【書籍化&コミカライズ】ツンデレ女子が幼馴染の鈍感男子に「ざまぁ」されていたので、寝取って教え込んであげた話 作:タイフーンの目
■ ■ ■
(太陽……やだな)
愛花は〝彼氏〟と砂浜を散策しながら、雲ひとつ無い青空を恨めしく思う。
「…………だよね、愛花はどう思う?」
「え。あ、うん。そうだね、和樹君の言うとおりだね」
ときどき、隣に向けて相づちを打ちつつも、気になるのはすれ違う異性の視線だった。
愛花は目を伏せて、自身の水着姿を再確認する。白いフリルのビキニ姿。
(大胆すぎたかな……)
彼女にしては露出度の高い格好だ。
スポーツは苦手でもないが、好きではない。太陽の下に肌を晒すことなんて、ほとんどなかった。
その白い肌が、余計に男性の視線を集めてしまうらしい。
ポニーテールの黒髪。
純白の水着。
これらは、〝恋人〟の嗜好に合わせた格好だ。
以前の愛花なら、海水浴でこんな大胆な姿にはならなかっただろう。今だって、Tシャツとショートパンツで身を隠してしまいたい気持ちがとても大きい。
けれど――
(見て、もらえるかな……)
最初に気にしたのは、涼介の視線。〝彼〟の色に染まった愛花のことを見咎めて、叱ってくれるかもしれない――そう期待した。
しかし、更衣室を出て彼に会っても、その視線が注がれていたのは〝彼女〟のほうだった。
(しょうがないよね。霧崎さん、可愛いもん)
不思議と嫉妬の感情は湧かなかった。ズルいな――とは思う。涼介の視線を独り占めにできて。
(私は……どうなりたいんだろう)
どうにも最近、以前にも増して自分の心が分からない。
こうして和樹と歩いているように、涼介の隣を歩けたらいいのに――と、普通なら思うところなのだろうけれど。
(何だかそれって……)
――退屈。
そんなふうに思う自分も居る。
愛花が周囲から受けてきた評価は『優等生』。清楚で、大人しくて、男性とのあいだでも純情を貫いていそうで――。
本来なら喜ぶべきなんだろう。
それらは決して、マイナスの評価ではないはずだ。
(でも……)
本当の自分は違うのに。
漠然とだが、ずっとそう思っていた。でも、どう違うのかは分からないままだった。気づかせてくれたのは涼介だ。
――あの、見透かされたようなまなざし。
体の奥深くの、ドロドロした自分を見てくれる。引きずり出してくれる。そして罰してくれる。
そうしてくれるのは、彼だけ。
……いや。
〝ちゃんと汚いところまで見ててあげますから。〟――
不意に〝彼女〟の声が耳の奥で響いた。
(…………)
そう、見咎めてくれるのは、彼だけだとは限らない。
これまでは、他人の視線が嫌いだった。
自分のことを勝手に決めつけて。まるで、そうあるようにと強制されているような――そんな強迫観念すら抱いてしまっていた。
けれどそれは、愛花がみずから晒して来なかったから。そのせいもあるのではないか。
そんな当たり前の結論に、ようやくおぼろげながら気づき始めていた。
「…………」
愛花は試しに、すれ違う異性に、そっと視線を送ってみた。
顔はやや伏せ気味で、けれど瞳には物欲しそうな色を宿して。
するとどうだろう。
すれ違った一瞬にもかかわらず、愛花が〝アプローチ〟した男たちは、漏れなくその視線に気づいてくれた。
彼らは、はっと息を飲むような気配を発していた。中には足を止めて、通り過ぎる愛花の背中に視線を送ってくる者もいた。
男ばかりの集団から1人を選んで。
あるいはカップルの片割れ。
家族連れの男性にも――。
愛花なりの誘惑は、恐ろしいほどの確度で成功していた。
そのたび、愛花は快感にフルフルっと震えた。腰の辺り。背筋。そしてポニーテールのうなじまで。
「…………っ!」
彼らは想像しただろうか。この水着の下を。はしたなく疼く肉体のことを。連れ合いを捨てて愛花のもとに走る、甘美な愚行を――。
それは許されない妄想だ。
