【書籍化&コミカライズ】ツンデレ女子が幼馴染の鈍感男子に「ざまぁ」されていたので、寝取って教え込んであげた話 作:タイフーンの目
「あ、ん、んっ――」
涼介とキリエは、ベッドの上で正常位で交わった。
コンドームでの挿入。
キリエは侵入してくる硬いものを強く意識しながらも、ゆっくりと息を吐いて、その異物を迎え入れるようにする。
(あっ、ここ――)
つぷん、と、キリエの中の狭い部分を涼介が押しのける。まだ、身を貫かれることの苦しさは残っている。でも、その感覚が――
(これ、好きっ……涼くんのが、来てるっ)
体内に恋人の感覚を感じて、キリエは幸せに浸る。
ソファでの時より、お互いに幾分か落ち着いている。余分な緊張が解けて、セックスを愉しむ余裕が出てきている。
セックスを愉しむ――
まさか、自分がそんなことを思うなんて。
どこか後戻りの出来ないところへ踏み込んでしまったような恐ろしさを抱く。だが同時に、涼介によってそこへ導いてもらったことへの喜びも感じていた。
「んぅうっ……、んっ、んッ!」
ふと、涼介と目が合う。
日常では見せない色気を彼に感じながら、でも、この体位だと少し距離があることを、寂しく思いながら彼を見つめる。
「――キリエ、可愛いよ」
微笑とともに囁かれると、急に恥ずかしくなる。
当然だが今は裸で、感じている顔も見つめられているし、はしたない声だって聞かれている。
「やっ――」
すぐ隣にあった大きな枕をたぐり寄せて、自分の顔にかぶせる。ぎゅうっと押しつけ、声が漏れないようにする。
「顔、見えないんだけど?」
「いいのっ――、んっ、んっっ」
恥ずかしさを紛らわすことには効果があったが、自身の視界を遮ったことで、余計に結合部の感覚が敏感になってしまった。
性器がこすれ合うたび、自分は女で、彼は男なのだと強く強く意識する。
最初はあんなに痛かったのに。まだ、彼に抱かれるのはこれが2度目なのに。学校で会っていた頃は、師藤涼介なんて他人で、嫌いなタイプですらあったのに。なのに今は――
「んッ、んぅッ、んんんッ――」
■ ■ ■
「残念――」
涼介はつぶやく。
キリエが顔を隠してしまったことに対する、素直な感想がそのまま言葉にして漏れてしまっていた。
もっと彼女の顔を見ていたかった。
自分のせいで苦悶する顔も、覚えたての性悦に戸惑う顔も、昇り詰める快感に我を失いそうになっている顔も。そして、からかうと目を吊り上げて怒る顔と声も――
(……それなら)
彼女が顔を見せないというなら、それでもいいだろう。
別の方向で責めるまでだ。彼女が快感で耐えられなくなるまで、自分にすがりついて来るまで責め立てる――
キリエの腰を軽く持ち上げて角度を変えさせて、より深いところへ届くようにする。
ゆっくりと腰をグラインドさせ、キリエのことを、こつん、こつんと優しく突きあげる。
「んッ!? ふっ――んぐッ!?」
余裕を取り戻しかけていた彼女の嬌声が、一段階高くなる。弛緩していた太腿がこわばって、涼介の腰を挟んだまま、ブルブルと小刻みに震えている。
「んぅうッ、うッ、うッッ――!」
快感にさざめく彼女の膣肉。
その収縮運動に、涼介も、全身を緊張させて耐える。コンドームの膜を隔てていても、キリエの膣内はあまりにも具合が良すぎる。すでに2度、射精していなかったら、涼介が先に参っていたかもしれない。
「当たってるの、分かる? 入ってるとこ、音も凄くなってるよ」
男根を抜き差しするたび、結合部は、粘っこい淫らな音を鳴らしている。
「んぅううッ、んんっ! んッ――」
キリエは枕の下で、いやいやと首を振っているようで、その表情も浮かんでくるようだ。その反応があまりに予想通りで、あまりに可愛らしくて――
さらに、涼介の嗜虐心に火を付ける。
■ ■ ■
いくら身悶えて腰をひねろうとも、逃げることはできなかった。涼介に両手で拘束されているからだけではない。一番深くて弱いところを、涼介に何度も何度も突かれているせいだ。
(こんな、こんなのっ、知らないっ――)
キリエが自慰を覚えたのはごく最近だし、それだって、訳も分からずに指で性器をこね回すだけの拙いものだった。
それでも十分過ぎるほどに気持ちが良かったし、涼介のことを想いながらの自慰行為は、それはそれで格別の快感はあったのだが――
(これ、違うっ……! からだ、言うこと聞かなくなるっ――!)
