネグリジェを一気に下げた。
ブルンッ
綺麗な形の大きなおっぱいがその全貌を明らかにした。お餅のようにしっとりとした肌は薄暗い店内の中でも映えており、頂点にあるピンク色の突起は芸術的だ。
「スッゲー!これまで数えきれないおっぱいを見てきたが、リンちゃんのおっぱいはトップクラスに綺麗だよ」
客は麻里愛の胸部を激賞しながら、右手で乳首を摘み、左で生おっぱいを揉み始めた。
「んふぅ!ありがとうございます❤️」
客は子供のように爆乳を夢中になって弄りながら、時折顔を上げて麻里愛とキスをする。時間を忘れて楽しんでいると、パーテーションの鉄柱をノックする音が聞こえてきた。
「終了5分前ですよ」
今井の声が終了5分前、いわゆるフラワータイムを知らせる。まだ客はズボンすら下ろしていない状況にもかかわらず…
「なにっ!しまったなぁ…」
「どうしましょう…まだお客様のことを全然気持ちよくできていませんのに」
いつものsexy policeなら室内にあるアラームで残り時間を確認しながら、プレイを進めていくことできる。しかし、このピンサロにはムードを壊しかねないので残り時間は確認できない。慣れない環境ですっかり時間配分を誤ってしまった。
「残り5分でイカせられるように頑張ります!」
麻里愛が床に膝をついて、急いで客のベルトを外そうとすると、その手を客は優しく止めた。
「いや、大丈夫。今井!15分延長で頼む!」
「かしこまりました。リンちゃん、初接客で延長は大変だと思うけど、頑張ってね!」
そう言って今井はブースの前から去っていった。
「よろしいのですか?オプションを付けてもらったのに、その上延長までしてもらって…」
「いいんだ。リンちゃんの風俗デビューを中途半端な結果にさせたくない」
「お客様…」
顔は厳ついが、女性に対しては紳士的。今井の言う通り、今の客は実に凛々しい顔をしている。
「それじゃあ、頼むよ。リンちゃんの可愛いお口で俺のチンポ、気持ちよくしてくれよ」
凛々しい顔は一瞬で先ほどのスケベな顔に戻った。麻里愛はその変化に可愛げを感じて少しだけ微笑んだ。
「はい❤️それでは失礼します」
麻里愛は客のベルトを外して、ズボンとトランクスを下げた。トランクスから現れたドス黒い局部は勢いよく勃ち上がり天井を向いた。顔だけでなくこっちも中々に厳つい形をしている。
「拭かさせていただきますわ。…立派ですわ…ちゅっ❤️…お客様のおチンポ…ちゅちゅ❤️」
麻里愛はおしぼりでチンポを綺麗にしてから、亀頭や裏筋にキスの雨を降らせる。小さなキスの一つ一つがクリティカルに股間を刺激して、客のボルテージを上げていく。
「おほぉ…おぉん…いいね」
「まだまだこれからですわ。えいっ!パクッ」
可憐なお口が厳ついチンポを咥え込んだ。そのままどんどん深く口の中に入れていく。
「ぐぽっ、ぐぽっ、ぐぼっ、れろろ、れろぉ」
麻里愛は口を窄めてチンポに圧力を与えながらシゴいていく。時折柔らかい舌でチンポを舐めたりして、しっかりと刺激に緩急をつける。
「ぎゅぽっ、ぎゅぽっ、ずちゅちゅ、凄いどんどん大きくなっていますわ❤️ずりゅりゅ〜」
「はぁはぁ、リンちゃん、激しいバキュームだ…」
「ちゅぶ、ちゅぶ、じゅるる、ちゅぶ、ちゅぷん、じゅるる、溢れてくる我慢汁の味…男らしくて素敵❤️」
「我慢汁も躊躇なく啜ってくれて、はぁはぁ…最高すぎる…おぅっ」
「じゅぱっ、じゅぱっ、じゅばっ!もっと気持ちよくなってくださいね❤️ずちゅうう」
「まだ終わらないかなぁ」
プレイ中も麻里愛のカメラは当然作動中だ。従って、先ほどから麻里愛視点で客の顔やチンポが画面いっぱいに映っている。男にとっては萎える映像が続いている。というか、麻里愛ちゃんたちはあんな光景を目にして、日頃職務に励んでいるのかと思うと、誠に頭が下がる。
ブーブーブー
僕の携帯に捜査本部にいる先輩刑事から電話が入った。
「はい、皆野です」
「おい、30分はとっくに過ぎてるぞ。いつまで画面を中断しているんだ」
男性客のキス顔や無修正のチンポの映像を見たくないのは刑事も一緒だ。なので、麻里愛の接客中は映像の転送を中断している。
「客が15分延長したんですよ。今ちょうどフェラの最中です。証拠として転送しましょうか?」
「いらん!分かったから、接客が終わったら再開してくれ」
「了解しました」
僕がそう言ったところで電話が切れた。普段は気さくな先輩がピリピリしている。このヤマのデカさを物語っている。僕は目を背けがちだった画面を再び注視する。
「ううっ、はあ、はあ…もっと舌を絡ませてくれ…はあ、はあ」
客の吐息がかなり大きくなってきた。限界が近づいていることを察知した麻里愛は要求通り攻勢を強めた。
「ずちゅるる、ずちゅるる、んっ、んっ、れろろ、れろろ、じゅちゅるるる」
客の陰部と麻里愛の口が絡み合うことで発生するリップノイズが更に大きくなる。吸引力もより一層強くなり、亀頭から分泌される我慢汁が次々と喉奥へ消えていく。
「ぬおっ!リンちゃん、ちょっと激しすぎ…くうっっっ!!」
予想以上の刺激に客の射精欲は押し寄せる快楽の波に耐えることができなかった。
ドピュ、ドピュ、ドピュ…
「ちゅぱ、ちゅ…んんっ!んん…んぐっ、んぐっ、んぐっ」
麻里愛の口内に粘っこい精液が放たれる。麻里愛はいつものように喉を鳴らしながら飲み込んでいく。
「ふあぁぁ……あれ、リンちゃん。ごっくんのオプションは頼んでないぞ」
「んぐっ…はっ、そ、そうでしたわね」
ピンサロでは精飲も有料オプションの一つだ。sexy policeでは精飲するのが常だったので、うっかり飲んでしまった。
「ごめんなさい、勝手に飲んでしまって、つい癖で…」
「いやいや、謝ることはないよ。むしろ、ごっくんして貰えるなんて嬉しい」
「喜んでもらえて嬉しいですわ」
「ところで、いつもの癖ということは、彼氏にいつもザーメンを飲まされているのか?」
「…はい。フェラチオをする時はいつま飲まされていますわ」
「その彼氏が羨ましい。リンちゃんみたいな
可愛くて、愛嬌があって、従順な彼女がいて」
「うふふ、買い被りすぎですわ」
麻里愛は口の端に残っていた精液を指で掬いながら、照れ笑いをする。そして、唾液と精液まみれのチンポを再びおしぼりで拭き始めた。
麻里愛のフェラチオは7分程度で終わったので、残りの8分間は身なりを整えながら雑談に費やされた。
「ありがとうございました。是非、またいらしてください。こちら、手書きですが名刺となります」
麻里愛は時間終了後、一旦控え室に戻って白紙の名刺に手書きで名前とメッセージを記入した。再びブースに戻り、その名刺を客に手渡しする。
「おう、ありがとな!リンちゃん、ここの嬢になるの?」
「はい、是非そうしたいと思っていますわ」
「そっか!そりゃあ嬉しい!」
客は厳つい顔に満天の笑顔を輝かせて、追加料金を払うために受付へ向かった。
こうして、麻里愛のピンサロデビューは無事に終わった。
麻里愛はブースを後にして控え室に戻ろうとする。そこに皆野から通信が入る。
「麻里愛ちゃん、お疲れ様。ここから控え室に戻ると思うけど、間違えてAの方に入ってくれないかな」
麻里愛は一回だけコクリと頷いて同意を意思表示する。
「ありがとう。一旦、トイレに行ってからAに向かって。さっき名刺を書くときにBへ一度戻ったから、直接Aに行くと不審に思われる可能性がある」
麻里愛はもう一度頷いた。
指示通りに一旦トイレの中に入り、用を足したフリをする。トイレから出てきた麻里愛は迷ったフリをするため、通路をキョロキョロと見渡しながら歩を進める。
リモートで様子を見ている僕は捜査本部へ映像の転送を再開した。
「Aの部屋に入ったら、なるべく室内を見渡してね。何か薬物に繋がるモノがあるかもしれないから」
麻里愛は控え室Aの前に着くと、一度深呼吸をして扉を開けて一気に中に入った。
ガチャリ
「………広い」
控え室AはBと比べると、明らかに広かった。長机とパイプ椅子、ロッカー、ハンガーラック等で通路が圧迫されている控え室Bとは違って、Aの通路は広々としている。設備も最新の美容器具やおしゃれなインテリアが並んでおり、とても同じピンサロの控え室とは思えない。
麻里愛は指示された通りに控え室の内部をカメラにおさめながら奥へ進んでいく。ふと壁を見ると壁掛けの鏡が並んでいる。そこはBと同じだが、こちらの鏡はラグジュアリーに装飾されている。反対側にはロッカーが並んでおり、さらにその奥には靴を脱いでくつろげる休憩スペースがある。
そこには2人の嬢がいて、スマホをいじりながら会話をしている。2人とも見た目・身なりのレベルがかなり高い。高級ソープにいてもおかしくないレベルだ。
麻里愛はそっと聞き耳をたてる。
「…でさ、その客がバツを飲んだらバッドに入ってぇ、時間中ずっと“死にたい”とか言ってるの」
「超最悪じゃーん。こっちが鬱になるから、さっさと帰れっつーの」
(!!おっ!おっ!今、“バツ”って言ったぞ!“バッドに入る”って言ったぞ!)
