【書籍化&コミカライズ】ツンデレ女子が幼馴染の鈍感男子に「ざまぁ」されていたので、寝取って教え込んであげた話 作:タイフーンの目
電車を乗り継ぎ、涼介が予約してくれていた駅近くのイタリアンでランチを済ませ、2人は目的の遊園地にたどり着いた。
「意外と混んでるな」
「だね」
廃業まであと2週間と迫った土曜日とあってか、入園ゲートからちょっとした行列になっていた。
話題性からカップルも多いが、それ以上に家族連れのほうが目立つ。小学校低学年でも乗り込めるジェットコースターやコーヒーカップ、メリーゴーラウンドなどがあるためだろう。
幼い頃のキリエも、ああして、両親に手を引かれて園内を回ったものだ。
「変わってないなぁ」
キリエとしては懐かしさを覚えるのだが――閉園するということを踏まえると、変わっていないことを喜ぶべきか、どうなのか。
「涼くんは初めてなんだっけ?」
「そ。一緒に行ってくれる相手がいなくて」
「――あのねぇ」
この男に限ってそんなことはないだろう。ちょっと声をかければ――例えば文化祭で囲まれていた後輩女子たちなどは、喜んでついてくるはずだ。
「今日は片っ端から回るけどね」
「いいの?」
「いいって、なにが」
「……私は楽しみだけど。涼くんには刺激が足りないかも」
成長してから園内を見渡してみると、さまざまなものが小ぢんまりと感じる。
そびえ立って見えたテラス席のパラソルは背が縮んだようだし、カーブの緩やかなジェットコースターも改めて観察すると、子どもも乗れるよう、『一回転』はしない、安心な造りをしている。
自分より背の高い涼介からすると、物足りなく感じるのではないか。
「そう? 十分じゃん」
気をつかっているようではなさそうだ。
ここを誕生日デートの場所に選んでくれたのは彼なりの配慮だが、自身も楽しむつもりで来てはいるらしい。
「ほら、キリエと一緒ならどこでも楽しいし」
「…………」
ふと、思いついたことがある。
彼の微笑はいつもと変わらないけれど。
「……もしかして、涼くんって絶叫系とか苦手?」
「――――」
わずかな、ほんのわずかな違和感。
「うわ、図星だったりする?」
めったに見つけられない彼の弱点を発見したのかもしれない。
「――金を払ってまで『怖がらせてもらう』なんて、俺の美学に反するからさ」
「へぇ〜。ふぅん……」
単純に怖がり、ではなさそうだ。
なんだかそれは涼介らしくない。
でも考えてみれば――というか、考えるまでもなく彼はマゾヒストではなくサディストだろう。
それはもう、間違いなく。
だからこそ彼は、赤の他人に主導権を預けたくないのかもしれない。こんな小さなアトラクションであっても。
「怖くない? 本当に?」
「当たり前じゃん」
「じゃあそれが本当かどうか、一日かけて突きてとめてあげる」
余計に楽しくなってきたキリエは、涼介の左腕にギュッと抱きついて、
「まずはあのジェットコースターから行こ」
子ども連れのうしろに並んで、まずは1つめのアトラクションで、彼の反応を確かめることにした。
■ ■ ■
(これは、思った以上に――)
この遊園地に興味を持ったのはキリエとの会話で話題になってからが初めてだった。こういうスポットがあることは承知していたけれど、積極的に訪れようと思ったことはなかった。
だが、なんやかんやと言い合いながらキリエと巡るアトラクションはどれも楽しい。何よりキリエの反応がいちいち面白い。
さっきなんて、自分から腕を組んできたくせに、前を歩く夫婦に抱えられた赤ん坊からじーっと見つめられるだけで、急に照れてぱっと飛びのいていた。