持ち上げられて反った腰が、さらに高く跳ねようとする。突かれるたびに悦んで、うねって、震えてしまう。
ごつごつした男性器に何往復もされて、しかもそれが一定のリズムで、キリエの気持ちいいところばかりを叩いてくるものだから、腹の奥に快感が溜まって、疼いて、仕方がない。
「んっ、ぐッ――ぅぐっ!?」
決して早いペースで突かれたわけでもないのに。
まったく同じリズムの快感の波に呑み込まれて、キリエは大きくのけ反りながら絶頂痙攣する。
「んぐっ、んッ、んんんッッ……――!!」
声を抑えるための枕など、何の役にも立たないほどの大声。
でも、叫べば叫ぶほど快感も増すようで、どうせ顔も見られていないのだから――と自分のことを甘やかして、激しい嬌声を絞り出す。
「んッ、ん! んぅうッッ、んぅ、ッッ、ンぐぅうう――ッッッ!」
絶頂中も、涼介は腰を止めずにいてくれた。キリエが気持ち良くなろうとしているのを見透かして、いじめ続けてくれた。
完全に彼の掌の上だ。
でもそれが堪らなく嬉しかった。
「涼くんっ――」
キリエはみずから枕をどかして、また彼を見上げる。
きっと酷い顔になっているだろう。枕で前髪もグシャグシャだろうし、汗もかいているし、表情なんて見られたものではないはず。
でも、そんな痴態も、彼には見て欲しいと思った。
「苦しかった?」
涼介は低い声でたずねながら、キリエに覆いかぶさってきた。
(近い……っ、涼くんが、目の前に……っ)
顔を覆っていたのなんてごく短時間だったのに、涼介の顔が鼻先に迫るだけでドキドキして、寂しかった心が満たされるような気分になる。
「う、んっ――で、でも……」
「気持ち良かったんだ」
優しい声でなじられると、背筋がゾクゾク震えた。長い指で、顔に貼りついた髪の毛を拭われるのも、心地がいい。
「……んっ。で、でもね、次は、出来れば――」
「なに?」
「……涼くんにギュッてされて、気持ち良くなりたい……」
普段なら赤面もの、というか、絶対に口にしないだろう言葉が自然と漏れる。だが、なぜか照れは感じなかった。
「りょ、涼くんにも……気持ち良くなってもらいたい……かも。私じゃ、ダメかもしれないけど――」
おずおずと言葉にすると、涼介は呆れたように目をすがめて、小さくため息をつく。
「……涼くん?」
「本当、キリエってさ――」
「え……、きゃっ」
抱きしめられたかと思うと、涼介が上体を起こすのに合わせて、キリエも座位へと移行する。〝抱っこ〟されたかのような格好だが、肌と肌が密着するうえに、自分の体重が結合部にのし掛かるこの体勢は、裸を見られているときよりも恥ずかしく思えた。
「や、な、なにっ……?」
「これなら、いくらでもギュッて出来るけど。キリエも、好きなだけ」
「っっ、わ、私は――っ、あっ……」
照れ隠しに反論しようとしたところで、涼介に強く抱きしめられて言葉を失う。力強い腕でがっちりと拘束されて。どちらかの腰がわずかにでも動くたび、甘い快感が腰に広がって。
全身が――頭の先からつま先までが、幸せに包まれる。
「んっ、ん――」
悔しいけれど、体いっぱいで彼を感じることができるこの対面座位の体勢を、キリエは一発で気に入ってしまった。
「んっ、んっ、あんっ……」
感情に素直になろうと決めると、そこからはもう快楽しか感じなかった。肌を好きなだけ擦りつけて、抱きしめてもらって、背筋をくねらせて、腰の奥をトントンと叩いてもらって。
「やっ、あ、あっ、涼くんっ――」
切なさに耐えきれなくなってねだると、キスもしてくれる。妄想でするのとはまったく違う、驚くほど気持ちのいいキス。
「んっ、んむッ、んぷっ……、やぁあ、あっ、あっ」
繋がった腰元から、じわじわと、しかし鮮烈な快感が全身に広がっていく。時間を忘れ、理性も捨てて。ただひたすらに恋人の肌を貪る、幸福な行為。
(これっ、こんなの……っ、すごい、すごいっ、幸せすぎてっ、おかしくなっちゃうっ……!)
