※この作品はR-18です。

秘書子とソーマ   作:タイフーンの目

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即堕ち2行・秘書子ちゃん!

■即堕ち①:ふるえる文明の利器

 

 ある日のこと――。

 

「あのさ緋沙子。こんなもの買ってみたんだけど」

「ん――?」

 

 えりなの世話のため極星寮をおとずれていた緋沙子は、創真に呼び止められ、彼の部屋で、小さなダンボールの包みを差し出された。

 

 蓋を開けると……

 

 開けると。

 

「……なんだ、これは」

「ん、電気マッサージ器」

「…………」

 

 こけしのような形をした、電気マッサージ器であった。

 

「どう――使うのだ……」

「ん、まあまあ」

 

 言って、創真は包みから電気マッサージ器を取り出し、スイッチを入れた。独特の振動音が部屋に響く。

 

――ヴィイイイイイン……

 

「いや創真、『まあまあ』ではなくて……」

「あはは。まあまあ……」

「だから何なんだ! なぜそう低く構える!」

 

――ヴィイイイイイン……

 

「いやあ、緋沙子も最近疲れてるかなって」

 

 創真の電マは、床すれすれを低空飛行し、緋沙子の下半身に迫っていた。

 

 

――ヴィイイイイイン……

 

 

「じゃあ肩にしろ! ほらもっと、違う場所があるだろう!」

 

 馬鹿だ馬鹿だとは思っていたが、まさか自分の恋人がここまで愚かだとは、思ってもいなかった。

 

「私はこれで失礼する――!」

「ちょっと待てよ緋沙子、これ、意外と高かったんだぜ」

「知るか!」

「ほら、すげぇ気持ちいいらしいぜ? [[rb:榊 > さかき]]が言ってたんだから、間違いねぇって――」

「た、ただれている!」

 

 

 

――ヴィ、ヴィイイイイイン……

 

 

 

 …………。

 

 気持ち……いいのだろうか?

 

「はっ!」

 

 危ない。危ない。

 あやうく、怪しい誘いに乗ってしまうところだった。

 

 

――ヴィイイイ!

 

 

 …………。

 電マが誘っている。

 

「ほらほらー、絶対気持ちいいからさ。な? オレが手伝ってやるって」

「あり得ない! 断じてありえない!」

 

 そうだ。あんなものが気持ちいいわけがない。あんな――丸っこくて、ぶるぶる震えて、ちょっといやらしい形の、あんなものが。あんな規則的で小刻みな振動で、下半身を刺激されて、気持ち良くなるわけがない……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・ ・ ・

 

 

 

 

 

 

「気持ちいい! 気持ちいいよおっ! あっ! も、もうダメ! 創真っ、見ないで! やあっ、おかしくなりゅ! わ、わらひ、おかしくなっちゃううううう! あっ、あっ、あああああっ――!」

 

 

 日々の疲れはすっかり吹き飛んだとさ。

 

 

 

 

 

 

■即堕ち②:テレフォンショッキングピンク

 

「おいーっす」

「なんだ、こんな時間に」

 

 その日の緋沙子は、学業を休み、新戸家の用事で九州に来ていた。

 

 ビジネスホテルの狭い部屋にチェックインし、制服姿のままベッドに腰かけたところで、創真から電話があったのだった。

 

「いや、緋沙子が寂しがってるかなって思って」

「――そんなわけがないだろう」

 

 たった2、3日会わないだけで、寂しさなど感じるはずもない。創真の声を聞いてほっと一安心など――あるわけがないのだ。

 

「そうか? ふうん。オレは寂しいけどな」

「な、なにを――」

「だから嬉しいぜ。緋沙子の声聞けて」

「か、からかうな、バカ者! バカ創真!」

 

 一人の部屋で、なぜこんなに慌てふためいているのだろう。緋沙子は熱くなった頬を押さえながら、

 

「よ、用事がないなら、もう切るぞ! 明日も早いのだ!」

「いや、用事ならあるぜ」

「ん――そうなのか?」

「おう。緋沙子さ――」

 