もちろん愛花だって、実際に知らない男に抱かれるなんてまっぴら御免だった。あり得ない。でも――
(見て、くれてる……っ)
淫らな自分でもいいんだと、肯定されているような気分になる。優等生じゃなくてもいい。
(あ……、今日も濡れちゃってる……いけないのにっ)
隣を歩く彼は、想像もしていないだろう。純白の水着の下で、ジュクジュクと身勝手に蠢いていることなんて。
ふと、思う。
――もしもこの本性を彼にさらけ出したら? 彼がレッテルを貼っているような純情な少女ではないことを、その鼻先に思い切り突きつけてあげたら……。
そのとき、彼はどんな顔をするだろう。
どんな目で自分のことを見てくれるだろう。
そんなことを考えたとき、愛花は初めて、隣の彼に興味を覚えることができた。
■ ■ ■
海水浴の喧噪も遠い、小さな入り江で。
「涼くんっ、そこは……本当にっ!」
岩肌に手を突き、臀部をこちらに突き出したキリエが、切羽詰まった声で訴えかけてきた。
先ほどまでの愛撫でビキニは尻谷間に食い込んでしまっていて、キリエの綺麗なヒップラインは淫らに強調されている。
「本当に……何?」
涼介が、もったいぶった指づかいで責め立てる。中指の腹で、ビキニの食い込んだ縦筋を上下になぞると、
「はッ!? ぁ……っ、やんッ」
キリエは腰をくねくねさせてむずがる。本当に拒絶するなら今すぐ体勢を変えてしまえばいいのに、彼女がそうしない。キリエはとっくに覚悟しているのだろう――これから、もっと恥ずかしい目に遭うことも。
「くぅっ、んっ……や、やぁあっ……」
涼介が指を上下させると、キリエのお尻が追いかけるように吸いついてくる。
「なんだ、キリエも触って欲しいんじゃん」
「ちがっ!……きゃっ!? あっ、あっ……グニグニって、押さないでッ――、は、あ、あっ……」
刺激を強めてやると、面白いくらい素直に反応してくれる。
下着と比べるとビキニの生地は分厚いが、それでも強めに押し込むと、確かに女性の柔らかさを感じられる――キリエの初々しい反応とは裏腹に、淫らに熟しつつある女陰の柔肉。
女性を焦らす手技にはそれなりに自信のある涼介だが、彼女の放つギャップには参ってしまう。
(こっちが先に我慢できなくなるな……)
内心で苦笑しつつも、キリエに対しては余裕の態度で接する。
「こっち、脱がすよ」
「えっ、で、でもっ――」
ズルリと水着を下ろし、足も抜かせる。嫌がっていた割りにはキリエも協力的だった。涼介は膝立ちになって、恋人の下腹部に顔を近づける。
いつもの、薄暗い室内照明ではない。広げると、肉びらの形の1枚1枚までがくっきりと見えてしまう。
とろとろの柔肉が形作る、綺麗なクレバス。奥で蠢く小さな膣口。さらに小さな尿道口も、敏感な陰核も。視線を少し上に向ければ、キュッと絞られたアナルまでもが、夏の青空の下で晒されてしまっている。
「はっ、はッ、はぁッ……!」
キリエのほうは、あまりの激しい羞恥にうまく言葉にすらできないようだ。
「舐めるよ――」
あえて宣言し、彼女に意識させる。指で大陰唇を広げて、谷間を舌でなぞる。見た目以上に柔らかい媚肉が舌に絡んでくる。海の味も相まって、いつもよりしょっぱい。
膣口からジュワジュワと染み出してくる牝の蜜を、舌先ですくい取って味わい、膣全体へと塗り広げる。
「あッ、ぁんっ、やっ……!」
あくまで優しく、けれど決して休ませない。一瞬の間隔も与えず、ひたすらに恋人の下半身に奉仕する。舌を大きく動かして、境目なく、菊皺までドロドロにする。
いつしか涼介は夢中になっていた。
今は、ただただキリエに気持ち良くなってもらいたい。その一心だった。焦らしてやろうとか、いじめてやろうという余裕は、一切なかった――。
+ + +
(私……凄いことしちゃってるっ)
つい最近まで、誰にも見られたことのなかった恥ずかしい部分。そこをじっくりと視姦されて、舌で嬲られている。
はっきり言って、死ぬほど恥ずかしい。
(でもっ……!)
