※この作品はR-18です。

【書籍化&コミカライズ】ツンデレ女子が幼馴染の鈍感男子に「ざまぁ」されていたので、寝取って教え込んであげた話   作:タイフーンの目

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番外編20 全身で抱きしめて ★

 

  + + +

 

 

「はぁ、ヤバい俺いま幸せだわ」

「おおげさ……」

 

 茶化しつつも、キリエも同じ気持ちだった。

 あのまま正常位で愛し合い、いまはベッドで腕枕をしてもらっている。

 

 外では手を繋ぐのもためらわれたのに、こうして全裸になり、彼の腕と胸に抱かれてぴったりと身を寄せるのはまったく恥ずかしくない――

 

 彼の肌から体温を感じられて、呼吸で胸が上下するのすら感じられる。

 

(幸せ……)

 

 涼介のように簡単に口に出せればいいのだが。

 

(でも調子に乗るしなぁ――)

 

 黙っておくのが吉、と結論づける。

 

 

 まったりとしたピロートークの中で、話題は自然と文化祭に移っていった。涼介はクラスの準備を手伝えないことを詫びながら、

 

「バスケ部のみんなが張り切っちゃってさ」

「撮影は順調?」

「どうなんだろ。その場のノリで作ってるみたいなもんだし」

 

 キリエと視線を合わせながら涼介は、

 

「キリエはクラス展示、頑張ってるらしいじゃん」

「私は帰宅部だからね」

 

 中学まではバレー部に所属していたが、高校では辞めてしまった。

 もともと、幼馴染みが男子卓球部だったから同じ体育館にいたい――という不純な動機で始めた部活だった。進学すると、その幼馴染みも帰宅部になったので、キリエも部活動からフェードアウトしてしまったのだ。

 

 もちろん所属当時はちゃんと努力していた。

 それに、今の学校では女子バレー部は強豪だしスパルタで――こんなモチベーションの人間が参加するのは気が引けたのだ。

 

「画像残ってない?」

「何の?」

「バレー部時代の。キリエのユニフォーム姿見てみたい」

「変態」

 

 切って捨てる。

 

「残ってないし、涼くんにはぜっっっったい見せない」

「えー、恋人なのに?」

「こ、恋人だから……! 昔の写真とか見せたくないの!」

「俺のは?」

「え」

「俺の昔の画像は、見たくない?」

「そ、それは……」

 

 正直に言うと、見たい。

 とても見たい。

 けれど、そんなことを言ったらまた調子に乗られてしまう。

 

「別に、過去は過去だし」

「ふーん」

 

 こちらの胸中などお見通しなのか、彼はニヤニヤ笑う。

 悔しいし反論したいが、涼介は頭を優しく撫でつけながらこちらを見つめてくる。キリエもそれが心地良くて、もっと彼を感じたくて、つい、彼の胸板に頬をすり寄せて甘えてしまう。

 

(過去は過去……か。うん、今のこの幸せのほうが大事。何倍も……)

 

 心から蕩けそうな彼の体温のせいで、このまま何かに流されそうに思い、キリエは話題を戻す。

 

「――とにかく。帰宅部なんだから、私はクラスのほう頑張らないと。涼くんも真面目に動画つくってるんでしょ」

「さっさと終わらせたいからね。そもそも撮影なんて面倒なんだけど……でも、俺が出ると女子の食いつきがいいからって、部の奴らが離してくれなくてさ」

「――あっそう」

「あ、()いた?」

「妬いてない!」

 

 腕の中でジタバタするキリエに涼介は、

 

「そういえばキリエってあんまり撮らせてくれないよね」

「うーん、なんか苦手っていうか」

 

 付き合い始めてからも涼介にスマホのカメラを向けられたことがあるが、つい、顔を手で隠してしまう。

 

「私ってこんな表情してるんだ……とか、そういうの気まずくてさ」

「俺だけが見る、ってことでもダメ?」

「そ、それは……ほら! 授業でもやったでしょ? ネットリテラシーとか」

 

 うかつに画像や動画を撮られると、どこからどこへ伝播(でんぱ)していくか、分かったものではない――という話だ。都合の良い言い訳を見つけた。

 

「SNSなんかには上げないし、誰かに盗み見られるようなヘマ、俺がやると思う?」

「うぅ……それは」

 

 ムカつくほど要領のいい涼介だ。リスクの面で突っぱねるのは無理そうだった。

 

「そんじゃ――」

 