 声を落として創真は、

 

「オナニー、してみてくれよ」

「お、おおおおお――!? 何を言っているんだ、きみは!」

 

 先ほどとは違う理由で頬が赤くなる。

 

「聞きたいんだよ、緋沙子の可愛い声」

「バカ、バカだきみは!」

 

 やるわけがない。

 そんなはしたなくて、胸がドキドキするような真似は――。

 

 確かに、思いがけず恋人の声を聞けて、少しは高揚している自分がいる。だが……だからといって、自分で自分のことを触るなど――しかも、その一部始終を電話で彼に聞かせる? 恥ずかしい声とか、音とかを、創真に聞いてもらって、いやらしい命令を下してもらう?

 

 あり得ない。そんなハレンチな行為は、絶対にしてはならない。

 

 たとえ、もう既に下半身がうずいていたとしたって……そんなこと、できるわけがないのだ…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・ ・ ・

 

 

 

 

 

「ぐちゅぐちゅ! ぐちゅぐちゅいってるっ! あう、創真……すごい、指、きもちいい――! もっと、もっと言って……ん、んうっ! そう――、はあっ、き、聞こえる? 私のおまんこ、いやらしい音してるのっ、やあ、もっと、もっとかき混ぜてっ――――!」

 

 翌朝、なぜか肌つやの良かった緋沙子は、いつもの1.5倍の速度で仕事をこなしたのだとか。

 

 

 

 

■即堕ち③:スーツ系男子

 

「んー、首元くるしいな、これ」

「ふふっ、馬子にも衣装といった感じだな」

 

 窮屈そうにネクタイをいじる創真を見て、緋沙子は微笑ましい気持ちに包まれた。

 

 十傑第七席、[[rb:一色慧 > いっしき・さとし]]の仕事についていくのだと言う創真を、新戸家にまねき、スーツを見立てている最中のことだった。

 

「さっきのダークグレーもよかったが、濃紺のスーツもなかなか似合うじゃないか。そうだ、こっちのネクタイはどうだろう……」

 

 クローゼットから見繕った一本を手に、振り返った緋沙子は、

 

「っ――――!」

 

 ふと、固まってしまった。

 

「ん――」

 

 しかめっ面で、ネクタイを緩める創真。……なんだか、仕事を終えて帰宅したビジネスマンのような――妻の前で、『外の顔』から『内の顔』に切り替わる瞬間のような――そんな色気を、感じないでもなかった。

 

「さ、さあ、こ、ここ、こっちも似合うと思うぞ?」

「ん? どうしたんだよ緋沙子。顔赤いぞ」

「何でもないっ!」

「? 変なやつ……」

 

 いぶかしがる創真からネクタイを奪うと、別の一本を彼の首に回し、胸のところで結んでやる。

 

「……なんかさ、こうしてると夫婦みたいじゃね?」

「ばっ――――!」

 

 言われてみると、そんな構図である。

 

 胸元のはだけたカッターシャツ。結びかけのネクタイ。自然、互いの距離は近い。一方の緋沙子はと言うと、制服のブラウスにエプロンという出で立ちである。

 

 

 ……しかし。

 

 男子のスーツ姿に欲情するなんて、そんな単純な思考回路は、あいにく持ち合わせてなどいない。普段だらしないくせに、こうしてみると凜々しく見えるんだなぁ、なんて、絶対に思っていない。

 

 それにまだ昼間だ。

 たとえスーツ姿のまま迫られて、抱きしめられ、情熱的なキスをされたって、一線を越えることなんて、絶対にないのだ。新戸家の一室で、制服エプロンのまま創真に犯されるなんて、あってはならない。そう、絶対にあり得ないのだ…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・ ・ ・

 

 

 

 

 

「んうっ! 激しいっ――は、はぁっ! そんな、後ろからなんて……やああっ! 好き、好きなのぉ――創真のこと、大好きだからっ! だからもっと、熱いのいっぱい――――!」

 

 あつあつであった。

 

 

 

 

 

 

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