唇をついばみ、舌を絡める――。
純子とのキスの甘さに、愛の興奮は高まるばかりだった。
練習着のままの純子。彼女の首筋に唇を這わせると、
「ん……やっ、愛さん……」
怯えるように、そして期待するように純子はむずがる。
「まずはさっきのお返し、たっぷりするからね?」
耳元でささやいてやると、純子はびくっと震える。漏れる吐息が
ゾンビィ同士だからだろうか、肌を冷たいとは思わない――まるで生身のままの感触。温感。
「ん、ちゅっ、はむっ……」
その肌をむさぼっているだけで、愛自身の快感もエスカレートしていく。
(いつもと……違う……?)
その興奮具合に、愛は内心で戸惑う。
純子を抱きしめるときにはいつも、ちょっとばかりの後ろめたさと、頭の奥が痺れるような幸福感で満たされる。彼女の困った反応が見たいという
――だが今はそれに加えて、どこか、自分でもコントロールできないマグマのような激しい感情を、胸の内に確かに覚えていた。
この、
(どうして……こんな……)
これから彼女を、自分のモノで穢してしまおうとしている。
その征服感に、その背徳感に愛の思考は絡め取られて、冷たくなったはずの全身が熱く沸き立っていく。
「愛……さん……っ? あっ、いけませ、んっ……!」
左手で純子の可憐な乳房を揉みしだく。
優しくしてやりたいのに、冷静でいられない。服の上から彼女の気持ちいいところを刺激してやる。
「あっ、あ、……ん、くふっ……、んんっ!」
彼女の可愛らしい反応は、愛の情欲をさらに加速させる。もっといじめて、彼女のもっと可愛いところを剥き出しにさらしてやりたい。
「純子、……舐めちゃうね?」
「えっ、や、あ……!」
練習着の裾をぐいと引っ張りあげる。
ダンス用のブラトップ、色気のない黒一色。可憐な純子のイメージとはギャップがあるその胸元に唇を沿わせる。
布越しにわかる小さなしこりを、唇で挟んで、甘噛みにする。
「きゃうっ!? はっ、ああっ……!? い、いやっ、愛さん、だ、だめですっ……そこ、いじめないでっ……」
もう一方の乳首は、右手の指で、ごくゆるい刺激を与える。布地に触れるか触れないか、といった程度の接触。左右にアンバランスな快感を浴びて、純子の戸惑ったようなあえぎ声がいっそう甲高くなる。
「んっ、やっ、……あっ、あ、ああっ……! 愛さん、愛さん、愛さんっ……!」
甘い声で名を呼ばれると、頭の中がまっ赤になるくらいに興奮する。
純子は、まだ快感に抗っているようだった。ほとんど無意識なのだろうが、両手で愛の肩を押し返そうとしてくる。
愛はブラトップもはだけさせ、純子の両手を力尽くでベッドに押しつけながら、剥き出しになった乳首に吸いつく。
「すごい……ビンビンだよ? んっ、ちゅるっ、ん……」
「そ、そんなことっ……、は、ぁあっ……! あんっ! そ、そんなに、そんなのっ……! あ、ああっ……!?」
身をくねらせる純子を押さえつけながら、愛は自分の欲望を満たす――けれどその欲望は、彼女にもっともっと感じて欲しいという方向へ向かっていた。
どう責めたら彼女は悦んでくれるだろう。もっと甘い声で鳴いてくれるだろう。彼女に、何も考えられないくらい気持ち良くなって欲しい。
右手は、自然と純子の体をまさぐっていた。右乳房のほのかな弾力。無駄な肉のないウェストの曲線。お腹は、薄いのに柔らかくて触り心地がいい。
「んっ、く……、はあっ……」
純子の吐息に熱っぽいものが混じってきた。
「純子、期待……しちゃってる?」
「し、してません……」
顔を横にそらして彼女は、
「私……そんなにハレンチではありませんから……」
「嘘。さっきは私のこと、あんなにしたくせに」
「あ、あれは……つい……、愛さんが、可愛らしいから悪いんです……」
「同じようにして欲しくないの?」
「…………」
「私は、したいな」
胸元から、純子の顔を見つめあげるようにする。目が合う。快楽と理性のあいだで揺れ動くような彼女のまなざしに、愛の胸は締めつけられる。
「もっと純子に気持ち良くなって欲しい。私の手で、そうしてあげたい。だめ?」
「だ、だめなんかじゃ……」
「私はさっき気持ち良かったよ? 純子にあそこ、たくさんいじられて。女の子同士なのに、恥ずかしいのに、って思いながら……でも、すごく良かった。純子の指でされて、もっと、もっと、って思っちゃった」
「愛さん……」
「純子にもそうなって欲しい。私、頑張るから。ねぇ、だめ?」
「…………」
彼女は喉を小さく鳴らしてから、震える声で、
「……お、お願いします。愛さんの手で、私のこと――」
「うん。……いくね?」
右手を、純子の服の中へと滑り込ませる。