僕は心の中で歓声をあげる。バツはキメセクでよく使われる合成麻薬(MDMA)の隠語だ。バッドに入るとは麻薬を乱用した際に、副作用で気分が激しく落ち込んでしまうことだ。巷ではバッドトリップと呼ばれる症状で、逆に気分が高揚する場合はグッドトリップと呼ばれる。
(日常会話でこんな用語は普通使わない。この店に麻薬が蔓延しているのは間違いない)
麻里愛は引き続き聞き耳を立てている。しかし、それ以降は自身が貢いでいるホストの話しかしなくなったので、僕は麻里愛が2人に存在を気付かれる前に部屋を後にさせた。
「侵入お疲れ様。おかげで疑惑が確信に変わったよ」
僕は無線を通して麻里愛を讃える。そして、次の指示を出す。
「控え室Bに戻ったら、先輩方にAにいる嬢について聞き込みをしてくれるかな」
麻里愛は通路を歩きながら頷く。
ガチャリ
本拠地である控え室Bに戻ってきた麻里愛。室内にはくるみ先輩が相変わらずスマホをいじっている。
「お疲れ様です」
「おつかれー、どうだった?初めての接客は」
「すごく緊張しました〜。最後はいつもの癖でお客様の精液を飲み込んでしまいました」
「いつもの癖って…あんた、いつもどんなセックスしてるのよ」
「彼氏に求められるので、いつもやってますの。あっ、そうですわ。一つ聞きたいことがあります」
麻里愛はくるみの隣の椅子に腰掛けて、質問を投げかける。
「先ほど、トイレからの帰り道が分からなくなって、間違えて別の控え室に入ってしまいました」
「あー、Aに行ったのね。中にいる性悪女から色々酷いこと言われたでしょう?」
「いえ、気付かれる前に部屋から出てきましたので大丈夫でした。でも、同じ店とは思えないくらい内装が煌びやかでした。どうして同じ店なのに、控え室がこんなにも違うのですか?」
「その辺の話は複雑なんだよね。聞きたい?」
「はい、とても興味がありますわ」
「そう。えーと、どこから話せばいいかな。まず、元々このピンサロに控え室は一個しかなくて、それがAなの。あんたが間違えて入った方ね」
「控え室はあっちだけだったんですね。それがどうして増えたのですか?」
「3ヶ月前くらいだったかしら、嬢が急に10人も増えたのよ。それで、元から働いていた私たちが控え室を追い出されて、物置として使ってたこの部屋に追いやられたの」
「どうして、急に10人も増えたのですか?
しかも、元から働いていた方々を蔑ろにするようなことをして…」
「店長曰く、経営が傾いてオーナーが変わったんだって。その10人は新しいオーナーが連れてきた子達。特別扱いするだけあって、容姿は抜群に良いわ」
確かに控え室Aにいた2人の容姿はレベルが高かった。警視が言っていた指名リストに載っていないピンサロ嬢とは彼女らのことだろう。キメセク専用の嬢なのかもしれない。
「新しい子達には太客がいるみたいで、この店の奥の方で長時間、聞くところによると2〜3時間乳繰りあってるらしいわ。絶対本番行為をやってるわよ」
回転率が命のピンサロで長時間の接待は例外も例外だ。おそらく、長時間サービスするのは薬の効果が弱まるまで店に拘束する意味合いとあるのだろう。
「店の奥…と言いますと、AとBで接客スペースも分かれているのですか?」
「そうよ。Aの連中が来てから、店の入り口側にあるベンチシートのブースが私たちBのスペース、反対側のフルフラットのブースがAのスペースになったの」
「そこまで明確に区別してるのですね」
「ムカつくよねー、しかもAの連中は指名料も私たちの3倍以上高いらしいのよ。…まあ、あいつらが来てから、店の経営が上手くいっているらしいから文句は言えないけど…」
段々と店内の構造が分かってきた。やはり内部に潜り込むと内部事情が簡単に手に入る。
「Aの方々の太客はどのような方なのですか?」
「知らない。見たことないから。AとBでは客の動線も違うから」
「徹底してますね。同じ店なのに…」
「そもそも、客がブースに入る時や帰る時に他の客やキャストと鉢合わせしないように、スタッフが調整するものなのよ。風俗にいる所なんてなるべく他人には見られたくないもの」
「そうなのですね。勉強になります」
「Aの連中は私たち以上に無愛想で、Bのキャストを見下しているからね。あんたも気をつけなさいよ」
「ありがとうございます。あっ、でもくるみ先輩はちっとも無愛想ではありませんわ」
「ふふ、ありがとう」
くるみ先輩は目線をスマホから麻里愛の顔に移してお礼を言う。ちゃんと真正面から見てみると、彼女の顔面偏差値も中々に高いレベルだ。
「あつ、思い出した。そういえば、前にここで働いていた子がAの太客を見たって言ってた」
「!どういう感じの方だったんですか?」
「えーと、なんて言うのかしら、ヤクザまではいかないけど、反社的な連中で…」
「半グレですか?」
「そう!それそれ。だいぶ、酔っ払っていたのか、空気に向かって喧嘩を売ってたみたいよ」
薬物の効果で幻覚が見えていたのだろうか。合成薬物の効果は3〜6時間続き、服用時から右肩下がりに効果は弱まっていく。目撃されたその人は薬の抜け方が緩やかなのだろう。
「危ない酔い方ですわね。どのような経緯で出会われたのですか?」
「その子がトイレに行こうとしたんだけど、店内のトイレが埋まってて、このビルの共同トイレに行ったんだって。そんでトイレから出てきたら、その男が店の裏口から出てきたって言ってた」
「裏口…Aのお客様はいつも裏口から出入りしているのですか?」
「さあね。私は裏口なんて使ったことないし。それに、ここからだとAの前を通らないいけなから余計に使わない」
「そうですか」
麻里愛が聞き込みを続けていると、ドアがノックされて今井が入ってきた。
「くるみちゃん、珍しく指名が入ったよ」
「珍しくは余計だっての!そんじゃ、行ってくるか」
くるみ先輩はスマホをロッカーにしまって、控え室から出て行った。麻里愛は先ほどのお返しに「頑張ってください」と声をかけた。
その後、麻里愛はもう2名の客に対してサービスを行い、3時間の体験入店を終えた。
いずれの客からも麻里愛は好評で、今井店長から正式に採用したいと言われた麻里愛は二つ返事で了承する。
麻里愛は出勤できる日を皆野からの指示通りに書いて提出した。出勤日は後ほど、今井から連絡か来るとのこと。
店を後にした麻里愛は繁華街を抜けて地下鉄の駅に入っていく。そして別の出口から地上に上がり、すぐ近くに停まっていたワンボックス車に乗り込んだ。
「お疲れ様!」
「お疲れ様ですわ。適格な指示ありがとうございます」
僕が運転席から後部座席に座った麻里愛に労いの言葉をかけると、麻里愛からお礼の言葉が返ってきた。
「僕の指示なんて大したことないよ。それよりも麻里愛ちゃんの動きは完璧だったよ。署の連中も褒めちぎってたよ」
「まあ、嬉しいですわ」
僕は車を出して、しばらくは麻里愛の仮住まいとなるアパートまで車を走らせた。
アパートの部屋に入った僕と麻里愛。初風俗の疲れを癒すため、麻里愛は早速お風呂にお湯を張った。
「それでは、お先にお風呂を頂きますわ」
「うん、ゆっくりしてね」
麻里愛がお風呂に入っている間に僕は夕飯の支度をする。献立はなるべく低カロリーがいいと思って、ムネ肉を使った照り焼きと揚げ出し豆腐にした。料理上手の麻里愛相手に手製の料理を出すのは少し緊張する。
「お風呂、お先にいただきましたわ」
お風呂から出てきた麻里愛は髪の色こそ茶色だが、濃い化粧が落とされていつもの感じに戻っている。
「あら、良い匂いがしますね」
「ちょうど晩御飯が出来たところなんだ。麻里愛ちゃんのお口に合えばいいけど…」
「皆野さんが作ってくださいましたの!皆野さんも大変なのに、何だか申し訳ないですわ」
「いや、気にしないで!潜入捜査で身体も精神も疲れている麻里愛ちゃんの助けになりたいんだよ」
僕は食卓の上にテキパキとご飯、味噌汁、おかずを並べていく。
麻里愛はせめてお茶だけでも汲ませてくださいと言うので、お茶汲みだけはやってもらった。
「「いただきます」」
食前の挨拶を済ませて、2人は夕飯を食べ始める。
「モグモグ…どう?麻里愛ちゃんの口に合うかな?」
「ええ、とても美味しいですわ❤️味付けも濃すぎず、薄すぎずのちょうど良い塩梅です」
「良かったぁ。実は料理上手の麻里愛ちゃんにご飯を振る舞うの緊張してたんだ」
「うふふ、そんな緊張してもらうほどの腕前ではありませんわよ」
今、僕はパジャマ姿の麻里愛と食卓を囲んでいる。傍から見ると、まるで新婚夫婦のような光景だ。僕は優越感と幸福感に心を満たされて、麻里愛との夕食を心から楽しんだ。
夕食を食べ終えた僕は食器洗いを麻里愛と一緒に済ませた。
「それじゃあ、僕はそろそろ行くよ」
「あら、もうお帰りになるのですか?」
「いや帰るんじゃなくて、これから署に行く。麻里愛ちゃんが今日撮ってくれた映像を捜査本部の刑事と精査して、今後の捜査方針を決めるためにね」
「まあ!今からですか!」
「ここからはスピード勝負だよ。相手に勘づかれて逃げられたらおしまいだからね」
「でしたら、私も一緒に行きます」
「気持ちは嬉しいけど、今夜はゆっくり休んでほしい。それに、もしもピンサロの関係者に麻里愛ちゃんが警察署に入る瞬間を見られたらかなりマズイことになる」
「でも……はい、分かりました」
麻里愛は言いたいことを飲み込んで納得してくれた。部署は違えど同じ捜査本部の仲間が夜を徹している時に自分だけスヤスヤと眠るのは忍びないのだろう。
「いってらっしゃい、皆野さん」
「うん、いってきます」
なんかこのやり取りも新婚っぽくていいなぁ、と僕は思いつつ部屋を後にした。
麻里愛の潜入捜査によって、捜査は大幅に前進した。今まで推察でしかなかったキメセク専用のピンサロ嬢、一般客と区切られた店舗奥の接客スペース、そしてキメセク目的にピンサロへ通う反グレ達の存在に確信を持てるようになった。
しかし、肝心の違法薬物そのものを確認することができない。映像を再度確認しても、事務所や控え室Aに物証となりうる物は映っていなかった。