気持ちが良くて仕方ない。
たくさん吸いつかれて、舐められて、愛されている。
(涼くん……っ、いつもより、興奮してるっ?)
じゅぱじゅぱと激しい音を立てて、汚いところにむしゃぶりついている。舌使いが丁寧で、繊細なことに変わりはない。万が一にもキリエのことを傷つけることなどないと、安心して身を預けていられる。
けれど、粘膜接触で感じる彼の熱は、明らかに普段より激しかった。
「あっ!? あッッ――」
体の中に涼介の舌が入ってきて、内側でのたうち回る。
(そんなにされたらっ……!)
胸のドキドキが止まらない。
ぐっと顎を引くと、さっき胸元に射精された残滓に意識が向く。白濁液。快感のあかし。彼のにおい。
(こんなにっ……私で興奮してくれたんだ、気持ち良くなってくれたんだ……っ)
こんな場所で、こんなことを――。
初めは、『彼が悦んでくれるなら』という自己犠牲の気持ちもわずかにあった。けれど今は、
(2人で……っ、気持ち良くなりたいっ)
涼介から与えられる熱に浮かされて、キリエのボルテージも限度を知らずに高まっていく。
愛撫の、途方もない快感も手放したくない。でも――もっと近づきたい。もっと1つになりたい。隙間なく、ぴったりと1つに。
(涼くん、涼くんっっ……!)
キリエが〝おねだり〟しそうになったその瞬間、
――てんっ
と、何かが弾む音がして、思わずキリエは岩肌の上部を振り仰いだ。
「えっ……」
派手な色の球体が頭上を通り過ぎていく。どうやらそれは子ども用のゴムボールだったらしく、入り江の砂浜に落ちて転がり、すぐに停止した。
岩肌の向こうから、子どもたち何か叫びながら駆けよってくる。
――こんな姿を見られるわけにはいかない。
そう思ってもキリエは身を縮こまらせるしかできなかったが、涼介の動きは淀みなかった。
キリエがゴムボールの存在に気づくのとほぼ同時、涼介はそれをすっと拾いあげて、岩肌の向こうへと投げ返していた。
駆けて来たのは兄妹だったのだろうか――幼い男女の声だった。
「うわ、帰って来た!?」
「誰かいるのかな?」
「見てみようぜ」
無邪気な彼らの声が、キリエには死刑宣告のように聞こえて背筋が冷えた。その刹那、さらに思いも寄らないことが起こった。
「えっ、涼くん……っ!?――あッッ!」
背後から両肩を押さえつけられて、そのまま挿入されてしまった。突然のことに、キリエは嬌声をかみ殺す暇さえなく、
「んぅううッ!? はぁッ、ぁああッッ!?」
背中をのけ反らせ、男根と繋がる感触に打ち震えた。声は、向こう側に届いてしまったらしい。
「変な声したっ!?」
「お、おばけ!?」
きゃあっと、本気なのか面白がっているのか分からない叫び声で、子どもたちは遠ざかっていった。
「涼くんっ!? こんな、急にっ……!」
「ごめん、もう我慢できなかった」
彼の声は、いつもの煽情的な響きとは違った。喉を詰まらせた苦悶の声。
(涼くん、力、強い……っ)
肩を掴む手にも、必要以上の力が籠もっている。思えば、先ほどの行動も普段の彼らしくなかった。
あの状況なら、きっともっと機転を利かせて、慎重に子どもたちを追い払っていたに違いない。さっきのは、まるで邪魔をするなとでも言わんばかりの、怒りに身を任せたような素早い行動だった。
「んッ、んぅッ、ううッ……! も、もうっ……!」
余裕がなかったのはキリエだけではなかったらしい。少しずつだが、彼の弱いところも見つけられている。見せてもらえている。
それが嬉しくて、キリエは、
「つ、次やったら、怒るからね……っ!」
と言い放つので精一杯だった。
+ + +
涼介は自身の迂闊な行動に困惑していたが――ただ、そんな逡巡もすぐに激情に押し流されてしまった。