ショーツの中は、じっとりと湿っていた。そのことを恥じているのか、純子は顔を横に向けて、枕を引き寄せ表情を隠してしまう。
そんな姿を見せられると、いじめたくなって、たまらなくなる。
「もう、こんなになっちゃってるんだ。乳首、そんなに感じちゃってた?」
「~~~っ、ち、ちがい、ますっ……!」
「じゃあ私のことイカせたときに、興奮しちゃったんだ……人のこと触りながら。エッチ」
右手で秘裂を。唇で乳房を。
「や、ああっ……!」
くちっ、くちっ――
指でなぞるだけで淫らな水音がする。
だが純子にはもう抵抗するだけの自制心はなくなってしまったようで、愛の手の動きに合わせて、腰をぶるぶると震わせ、その快感を
一方で、愛の興奮も止まらなかった。
自分の蜜壺が、甘い悦びに満たされているのを感じる。例の
この、いま右手で一生懸命に愛撫している柔らかな肉の壺に、これからこの異物を挿入するのだ――。
そう考えると、愛自身も怖くなる。
けれどもう止まれない。止まりたいとも思わない。
「純子……っ」
彼女を大事にしたい。けれど壊してしまいたい。慈愛と情欲とが同じだけ愛の中で渦巻いて、もう狂ってしまいそうだった。
胸から口を離して、ふたたび純子の唇を奪う。
すると彼女も応じてきた。
普段大人しい純子からは想像もできないほど荒々しい舌の動き。はしたない吐息。
両腕で、愛に抱きついてきた。
「んっ、はふっ……んんっ」
「じゅん、こっ……んっ」
彼女の手が服の中に入ってくる。
背中をまさぐられて、ブラのホックを外される。
どこを触れられても気持ちがいい。
純子の両手が胸に触れる。
「んっ!? んんっ……!」
思わず背筋が痙攣する。仕返しとばかりに愛は、純子の髪をなでつけていた左手を、彼女の胸に這わせる。
愛撫は、次第に形を失っていく。
もう、どこを触ってあげようとか、どこを触って欲しいだとか、そんな想いは曖昧になって、ただひたすらに肌を重ね合わせることだけに夢中になる。
半狂乱になった2人は、ベッドの上でひとつに混ざっていった。
衣服は乱れに乱れて、互いの唾液で耳が、首筋が、頬が、乳房がべとべとになっていく。太ももには純子の熱さを感じるし、自分のそれを彼女の太ももにもこすりつける。
「純子、好き、好きなのっ……好き……っ」
「私も、私もです……っ、愛さん、愛さんっ!」
ずっとこうしていたい。けれど、もっと奥へ、彼女の中に進んでしまいたい。
「純子……っ」
泣きそうな顔をしてしまっていたのかもしれない。
愛の葛藤を見てとったかのように、純子は、
「どうぞ……きてください。私、もう大丈夫ですから……っ」
「で、でも」
純子の手が頬に当てられる。
「……もう。しようって言ったの、愛さんじゃないですか」
「そう、だけど……っ」
「ふふ。愛さんのこんなに困った顔、めったに見られないですよね。可愛いです」
「ばか……」
「きて。きて、ください」
純子は愛の頬を撫でて、涙目でほほ笑んだ。
「私のヴァージン、愛さんに捧げます……捧げたいんです。私のこと、愛さんでいっぱいにしてください」
「っ…………!」
感情が爆発するのを感じる。味わったことのない
愛は自分のものを純子のクレパスにあてがい、ぐっと力を込める。先端部が陰唇にずぷりと埋まる。
「んっ!? ひうっ……!」
「じゅ、純子……」
「い、いいですから……大丈夫、ですから……っ」
苦悶する姿すら愛おしい。
もっと彼女を知りたい。この身に感じたい。
愛は、腰を押し進める。肉の抵抗。けれど奥からは蜜が溢れ出てきて、2人をじゅくじゅくと濡らしていく。
「くっ、いく……よ、純子っ……」
思い切って腰に体重をかけると、
「あっ!? あ、あああああっ……!」
肉をかき分ける感触。膣壁が強く締めつけてきて、異物を押しだそうとする。純子の腰が苦痛のために小刻みに震える。
「あ、愛さんっ……!」
両手を差し出してくる純子に、愛は覆いかぶさる。
抱きしめ合って、苦しい挿入を続ける。ぎちぎちとキツい膣肉。愛のわずかな動きにも純子はビクリと反応して、首に回された腕に力が込められる。
彼女がこんなに苦しんでいるのに、愛はどうしようもないほどの幸福感を覚えていた。
いま、彼女を苦しめているのは自分なのだと、けれどそんな彼女がすがっているのもまた自分なのだと――そう思うと、気が遠くなるほど嬉しかった。
愛は、さっき純子がそうしてくれたように、彼女の頬を優しく撫でる。
「愛、さんっ……」
「ごめんね、こんなことしてるのに……純子のこと、可愛くてたまらないの。好き。大好き」
「んっ、……は、あっ……ず、するいです、いま、そういうこと、言うの……っ」
「しんどい? 抜こうか?」