涼介がジェットコースターを平気な顔で降りたときには、残念そうにブツブツ言っていたり。
また、いたずら心に、マスコットキャラクターが販売していた子ども向けの風船を買ってやろうかと申し出ると――葛藤したすえに「欲しい……」なんてつぶやいたり。
コーヒーカップ型のアトラクションでは、キリエが目を回さないギリギリのラインを見計らって激しく回転させてやると、それこそ子どものように騒いでいた。
「もう、涼くん……、コーヒーカップ回しすぎ!」
「絶叫系、大丈夫なんだろ?」
「さっきのはまた別!」
「あれでも手加減してたんだけど」
「隣の子もマネしてたじゃん! 悪い見本!」
「はは。悪い大人だからなぁ、俺」
「そうだよ、教育に悪い……! 子どもに見せちゃダメな人だよね、涼くんって」
「そこまで言う?」
正直、人目を引いたのは彼女のせいでもある。
「キリエって、本気で飽きないよな」
「ちょっと、それバカにしてる!?」
「褒めてる。一生一緒にいても飽きなさそう」
「っ!? な、なにそれ……!」
照れ隠しにそっぽを向く彼女をなだめながら、園内をゆっくり回っていく。閉園するとは思えないほどの賑わいは相変わらずで、そしてよく観察すると、施設内はどこも手入れが行き届いていた。
「愛されてるみたいだな」
「え?」
「この遊園地」
幾度か塗り替えられたらしき手すりや、昔からあるらしい売店の看板など、年季を感じる部分はあっても、どこを見ても彩り豊かで華やかだ。
「……だね。うん。ここに来るの、そういえばいつも楽しみだったな」
キリエも足を止め、日の傾きはじめた秋空を見つめあげる。
「今日で最後か――」
アトラクションも楽しみ尽くした。残すはひとつだけ。
「締めくくりは、観覧車だな」
「うん」
行列に並び、観覧車に乗り込む。スタッフの女性から案内され、ゴンドラには向かい合って座った。ゆっくりと1周して、15分程度らしい。
「はー……。今日も終わっちゃうのかぁ」
向かいでキリエが名残惜しそうに窓から園内を眺める。彼女にとっては昔なじみの場所だ。涼介には分からない感慨があるのだろう。
「お父さんお母さんとじゃなくて良かった?」
「――うん。涼くんと来られて、良かった。涼くんとも思い出が作れて良かったなって」
チラリとこちらを横目で見て、それから自分の言葉に照れたように、また窓の外へと視線を戻した。
「おっきくなってからは初めてだったし。無くなっちゃうの寂しいけど、最後にいい思い出になったから」
「そっか。――俺たちも作ろうな、新しい思い出。キリエのご両親みたいに。楽しい場所をたくさん見つけてさ」
「――っ、うん!」
ぱあっと顔を明るくさせてキリエは、
「いっぱい探そうね……! 出来れば、子どもも楽しめるようなところ!」
「――ん?」
「?」
「子どもも……」
「――――。あっ!?」
本人は無自覚だったらしい。
「へぇ……。なるほどね。もう、子どものことまで思い描いてくれてるのかぁ」
「ちっ、ちがう! 今のなし! そういう意味じゃなくて! で、でも、ちがくなくて……、あ、あううっ……!」
どうやら彼女の脳内では、さまざまなシーンが駆け巡っているようだ。その光景が目に浮かぶようで思わず笑ってしまう。
そうするとキリエはさらに取り繕おうと慌てる。
「こ、子どもの頃はさ! この観覧車だってもっと高く感じて、怖かった気がするから……! そう、私たちだけじゃなくって和樹の家族とも何度か――、……あ。え、えっと――……」
思わず口にした名前に、キリエはしどろもどろになる。こちらが表情を変えずに見つめていると、なおさら気まずくなったらしく、
