※この作品はR-18です。

秘書子とソーマ   作:タイフーンの目

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緋沙子さん、バレンタインデーにとろとろ蕩ける(中編)

■04 絡む指と

 

「おーい緋沙子」

 

 創真は彼女の背中に呼びかける。

 

「機嫌直せってば、おーい」

 

 しかし緋沙子は、背中を丸めて、うつろな視線をテレビに向けている。彼女はいま、幸平家の小さなこたつに入り、ひたすら拗ねていた。

 

「――ったく」

 

 創真は、お盆をこたつの上に置き、緋沙子の前に湯飲みを差し出す。

 

「まだ怒ってんの?」

「…………怒ってなどいない」

「怒ってんじゃん」

 

 彼女は、創真のほうをまったく見ようともしない。

 

 あのあと緋沙子は、店の隅でうずくまって、ぶつぶつとなにやら呪詛めいた言葉をつぶやき続けていた。仕方がないので、創真は一人で明日の仕込みを終え、なかなか動こうとしない彼女をなかば無理矢理、居間へと引っ張ってきた。

 

 それからずっとこうだ。

 

「いいじゃん別に、富田さんたちに見られたからって」

「よくない!」

「そうそう会う機会もないんだろうし……ん、いや」

「……なんだ?」

 

 創真はちらりと緋沙子の顔を一瞥してから、

 

「あー、やっぱいい。やめとくわ」

「気になるだろう? 私の顔に、なにか付いてるか」

「……いや、言ったらもっと怒るかなと思ってさ」

「怒られるようなことを考えてたのか?」

 

 非難するような目で見られて、創真は少し困ってしまったが、

 

「わかったよ。別に、たいしたことじゃないけど」

「いいから、なんだ」

「富田さんたちに見られたの、やっぱりマズかったかなってさ」

「?」

「ほら、もし緋沙子がうちに嫁に来たらさ、ご近所さんになるわけじゃん? オレは気にしないけど……緋沙子が恥ずかしいっていうんならさ、やっぱり気まずいかなって」

「――――よ、嫁!?」

 

 緋沙子の顔がみるみる赤くなっていく。

 

「な、なにを気の早い!」

「…………。んー、緋沙子って、その辺どう思ってるわけ?」

「ど、どうとは?」

「だからさ、本気でオレのこと好きなのかってこと」

「きみは、いきなりなにを――」

 

 目を白黒させる緋沙子に創真は、

 

「オレは本気だぜ。お前とずっと一緒にいたい」

「――――っ」

「まあだからさ……本当は明日も、オレ一人でよかったんだけど。せっかくだし、お前にもウチを見せときたかったし、いい機会かなって。親父はあちこちほっつき歩いてるから、いつ紹介できるかわかんねぇけどさ」

「それは……」

 

 緋沙子はすっかり混乱してしまったようで、口元がぷるぷると震えている。

 

「ま、そういうこと」

「…………」

 

 沈黙。

 狭い和室には、テレビからの笑い声だけが響く。緋沙子は視線を落として、湯飲みから立ち上る湯気を見つめていたが、やがて、こたつの中で身じろぎして、

 

「……私だって、本気だ」

 

 ぽつりと言った。

 

「好きだ。きみのことが――。だけど怖い。気を許すと、今以上にきみのことを好きになってしまいそうで……」

「それって、悪いことなのか?」

 

 緋沙子は首を振って、

 

「そうじゃない。でも――、私は器用な人間ではないから、他のことが手につかなくなってしまうかもしれない。きみのことだけで、一杯に満たされてしまうかもしれない。それが怖いんだ」

「そっか」

 

 創真は言葉を継ぐ。

 

「じゃあ、別れるか――」

「――――!」

「なーんて、言わないぜ」

 

 緋沙子はふたたび困惑した表情になる。創真は、こたつの中で彼女の手を握った。

 

「あ――」

「お前がポカしたら、オレがフォローするからさ。んで、オレが馬鹿やったら、お前がブレーキをかけてくれればいい。オレたちって、そんなコンビだろ?」

 

 創真は笑ってみせ、

 

「だからオレは、お前が嫌だって言っても離さない。諦めねえから」

 

 緋沙子の手をぎゅっと握りしめた。彼女の細い指は、しばらく戸惑っていたが、やがて、絡めるように創真の手を握り返した。

 