今後は違法薬物もしくは存在を示すものをカメラに捉えるように動いていくと方針が決まった。
2日後、本格的にピンサロ嬢としての業務がスタートした。反グレが来るであろう深夜帯に近い時間帯のシフトに入れてもらい、お客様の性サービスに勤しんでいる。
「じゅっぷっ、じゅるる、ちゅぷぷ」
「ううっ!もうイクっ!射精る!」
ドピュドピュドピュ
「んんっ!……っぷは、お疲れ様でした❤️たくさん射精ましたね」
麻里愛は口に射精された精液をおしぼりに出して、別のおしぼりで客のチンポを綺麗にする。
「ああ、フェラだけでこんなに射精たのは初めてだ。今井さんから凄い子が入ったと聞いたけど、その評価に偽りはなかったよ」
「うふふ、ありがとうございます❤️」
大型新人“リン”の噂は今井店長を通して常連に伝わり、初日から指名を貰えるという好スタートを切った。しかし次々と来る客を捌く為に、店内を捜査する隙が無い。
「リンさん!次は3番ブースで30分2回転のお客様がいるから、1番手でお願いします」
控え室に戻って一息をつく間も無く、平の黒服から次の仕事を指示される。
「はい!分かりました」
麻里愛は明るく返事する。忙しなく連続で性サービスをするのはsexy policeで慣れているので、特には辛いということはない。
「2番手はくるみさんでお願いします」
「はーい。リンちゃんさぁ、今日顎の調子悪いから、客のザーメン全部吸い取っちゃってよ」
「かしこまりましたわ」
その後、くるみ先輩の冗談を真に受けた麻里愛は本気を出してしまい、僅か15分で客の精魂を搾り取ってしまった。ソファにグッタリと座っている客を見たくるみ先輩は心の中で“サキュバスかよ”とツッコミを入れた。
真面目に仕事をこなしていくうちに時間はあっという間に過ぎてしまい、時刻は閉店時間の0時を過ぎた。
控え室内では嬢たちは各々私服に着替え始める。
この場面を隠しカメラで撮影してしまうのは流石にいけないと思った麻里愛はトイレに避難する。
トイレの個室で下着を履いたまま便座に座っているとインカムから指令が聞こえてきた。
「麻里愛ちゃん、これからもう一仕事頼むよ。この後、私服に着替えたら事務所に行って…」
今日は新しい情報を収集できなかった。せめて何か一つでも手がかりを見つけたい僕は麻里愛を事務所に向かわせた。
コンコン
「失礼いたします」
麻里愛が事務所に入ると、中に居た今井が一人だけだった。
「お疲れ様ですわ」
「リンちゃんこそお疲れ様、どうしたの?」
「実は今井さんに折り入ってお願いがありまして…」
「何かな?何でも話してごらん」
「あの…本日の給料を今受け取れないかと…思いまして…」
麻里愛は皆野の指示通り、言いにくそうに給料の前借りをお願いした。
「今日の分の給料を今すぐ現金で欲しいということ?」
「はい…お恥ずかしい話…彼氏が日雇いのバイトをおサボりしてしまいまして…今日までに公共料金の支払いをしないと電気が止まるのに…」
麻里愛はまごつきながら事情を説明する。
「なるほどね、リンちゃんも大変だなぁ」
今井はオフィス椅子の背もたれに体重を預けながら呟いた。
「やはり、ダメでしょうか?」
今井は少しだけ思案した後、
「いいよ。今日だけの分ならね」
と麻里愛のお願いを受け入れてくれた。
「本当ですか⁉︎ありがとうございます」
麻里愛は明るい笑顔を今井に向けてお礼を言う。今井は照れ臭そうにはにかんで、事務所の奥に置かれた金庫の方へ移動した。
「他の子達に言ったらダメだよー」
今井はポケットから出したキーケースの中にある一つの鍵を金庫の鍵穴に挿して解錠する。
今井が金庫の扉を開けたタイミングで麻里愛は気配を殺して今井の後ろにこっそり移動した。
そして、後ろからこっそり金庫の中を覗き込む。80cm程の中型金庫は上段と下段の2段構造になっており、上段には現金が入った手提げ金庫が置いてあり、今井はその金庫のダイヤルを回して開けようとしている。
一方下段にはプラスチックのケースが置かれている。上部に蓋をされていないので中身が見えそうなのだが、映像では今井の肩が邪魔で見えない。
「もう少し左に寄って、下段のケースの中身が映るように…」
麻里愛は指示された通りに左に動く。今井が現金を数え終える前に中身をカメラに映さないといけないので、慎重かつ大胆に行動する。
(もう少し…あと5cm…おっ!これは)
「オッケー!とらえた!麻里愛ちゃん、元の位置に戻って」
麻里愛はこっそりと動き出す。今井が金庫を閉めて振り向いた時には元の位置に戻っていた。
「はい、これが今日の給料と明細。ちゃんと合ってるか確認してね」
「ありがとうございます。確認させていただきますわ❤️」
麻里愛は出されたお金をちゃんと確認して、財布にしまった。
「お忙しいところ、すいませんでした。本当に助かりました」
「気にしないで。リンちゃんはエース候補だから、明日からも頑張ってくれよ」
「はい❤️それでは、失礼いたします」
一礼して事務所から退室した麻里愛はそのまま店を後にした。
帰路に着いた麻里愛は前回と同じ場所で僕が運転するワンボックスに乗り込んできた。
「今日もお疲れ様、麻里愛ちゃん」
「皆野さんこそ、お疲れ様ですわ」
僕は車を出して、麻里愛の仮住まいに向かう。その道中で先ほど覗き見た金庫についての話題になった。
「麻里愛ちゃん、見た?金庫の中に入ってたもの」
「ええ、錠剤が入っていましたわ。それもピンク色でハートの刻印がされてました」
「あの形状は間違いなく合成麻薬だよ。これで逮捕されても言い逃れはできまい」
「合成麻薬というのは、あのように変わった色をしているのですか?」
「気楽に麻薬を楽しむ人達にはウケるんだろうね。あと、製造者が製品の種類を特定する為でもあるらしい」
「そうなのですね。可愛らしい見た目に騙されてしまう人もいそうですね」
「仰る通りで、ああいった麻薬の中にはハート型や星型に形を加工しているタイプもあるから、若者は特に騙されやすいんだ」
「恐ろしいですわ…」
「まあ、とにかく今は目の前の捜査に集中しよう。麻里愛ちゃんのおかげで予想以上に捜査が進展している。あと少しの辛抱だよ」
「私は大丈夫ですわ。周りの方々は優しいですし、仕事も楽しくできていますわ」
とても潜入捜査をしている人間のセリフとは思えないが、本人が苦に感じていないのならそれが一番だ。
アパートに麻里愛を送り届けた後、僕は警察署に向かった。署に着いた頃には、時計の針が1時を回っていたが、捜査本部には多くの刑事が残っていた。
「お疲れ様です」
「おう、お疲れ。聞いたぞ、金庫の中にある薬をカメラに収めたんだってな」
「ええ、マリ…麻里巡査の度胸のおかげですよ」
「ここまで一気に進むとはなあ。明日には摘発に乗り出すみたいだぞ」
「本当ですか⁉︎」
「本当だ」
僕の後ろからドスの効いた声の返事が返ってきた。その声に反射するように僕の身体は瞬間的に90度ターンした。
「け、警視…!お疲れさまです」
僕は警視に向かってお辞儀をする。
「そんなに深々と頭を下げんでいい」
「すいません…ところで、本当に明日なのですか?」
「そう言ってるだろ。俺達の捜査とお前の所の潜入捜査で得た情報で、麻薬の売買・乱用があったことは裏づけられたも同然だ。あいつらが逃げないうちにとっ捕まえる」
普通の捜査責任者ならば、この時点では逮捕に踏み切らないだろう。もっと証拠を集めて外堀を埋めるはずだ。
しかし、僕の目の前にいるこの警視は犯罪グループの確保を何よりも優先する。いささか勇み足のように感じるが、警視にはここまで数多の大物ヤクザを刑務所に放り込んだ実績がある。必ずやこの捜査を成功に導いてくれるだろう。
「ちなみに逮捕状は請求するのですか?」
「もちろん、する。あれだけの証拠が集まっているからな」
「証拠と言っても、盗撮映像ばかりですよ」
「何言ってる、潜入しているお嬢さんが見ているだろ。警察官である彼女が」
そう言って警視はホワイトボードの隣に置かれている長机へ向かって行く。
(なるほど、警官の目撃証言は証拠能力があるから、それを利用したのか)
盗撮映像ばかり見ていたせいで、すっかり麻里愛自身がその現場を見ていたことを失念していた。僕もまだまだ詰めが甘い。
「それでは会議を始める。気をつけ!」
進行役の号令によって捜査員全員が起立して姿勢を正す。警視が捜査員に向かって口を開く。
「連日夜遅くまでご苦労。諸君らの懸命な捜査によって、摘発まであと一歩の所まで来た」
逮捕の決行が明日に決まったことで、警視の言葉にも力が入っているように聞こえる。
「摘発は明日の21時から24時の間に行う。突入は半グレの客がサービスを受けている時に行う」
警視がざっくりと作戦の概要を説明していき、細かい部分の説明は他の刑事が引き継いで説明する。
これまで麻里愛が撮影した映像を専門部署で解析したところ、一瞬しか映らなかった事務所の掲示物を解読できるようになった。掲示物の中には避難経路を示したものも含まれていた。
その経路と捜査員や麻里愛が得た情報を照らし合わせて、半グレ客の動線や出入口を割り出すことができた。
「A班は一般客の出入口から突入、B班は半グレ用の出入口で待機、C班は非常口で待機して、逃げてくる奴らを捕まえろ」
捜査員を班分けして、それぞれの配置と役割を伝える。
「D班は外で待機して、外に逃げ出してきた半グレや従業員を頼む。皆野は今までと同じく遠隔カメラで内部を監視し、突入が始まったら車をビルの前まで回して、連行を手伝ってくれ」
「はい!」
捜査会議は滞りなく進んでいく。当日の流れについて一通りの説明が終わり、最後に警視が再び立ち上がる。
「ようやく摘発するまでに至った。今日は真っ直ぐ帰り、明日の大一番に備えてくれ。以上だ」
「それでは会議を終わる。気をつけ!」
再び捜査員全員が起立して姿勢を正す。こうして最後の捜査会議が終わった。
翌日、僕は少し早めに麻里愛を迎えに行き、今日行われる摘発について説明した。