「……ふ、2人では来たことないからね!? あくまでご近所づきあいっていうか、親同士も年が近くて、同じ頃に引っ越してきたから――」
こちらはまったく気にしていないのだが、必死に弁解しようとしている。
涼介は、軽く鼻で笑ってから右にずれ、空いた座席をポンポンと叩いてみせる。
「キリエ。こっち」
「え、う――」
キョロキョロと周囲を見回すが、登り続けているゴンドラの内部は誰の目にも触れない。
「早く」
「は、はい……」
観念したようにおずおずと、居心地悪そうに隣に座った彼女の、その腰元をグイッと引き寄せる。
「ひゃっ――!?」
「デート中に、他の男の名前を出した罰」
言って、唇を重ねる。
「ん、う、う……っ」
ギュッと目をつむって、キリエはそれを受け入れた。硬直している彼女のウエストをさらに抱き寄せて、右手を這わせ、胸部に至る。
「やっ!? 涼くん、ここじゃ――」
「罰って言ったでしょ?」
「あ、あぅう……んっ、やぁっ……」
服とブラジャーの上からでも、彼女の乳突起の位置は簡単に見つけられる。親指で弾くようにいじめてやると、
「きゃっ、やっ、あんッ」
「キスも。止まってるけど?」
「~~~~っ、ん、あむっ、んぅっ、んうぅっ……」
許しを請うように、唇の粘膜を絡ませてくる。
「きゃんっ!? やぁ、やぁあっ……!」
「俺と来られて良かった? キリエの思い出、全部上書きしちゃうかもしれないけど」
キリエのシャツとキャミソールの裾を軽くたくし上げ、そこから右手を滑り込ませる。
「んっ、ふっ、あっ……、あッ!?」
ブラジャーと、Gカップの乳房の隙間に手を入れて、じかに乳首を捉えた。
「もうこんなにコリコリ」
「やぁっ……! い、言わないでっ――、んぅっ、んぅうっ……!」
快感に耐えようとしがみつき、こちらの胸にグリグリと頭を擦りつけてくる。だが決して抵抗しようとはしない。
「オシオキなんだから、ガマンしないと」
「やっ! あっ!? ひ、ひぅ――ッ」
消え入りそうな声を漏らし、背中を何度もビクビクさせている。
「またキスが止まってる」
「ご、ごめん――っ、れ、れう……、ちゅっ、ちゅむっ、んろ、んむぅ……っ、ッッッ、ふぐッ、うっ、うッ――」
「イキそう?」
「ま、待ってっ――、こ、こんなところで――」
「イってよ」
彼女の耳元で、冷静に突き放すように、それでいて、あやすように甘く囁く。
「乳首でイって。思い出の観覧車で、俺に乳首いじられてアクメしてみて」
「~~~~っ、ふぐっ、うっ、うぁあっ……! 涼くん、ダメっ、それ、――あッ、あッ、あぁッ……!?」
柔らかな乳房にはしっとりと汗を掻いている。これ以上ないほど尖った乳突起を、指で散々にこね回す。
「ッッ!? い――、ッく、いっちゃうっ――」
小さくうめくように喘いだ。
「いく、イっちゃう、涼くんっ、あッ、やッ、いっちゃ――、んぅううううッッッ……!」
ブルブルッと震えて――
彼女は、腕の中で果てた。
「……はあっ、はぁっ、はあっ……! 涼くん……」
息が整わないうちからキリエは、顔をあげ、潤みきった両眼で見つめてくる。
「こんな、思い出……っ」
「忘れたい?」
「忘れられるわけ、ない……っ、涼くんの、ばかっ……」
言うと、しなだれかかるように抱きついてきて、より濃密なキスを求めてきた。
「んじゅるっ、じゅぷっ、じゅぷっっ……、あ、むっ……、もう……涼くんのせいで、こんな……責任、取ってね……」
「もちろん。っていうか、キリエが嫌がっても絶対に逃がさないから。キリエこそ覚悟しておいて」
「っっっ……! う、うん……、わかった……覚悟、する……っ、んっ、んむっ――」
地上に戻るギリギリまで、2人はゴンドラ内で何度もキスを交わした。