「嫌なわけ、ないだろう。私だって離れたくない。できればこうして、ずっと一緒にいたい」

 

 二人の顔は自然と距離を縮め、ちょんと、鼻先が触れた。

 

「きみの鼻、冷たいぞ」

「厨房、寒かったからな。暖めてくれるか?」

「馬鹿」

 

 唇が触れる。薄皮が接触するだけの、軽いキス。ついばむように、何度も。創真は緋沙子の体温を感じながら、やわらかな唇に何度も触れた。

 

 

 

■05 密着

 

「あっ、やっ――……もう」

 

 緋沙子の熱っぽい声が、創真の興奮をさらに沸き立てた。こたつに座る彼女の後ろに回りこみ、ニットのワンピースの上から両胸をわしづかんで、やさしく揉みしだきながら、

 

「緋沙子、可愛い」

「ば、馬鹿……」

 

 その感触と、緋沙子の反応を味わう。

 右手をするすると腰のあたりに這わせ、こたつの中の、緋沙子の足に触れる。黒いパンストの太ももをじっくりと撫で回すと、緋沙子は身をよじる。そのまま内側へとと――

 

「やっ、ちょっと待って」

「ん?」

「その……」

 

 恥ずかしげな声で彼女は、

 

「シャワー、浴びてない」

「いいじゃん、別に」

 

 言って、創真は彼女の首元に顔をうずめる。

 

「あん――」

「緋沙子、いいにおいだし」

「に、においって」

「甘いにおい」

「しない! そんなにおいはしない!」

「するってば」

 

 白く、やや汗ばんだ首筋に口づけする。さらに上へ。緋沙子の耳を舌で犯す。

 

「あっ、くぅ――」

 

 すると、太ももの抵抗も弱まる。パンスト越しに触れた緋沙子の下腹部は湿っていた。汗――ではないだろう。

 

「なんだ、もうこんなになってんじゃん」

「違う、これは……」

 

 もう一方の手を、ワンピースの首元から忍びこませ、さらにブラジャーの内側へと――柔らかい感触の中に、こりっとしたものを見つけた。

 

「んっ、やあっ――!」

「こっちも、いやらしいことになってるけど?」

 

 逃げようとする緋沙子の体を、上から、下から刺激する。耳元では言葉でなじり、ときに唇を這わせ、彼女の快感を刺激する。

 

 パンストの股間は、まるで直接触れているかのようにぐちょぐちょに湿りはじめ、彼女の性的興奮を伝えてきた。こたつの中で手探りに、彼女の下着の内側へと、右手を滑らせる。ぐちゅん――直に触れたそこは、やわらかな肉が蜜で水浸しになっていた。

 

「はあっ、やん、本当にもう――」

 

 哀願(あいがん)するような声。しかし、それはむしろ創真を駆り立てるだけだ。右手の指で、緋沙子の肉壺へと分け入り、にゅるにゅるとうねる膣内をかき回す。びくん、びくんと彼女の体が震える。

 

「あん! あ――、創真……」

 

 やっとの思いで声を絞り出し、

 

「キス、して」

 

 切なげな瞳でこちらを見た。

 

 

■06 攻守

 

 唇を重ねる。先ほどとは違い、今度は愛欲に身を任せたむさぼるような口づけだ。舌を絡み合わせ、互いの唾液を塗りつけ、体温を交換する。手は休まず緋沙子の性感帯を刺激し続ける。

 

「んむっ――はあっ、あんっ!」

 

 快楽の波は緋沙子の体を、ときおり不意に痙攣(けいれん)させる。彼女は唇を押しつけるようにし、細い腕が創真の背中に回され、きつく抱きしめられる。

 

「緋沙子――」

「好き、好きだ」

 

 ぐいと、創真は押し倒される。畳で仰向けになると、緋沙子の心地よい体重が胸のあたりに掛かった。彼女のつややかな髪が、はらりと垂れる。

 

「もう、きみはいつもいつも……」

「嫌いじゃないだろ?」

「馬鹿」

 

 言って、緋沙子は創真の唇を奪う。

 

「ほら、スイッチ、入ってんじゃん」

「きみのせいだ。……いつも私ばかり襲われては不公平だ。だから――」

 

 緋沙子は創真の服をたくしあげ、

 

「今日は、私もしてあげる」

 

 小さな唇が、創真の乳首に触れる。

 

「うおっ――!?」

 