「麻里愛ちゃんはいつも通りに接客して、突入が始まったら邪魔にならない場所に隠れておいて」
「隠れていいのですか?一人くらいなら取り押さえることができますわよ」
「うーん、麻里愛ちゃんなら出来るだろうけど。警視が丸腰の女性には危険だと言うんだよ。まあ、ここは指示通りにしておいてよ」
「分かりました」
「ごめんね。A班の中に警視がいるから、見つけたら合流して」
「えっ⁉︎警視さんが突入班の中にいらっしゃるのですか?」
「昔からそうなんだよ。現場第一主義だから捜査本部でジッとできない訳」
「お元気な方ですわね…」
麻里愛に必要事項を伝え終えた僕は麻里愛と一緒に部屋を出て、麻里愛を店に送り届ける。
麻里愛にとって、このピンサロでの最後の勤務が始まった。“今夜この店は摘発される”そう思うと、何故か自分まで少し緊張してくる。捜査の為に入店したとはいえ、自分のことを受け入れてくれた従業員や先輩、お客さんのことを思うと胸が痛む。
麻里愛はそんな気持ちを悟られないように普段通りを心がける。
「ありがとうございました❤️」
「凄く気持ち良かったよ。名前は凛ちゃんだね、覚えておくよ」
麻里愛はサービス相手の男性を入口まで見送る。
時刻は22時を回っている。中々始まらない摘発に内心ヤキモキする。
そこに皆野から通信が入った。
「今、薬物の前科がある半グレが店に入った。薬物使用後を取り押さえたいから、30分後に突入する」
麻里愛は静かに頷いた。そして控え室に戻ろうとした時、誰かに肩を掴まれた。
「きゃっ!だ、誰ですか⁉︎」
振り返るとそこにはイカつい風貌の男が立っていた。髪型は剃り込みを入れた角刈り、ガタイは大きく、首元には刺青がチラリと見える。
「お前こそ誰だ?こんな可愛い子、Aにいたか?」
Aとは控え室のことを言っているのだろうか、だとするとこのピンサロの関係者かもしれない。挨拶をしていた方が無難だろう。
「先日、入店いたしましたリンと申します」
「リン…おぉ!今井が新しく雇った子か!」
僕はカメラを通してその男の顔をまじまじと見る。薄暗くて完璧に判別できないが、臥馬貯組の関係者に似たような奴がいたような…
僕は車内で組関係者のリストを開くが、そこには彼に該当する人間はいなかった。
「この男、誰か分かりますか?」
「うーむ、暗くてよく見えない。だが、この風貌はどこかで見たような…」
捜査本部に残って映像を見ている刑事たちも同じ状態のようだ。
「青松さん!ここにいましたか」
今井がその男の名前を呼びながら近寄ってきた。
(青松……あっ!思い出した!)
捜査本部からも思い出したという声が聞こえたきた。
「今井さん。お知り合いの方ですか?」
「知り合いというか…この方はオーナーさんだよ」
男の正体はこのピンサロのオーナーだった。違法薬物を用いた違法サービスを始めた張本人、でないとしても大きく関わっているはずだ。
(青松は5年前に組を破門されたはず。それが臥馬貯組の息がかかった麻薬ルートと関係を持ったピンサロのオーナーをやっている…)
近年はヤクザというだけで携帯電話を契約できない程、ヤクザの肩身は狭い。風俗店だって正式な企業だ。店舗経営という経済活動を行うにあたり、ヤクザという身分は大きなマイナスだ。その為、組からの指示で形式的に破門されるケースもある。
(ヤクザは組から脱退しても5年は関係者として取り扱れる。だから、僕も臥馬貯組の関係者としてリストに載っていたのを見たことがあった)
その5年が数ヶ月前に経過したのだ。だから組関係者のリストからも除外されていた。
(反社として扱われなくなったタイミングで、薬物を使ったサービスに手を出したのか。しかし、長期的な作戦だな)
元から違法薬物を風俗で売り捌く為に破門したのか、それとも別の目的があったのかは分からないが、青松の登場によって臥馬貯組とピンサロの繋がりを強く示された。
「青松さん、先月の売り上げの確認を…」
「それは後にする。そんなことより、奥のブースで空いてる所はあるか?」
「え…どうしてですか?」
「早く答えんかい!」
ドスの効いた声で今井を一喝する。
「空いてます。奥のブースに今はお客様一人しかいないので、いくつか空いてます」
「おう、そうか。ならば、リン」
青松は振り返って麻里愛に目を合わせてきた。
「俺の相手をしろ」
「ちょっと、青松さん!この子はB所属です。それに風俗嬢を始めてまだ数日しか経っていません」
「そんなの関係ない。俺はコイツといいことをしたい、それだけだ」
「しかし…」
「テメーには聞いていない!おい、どうする?相手するならボーナスは弾むぜ」
「えっと…」
麻里愛は悩むフリをして皆野からの指示を待つ。
(うわっ…どうしよう!青松を確実に逮捕する為には麻里愛ちゃんが突入まで一緒にいた方が絶対いい。でも突入まであと25分…二人きりにしたら何をされるか分からない)
麻里愛の腕力なら青松を簡単に退けることもできるだろう。しかし、そこで怪しまれて警戒される訳にはいかない。突入までの間、麻里愛は青松にされるがままにならいないといけない。
「麻里愛ちゃん、すぐに結論を出す!それまで、値段交渉をして話を引き延ばして!」
そう告げると麻里愛は青松の目を見て話し始める。
「ボーナスとはおいくらほど頂けますか?」
「ほう、金次第という訳か。嫌いじゃないぜ」
その間、僕は捜査本部と議論を交わす。
「ここはどう動きましょうか?」
「うーむ、青松は自分の嫁にDVしていたくらい暴力性の高い男だ。二人きりにすれば、麻里巡査に危害が及ぶ可能性が…」
「青松逮捕の優先順位はどのくらいですか?」
「違法薬物の押収の次だ。上から2番目だな」
「では、麻里巡査に青松の要求に応じるように指示を出します」
「頼んだ。くれぐれも気をつけてくれと伝えてくれ」
「分かりました。あと、ブース内に入ったら映像の送信は止めます」
「了解。A班の警視にはこちらから伝えておく」
「麻里愛ちゃん、ここは青松と二人きりになって、突入まで足止めしてくれ」
指示を聞いた麻里愛は青松の要求に応じる。
「分かりましたわ。それだけ頂けるのなら、是非ともお相手をさせていただきます」
「へへ、話のわかるねーちゃんは好きだぜ」
「凛ちゃん、無理しなくてもいいんだよ。嫌なら…」
「テメーは黙ってろ!ぶっ殺すぞ!」
決まりかかった話に横槍を入れられたことに青松は怒りを隠さず乱暴な口調で今井を恫喝する。
「今井さん、私は無理していませんよ。安心してください」
麻里愛は混じり気のない笑顔を今井に向ける。その笑顔に不安や恐れは一切感じ取れない。本当に大丈夫なのかもしれないと今井は自然と考えるようになっていた。
「そういうこった、お前は事務所に戻ってろ。あと酒は…この酒を持っていくからな。さっ、行くぞ」
青松は左手に高級酒が入った瓶を持ち、右手で麻里愛の肩を抱いて店の奥へ誘っていく。
麻里愛は奥のスペースに初めて足を踏み入れた。特に一般客のスペースと変わった部分は無い。強いて言うならブースのパーテーションが高くなっていることくらいだ。
(なるべく音が漏れないようにしているのかしら)
薬物を使用した人間は理性を保つことを放棄して、時折奇声をあげることもある。その声が一般客の耳に届かないようにしているのかもしれない。
「ここだ、入れ」
青松はパーテーションをずらして、麻里愛に中へ入るように指示する。
「はい、お邪魔します」
麻里愛がブースに入った瞬間に僕はカメラ映像の送信を止めた。ヤクザの男と性的スキンシップをするシーンを大勢の同僚に見られるのは麻里愛にとって可哀想だ。ブース内を生中継しても摘発に大した影響はない。見るのは僕一人で十分だ。
ブース内にはソファの代わりにフラットシートが置かれている。漫画喫茶のフラットシートよりも一回り広く、男女二人が性交渉するのには不便しないだろう。
「ここがフラットシート…きゃっ!」
青松は酒をブースのテーブルに置くと、いきなり麻里愛をシートに押し倒した。
「な、何を…あぁん」
仰向けの麻里愛の上に青松が覆い被さり、ネグリジェを下にずらして生乳に顔を埋めた。
「ぐへへ、何をって、楽しいことに決まってるだろ」
両手で麻里愛の爆乳を揉みしだきながら、自身の顔を外側から挟み込む。
「いいぞ、最高のボインだ。一目見た時からずっとこうやって揉みたかった」
「あん…んっ…痛ぃ…力が強いですわ…んあああっ!」
青松は麻里愛からの抗議に聞く耳を持たずに、両乳首を中央に寄せて一気に吸い上げた。
「ずちゅぅぅぅ、じゅるるるる!」
「ふぐっ…あっ…すごい吸引…痕が付いちゃう」
「ちゅぱっ、付けてるんだよ。俺が付けた痕は一週間はとれないぞ」
青松は遠慮なしに自らの欲望を麻里愛にぶつける。満足するまで麻里愛の爆乳を堪能すると、ようやく口と手を乳房から離した。乳首の周りには痛々しい赤い痕が付いている。
「こっちの具合はどうかな」
青松は断りもなしに麻里愛のパンティの中へ右手を突っ込んで淫裂をなぞる。
「あぁん…んふぅ…」
「もう濡れてるじゃねえか。俺の乱暴な愛撫でも感じるとは、お前結構な好き者だな」
「あん…そんなこと…言わないでくだ…ひゃあん」
「こんなに濡らしておいて恥じらってんじゃねえよ。今から指を突っ込んで、もっと感じさせてやるよ。と、その前に…」
シートの隅っこに置かれた青松の鞄からハンドクリームのケースが取り出された。青松は蓋を開けると豪快に指を入れて中のクリームを掬う。
「俺の指は太いからよ。クリームで滑りやすくしてやる」
そう言って指に付けたクリームを膣口や膣壁に塗っていく。
「えっ、塗る?…んああっ!…なんだか…ん…スースーしますわ…」
「そういうもんだよ。痛くならないよう丹念に塗ってやるよ」
「んはっ…はあっ…あっ…あっ…くひぃ!」
青松は何度もクリームを掬って、念入りに膣内へクリームを塗り込む。最後の方は何故かクリトリスにもクリームを塗っていた。
「んふぅ…んふぅ…」
少しの間、膣内を弄られただけなのに麻里愛の息が上がっている。
(私…これ程までに感じやすかったかしら?)
