【書籍化&コミカライズ】ツンデレ女子が幼馴染の鈍感男子に「ざまぁ」されていたので、寝取って教え込んであげた話 作:タイフーンの目
■ ■ ■
案の定、と言うべきか。
女子部屋に戻り、キリエが交際の開始を告げると、友人たちは大いに喜んでくれた。
深夜0時を迎えようかという深い時間だったので、その騒ぐ声が迷惑になっていないかヒヤヒヤするほどだった。
彼女たちの興奮も醒め、眠りに就いたのは、それから1時間近く経ってのことだった。
しかしキリエだけは寝付けずにいた。
いや、ある目的を持って睡魔を遠ざけていた。
畳に敷いた布団の中で寝返りを打ち、空調機の音と友人たちの静かな寝息を耳にする。
そうしながらも――
(お腹、まだジンジンしてる……)
浴衣の下腹部を、そっと撫でる。
錯覚に過ぎないその熱をしっかりと感じて、けっして逃がさないために。
――背徳感。
涼介との交際を報告していたときも、キリエには後ろめたさを感じていた。
友人たちに、そしてもっとも親しい付き合いのある萌にすら、事実を隠してる。
彼女たちは思いもしなかっただろう。
まさかキリエが、つい先ほどまで〝恋人〟と肉体関係を持ち、彼の腕の中で幾度も果てて、さらには――
(涼くんの、まだ……)
下腹部に愛しい人の残滓を感じながら、キリエは友人たちと談笑していたのだ。そのことを考えると、背徳感で身を灼かれそうになる。
あの行為そのものを、例えば〝愛情の証だ〟などと考えるほどキリエは短絡的ではない。
けれど、さっきの涼介はこれまでとは違った。
掴みきれない部分は残っているが、どこか心を許してくれたような、彼のほうから近づいて来てくれたような感覚があった。
その上で、キリエの奥深くに――
(……もう、いいかな)
キリエが寝ずにいたのには理由がある。
あのあと、互いの肌から離れがたかった2人は、もう一度会う約束をしていた。
皆が寝静まった午前2時。
また、あの部屋で。
キリエは布団の中で光が漏れないようにしてスマートフォンを確認する。
そして、周囲の気配も。
同級生たちは、さすがに昼間の海水浴ではしゃぎ疲れていたようだ。
全員の熟睡を確信してから、キリエはこっそりと布団から抜け出した。
暗闇で友人たちの寝顔を素通りして、部屋を出る。
深夜の廊下は静まり返っていた。絨毯張りの床は足音を隠してくれるが、それでも、キリエは息を噛み殺して、忍び足で階段を登って、上の階へ。
例の部屋の前に立ち、引き戸に手を掛ける。
「…………っ」
鍵は開いている。
心臓がバクバクと張り裂けそうだ。
数時間前とは比べものにならない。海での秘めごとの時よりも。あるいは、夕立の日のラブホテルよりも。初体験の自室以上に――
キリエは今、緊張と、それを遥かに凌ぐ期待に全身がすり潰されそうになっていた。
「っ――――!」
意を決して部屋に入る。音のしない引き戸だが、なお気をつけて、ゆっくりと。
スリッパがある。
涼介がいる。
また、ここで彼と――
室内の明かりは、床の間に置かれてあるモダンな間接照明だけだった。今度は布団が敷かれてあって、その上に涼介があぐらを掻いて座っていた。
待ち合わせ。
初めて2人で買い物に出かけたあの時のように、気軽な微笑で涼介はそこに居た。
静かな薄暗がりの中で、自分の呼吸音と心拍の音だけがやたらと耳に響いた。
今度は涼介も、さっきのような気まぐれは起こさない――なぜかそう確信できた。
キリエのことを焦らしたり、試したり。
そんなことはしない。間違いなく、キリエのことを抱いてくれる。体の隅々まで、気持ち良くしてくれる。
そして何より――愛してくれる。
その確信が、キリエの期待をいっそう大きく膨らませていった。
今は午前2時を回ったところ。疲れ切った友人たちが起床するのは、どんなに早くても6時台だろう。せめて5時には部屋に戻れば十分のはず――
「おいで、キリエ」
彼の声に引き寄せられる。
足が勝手に前に出て、畳を踏みしめる。しっかりと歩いているはずなのに、フワフワと心許ない。膝が震える。太腿が火照って仕方ない。彼の精を浴びた下腹部は――もう、自分のものではないように熱い。
キリエはみずから浴衣の帯に手を掛け、結びを解いて、乳房を晒す。
ブラジャーは着けていなかった。
就寝時だからという以上に、早く彼に見てもらいたくて、彼に触れて欲しくて――
「涼くん……っ」
そこからはもう、夢心地だった。
自然と四つん這いになり、彼と顔の高さを合わせ、キスをせがんで唇をいっぱい愛でてもらった。
そして涼介は、キリエの欲望にも応えてくれた。浴衣で擦れてやや硬くなっていた乳首が、彼の指によってあっという間に淫らな性感帯へと変えられてしまう。