 と、ベッド脇に置いてあったスマホに手を伸ばそうとする。

 

「っ! ダメダメ! 今はダメだってば!」

 

 なにせ裸だ。しかも、セックスをしたあとの。

 

「こんな格好で!」

「顔しか写さないから。2人の顔だけ」

「恥ずかしいってば……っ!」

 

 涼介の胸板にむぎゅっと顔を押しつけてカメラから逃れる。

 

「しょうがないな」

 

 残念に思っているのかいないのか、軽い調子で言いながら涼介は引き下がってくれた。

 

「愛し合った記録を残して、2人でシェアできると思ったんだけどな」

「し、しないでいいから……っ」

 

 セックスのたびに撮影する――そんな想像を思い浮かべて、落ち着いていた身体がまた熱くなる。

 

(――涼くんのは、欲しいけど……)

 

 自分の顔はいらない。

 わがままだな、と自分でも思う。

 

「じゃあ代わりに……汗もかいたし、一緒に風呂入る?」

「代わりってなに!?……入らないし」

 

 一瞬、想像はしてしまったが。まだ下には真凛もいるのだ。さすがにそんなことまではできない。

 

「そう? じゃあ俺だけ行ってきちゃうよ?」

「行ってらっしゃい」

 

 火照りつつある気分を隠すため、あえて淡白に言い放つ。

 

「冷たいなぁ。――そうか、俺の身体だけが目当てだったか。悲しいぜ」

「あのねぇ……!?」

 

 冗談を言って笑う涼介が、布団から出る。

 

(本当に行っちゃうんだ……)

 

 やっぱり、一緒に入ると申し出れば良かったかな、と少し後悔する。とはいえ彼は料理もしてくれたし、セックスとなると全力で愛撫してくれる。繋がってからは、あんなに滑らかに腰を動かして――

 

(――って、思い出しちゃダメ!)

 

 彼の勘づかれないよう、背を向けて丸くなる。膣内の潤いが増してしまったのを隠すように。

 

 涼介は、脱ぎ散らかしていた――キリエが脱がした――下着と制服のスラックスを履いて、そばにあったキリエのスカートを律儀に畳んでから、

 

「本当に行かない?」

「行かないってば!」

 

 と、同じやり取りをしてから部屋を出て行く。

 

 さて。ひとりになるのは寂しいが、彼の布団にくるまっていられるこの時間も嫌いじゃない。

 

(涼くん、いつもここで寝てるんだもんね……)

 

 枕も、シーツも、布団も独り占め。

 肌触りがとてもいい。

 男子の部屋というともっと乱雑だったり、汗臭いものを何となくイメージしていたけれど、涼介の部屋は真逆だ。慣れると、とても居心地がいい。

 

(趣味、合うのかな。だったらいいな――)

 

 仮に……本当に仮に、二人で暮らすことを考えると。胸がときめくのを止められない。

 

 ――じゅくっ

 

(あ、だめだめ……!)

 

 危うく妄想モードに入りそうなのところを慌てて踏みとどまる。涼介がシャワーに行っているあいだに、自分も服を着ておかなければ。まだ夕方だが、さすがに夕飯の時間までお邪魔するわけにもいかない。

 

 気を取り直して、ベッドから這い出る。

 幸せな性交を終えたあとの心地良い倦怠感で、まだ足元がフワフワしている。

 

 改めて、他人の家で全裸になっていることを実感する。

 

(うう、こんなのに慣れちゃだめだよね)

 

 罪悪感を覚えつつ、床にしゃがみこんで下着に手を伸ばす。

 と、伸ばした手の先には涼介が脱ぎ捨てたTシャツがあった。文化祭のクラスTシャツ。ピンク色。

 

「…………」

 

 ほとんど反射的にそのTシャツを右手で引き寄せ、胸に抱いた。

 

(涼くんの……服)

 

 彼はいつも、髪も肌も、手指も清潔で、シャツからも師藤家で使っているらしい柔軟剤のほのかな香りがする。やっぱり、趣味は合いそうだ。

 

 ぎゅうっと強く胸に抱くと、彼の匂いもする。とても落ち着くのに、心臓を高鳴らせる幸福な匂い。つい先ほどまで肌を重ねていたばかりなのに、もう恋しくなっている。

 

(うう、好きすぎる)

 

 男女にとって匂いとは重要なファクターらしい。遺伝子レベルで相手を『つがい』と認めるかどうか。

 キリエのにとって涼介は、だから――

 