sexy policeを始める時に受けた調教のせいで並の女性よりは感じやすくなってはいるが、今日は普段よりも感度が高いように感じる。
(きっと…摘発まで時間を稼がないといけないから、緊張しているのね)
麻里愛は原因を推察して自身を納得させる。
「本番はこっからだぞ。俺のテクニックでヨガらせてやる」
青松は麻里愛を背後から抱えて壁際まで移動する。背中を壁に預けて体勢を安定させると、麻里愛のパンティを乱雑に脱がせた。
今、麻里愛の服装は中途半端に脱がされたネグリジェがお腹あたりに留まっているのみで、胸も性器も丸出しの状態だ。
青松は左手で乳首を、右手でクリトリスを摘み始めた。
「おいおい、乳首は固くなってるし、クリはパンパンに膨らんでるぞ。本当は最初から期待してたんだろ」
「ああっ、あん、き、期待なんて、あん、してませんわ!」
そう言いつつも下半身から聞こえてくるニチャニチャという水音が言葉の説得力を無くしていく。
「清楚ぶってんじゃねーよ!そんな強気な言葉は愛液をマ◯コを乾かしてから言うことだな!」
青松はクリトリスから手を離して、今度は中指と薬指の2本を膣内に挿入する。
「ああぁん!んあっ、あっ、あっ」
いきなり指2本を挿入されたにもかかわらず、麻里愛の膣はすんなりと受け入れてしまう。膣壁を擦られる度に官能的な嬌声を止めることができない。
「おりゃあー!もっと喘ぎやがれ!」
「麻里愛ちゃん!あと15分!あと15分で突入するから頑張って!」
僕は麻里愛のインカムに残り時間とエールを伝える。いつもより大きい喘ぎ声から、麻里愛が強い快感に襲われていることがわかる。必死に抗おうとしているのか頭を上下左右に動かしている。
(焦ったないなぁ…麻里愛ちゃんがヤクザに手マンされているのを黙って見ているだけなんて…)
僕は何度も腕時計を確認して、早く時が過ぎるのを願ってやまない。
「膣内の具合も最高だな!ヒダが指に吸い付いてきやがる!」
「あん、あっ、や、あぁん、いったん、ああっ、とめ…ああ!」
膣内を蹂躙する指に対して、されるがままの麻里愛は弱々しく懇願するしかできない。
「こりゃ相当な名器だな!今まで何本のチンポを咥え込んできたんだよ!」
「あぁん!ひあっ!んあ!あっ!あん!」
麻里愛のことを気にかける様子もなく青松の手マンはスピードを早めていく。グチョグチョと水分多めの音がブースに響いている。
「いやらしく喘ぎやがって!この淫乱女!」
「あん!あん!いやっ!あっ!まって…あん!イっちゃう!」
「もうイクのか!派手にイキやがれ!おりゃ、おりゃ、おりゃ!」
青松が手マンのスピードをより一層速めると、麻里愛はいとも容易く絶頂に達してしまう。
「あっ!!はああぁん!!イクッ!!あああっ!!」
麻里愛の身体がビクビクと痙攣する。このタイミングで指を膣から引き抜くと、ピューーと潮吹きが始まった。
「ああぁん、とまらない…きもちいいの…とまらない…」
「ぐへへ、初対面の男の前で盛大にイキやがって」
「おおっ…ふぅ…ふぅ…」
オーガズムの頂点に達した麻里愛は半ば放心状態になっている。
「おい、舌出せ」
「…?ひゃい」
麻里愛は命令の意図をよく理解せずに可愛い舌を出す。
そこに青松が左手で麻里愛の顎をつかみ強引に自分の方に顔を向けさて、乱暴に唇を奪う。
「ちゅるるる!じゅるる!!れろれろれろ!!」
ヤニ臭い青松の口と可憐な麻里愛の口が合わさって、激しいディープキスが行われている。麻里愛は抵抗されることなく、舌を甘噛みされたり、唾液を注ぎ込まれたりされても、ただただ受け入れるのみだ。
「あと10分!10分耐えて!麻里愛ちゃん!」
僕は必死に麻里愛へ訴えるが、この言葉が麻里愛の意識に届いているか分からない。今日の麻里愛は明らかにおかしい。まるで薬を盛られたみたいだ。
(相手はヤクザだ。薬を盛ってもおかしくないか…となると、あのクリームが怪しいな)
僕はもう一つウィンドウを開いて、録画された映像を再生して青松が麻里愛の膣にクリームを塗るシーンを確認してみることにした。
「じゅるるる…ちゅぱっ!」
「…んあ…はっ…はっ…はっ…」
キスを終えた麻里愛の目はトロンとしている。
青松は麻里愛を自分の体の上から動かす。麻里愛は手をシートの上について俯きながら息を荒らげている。
その傍らで青松はズボンとパンツを脱ぎ捨てて、天井を向いているチンポを露出させる。
「おい、凛。こっち向け」
「はい…!すごく大きい…」
麻里愛は青松のイチモツの大きさに息を呑む。
(皆野さんほどでは無いけど、すごく大きい。挿入れたら気持ちよさそう)
「ガハハ、そうだろう。元からデカかったが、真珠を入れて更に強化してる!一度味わったら忘れられないぜ!」
麻里愛はゴクリと生唾を飲み込む。
「その前に綺麗にしろ」
青松は自身のイチモツを麻里愛のほっぺたにグイグイと押し付ける。麻里愛の右頬が亀頭に潰されて、我慢汁が顎に向かって伝っていく。
「はい…綺麗にさせていただきます」
麻里愛は躊躇なくチンポを自身の口に飲みこむ。
「どうだ、美味いか?」
「じゅぽっ、じゅぽっ、じゅるる。はい、とっても美味しいですわ」
「ハハハ、そうかそうか。すっかり俺のチンポの虜になったな」
青松は麻里愛の頭を掴みながら満足げに高笑いをする。
「ちゅっ、れろれろれろ、じゅぽっ、じゅぽっ、じゅぽっ」
麻里愛は必死にフェラチオをする。このチンポに可愛いがってもらうために、必死になって綺麗にする。
「いいぞ。丁寧に、感謝を込めて綺麗にしろ」
「残り7分…うーん、大丈夫かな…あと、このクリームの容器…どこかで見たような」
僕はコマ送りでクリームの容器が映っている場面を探し当てた。全体的に白い容器で、蓋にはオレンジ色のシールが貼られている。
「麻里愛ちゃんは塗られた時にスースーすると言ってた…」
オレンジ色のシールにカーソルを合わせて、解像度を上げる。何か文字が書かれているようだが、いくら解像度を上げても読み取れない。
「ダメだ。それならばこっちのコマならどうだ」
僕は諦めずに別のシーンから蓋のシールを読み取ろうとする。
「じゅぷっ、ちゅるるる!ちゅぽん、どうでしょうか?青松様のチンポ、綺麗になりましたでしょうか?」
「おう。お陰で綺麗になった。お礼にお前のマ◯コにぶち込んでやるよ」
「ありがとうございます」
「それじゃあ、仰向けになって足を広げろ」
麻里愛は命令された飼い犬のように、シートの上にゴロンと寝転がり、自分の足を掴んで大きく広げた。
愛液まみれのトロトロにほぐれたピンク色のおマ◯コがチンポを口欲しそうにしてピクついている。
「いい景色だ。こりゃあ極上のセックスになるぞ」
「ああ…どうぞ挿入れてください…」
(このチンポが欲しくてしかたないわ。私の身体…どうしちゃったのかしら…)
青松がチンポを麻里愛の膣口にあてがう。互いの粘膜同士が接触しており、あと一押しでチンポが中に入っていく。
「マ◯コが亀頭に吸い付いてくらあ。おら、もっと物欲しそうにおねだりしてみな」
麻里愛は腰を浮かせて少しでもチンポを早く迎え入れようとしている。
その時、麻里愛のインカムに皆野の声が響く。
「麻里愛ちゃん!青松は麻里愛ちゃんに媚薬を塗り込んでる!」
「え…」
媚薬という言葉に麻里愛は反応する。
「あいつが使ってたクリームの容器をよく見たら、市販されている媚薬だった。麻里愛ちゃんが快感を感じやすくなっているのはそのせいだ!」
麻里愛は首を横に向けて、先ほど青松が使っていたクリームの容器を見てみる。
そこには「淫乱の極み」と書かれたシールが貼られていた。
「女の子に媚薬を勝手に塗って、判断力を鈍らせることで、性行為をするのが狙いのはずだ。これ以上、あいつの好き勝手にさせてはいけない。だから…だから踏ん張れ!麻里愛ちゃん!」
僕は精一杯の想いを麻里愛に伝える。ここで麻里愛が正気に戻らないと、警察の摘発時に潜入捜査中の婦警がヤクザとセックスしていたという大スキャンダルになってしまう。いや、それ以前にこんな卑劣漢に麻里愛が抱かれるのは我慢ならない。
「頼む…」
残り3分だ。媚薬を盛られた興奮状態で、あと少しで挿入という所まできている。ここから耐えることなどできるだろうか。僕が麻里愛の立場なら自信が無い。
「挿入れるぞ。孕むまでハメ倒してやるからな。相性が良ければ俺の女にしてやるよ」
青松が腰を前に突き出してチンポを膣穴に入れようとする。
ガシッ
「な、なんだ」
挿入寸前のチンポを麻里愛が両手で掴んで食い止める。
「おい!何しやがる!」
「青松さん…あなた、さっき私の性器に媚薬を塗りましたね」
「だから何だよ。行為が気持ち良くなるに越したことはないだろうが。オメーだって、気持ち良さそうにヨガってたじゃねえかよ!」
「気持ち良ければ何でもいいという訳ではありませんわ!相手への思いやりを欠いている方とエッチなことなんて出来ません!」
「偉そうなこと言いやがって!いいから挿入れさせろ!」
青松は前方向に力を入れて、強引に膣内へチンポを捩じ込もうとする。
しかし、麻里愛は1mmたりとも近寄らせまいと両腕に力を込める。それに伴ってチンポを掴む麻里愛の指がめり込んでいく。
「痛ててて!やめろ!何ちゅう馬鹿力だ!」
「謝罪して頂ければ、すぐにでも手を離しますわ」
「調子に乗んな!お前なんかクビにしてやる!こっちはお前の住所だって分かっているんだからな!」
「クビにでも何でもしてください。しかし、あなたは女性への接し方を改めるべきです!」
「うるせえ!」
激昂した青松は両手で麻里愛の首を絞め始めた。
「くっ……かはっ……」
「息がしたけりゃあ、さっさと手を離せ!」
「うっ……離しません……」
麻里愛は気道を塞がれながらも、決して掴んだ手を離そうとはしなかった。本当は挿入れてほしい。身体全体に広がっている疼きを鎮めてほしい。
(でも…許せません!)