下半身だけで繋がるのだけでは満足できなかった。彼女の背中に覆いかぶさり、ぎゅっと抱きしめる。
「涼くんっ……、んッ、んんっっ!」
「ごめんって。許してくれる?」
「ゆ、許すってばぁっ、……あっ、あんッ!」
汗だくの肌と肌で密着すると、痺れるような多幸感が沸き上がってきた。
「涼くん?……んんっ、は、あ、あっ……、お、落ち着いた?」
優しい声。けれど彼女は、すぐにからかうような調子で、
「……今日の涼くん、ちょっと子どもっぽいかも。海、そんなに楽しみだった? ふふっ」
「――――」
涼介は、わざと声に凄味を利かせて、
「こんな子ども、いると思う?」
「えっ、やっ、ちょっとっ!? だめっ、だめっ……! あ、あんッ! じょ、冗談だってばぁっ」
にちゃにちゃと気持ちのいい結合部。柔らかくて温かい、恋人の体。
「背中も汗、すごいな」
「だってッ……んっ、涼くんのせいだしっ……!」
「キリエ、こっち」
涼介は繋がったまま2、3歩下がり、キリエとともに腰を下ろす。
「こ、この格好……なんか、変だね、後ろ向きに抱っこされてる……」
「水分補給」
置いてあったスポーツドリンクのペットボトルを手に取り、キリエに差し出す。
「ありがと……こ、このまま飲むのも、何だか……」
セックスの最中での水分補給に、キリエは戸惑う。
「蓋、開けてあげようか?」
「じ、自分で出来るってば!」
むくれつつも、ごくごくと美味しそうに喉を鳴らす。その横顔にも、つい見とれてしまいそうになる。
「涼くんも――」
キリエが差し戻してくるが、涼介は軽く首を振り、自分の唇を指さしてにやりと笑う。
「口移し」
「……っ、しないからっ、そんなこと!」
「いいじゃん」
「……もうっ、やっぱり子ども!」
文句を言いながらも律儀に水分を口に含むと、
「んッ……!」
と、こちらに首を回してきた。
唇と唇、舌と舌を絡ませて、キリエに甘えさせてもらう。
「んっ、チュルっ、はむっ、……じゅるっ、涼くん、飲めてる?」
「少しね」
さすがに大半は口の端から漏れ落ちてしまった。
「ほら、やっぱり……あっ、あむっ」
キリエの口元に残った甘い液体を唇で拭ううち、キスに発展して、セックスは続く。
大きくは動けない体勢だが、腰をうねらせて、じっくりとキリエの蜜壺をマッサージしてやる。
「は、ぷっ……ぁんんっ、ぅんっ……りょ、涼くんの……っ、こつん、こつんって……当たってるっ……」
後ろから胸に手を這わせて、先端を指先で丹念に愛撫。手のひらで乳房をゆっくりとこね回す。
「やんっ、ぁ、あっ……、涼くんの手っ……ん、んんっ」
ここが屋外だということも忘れて互いの肉体を隅々まで感じ合う、至福の時間だった。
「これ何時間でも出来そうだな……いや、無理か。キリエのナカ、気持ち良すぎて――っ、すぐに限界が来そうかも」
「わ、私もっ、……んぅっ、こんな気持ちいいの続けたら……っ、頭、おかしくなっちゃいそっ……きゃんッ、んんッ!」
決して大きな動きはしていないのに、密着した部分からはとびきりの快感が際限なく生みだされて、全身を侵食してくる。
「じゃあ最後は――キリエに動いてもらおうかな」
「――えっ」
涼介は足を伸ばして、仰向けに倒れる。浮き輪の端を枕にして、
「これなら動きやすいだろ?」
「~~~~っ、また、こんな格好っ」
キリエは海の方を向いて、涼介に跨がっている状態だ。汗にまみれた背中。余分な肉はないが、健康的な丸みを帯びた肉感的なヒップ。結合部も丸見えだ。
「水分補給も出来てるし、いいじゃん」
「うぅっ! やっぱり、後で怒るからねっ!」
キリエは腰を持ち上げ、振りおろす。
――ばちゅんっ、ばちゅッ!