じっと目を見つめて言うと、純子は、小さく首を横に振った。
「それは……いや、です……。せっかく、こうして……んっ! 愛さんを感じられてるんです、から……っ。で、ですけど……」
「なに?」
「か、代わりに……いっぱい抱いてください。好きだって、囁いてください……そうしたら、私……耐えられますから……っ」
彼女の望むとおりにしてやる。それは愛の望むことでもあった。もっと純子を感じていたい。感じさせてあげたい――何度愛を囁いても、足りそうにはなかった。今の気持ちを充分に伝えられそうになかった。それでも。
「純子、純子っ……!」
「は、あぐっ! ……あんっ! 愛さん、愛さんっ……!」
純子の声にも甘い響きが混じり始めていた。苦しいには違いないだろう。
けれど彼女も感じてくれている。自分のことを受け入れてくれている――受けとめようとしてくれている。彼女の肉壺が、ぎゅっ、ぎゅっと収縮して、愛のことを抱きしめて離そうとしない。
腰の奥に、痺れるような快感が走る。
「だめっ! もう、私、私っ……また、出ちゃうっ……!」
「あっ、あんっ、あああっ……!」
腰が止まらない。根元から先端まで、純子に搾り取られる。
「じゅ、純子、脚……ほどいてっ、出ちゃうから、中に、出ちゃうからっ……!」
未知の快楽に狂いそうになりながらも愛は引き抜こうとするが、腰に絡められた純子の脚は、いっそう力を強めてくる。
「な、なにしてんのっ……、で、出ちゃうってばっ!」
「いやっ、ぬ、抜かないでください……っ、出して、出してくださいっ」
「なにを――」
「だって!」
ごく至近距離で見つめ合いながら、
「……だって、んっ! はあっ……! た、たくさん出してもらったら……また、私にも生えるかもしれないじゃないですか。……そうしたら、今度は私が、愛さんのこと……してあげられるかもしれませんから……あんっ」
「ば、ばか、そんなこと考えて――」
「馬鹿でいいです……! だって、だって……こんな幸せな気持ち、愛さんにも、感じて欲しいですから……っ、い、いま私……とっても幸せです。いちばん大事な人に、愛さんに、こうして……してもらうの、幸せなんです……っ!」
純子の腕に引き寄せられて、きつく抱き合う。
「……分かったわよ、もう、我慢しないからね……んっ、あっ……こ、このまま、出しちゃうからねっ?」
「はい、はいっ……! ください、愛さんの、いっぱい……んっ! あああっ!!」
身体はもう愛の意思から離れて、勝手に動く。腰の動きが速くなる。
「純子っ、い、くっ……! い、いっちゃうっ! やっ、あああぁんっ……!」
「はあっ、あっ、あああああっ……!!」
どくどくどく、びゅるっ――
純子の蜜壺の中へと、激しく吐精する。
腰がぶるぶると震え、次から次へとドロドロした液体が膣内に送り込まれていく。それに伴う快感が、愛の全身を貫いた。
「うぐっ!? あっ、出る出る出るっ、出ちゃうっ! こ、こんなの……だめっ! と、とまらないっ! ふ、ぁああああっ……!?」
びゅくっ、びゅっ、びるるっ――
発射による快楽は、頭が真っ白になるほどだった。腰を純子に押しつけ、最後の最後まで出させてもらう。
「んっ、く……あ、ああああっ……」
「ああっ……、あ、愛さんの、んくっ!? あ、あつい……はっ、ああああっ……!」
きつく抱きしめ合って2人は、びくびくと大きく痙攣しながら、そろって絶頂を迎えた。
+ + +
ひと通り白濁液を吐きだすと、愛のきのこはポロリと抜け落ちた。
心地よい倦怠感に包まれながら2人は、ベッドの中で抱き合っていた。
「まだ痛い?」
「はい、ずきずきします……」
愛の腕の中で純子は、甘えるように身をすり寄せてきて、
「でも、嬉しいです。ああ、これ夢じゃないんだなぁって」
「なによ、それ」
「だって……女の子同士ですよ、私たち? それなのに、こうやって……」
「まあ、ね」
改めて言われると、愛もいたたまれない気持ちになって頬を赤らめてしまう。
「今度私に生えてきたら……そのときは、お願いしますね?」
「んー、どうしよっかなー」
「ええっ!? ずるいですよ、さっき約束したじゃないですか」
「ふふ。嘘に決まってるでしょ。……私の初めても、純子にあげるから」
「絶対ですよ」
言いながら抱きついてくる純子は、いつもよりずっと素直で、その肌はいつもより柔らかく感じられた。甘く、とろけるような抱擁。
純子は顔をあげると、とろんとした瞳で見つめてきた。
「愛さん。もう一度キスしてください」
「ん。一回でいいの?」
「……いやです。たくさん、してください」
そうして2人は、次の約束を何度も何度も交わしながら、時間を忘れて抱きしめ合った。