ギュウウウ
「うぎゃあああ!!!!離せ!チンポが潰れる!」
リンゴを片手で砕けるほど強い握力を全開にして肉棒を握りしめる。反撃を喰らった青松は両手を首から離して、麻里愛の両手を掴んでチンポから離そうとする。
「やめろ!」
「やめません!」
「離せ!」
「離しません!」
もはや、どっちが挿入したがっているのか分からない構図となっている。こんなやりとりをしている間に時間はあっという間に過ぎた。
「警察だ!」
「全員、その場から動くな!」
店舗の入り口からA班が突入してきた。
「何なんだ!」
「きゃあああ!」
突然登場してきた警察に客やピンサロ嬢はパニックだ。普通のピンサロとして利用・勤務している彼らにとっては無理もない。
ピンサロを摘発する時は公然わいせつ罪、つまり陰部を露出した罪で逮捕されるケースが多い。そのことを知っているのか客やピンサロ嬢は慌てて乱れた服装を整える。
しかし、警察の目的はそこではない。捜査員たちは事務所、控え室A、そして店舗の奥へ進んでいく。
ガチャ
「な、何ですか⁉︎」
「警視庁です。合成麻薬の所持及び販売の容疑で捜索差押を実行します」
「そんな急に…令状はあるのか?」
「はい、こちらに」
慌てふためく黒服に対して捜査員は裁判所で発行された捜査令状を見せる。
「店長、どうしましょう…」
「慌てるな」
一方、今井は妙に落ち着きはらっている。捜査員は警戒しながら今井に話しかける。
「あなたが店長の今井さんですね」
「はい、いかにも」
「今から店内を捜索差押…つまり家宅捜査をします。金庫の中も捜査対象となりますので、開けてください」
「わかりました」
今井は特に反抗することなく、金庫の前に移動した。その様子を見た捜査員は、既に金庫から麻薬は取り出されていて別の場所に隠しているのではないかと不安になる。
ガチャ
「どうぞ」
今井が金庫を開けて横に退く。
捜査員が金庫の下段にあるケースを確認すると、麻里愛から送られてた映像と同じ場所にピンク色の錠剤が置かれていた。
その時、今井が捜査員の耳にギリギリ届くくらいの小さな声で呟いた。
「これで、終われる…」
一方、店舗奥のスペースに向かっていった捜査員達はキメセク客の半グレを逮捕しようと全速力で走っていく。
すると、ひとつのブースから半グレの男が正面入り口とは反対方向に逃げていった。
「待てコラ!」
「逃げるんじゃねえ!」
常連用の隠れ出入口に向かって半グレは全力で駆けていく。しかし、その出入り口にはB班の捜査員たちが待ち構えていた。
慌てて非常口の方向に踵を返すと、そこにはC班の捜査員が待ち構えている。
四方を塞がれた半グレはその場に立ち尽くすしかなかった。
「確保!」
「放せよ!ちくしょう…まさかサツが来るなんて…」
「大人しくしろ!お前がここで楽しんできたこと、全部教えてもらうからな」
そして、青松逮捕と麻里愛の救出に向かった警視と若手捜査員2名は二人がいるブースの前までたどり着いた。
「警視庁だ!」
「中にいるのは分かってる!出てこい!」
若手捜査員二人が中にいる青松へ投降を促す。
「チッ!サツが来やがったのか!…いい加減離せ!」
「麻里愛ちゃん、警視が来た。もう安心だよ」
警視達が来たことに一安心した麻里愛はチンポを掴んでいた手をあっさりと離した。
青松はパンツも履かずにブースの外を様子見している。一方、麻里愛は自分の痴態を見られないので、乱れたネグリジェを整えて丸出しになっていたおっぱいを薄地の布に隠した。
パンティも履きたいが、先ほど雑に脱がされた挙句ブース内のどこかに放り投げられてしまったせいで、どこにあるか分からない。
「パンティは…どこでしょうか」
「さっき、青松は入り口の対角に投げてたと思うよ」
(本当は青松から目を離さないでほしいけど…)
麻里愛は警視達が入ってくる時にノーパンはマズいと焦り、パンティを探すことに躍起になっている。
「ちくしょう…」
「青松、諦めろ」
「うん?この声は小原だな…」
青松は声を聞いて警視がブースの前にいることに気づいた。
「あいつには色々借りがあるからな…決めた。ただ捕まるのは癪だから、あいつを病院送りにしてやる」
青松は小声でぶつぶつと呟く。その声は店内のBGMと喧騒にかき消されて、警視や麻里愛の耳に届いていない。
青松はテーブルの上に置かれた酒瓶をこっそり握る。高級酒らしい見た目の酒瓶は厚みがあって重そうだ。屈強な男が使えば鈍器にもなり得るだろう。
「あっ、ありましたわ」
麻里愛はようやくパンティを見つけて履き直す。
「麻里愛ちゃん、青松をカメラに映して!」
「は、はい」
麻里愛が青松の方向を向くと、手には酒瓶が握られており、入り口のパーテーションの前で構えている。
「出てこないなら、こっちから入るぞ」
若手捜査員の一人が警戒しながらパーテーションをゆっくり開ける。
「どりゃあ!」
その瞬間に青松がパーテーションを蹴り上げて若手捜査員ごと吹き飛ばす。
「おうっ!」
「ぐえっ!」
その破壊力は凄まじく二人の成人男性がパーテーションの下敷きになるほどだった。
「大丈夫か⁉︎」
「小原!覚悟!」
吹き飛ばされた捜査員に気を取られた警視に青松が酒瓶を振り上げて襲いかかる。
「させません!」
麻里愛はフラットシートの上からジャンプすると、空中で一回転して青松の脳天に踵落としをお見舞いした。
ドゴッ!