どれだけ強く抱きしめてもまだ足りない。もっともっと密着して彼を感じたい。
さっきまでと比べれば肉体の動きは穏やかなものなのに、胸中には、狂おしいほどの激情が渦巻いて堪らなくなる。
「涼くんっ、私、わたし、もうッ――!」
「イキそう?」
「うんっ、うんッ! 涼くん、涼くんも、一緒にっ――」
「俺も、もう限界だから。一緒に、イこうか?」
「んッ、やんッッ!……う、うんっ……い、いく、いくからっ、わたし、いくからねっ!?――あっ、あっ、あんッッ、涼くん、涼くんっっ……!」
ビクビクビクっ――と、全身が恍惚に打ち震える。ぎゅっとつむった瞼(まぶた)の裏に火花が散って、頭が真っ白になる。
「ひぅっ、んぅううッッ――、あっ、あぁっっ!? い、いって――ん、ぁあああッッ!?」
一瞬だけ、体がどこかに飛んで行ってしまいそうな不安感を覚える。でもその不安も、涼介に抱きしめられるとあっという間に消え去って、安堵と悦びだけが全身を支配する。
と同時、彼も切羽詰まった声で絶頂を迎えた。
「キリエっ――」
「やっ、ぁッ、ぁあっっ……!」
膣内で彼の怒張が痙攣する。
(射精――っ、してるっ、私のナカでっ……!)
コンドーム越しでもそれは感じられた。彼も気持ち良くなってくれている。自分の中で果てている。お互いに同じだけの強さで抱き合いながら、同時に絶頂を迎えられた喜びに、脳内から快感物質がドバドバと溢れ出るような錯覚すら覚える。
「んぅううッ――、やぁあっ……、涼くんの、出てるっ……! んっ、ん、んぅうっ……」
膣内で感じる脈動を愛おしく思いながら、キリエは甘くて長い絶頂に耽溺していった。
■ ■ ■
「はあ、気持ちいいな……」
2人でほぼ同時にバスタブに浸かると、大量の湯がざばりと溢れていった。
「……もったいない」
「ん? いいじゃん、こういう時くらいは。ホテルなんだし」
「分かってるけど――」
「ここ、2人で入るための広さだよな」
「うん……」
ホテルの広いバスタブで、2人そろって足を伸ばす。
ベッドでのセックスを終えて、涼介は渋るキリエを説得して一緒の入浴にこぎ着けていた。
涼介がバスタブに背をもたせかけ、その腕と脚の中に収まる格好でキリエが。彼女は長い髪を備え付けのゴム紐で簡単に結わえている。どうせ雨でびしょ濡れだったので、このあとでついでに洗髪するらしい。
さっきあれだけのことをしていたおかげか、彼女は過剰に恥じらうこともなく、涼介に身をゆだねている。
綺麗なうなじと、少しの後れ毛。すっきりとした輪郭と、愛らしい頬。長いまつげ。湯に浮かんで揺れるバストに、しっとりとした極上の抱き心地。
「もう……、今日はこんなことするつもりじゃなかったのに……」
リラックスした調子で、キリエがこぼす。
「涼くんって、やっぱりエッチだよね……」
「キリエの水着姿想像しちゃったからなぁ。堪らなくなって」
「……っ、それは、涼くんが買わせたんでしょ!」
「ここで着てみてくれてもいいのに」
「やだ、ダメ、却下。変態」
目だけで振り向いて、蔑んだような視線を投げかけてくる。
「第一、水着なんかより凄い格好見てるくせに……今だって」
「それはそれ、これはこれだから。……まあ、水着は旅行での楽しみに取っておこうかな」
「そうしてよね」
クラスメイトたちとの宿泊旅行が決定事項として設定されていることに、もはやキリエは違和感を抱かなくなっているようだった。そして、その場で水着姿を披露することも。
「ああ、楽しみだな。キリエと海に行けるの」
「……心こもってない。思ってないでしょ」
「いやいや、本気で思ってるって」
「はいはい」
そうあしらいつつも、彼女の横顔や仕草からは浮かれたような雰囲気が見てとれた。
――どうやら。
幼馴染の彼のことは、もうほとんど頭の中にないようだった。旅行に参加すれば、当然、彼とも行動を共にすることになるのだが。
涼介は〝彼〟に対して特に感想はない。
なんの感情も持ち合わせていない。
だが、キリエの中から彼の影が薄らいでいくことについては、好ましく感じていた。
「いつかさ」
「え?」
「2人きりでも行こうな、旅行。1日中、ずっと一緒にいよう」
「っ、……、う、うん」
彼女も想像してしまったのか、急に恥じらいを見せて、顔を逸らせてしまった。つい、そのうなじに唇で触れる。