張りのある尻肉が涼介の下腹部に叩きつけられ、また振りあげられ、下ろされる。汗と愛液が混ざって、腹の上はすぐベチョベチョになってしまった。
「んッッ、こ、これっ、涼くんも気持ち良くなれてるっ!? あッ――はぐッ、……んっう、んぅッ!」
「気持ちいいよ、腰……溶けて無くなりそう」
「わ、私もっ、これッ、わけ分かんなくなっちゃうッ、――うっ、うっうッッ!」
よほど気持ちいいところに当たるのか、キリエは前屈みになり、獣のような激しい腰つきで快感を貪り食らった。涼介もだ。もし今、誰かがこの入り江を覗きに来ても、構っている余裕などないだろう。
そんなことは些事。
それよりも、この快楽をキリエと共有する方がよっぽど大事だ。
今まで涼介にとってのセックスは、相手をコントロールするための手段にしか過ぎなかったが、
「キリエっ、もっと――」
「うんッ、うんッッ……! 涼くんもっ、きもちよくなって! きゃぅんッ!? はっ、はっ、はッッ……!」
自然と腰が動いていた。
キリエが振りおろすのに合わせて、突きあげる。
快感での繋がりが、こんなに心地良いだなんて。
ブルブルっと腰が痙攣する。まずい、と思った瞬間、両手でキリエの臀部を掴んで持ち上げていた。
結合が解けた瞬間の、にゅるんッ、という感触がトドメになって、涼介は射精した。勃起ペニスはキリエの下腹部に引っかかり、彼女のお腹を目がけて白濁液をまき散らした。
びゅるッ、びゅるッと、自分でも分かるほど濃くて粘度の高い液体が噴き出る。
「く、ぅ、あっ――」
「あああッ、やぁあッッ……!」
2人は、そろって腰を波打たせて絶頂した。
+ + +
「まだっ、出てる……っ」
そそり立った怒張が当たって、キリエの下腹部でビクビクと震える。射精の勢いは激しくて、前屈みだったキリエの顔にまで届くほどだった。
絶頂痙攣中のペニスは、自身の柔らかな腹部にびったりと当たり、その熱さと硬さ、そして長さまでもをキリエに知らしめる。
(これが……私のお腹に入ってたんだ……こんな、深いとこまで……っ)
何度見ても、感嘆のため息が漏れてしまう。
指先でそっと撫でてみる。肉竿の部分。骨とも筋肉とも違う感触。表面は、キリエの愛液がねっとりとこびりついてヌメヌメしていた。
「……キリエ、見過ぎじゃない?」
「っ!! 見てないっ……!」
言い訳にもならない言い訳を発して慌てるキリエの腕を、涼介が掴んで引き下ろす。
「や、んっ――」
またも妙な体勢になってしまった。
後ろに倒れたキリエは、涼介をベッド代わりに仰向けになる。
――抜けるような青空。
改めて、とんでもない場所で恋人と交わってしまったのだと思う。
「……日焼けしちゃう」
「今度するときは、水着の下にもたっぷり日焼け止め塗らないとな」
「ほんっっとに、涼くんってバカ」
などと悪態を吐いても、後ろから――というか、下から抱きしめられると、
(……きもちいいっ)
その腕に、甘えてじゃれついてしまうのだった。
+ + +
「……涼くん。そっち向いていい?」
「なんで?」
なんでわざわざそんなことを聞くのか――と涼介が問うと、キリエは控えめな声で答えた。
「だって……。体、涼くんの付いちゃってるし。イヤじゃない?」
「イヤなわけないじゃん。それより、キリエの顔が見たい」
スラスラと出る自分の言葉に小さな驚きを感じる。これは相手を喜ばせるための発言ではなく、単なる本心だった。
「……うん。いいよ」
嬉しそうに弾むキリエの声が、涼介にも嬉しく感じられた。
「んっ――」
太陽の影になる彼女の顔。頬についた髪を拭ってやると、彼女も真似をしてくる。
「涼くんの顔、すっごく熱い」
「キリエのせいだと思うよ」
「そっか……そうなんだ」
キリエは、少し大人びた顔で微笑んで、ついばむようなキスを浴びせてきた。
「んっ、んっ――」
そうしてしばらく2人は、まだ甘さの残った互いの唇を味わい合った。