 と、そのときドアが開いた。

 入って来たのは涼介だ。

 

「危ない。下に真凛がいるんだった。さすがにこの格好じゃ――」

 

 苦笑していた顔が、ピタリと固まる。制服のスラックスは履いたものの、上半身は裸だ。1階に下りる途中で引き返してきたらしい。

 

 そして今キリエは全裸で、胸に抱いた彼のTシャツに顔をうずめているところで――

 

「――ふぅん」

「ち、ちがうの……!」

 

 何も違わない。

 彼が恋しかったし、シャツの残り香が愛おしかったし、もっとその香りに浸っていたかったし。

 

「やっぱり、強引にでも風呂に連れ込めばよかったな」

 

 ゆっくりと近づいてくる。

 

「やっ!? こ、来ないで変態っ」

「どっちが」

 

 苦笑する涼介から逃げるため、キリエはまたベッドに飛び込んだ。布団の中で枕に突っ伏して――咄嗟のことだったのでTシャツを抱いたままに。

 

「俺のシャツで、何してたのかな?」

 

 カチャカチャとベルトのバックルを外す音。衣擦れの音もする。

 

「こ、これはっ……だから……っ、やっ!?」

 

 布団の端を掴む力は強い。内側からキリエが抵抗しても無駄だった。

 全裸になった涼介が潜り込んでくる。身長は彼のほうが頭ひとつぶんほど高い。だから、背中から覆い被されると、彼の声は頭のてっぺんから響いてくる。

 

「キリエも汗かいてるし。――でもいい匂いなの、反則だよな」

「か、髪を嗅がないでっ、変態っ……!」

 

 ギュッと背中から抱きしめられる。まずい。すでに愛欲が沸騰寸前だったところに、この追い打ちは非常にまずい。

 

「俺の好きな匂い」

 

 けれど、優しく響く彼の声音に理性が溶かされそうになる。

 

 やっぱり遺伝子レベルで相性がいいのだ――

 と意識すると、ますます堪らなくなる。

 

 真凛に冷やかされた『新婚夫婦』の言葉がなぜか頭に浮かんでくる。今日のデートのことも。スーパーでの買い物。キッチンで並んでの料理。みんなでテーブルを囲んで食事をとって。

 もしも結婚したらこんな日々が――

 

「~~~~……っ!」 

 

 ついさっきまで欲していたものが、ここにはすべてある。

 涼介の息づかい。長い手足。とても強いのに、けっして自分のことを傷つけない腕力。布団もそうだし、枕やシーツも。そして胸で押し潰すように抱いたままの彼のTシャツ。

 

 全身がさらに熱くなる。

 そして、その淫靡な熱を見逃してくれる涼介ではなかった――

 

 

  + + +

 

 

 キリエの甘い匂いに、涼介の理性も吹き飛ぶ寸前だった。

 

(この子は、本当に――)

 

 期待どおりのリアクションをしてくれるのに、ときどき予想を超える行為でこちらを誘惑してくる。本人は無自覚のままに。

 

 ぎゅっと抱くと、途方もなく柔らかいキリエの女体を全身で感じられる。

 彼女が放つ発情したフェロモンに、こちらまでやられてしまっていた。

 

 一旦は落ち着いていた肉棒も、自分で分かるくらいにどんどん膨張していく。それも仕方のないことだろう――剛直はキリエの尻谷間に挟まれ、彼女の熱い体液で濡らされているのだから。

 

「あっ!? やぅ……っ!?」

 

 キリエもその『異物』の存在に気づいたらしい。わざとらしく、焦らすように腰を上下させてやると、

 

「ああっ!? だめっ、だめ涼くんっ……!」

 

 汗のせいだけではないだろう。尻肉の中は沼のようにぬめっていて、ことさら柔らかい。布団の中で、にゅちにゅちと、くぐもった音が鳴る。

 

「はぅっ!? ふっ、あっ、あっ――!?」

 

 もはやペニスは完全に勃起しきっていた。

 

「このまま犯していい?」

「…………っ!? あ、う――」

 

 

 全身を拘束して囁く。

 拒絶の言葉はない――あろうはずもない。

 キリエの淫裂は大量の愛液を溢れさせ、挿入を心待ちにしている。そして彼女自身の心も――

 

「キリエのこと、滅茶苦茶にしたい」

「――――っっ」

 

