【書籍化&コミカライズ】ツンデレ女子が幼馴染の鈍感男子に「ざまぁ」されていたので、寝取って教え込んであげた話 作:タイフーンの目
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真南可は完全に涼介から離れられなくなっていた。
表面上はけっして彼を受け入れたりしなかったが、毎夜、部屋をノックされるのを身体は待ち望んでしまう。
そして情事は、自室だけに留まるはずもなかった。
両親は不在がちで、さらに真凛は塾に通うようになったので、夏休みの真南可と涼介は2人きりで家にいることが増えたのだ。
リビングで犯された。
脱衣所でも下着のままセックスした。
お風呂でも、廊下でも――あらゆる場所で肉欲の限り貪り合った。
デートで拓真に抱かれている最中には、罪悪感で苦しくもなった。
――けれど、帰宅してすぐに玄関で涼介と汗だくになって交わったときには、全部がどうでもよくなっていた。
拓真からも愛され、涼介を独占している。
罪悪感と優越感で、真南可の夏は感じたことがないほどの刺激で満ちていた。
状況が変わったのは2学期。
涼介が恋人を作ったのが始まりだった。
ある日、学校から帰ると玄関に女物のローファーが並べられてあった。
(え……)
明らかに真凛のものではない。
複雑な感情とともに、足音を殺して2階へ。音を立てないよう自室に入ると隣の部屋から――涼介の部屋から、少女のものらしきあえぎ声が漏れ聞こえてきた。
真南可が帰宅したことに気づいていないのか、義弟たちのセックスは延々と続く。声だけで判別はできないが、相手は涼介と同い年か、もしかしたら年上かもしれない。はじめは可愛らしい声で、次第に我を忘れて、はしたなく乱れている。
(師藤くんっ……、好き、好きなの、お願いだから、さっきみたいの、もう一回……あぁあッ!? んぅッ、いぁっ、あ、あんッ)
生殺しだ。
いま彼女は、涼介の指で、手で、唇で、いっぱい愛されているんだろう。そして深いところで繋がって。
(…………)
そんな資格がないことは分かっている、嫉妬する資格なんて。
「涼介……っ」
壁にピタリと身を寄せて真南可は、自分の手で体の疼きを慰めるしかできなかった。
■ ■ ■
冷房の効いたリビングでくつろぐのが、妹とのお決まりになっていた。
同居を始めた当初は涼介を目の敵のようにしていた真凛だが、今では自分から膝のうえに跨がってきて、
「兄さんは悪い人ですよね」
体もだんだんと女性らしくなってきた義妹だが、お構いなしに身を擦りつけてくる。オフショルダーのブラウスに、短いスカート。
右耳のそばで甘えた声を出して、
「姉さんのこと、あんなに抱いていたくせに」
真凛に直接伝えたことはないが、当然のように彼女は勘づいている。
「そうだな……。夏休みになって、妹がいきなり塾に行きたい、なんて言い出したからな。おあつらえ向きのシチュエーションができたから――自然とそうなったんだよ」
「私のせいにするんですか? それでも『兄』ですか? 酷い人ですよね」
くすくすと楽しそうに笑う。
「俺はおまえの将来が心配だよ」
「平気です。兄さんが責任を取ってくれますから」
「そんな勝手に」
嘆息しながら長い黒髪を撫でつけてやると、真凛は気持ち良さそうに脱力する。
「ああ、幸せです……。素敵な兄さんに抱かれて」
「人聞きが悪いな、俺は妹に手を出すような鬼畜じゃないよ」
「出していいんですよ?」
甘えるような、挑発するような声。仮に相手が大人でも、真凛が色目を使ったら簡単に籠絡できそうだ。
「姉さんも幸せそうです」
「そう?」
「拓真さんと兄さんに挟まれて、悶えて、苦しんで……嬉しそう」
「歪んでるな」
「ええ。私たちはみんな歪んでるんです。歪んでいても、少なくとも私は、そして姉さんも幸せです。……兄さんも、幸せになれるといいですね」
「…………」
義姉との関係も、恋人
性的興味や肉体的な欲求は満たされている。
真南可の性熟した肉体も、恋人たちの初々しい反応も、十分に魅力的だ。それらを自在に弄んで、貪り尽くす――ルールは簡単だ。相手の欲求を満たしてやれば見返りをもたらしてくれる。相手が何を望んでいるのか手に取るように分かってしまうから、難しいことなどひとつもなかった。
――ただ、自分自身が何を望んでいるのかだけが分からない。
家族が欲しかったんだろうか。たとえば真南可が、姉弟であり続けることを望んでくれていれば叶っただろうか。心を許せる相手が欲しいのだろうか。たとえば恋人が、刺激ではなく純粋に愛情を欲しがっていれば――
(……愚問だよな、それこそ)
壊したのは涼介自身だ。
相手が望んでいたとしても、叶えたのは涼介だ。
自分が、誰かにとって一番大事な人間にはなれない。
そんな確信が心の奥底にある。
それなら――せめて、相手にとって忘れられない人間になってやる。自暴自棄にも近い衝動が今の原動力になっている。
他人を弄ぶことで得られる優越感と同時に、途方もない空虚感が全身に広がってくる。満たされることなんて、これから先もきっとないだろう。
「……真凛は、俺が幸せになるのを手伝ってくれるわけだ」