 ちろちろと、舌でなめ回されて、創真はなんとも言えないむず痒さを感じる。

 

「ふふっ、どうだ?」

「くすぐったいっつーか、その――」

 

 緋沙子はうっとりと微笑むと、創真の乳首をさらに唾液で濡らす。もう一方の突起は、緋沙子の細い指でくりくりと刺激を与えられる。

 

 思わず声が出る。素肌を緋沙子の毛先が撫でて、ぞわりと背筋が震える。はじめのうちは、こそばゆさしかなかったが、次第に痺れるような快感に変わっていく。

 

 緋沙子の口元からも吐息が漏れる。

 

「はむっ、んちゅ――」

「くっ、緋沙子、それやばい……」

「ふふっ、男の子も乳首、感じるんだな」

 

 嬉しそうに笑う。

 気づくと、彼女の太ももが、創真の下腹部にこすりつけられていた。

 

「ほら、こっちもこんなに硬くなってる……創真、気持ちいい?」

「ああ……」

 

 快感が首を絞める。緋沙子から与えられる刺激だけでは、物足りなくなってくる。このまま彼女を組み伏せて――

 

「駄目」

 

 創真の考えを察したのか、緋沙子は言って、

 

「まだ私の番だ」

 

 こたつに首まで入ると、創真の下半身へと顔をうずめる。

 

 ジャージのズボンと、下着を脱がせ、すでにパンパンに腫れ上がった創真の先端を、ちろりと舐める。創真の口から、不意にあえぎ声が漏れる。

 

 痛いほどそり立った男根の、その裏筋を少女の舌が這い回る。つうーっと、根元から先端まで、丹念に舐め上げられる。睾丸(こうがん)を舌で転がされ、緋沙子の手が竿を上下にこすり上げる。

 

「待て、まじでやばいって、それ」

「やばい? ふふ、でもこっちは、やめないでと言っているようだぞ?」

 

 緋沙子は恍惚とした視線で見上げてくる。腫れ上がった亀頭をやさしく撫で、そこへ唾液を垂らし、指を絡ませ、搾り取るようにピストン運動を加えてくる。

 

「ほら、すごく硬くなった……創真、気持ちよさそう」

 

 全身の筋肉が硬直し、何も考えられなくなる。

 

「ふふっ――」

 

 緋沙子は妖艶に微笑むと、ぱくりとペニスを頬張った。緋沙子の口内は唾液で満たされた肉の部屋。粘膜同士が接触し、どちらの体液かわからないものが、潤滑油として機能する。

 

 じゅる、じゅぽっ――緋沙子が首を上下するのに合わせて、いやらしい水音が立つ。

 

「ふうっ、んうっ――」

 

 あえぎにも似た緋沙子の声。

 

 奉仕するのが彼女で、されるのが彼――そのはずだが、彼女自身、まるでペニスで口を犯されているかのようだ。根元までくわえ込むと、大きくなった先端は、彼女の喉を突く。それすらも彼女は悦びに変えているようだった。

 

 ぐぽっ! じゅぽっ――緋沙子の動きが激しくなっていく。一心不乱に創真の股間に顔をうずめ、舌による愛撫も速度を増す。

 

「緋沙子、オレ、もう――」

 

 欲望の塊が、睾丸から押し上げられてくるのを感じながら、創真は苦悶の声を上げる。

 

 緋沙子は優しい手つきでふたつの睾丸を揉みしだき、

 

「出して。創真の精子、私の口の中にたくさん出して」

 

 言って、ふたたび男根を咥える。

 

 我慢の限界など、とうに越えていた。

 

「んっ、ふうっ――んん」

 

 緋沙子の口を汚したい。耐えがたい衝動は、とうとう先端から溢れた。びゅるっ、ぶぴゅっと、熱い液体がぶちまけられる。

 

「んっ――!」

 

 緋沙子は、残さずそれを口内で受け止める。それでもなお、彼女は首の動きを止めない。搾り取るように、創真の竿を、唇でしごき上げる。じゅるっ、じゅぽっ――。

 

 やがて、びくびくと痙攣するペニスから口を離すと、彼女の唇からは、唾液に混じって白いものが垂れた。ごくりと喉を震わせて彼女は、

 

「ふふっ、いっぱい出た」

「お前な……」

「気持ちよかった?」

「――ああ。完敗」

 

 緋沙子は嬉しそうに笑った。

 

 

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