「うごっ!つっうううーー…」
とんでもない衝撃と痛みに青松は意識が朦朧とし、足元がふらつく。
「とどめですわ!」
青松の前方に着地した麻里愛は再びジャンプして、今度は太ももで青松の頭部をラリアットする。
「ぐぎゃお!!良い感触…けど痛い…」
(フライングレッグラリアート…超有名なプロレス漫画の技そのまんまだ)
青松は技の勢いそのままに後方のシートに倒れこんで、意識を手放した。僕は麻里愛の主観映像越しに見事な技を見て、思わず感嘆してしまう。
「ふぅ、警視さん大丈夫でしたか?」
麻里愛はいつもの愛嬌たっぷりの表情で警視に声をかける。
「お、おう…おかげで助かったよ。嬢ちゃん、案外強いんだな」
「はい!この程度なら10人がかりでも問題ありませんわ」
「皆野があんたを選んだ理由が分かったよ…」
警視は感心と恐怖が入り混じったような表情をしている。
「さあ、早くオーナーを確保しましょう!」
「そ、そうだな!おい!いつまでぼーっとしてる!早く拘束しろ!」
「は、はい!」
「すいません、技に見惚れてました…」
とっくにパーテーションをどけて、起き上がっていたにも拘らず呆然と立ち尽くしていた若手捜査員たちは気絶している青松に手錠をかけた。
「ちょっとー!いつまでここにいないといけない訳?」
「私たち、麻薬なんて知らないわよ。Aの連中に聞いてよ」
刑事達の突入から1時間が経過した。オーナーをはじめ、店長の今井、半グレ客、控え室Aのピンサロ嬢たちが順番に警察署へ移送されていく。一方、麻薬とは関係が低いと思われる控え室Bのピンサロ嬢たちは控え室に軟禁されて、順番に事情聴取を受けている。
事情聴取を受け終わった嬢がすぐに帰れるというわけでもなく、捜査本部の許可が出るまでは帰すことはできない。
「もお〜マジ最悪!」
「つうか、この店絶対潰れるじゃん!」
「うわ本当だ!新しい店探さないと」
家に帰れないこと、職を失うこと等に起因する苛立ちが控え室に充満している。
「……あれ?そういえば、リンは?」
スマホをいじることも禁止されて、手もち無沙汰にしているくるみ先輩が先ほどから姿を見せない麻里愛のことに気づいた。
「警察が来てからずっといないわね」
「私、さっき見たんだけど、オーナーがリンを連れてフラットシートのブースに入って行くところを」
「えっ!それじゃあ、Aの仲間だと間違えられたんじゃね」
「ヤバいじゃん!Aの連中は全員警察に連れて行かれてたよ」
「ちょっと刑事さん!」
くるみ先輩と他数名の嬢が控え室前にいる捜査員に声をかける。そして、麻里愛がAではなく、B仲間であることを必死に説明してくれた。
「だから、あの娘はここに来たばっかりで麻薬とかとは無関係なの」
「分かった!分かった!今、捜査本部に確認する」
捜査員は嬢たちから距離をとって、捜査本部に連絡する。
「どうします?麻里巡査の安否を心配する声が後を断ちません」
「珍しいケースだな。たかだか数日で馴染みすぎだろ」
「警察署にいると言えば更に騒ぎそうだし、帰らせたと言えば自分達も帰らせろとうるさくなりそうですし…」
「それだったら、体調不良で病院に行ったと伝えておけ。実際に麻里巡査は具合が悪くなって、皆野がアパートへ送り届けている」
「えっ、そうなんですか。心配ですね」
「まあな。慣れない刑事捜査への参加、孤独な潜入捜査、最後にはあの青松と一対一で対峙したからな。心労が溜まったんだろう」
「無理もありませんね…それでは、病院に行ったと伝えておきます。ありがとうございます」
捜査員は嬢たちの所に戻って、麻里愛が病院に行っていることを伝える。
「そうなのね…それはそれで心配だけど」
「オーナーの奴、何をしたのかしら」
「彼女は今回の件でかなりのショックを受けているそうだ。そっとしておいてほしい」
こう言っておけば、今後も警察官として働く麻里愛のことを彼女らが詮索する可能性を抑えられるだろう。
「分かったわ…」
案外聞き分けのいい嬢たちに捜査員は少し驚いた。そして、今も麻里愛を仲間と信じている彼女らにほんの少しだけ同情してしまった。
1時間前
青松の逮捕後、僕も店内に入って麻里愛や警視たちと合流した。僕の車を使って関係者たちを警察署に移送する予定だったが、どうにも麻里愛の様子がおかしい。頬を紅潮させて目を潤ませており、下半身はずっとモジモジしている。
「どうしたの、様子がおかしいよ」
「皆野さん、実は…」
麻里愛は僕に耳打ちして不調の原因を教えてくれた。先ほど青松に塗られた媚薬の効果がまだ切れておらず、性欲が最高潮に昂っているとのこと。
「そうか…ちょっと待ってて」
僕は警視の所に行って声をかける。
「警視、麻里巡査の体調が芳しくありません。申し訳ないですが、一旦彼女をアパートに送ってもよろしいでしょうか?」
「なに?本当か?」
警視はえらく心配そうな顔をする。こんな顔、部下たちに見せたことは一度もない。
「はい、なので麻里巡査の離脱を許可して貰えないでしょうか。自分は送り届けた後にすぐ戻ってきて移送に参加しますので」
「もちろん離脱は許可する。それとお前も戻ってこなくていい。そのまま彼女を看病してやれ」
「よろしいのですか?」
「ああ、今ある車両だけでも移送はできる。こっちの心配は大丈夫だ」
「ありがとうございます」
まさか僕の離脱まで許可してくれるとは…警視も丸くなったものだ。
「お嬢ちゃん…いや麻里巡査、此度の活躍は非常に助かった。特にあの蹴りには俺の命も助けられた。本当にありがとう」
警視が麻里愛に向かってお礼を言う。
「いえ、私で良ければいつでもお力添えいたしますわ」
「ははっ、頼りにしてるぞ。皆野も…助かった。また今度頼むぞ」
「はい!」
さすがに僕にはありがとうとは言ってくれないか…まあ、僕個人に助かったと言ってくれただけでも嬉しいけどね。
「それでは、失礼します」
「失礼いたします」
「気をつけろよ」
こうして、現場を後にした僕と麻里愛は車に乗り込み、仮住まいのアパートへと向かった。
車を走らせて十分ほど、無事に僕と麻里愛は仮住まいのアパートに戻ってきた。
玄関のドアを開けて、中に入ると麻里愛からいきなりキスをしてきた。
「ちゅぱぁ、ちゅぷ、ちゅぷ❤️ちゅじゅう、っはあん❤️皆野さん…❤️」
オマ◯コに媚薬を塗りつけられた麻里愛の眼は子鹿を狙う虎の如く肉欲にまみれている。うがいをまだ済ませていないので、僕にとっては青松との間接キスになるのだが、そこには触れないでおく。
「ちゅく、ちゅ、ちゅく、じゅるるる、ぶちゅー❤️」
一度離れたと思ったらまたすぐに口を塞がれた。麻里愛は胸を押し付けて、足を絡ませてくる。明らかにセックスをしたいという意思表示をしてきている。
(こりゃあ、布団を敷くのも待ってくれないようだな。玄関で一発やっておくか)
僕は熱烈にキスを迫ってくる麻里愛を受け止めながら、右手だけでズボンのベルトとホックを外してファスナーを下ろす。
「ぴちゃぴちゃ、麻里愛ちゃん…ここで挿入れちゃうよ」
「ちゅ、ちゅぱ、はい❤️来てください」
僕はパンツを下げて中からフルに勃起したイチモツを取り出す。すると、麻里愛が愛おしそうに僕のチンポをさすってきた。
「カチカチですわ❤️」
「ここ数日、ずっと我慢していたからね」
潜入捜査の準備や麻里愛へのフォロー、深夜の捜査会議が続いたことで、プライベートの時間はほとんどなかった。仕事終わりの麻里愛とエッチなことをしたかったが、フォローする立場の僕からは余計な性奉仕を頼むことができなかった。
「挿入れるよ」
麻里愛のパンティをずらして割れ目を露わにする。受け入れ態勢万全の淫裂からは愛汁が溢れていた。
麻里愛は両腕を僕の首に回して、僕は麻里愛の右足を左手で持ち上げて、チンポを斜め上に突き上げる。
ニュプププ
「はあああん❤️❤️挿入って…挿入ってきましたわぁ❤️」
「んっ!いつも以上にトロトロだ。それにキツキツ…」
お互い立ったまま、且つ向き合ったままの挿入。つまり対面立位の態勢だ。四十八手でいうところの“立ち鼎”。
我慢に我慢を重ねた麻里愛は挿入されただけで軽くイってしまったようで、身体が少しの間痙攣した。
(ただでさえ麻里愛ちゃんのマ◯コは名器なのに、今日のは一段とエゲツない。これは気が抜けない)
麻里愛の膣は咥え込んでいる僕のチンポをギュウギュウに締め付けて、早く精液を吐き出させようとしている。
この収縮をゆっくりと時間をかけて堪能したいところだが、僕にもそんな余裕は無い。
「動くよ!最初から全力でいくからね!」
「はい❤️!あぁん!あ!あ!あん❤️」
ぱちゅ、ぱちゅと水分多めの接触音が玄関内に響く。廊下に音が漏れていないか少し心配になるが、麻里愛の女性器に男根を出し入れしたい欲望に敵うことはなかった。
「っく…麻里愛ちゃん、凄く気持ちいい」
「あん❤️あっ!あっ!いい!私も…気持ちいいですわ!ちゅっ❤️」
麻里愛は顔を近づけて再び僕とキスをする。
「れろれろ、あぅん❤️ちゅくちゅく、はぅん❤️」
互いの舌を絡ませ合うキスによって、更に興奮してきた僕はピストン運動をもっと速くしていく。
「あん❤️あん!くっ!はぁん❤️奥まで…来てますわ❤️」
「ふっ!ふっ!腰が止まらない!」
「ああっ!もっと❤️もっと、ください❤️」
「麻里愛ちゃん!」
「皆野さ…んおっ!いいっ❤️熱くて…固くて❤️」
麻里愛の膣内を下から突き上げる度に、エッチな声で反応してくれる。
「麻里愛ちゃん、可愛いなあ」
「えっ…あんっ❤️急にそんな…ああっ❤️恥ずかしいです…んくっ❤️」
セックスしている最中なのに、“可愛い”の一言に恥ずかしがる麻里愛。さっきまでピンサロで働いていたとは思えないほど純情だ。
「はっ…はっ…ちょっと…体位を変えるね」
対面立位は密着度が高くてお互いの顔が見れるのはいいが、激しいピストンには向いていない。やはり射精する時は思い切り腰を振っていたい。
僕は一旦から麻里愛の膣内からチンポを抜く。マ◯コから出てきた僕のイチモツは愛液でテカテカに光っている。
「シューズボックスに両手をついて、お尻を少し突き出して」
「はぁ…はぁ…はい❤️」
言われた通りに麻里愛は下駄箱の上面に両手をついて、お尻を少し突き出す。そして、早く挿入れてと言わんばかりにフリフリとお尻を振る。
「誘惑してるのかな、お望み通りに!」
「はああぁん!あんっ❤️さっきより奥まで…嬉しい!❤️」
僕が一気に奥まで挿入すると、麻里愛は軽くイキながら喜んでくれた。
パンッ!パンッ!パンッ!