「ッあ、んんッ、んッ、んぅッ――……!」
キスをしながら両方の乳首を愛撫される。
四つん這いの姿勢だったことも、感度を増した一因なのかもしれない。身をよじって逃げ出したくなるほどの鮮烈な快感だ。でも、こんなにも気持ち良くて、彼に喜んでももらえるのだったら、逃げるのなんてもったいない。
一度目のときは、あの涼介も珍しく余裕がなさそうだった。
けれど今は、心を開いてくれたかのような距離感はそのままに、いつもの憎らしいほどの性感愛撫も戻ってきている。
彼の中でも、何かがピタリと噛み合ったのかもしれない。
キスで目一杯の愛情を注がれながら、性感帯を酷く嬲ってくれる――。
(だめ……もう、何も考えられなくなる……っ)
たくさん愛してもらって。彼の手の上で転がされて。知らないところまで連れて行ってもらって――
ただ純真でしかなかった少女は、その心はそのままに、自身の中にある激しい愛欲にその身を染めていった。
+ + +
キリエは無言でキスを中断したかと思うと、涼介の首筋に、喉仏に、胸板に唇を這わせてきた。
くすぐったくも愛おしい感覚。
そうして彼女は、涼介の帯を解いて顔を
涼介が教えたとおりに、唾液をたっぷりと塗りつけ、唇で吸いつき、喉まで咥え込む。
「んッ、ぐ、んぐッッ……ん、フゥっ、んぶ、んっぶ――」
愛情を真っ直ぐにぶつけてきてくれる、まぶしい彼女。それが2人きりのときには、こんなにも淫らな姿になってくれる。愛撫してくれる。
彼女にもそれを返してあげたくなって、口淫がひと段落するのを見計らい、涼介はキリエを布団に寝かせた。
「えっ、あ――っ」
乳房を揺らして、キリエが仰向けに寝転ぶ。涼介は彼女の腰に手を這わせ、ショーツを脱がせる。
そしてキリエの両脚を持ち上げ、開脚後転の要領で彼女の下半身を起こす。
「やっ、あ、あ……恥ずかしいっ――!」
泣き出しそうな声で悶える姿。くねくねとむずがる腰。薄暗い中でもそのクレバスがくっきりと見えるほどの至近距離に顔を近づけると、発情しきった牝の臭いが鼻腔を満たす。
涼介が両手を使ってそっと左右に開くと、花弁は、蜜液でしっとりと濡れそぼっていた。
舌を伸ばして恋人の蜜を味わう。それは、脳髄まで痺れるほどの甘美な味だった。
「やッ、あっ、あんッ――! だ、め……そんな、音立てちゃ……きゃ、ん、んんんっっ……!」
彼女に快感を与えるだけの行為ではない。
同時に、涼介自身にも震えるほどの悦びが走る。
「あ、あっ――涼くん、もうっ……」
忍耐の限界に達するのも、同時だった。涼介も、早くキリエの中に入りたくて仕方がなくなっていた。
彼女の腰を布団に下ろし、茹だったように柔らかくなった肉の穴へと、自身のペニスを押しつける。
「キリエ、行くよ」
「うんっ、来てっ――」
キリエの膣は、初めての頃から変わらぬ狭さで締め付けてくるが、それは抵抗するような蠢きではなかった。締め付けながらも、奥へ、奥へ、涼介のことを誘おうとする。
はだけた浴衣ごとキリエの腰を掴んで、彼女の望むとおり、最奥へと屹立を叩きつける。
「あッ!? くっ、や、ぅ……ひっ、やっ、ぁあッ!?」
彼女が悦ぶ部位を丁寧に、徹底的にいじめながらも、彼女とひとつになっているという実感が――その幸福が、涼介の全身を満たしていく。
体を支えていられなくなり、キリエに覆いかぶさって抱きしめながら腰を打ち付ける。2人だけの世界に、荒々しい呼吸音と、嬌声と、性器のぶつかる水音ばかりが響く。
そして今度は、涼介は許可を取らなかった。
取るまでもなかった。
キリエのほうでも、もう涼介の体を離すつもりはないようだ。足を絡ませ、しがみついてくる。涼介は、ニチャニチャと蠢く彼女の膣内へと、二度目の射精を浴びせかけた。
「や、ぁあああッ――!?」
「――っ、キリエ、顔見せて」
両手で彼女の顔を包み込むようにして、絶頂する彼女の顔をまぶたに焼き付ける。
「ひ、ぅうッ、あッ、あッ――!?」
涼介のペニスは、彼女の膣奥でドクドクと精を吐き出し続けている。
「キリエ、出てるの……分かる?」
「わ、分かるっ――お、お腹、熱くて、涼くんのが――ビクビクって、あっ、あっ、ッッ――、んぅッッ」
キリエは、快感にブルブルッと身を震わせ、
「好き……涼くんっ、好き、好きぃっ……」
うわごとのように繰り返す彼女のことが堪らなく愛おしくなり、涼介は再びキリエを抱きしめて、
「俺もだよ。大好きだ」
「うんっ、うんっ……涼くん、大好きっ」
涼介は朝まで、キリエの声を、肌を、熱を、すべてを体に焼き付け――自分のことも彼女に深く刻みつけて、二度と忘れられない幸福な時間を過ごした。