「やっ、やん――」
「キリエ、こっち向いて」
左手でキリエの頬を包んでこちらを向かせる。
「涼くん……」
潤んだ目は、次に何をされるのかを理解して、期待していた。その彼女の期待どおりに唇を重ねる。
「んっ、むぅっ、れうっ……や、やぁっ、んっ、んぷっ……」
浴室によく響く甘い声に、またぞろ、涼介の興奮も高まっていく。右手を彼女の脚のあいだに滑り込ませ、柔らかな秘裂に触れる。
「だ、だめっ、お風呂なんだし……っ、やんッ」
中指の先を膣口に挿入する。穴の中――入口付近は、湯とは明らかに違う、粘性を持った液体を纏っていた。
「あっ、やっ、だめ、だめっ」
言いながらも、キリエの腰はひくひくと前後に動いて、指をもっと奥へと迎え入れようとしてくる。
「や、やっぱり、涼くんって――ズルいっ」
「うん、知ってる」
微苦笑して、またキリエの口を塞ぐ。彼女はキスの口元から嬌声を漏らしつつ、持て余した両手で涼介の右腕にしがみついてくる。
「んぶッ、んっ、んくッ――! は、ぷっ……んんッ!……あ、えっ……?」
涼介が何の前触れもなく指を抜くと、彼女は戸惑って、物欲しそうに切なげな表情を浮かべる。
「――もっとして欲しかったんだ?」
「ち、ちがっ」
「俺はもっとしたいけど」
「え――、あ……っ」
キリエを前に押してバスタブの端に手を突かせ、四つん這いにさせる。丸い尻谷間が、水面からぷかりと顔を出す。
そこへ、硬くなった怒張を擦りつける。
「えっ、や、やっ――、う、嘘っ、まさか、ここでするのっ……?」
キリエは困惑に声を震わせるが、体のほうは――彼女の淫裂は、ヌトヌトした体液を滲ませて、涼介のペニスに絡みついてくる。腰も、ピクピクと嬉しそうに反応している。
覚え込まされた快感をまた浴びたくて堪らない――眼下の女体は、全身でそうアピールしていた。
「挿れていい……?」
「っっ、嫌って言っても、するんでしょ……!」
「しないよ。無理やりになんて」
「――っ! い、意地悪っ」
「それも知ってる」
入口を先端で嬲って、敢えて、ぐちぐちという音を聞かせる。
「――は、はぁっ、やぁあ、涼くんの、ばかぁっ……!……し、してよ……嫌なわけ、ないんだからっ――あ、あぁあッ!?」
指での愛撫のときに分かっていたことだが、膣内は蜜で溢れて、ねっとりと濡れそぼった感触で涼介のことを包んでくる。
涼介は根元まで挿入を果たすと、前屈みになり舌を伸ばして、キリエの背中を舐め上げていく。
「ん、ひ、んぃッ……! や、ああッ、あんッ!」
そのまま首筋にむしゃぶりつき、両手では湯に浸かったままの乳房とその尖端を愛撫し、腰を押しつける。柔らかな尻肉と蜜穴が涼介のことを受け止めてくれる。
動くたび、水面がパシャパシャと波打ち、キリエの甲高い嬌声が浴室に反響する。
「キリエ、キリエっ――」
獣の交わりのような体勢と、荒々しい腰づかい。
今日、もう何度目かのセックスだというのに――。
制御できない衝動が涼介の胸の内から沸き上がってきて、彼をせき立てる。セックスを覚えたばかりの頃だって、これほど夢中になったことはないというのに。
――パチュッ、ばちゅっ、どちゅッッ!
キリエの肉体を抱きしめ、その柔らかさに溺れながら、涼介は間一髪のところでペニスを引き抜いて射精する。
どくどくどくっと、勢いのついた白濁液がキリエの尻谷間に放出される。
「ん、や、やぁッ!……は、ぁ、あッ、りょ、涼くんっ……」
彼女は快感に身震いすると、湯船の中でゆっくりと反転して、頭を縁に預けて涼介を見上げる。両腕を伸ばし首筋に抱きつくと、キスをせがんできた。
「あ、むっ……んちゅッ、んぅっ、はむっ……ん、んっ」
両脚でもしがみつかれ、腰をなすり付けられる。
その発情した下半身へと、再びの挿入。腰の位置をずらし、わずかに押し出すだけで、それは成った。
「や、ぁんっ! あっ、あッッ――涼くん、や、約束っ、してっ?」
「約束――?」
意図が分からず首をかしげると、彼女は、
「――約束。ふ、2人で旅行いくって……、ね?」
「ああ。絶対に――」
「うんっ……、ぜったい、絶対だからねっ、あッ、やっ、あんッッ!」
広いバスタブで腰を振りながら涼介は、心中で思っていた。
もしかしたら、逃れられなくなっているのは自分のほうなのかもしれない――と。