 ヌルヌルした肉襞。その中心にある小さな穴に亀頭をあてがう。ほんの少し腰を押し込むだけで、鈴口の部分から順に、ぬめった肉壺に男根が呑み込まれていく。彼女の態度とはちがって、素直で貪欲な牝の穴へと。

 

「うっ、やぁっ!? ふぐ、んぁあああ……っ!?」

 

 ずぷん、と柔らかな衝撃とともに根元まで挿入を果たす。

 

「すご、キリエ濡れすぎ。さっきよりもキュウキュウ締めてくるし――」

「い、言わないで――っ、やぁあ!? んぐっ、ふぁああっ……!」

 

 繋がり、覆い被さったままの動物的なセックス。

 

「こういうのも好きでしょ」

 

 恋人の耳元で、涼介は囁く。

 

「ほら、キリエが読んでる漫画。『ドS王子に溺愛求婚されて』――ってやつ。あの主人公も結構強引だったよな」

「やっ!? よ、読んだ……の?」

「もちろん。キリエが好きなものは知っておきたいし。直接的なシーンはなかったけど、かなり際どいよね」

「う、うぅうっ……!」

 

 さらなる羞恥に灼かれて、キリエの背中が熱くなり、汗が増す。

 もはや彼女は全身がヌルヌルで――腰を振らなくても、繋がっているだけで気持ちがいい。

 

「ああいう男が好きなんだな、キリエって。()けるな。あのキャラの、どこに一番惚れた?」

 

 ゆっくりと、ほんのわずかにペニスを出し入れしながら問い詰める。

 

「やっ、あっ、んくッ――」

「答えて。キリエ」

「うぁあっ、あッ……だ、だって」

「だって?」

「――涼くんに、似てるからっ」

 

 絞り出すような告白とともに、肉壺がキュウっと吸いついてくる。

 

「――俺に?」

「む、ムカつくくらい冷静で、強引で……でも私には――主人公には優しくてっ……、私が素直になったら――、あっ!? やぁっ!? はっ、はぅっ……、甘やかしてくれて、大好きって何度も言ってくれて――」

 

 しゃべりながらキリエは発情を抑えられなくなっている。

 

「よ、読んでるといつも涼くんのことばっかり思い出しちゃって――、涼くんのこと好きって気持ちが止まらなくなるから……っ、だ、だからつい読んじゃうのっ……! 読んでると、涼くんに会いたくなるから――っっ!」

 

 嫉妬は本心だった。

 まさか自分がマンガのキャラなんかに対抗心を抱くと思ってもいなかったが。しかし、キリエの告白を聞いているうち、そんな些細なことはどこかへ消えて無くなってしまった。

 

「ゴメン、無理」

「えっ? やっ!? やあああああっ!?」

「そんな可愛いこと言われたら、もう俺、止まれないから」

 

 加減していたピストン運動。だがもうそれだけでは満足できない。彼女をじっくりと焦らすつもりだったが、そんな余裕は――もうない。

 

 ――どちゅっ、ぐぢゅっ、ばちゅッッ

 

「んぃっ!? あぐっ、あッ!? やぁッ! ああああッッ!」

 

 枕に顔をうずめたキリエの、悲鳴にも似た嬌声。

 両手両足で彼女に絡みつき、ひたすらに腰を打ちつける。

 

「俺のこと思い返して読んでだとか――、嬉しすぎでしょ。あの『王子様』より、俺のほうが好き?」

「す、好きッ――、大好きっ! あぅっ!? ふぐっっ! ど、どんな人より、涼くんがいちばん好きっ、あんっ! やんっっ!」

「良かった。『アイツ』と俺、セックスするならどっちがいい?」

「涼くんっ……! ぜったい涼くんっ……!」

「結婚するなら?」

「涼くんがいいのっ――! 毎日いたい、一緒にいたいって思っちゃうッ――! 好きっ、涼くんが好きっ……!」

「俺も。大好きだよ、キリエ」

 

 抱きしめたキリエの体温に負けないくらい自分も、胸の芯から熱くなっていた。互いの汗と体液が飛び散って、蒸発して、布団の中に充満する。

 

 牡と牝。『つがい』同士のフェロモンで、発情が発情を呼び、エスカレートさせる。

 

「あぁああッ!? いくッ、やッ、またいくっ……! な、何回も、イっちゃうっ!」

「分かるよ。キリエの(ナカ)、たくさん痙攣してる。俺もヤバい。キリエとのセックスが気持ち良すぎて――幸せ過ぎてバカになりそう」

「ああっ!? ふぁあっっ!」

 