快楽に任して全力で腰を振る。結合部からはリズミカルで淫猥な接触音が聞こえてくる。
「くうっ〜!キュンキュン締め付けて、気持ちいい」
「あっ!あっ!あん❤️もっと愛して〜❤️」
「分かった。もっと激しくだね」
僕は限界を突破して腰を振るスピードを更に早めた。麻里愛の形が綺麗なおっぱいがバルンバルンと激しく揺れる。その様子があまりにも魅力的だったので、両手でガシッと掴んで揉みしだく。
「う〜ん♪柔らかいのにハリがあって気持ちいい。おっぱいもオマ◯コも、どのパーツも最上品だね」
「あぅん❤️はあっ❤️あっ!全部が気持ち良くて…頭の中が真っ白になっちゃう❤️」
おっぱいを揉まれて、チンポを締めつける力が強くなる。
「麻里愛ちゃん!締め付けが強すぎて、もうイキそう!」
「うくっ❤️あっ!麻里愛も!麻里愛もですわ!一緒にイキましょう!膣内に射精してください❤️」
「ああ!このまま膣内に射精すよ!」
僕は射精欲を解放させてラストスパートに入る。
「イクッ!イっちゃう!」
「射精る!」
ドピュッ!ドクンドクンドクンドクン…
ビクンっ!!ビクッビクッビクッビクッ…
「はああっ!あぁぁぁん❤️すごい!たくさん射精てますわぁ❤️」
「うっ…!ヤバい、どんどん搾り取られる」
麻里愛のマ◯コはヒクヒクと収縮を繰り返して、チンポからザーメンを搾り取っていく。
ただでさえ締め付けがキツイのに、こんな動きをされたら精巣にある精液全てを吐き出してしまう。
「はぅ〜❤️まだ膣内で…ドクドク言ってます…❤️」
「麻里愛ちゃんのオマ◯コが気持ち良すぎるんだよ」
「嬉しいですわ❤️ちゅっ❤️」
麻里愛は後ろに振り向いて僕の口にキスをする。そのまま舌を絡ませて愛のあるディープキスを楽しんだ。
長い射精がようやく終わると、マ◯コの締め付けも幾分か緩くなった。
僕がチンポを膣から引き抜くと、割れ目からは濃ゆい白濁液が溢れ出て床に垂れていく。
「はぁ…❤️はぁ…❤️」
麻里愛は恍惚な表情で息を切らせながら余韻に浸っている。
「ふぅー、出た出た。麻里愛ちゃん、満足できた?」
「……」
麻里愛は言葉もなくフルフルと首を小さく横に振る。
「良かった。僕もなんだ」
「えっ?あら❤️」
麻里愛が振り向いて僕のチンポを見てみると、それは射精したばかりにも拘らずビンビンのまま天井を向いていた。
「なんだかいつもより元気ですわね」
「たぶんだけど…麻里愛ちゃんの膣内に媚薬クリームが残っていたのかもしれない」
「まあ、大変ですわ!苦しいでしょう…」
「うん、とてもね。本当はこのまま2回戦目にいきたいけど、ここは身体も冷えるし中に入ろう」
「はい❤️」
僕と麻里愛は腕を組んで部屋の中に入っていく。床に垂れたザーメンをそのままにして。
「布団敷かなきゃ」
「そうですね…あっ、シーツを干したままでしたわ」
麻里愛は乱れた服を整えてベランダに向かう。
(たった数日しかいないのに、シーツを洗うんだ。麻里愛ちゃんは本当に綺麗好きだな…いや、もしかして)
シーツを洗ったのは他の理由があるかもしれない。
僕はベランダからシーツを持って戻ってきた麻里愛に質問をした。
「たった数日でシーツを洗うなんて、男の僕からしたら考えられないよ」
「うふふ、最低でも一週間に一回は洗いますわよ」
「ふーん、でもここに来てまだ数日だよね。どうしていつもより早いペースで洗ったの?」
「そ、それは…気分ですわ」
麻里愛が少し言い淀んだ。
僕は質問を続ける。
「もしかして、洗わないといけなくなったんじゃない?例えばオナニー中に潮吹きをしてしまったとか」
麻里愛の顔がカーッと赤くなる。
「あれ、もしかして図星?」
「し、知りません!今朝起きた時に気づいたので何の染みだったのかは分かりません!」
さっきは洗濯の理由を気分と答えていたのに、今は染みということになっている。これはほぼ潮吹きが原因で間違いないだろう。
「昨日寝る前にオナニーはしたの?」
「…しました」
「その時、潮は吹いた?」
麻里愛は口では答えず、頬を赤らめながらこくんと小さく頷く。その様子が何ともいじらしくて可愛い。嘘をつけない純真な心の持ち主なのだ。
「ということは、シーツにできた染みは麻里愛ちゃんのお潮…ブッ!」
麻里愛は僕の顔めがけて枕を投げてきた。
「もう!恥ずかしいこと言わないでください!」
「ごめんごめん、でも今更オナニーくらいでそんなに恥ずかしがらなくても」
「恥ずかしいですわ!」
「分かったよ。ごめんね」
「さあ、早く続きをしましょう」
オナニーしたことがバレるのは恥ずかしいのに、今からセックスすることは恥ずかしがっていないようだ。
麻里愛ちゃんの貞操観念はよく分からない。
(いやでも、僕もオナニーしたことが麻里愛ちゃんや麗子にバレるのは恥ずかしいな…)
「麻里愛ちゃん、さっきはデリカシーに欠ける言動だったよ。本当にごめんなさい」
僕は麻里愛が敷いてくれた布団に入って、謝罪の言葉を発する。
「ふふ❤️良いですわ。でも、他の子に言ったらダメですよ」
「うん、分かったよ。それじゃあ…挿入れちゃうね!」
僕は正常位の体勢で麻里愛のマ◯コに挿入した。
「ああぁん❤️今夜はたくさん愛してください❤️」
「もちろん、キンタマが空っぽになるまでヤリ尽くす!」
僕と麻里愛の逢瀬は日が昇るまで続くのであった。お互いに精魂が尽き果てて満足した頃には、麻里愛の子宮は僕の精液でパンパンになっていた。
数日後
「おはよう」
「おはようございますわ」
いつもの派出所で僕は麻里愛と挨拶を交わす。
体調不良という名目でsexy policeのシフトから外れていた麻里愛は今日から復帰する。
紫のビキニ制服に身を包んだ麻里愛は、いつもの黒髪ロングとナチュラルな化粧に戻っている。
「麻里愛ちゃん、これどうぞ」
「何ですか?」
僕は麻里愛に封筒を渡す。
「ピンサロで働いてくれたことに対する謝礼金。捜査本部が経費で落としてくれた」
「そんな!普段のお給料も頂いているのに、頂けませんわ!」
「普通はそうなんだけど。警視が絶対に渡せと言って聞かないんだよ」
「でも…」
「警視には麻里愛ちゃんと同い年くらいの孫娘がいるんだよ。だから、麻里愛ちゃんに対して感情移入しまくりで…」
「そうなのですか」
「捜査本部の他の人たちからも異論は出てないみたいだし、孫へのお年玉みたいな感じで受け取ってよ」
「分かりました。受け取らさせていただきます」
麻里愛は渋々ながら現金の入った封筒を受け取ってくれた。
「ありがとう」
「ところで、ピンサロの皆様はどうなるのですか?」
「んー、控え室Bの嬢たちは釈放済み。青松と今井は起訴されるだろうね。他の黒服と控え室Aの嬢たちも下手したら送検はされるだろうね。実刑はつかないと思うけど」
「そうですか…今井さん、可哀想ですわ。あんなにお店を愛していらっしゃったのに」
「そこは僕も同情するよ。…実はこの捜査が始まるキッカケになったタレコミがあって、それは今井が警視に直接密告したんだって」
「えっ⁉︎今井さんが直接ですか?」
「そう。今井が若い頃、店内でヤクザと喧嘩して警察沙汰になった話を常連が話していただろ。その時の警察側の担当が警視だったんだよ」
「ええ!」
意外な繋がりに麻里愛は驚きを隠せない。
「薬の密売に嫌気が差した今井は信頼できる警視に密告したんだとさ」
「そうだったのですね。今井さん、苦しんでいらしたのですね…」
「そういうことだね」
僕と麻里愛がしんみりしていると、一人の男が入ってくる。
「おっ、麻里愛ちゃん!もう体調は大丈夫?」
男はこの話の冒頭で麻里愛にフェラをしてもらっていた常連だった。たしか、チケットが貰えるボランティアに参加すると言っていたが…
「はい、バッチリですわ。ご心配おかけしました」
「そうかい!そりゃあ良かった!それじゃあ、早速サービスしてくれるかい?
「はい、もちろんですわ!ところで、サービスの内容はもしかして…」
麻里愛の問いかけに男はチケット5枚を取り出して、ヒラヒラと見せてきた。
「男に二言はねえ!ちゃんと5枚獲得してきたぜ」
「まあ、素敵ですわ」
「これで本番ができるんだよな?」
「はい!前からでも、後ろからでもご自由に私の穴を使ってください❤️」
「おほっ!早速いつもの部屋に行こう!」
麻里愛と男は派出所奥にあるプレイルームに消えていった。
僕は瞬時に気持ちを切り替えて男性客に笑顔を向ける麻里愛のプロ意識に只々感嘆するのであった。
読了ありがとうございました。
あれも書きたい、これも書きたいと詰め込んでいくうちに
文字数は48000字以上になってしまいました。
前作から別にサボっていた訳でもないのに、3ヶ月も執筆にかかってしまいました…
次回はもう少し展開を抑えていきます。