期待をしているわけではない、ただの投げやりな問いかけに、けれど真凛は、
「もちろんです」
即答する。
「兄さんのためになら何でもします。姉さんや私のことをこんなに幸せにしてくれたんですから。私、兄さんのこと愛してます――いつだって共犯者になってあげますよ?」
この妹だけはやや異質で、それゆえに興味深くもあった。
互いに観察するような期間を経て、ようやく近頃になって彼女を理解できてきた。
彼女は涼介に似ているのだ。
真凛の場合は常に依存先を求めている。姉の真南可だったり、義兄の涼介だったり。
依存した相手への執着が強く、『愛する』と言いながら――『愛して欲しい』とは決して言わない。
(ある意味、慎ましやかなのか)
思って、苦笑する。
真凛が求める代価は『相手が幸せになること』。姉や兄が、幸せにしていれば本人は満足してしまう。
とても見つけづらい本質だ。普段の彼女の振る舞いは嗜虐的で、獲物を弄んで楽しんでいるように見える。けれど本当は、ただただ相手に奉仕したいだけ。その愛情表現が
求めるものが明確にあるのは羨ましく思う。それは涼介が持っていないものだ。
また、獲物に対して本性を隠す涼介と、まったく隠さない真凛といった点も異なる。けれどその一方で、対象へのアプローチはよく似ている。
(妹、か)
改めて言葉にすると、なんだかしっくりときた。赤の他人なのに、血の繋がった父親よりよっぽど『家族』としての実感が強い。
家族への親愛の気持ちをどう伝えたらいいのか。それはいまだ不明だが――
「真凛」
長い黒髪をそっとかき分け、細い頬に右手を添える。
綺麗なまつげと、黒い瞳が見つめ返してくる。未成熟なのに、ゾクリとするほど蠱惑的な美貌。
「はい?」
「真凛は、いい妹だな」
「そうでしょう――、んっ!?」
その薄い唇へ、軽く口づけをした。
「ンっ、にいさ……、は、ぅ……っ」
不意を突かれた真凛は一瞬だけ身を固くしたが、
「愛してます、とても……、んっ、は、ぅ……」
うっとりとして瞼を閉じると、自分から顔を寄せてきた。大人びた性格の妹だが、キスはまだ拙い。涼介の愛撫に応えようと懸命になっているのを微笑ましく感じる。
代価を求めない妹――
それでも欲望はある。
『思春期』なんて、この真凛には似合わない言葉だが――それでも女としての本能と肉体は、成長に連れ大人に近づいている。
無意識にでも求めているのなら、満たしてやるのが務めだ。
すらりと細い腕。スカートの裾から伸びるすべすべとした脚。形のいい鎖骨に、甘い香りの首筋。
「あっ、う……っ。手を出さないなんて、言ってたくせに」
「じゃあやめようか?」
「――いやです」
珍しくむくれて、真凛は、
「兄さんの声を聞いて、兄さんに触られるだけで……、私、頭がおかしくなりそうなんです、誰かに触られるのなんて、嫌いだったはずなのに……」
「姉さんにも?」
「家族でも適度な距離というものがあります。でも……兄さんは、別です」
ガラス細工のような美貌が、今は火照って少女らしく緩んでいる。
「こんなご褒美がもらえるなんて……、思っていませんでした、……あっ、なんでそんなに……優しく触るんですか……っ」
「もちろん、大事な妹だから」
「んっ――、あ……。ふふっ。最上級の褒め言葉ですよね……誰も愛したことない兄さんに、そう言ってもらえるなんて」
こんな状況でもいちいち図星を突いてくる。
「――訂正。生意気な妹だ」
「あッ!? い、いけません兄さん、そこはまだ……、うっ、あっ!?」
抱きしめた華奢なウエスト。まだ丸みを帯びる途中の、愛らしいお尻。背伸びしたデザインの黒い下着。クロッチ部分を指でなぞるのに合わせて、真凛の腰が前後する。
「うッ、あっ……!? きゃ、んッ」
湿った下着の布地越しに、未成熟な性器の形を感じる。
「こうして欲しかったから俺のこと煽ったんだろ?」
「はっ、あッ――、か、簡単にバレちゃうんですね、そういうところを、愛してます……っ」
「腰、勝手に動かすなよ。オシオキにならないじゃん」
「っっ! はいっ、ごめんなさい兄さんッ――、ジッとしてます、んッ、ひゃう、あッ、あッッ!? 兄さんに可愛がってもらえる妹になります、だから、だからッ――、あああッッ!?」
こわばった腕と脚でしがみついてきて真凛は、
「兄さ、兄さんッッ――……っっ、あッ!? う、くぅうううッッ――!? あっ、ぅ、ふぅうううッッ――……」
ぐぐぐっと背を反らし、涙を流しながら果てた。
「はぁ、はあっ、はあっ……」
「はは。ごめん。やりすぎたかな」
「――そう、ですよっ……、妹に、変なコト覚えさせないでください……っ」
冷房が効いてるなんて思えないほど熱くなった体を、涼介の胸に埋(うず)めてきた。
荒い呼吸で上下する小さな背中を、さっきより優しく撫でつけてやる。慈しむような手つきで――実際、妹のことを可愛く思っている自分に少し驚きながら。
「…………っ、幸せ、です……。私なんかを、こんなに……。兄さんのことも、絶対幸せに……」
うわごとのよう囁く真凛に、涼介は応えた。はからずも、柔らかな声音で。
「ああ。いつか頼むよ、真凛」
※明日はまた3話更新で、完結までいきます。
(7時、17時、23時予定)