 快感に引きずられて不規則になりそうなピストンを、涼介は奥歯を食いしばって一定のテンポに保つ。快感をなるべく長く、そしてより鮮烈に味わうために。

 

「2人で一緒にイこう――、ナカで出すから、キリエもイって」

「うん、うんっ……! だして、出してっ――! 涼くんの欲しいっ、一緒にいく、いくからっ、――んぐッ!? あっ、あっ、あッッ!?」

 

 腰のリズムに合わせた、互いの身体がベッドで跳ねる。

 

「あぐっ、えぐっ、ふあっ、ふあっ、んぁあッ――!」

「もう出るよ。キリエの子宮に射精するから。いい?」

「あぁあっ、ふぁうっ、やんッ、やんッッ!?」

 

 もう彼女は言葉も出せない。こちらも限界だ。睾丸から沸き上がってきた精液が尿道を駆けのぼり、もう亀頭の中で爆発しそうになっている。

 

「キリエっ――」

「やぁあああっ、涼くんイクっ、好きっ、いくっ――!」

 

 びゅぐ、と精液が弾けた。キリエのニュルっとした子宮口に押しつけた鈴口から、とめどなく精液が噴き出ていく。

 

「ふぁああああああっっ!?」

 

 キツく柔らかな肉襞に搾り取られる快感。恋人の子宮に自分の精液が満ちていく幸福感。

 

 無理やり犯すために拘束していた手足は――今や、全力を振り絞って大好きな人を抱きしめている。

 

 どくっ、どくっと脈打ちながら、肉棒は白濁液を送り込み続けていた。

 

「涼くんッ、んぅうううッッ」

 

 名前を呼ばれるのが嬉しい。自分とのセックスで気持ち良くなってくれるのが嬉しい。互いに理性を無くして交われるのが――痺れるほど幸せだ。

 

「キリエ、愛してる――っ」

「私もっ、涼くん、涼くん……っっ」

 

 布団の中。名前を呼び合いながら2人は、いつまでも絶頂の幸福に浸り続けた。

 

 

 

 ■ ■ ■

 

 

 すべて(・・・)が終わった頃には、もう夕刻だった。

 

 一応夕飯にも誘ってはみたが、今日はさすがにキリエも帰宅しなければならなかった。せめて彼女の自宅近くまで送っていくと決めた。

 

 衣服を整え、階段を降りる。

 

 ――と、見計らっていたかのようにリビングから真凛がひょっこりと顔を出した。

 

「キリエさん、帰っちゃうんですか?」

「う、うん今日はね――」

 

 キリエは努めて平静を装っているようだった。セックス後の気恥ずかしさを隠すように髪を撫でつけ、呼吸を整えてから、

 

「兄妹水入らずのところを邪魔しちゃってゴメンね」

「いいえ。私こそ」

 

 一方の真凛は見るからに上機嫌で、

 

「でも、上で、お2人が仲良くされてるんだなぁと思うと外に出るのがもったいなくて――」

「おい真凛」

 

 性癖がダダ漏れになりそうな義妹に釘を刺しておく。普段の立ち回りは涼介に負けず劣らず器用な真凛だが、いったん恍惚モードに入ると歯止めが効かなくなる。変なことを口走る前に止めておかないと。

 

 すると、苦い顔をする涼介に気づいた真凛は、

 

「ふふ。兄さんは、2人きりになりたかったみたいですね」

「あのな……」

 

 妹に対して涼介が劣勢になっていると察したのか、次は横からキリエが、

 

「――涼くん。そうだったんだ」

 

 ニヤニヤして言う。

 

「ふーん。私と2人きりが良かったんだぁ」

「決まってるじゃないですかキリエさん」

 

 2対1。

 真凛とキリエは距離を縮めてこちらへと生温かい視線を向けてくる。

 

「もう兄さんは、キリエさんがいないと駄目みたいです。だからキリエさん、兄さんのこと頼みますね」

 

 普段ならここで鼻白むキリエも、『難攻不落の涼介を攻める』という一点で真凛と意気投合して、

 

「うん。真凛ちゃんが忙しいときは、私が『兄さん』の面倒見てあげる」

「わあ、頼もしいです! では私は、家での兄さんのことを報告しますから、キリエさんからはぜひ学校での様子を――」

「交換し合おうね」

「はいっ」

 

(こいつら――)

 

 あとで、どちらも個別に『分からせてやろう』と心に決める涼介だった。

 

 




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