※この作品はR-18です。

俺がハーレムを作る話   作:どろんぱ(仮)

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回想シーンは前話で終了。
土曜日の続きです。


第29話 土曜日~その3

晶子の運転する車に乗って、ゴルフ場に向かう。天気は良く、日差しは強く、すっかり夏の暑さで外に出るのは正直キツイ。俺は白のポロシャツに麻のパンツ、晶子はカーキー色のノースリーブシャツワンピース。はっきり言って、傍目から見たら、かなりイケてるセレブカップルに見えるのではないだろうか。8割方晶子のおかけではあるが。

 

時間はまだ9時前ではあるが、加菜はすでにスタートしており、ネットでスコアを確認する。2日目を終わった時点で、加菜の順位は、2アンダーで15位タイ。トップとは5打差。2日目終えた時点での成績は、今シーズン最高だ。

 

「なんか怖いなー。俺が応援に行って加菜のスコア落ちたら嫌だな」

「大丈夫ですよ。加菜ちゃんは、誰かの影響でスコアを落とすような子じゃありません。戦うのは己のみ。その気持ちでプレイしてますから」

 

晶子が落ち着いた口調で言うと、俺の気持ちも少しだけ落ち着く。確かに、加菜は普段は優柔不断だったり、引っ込み思案なところがあるが、プレーは前向きで力強い。特に、ここ最近は、メンタル面が強くなっている気がする。これも今シーズンから付けた新コーチの芦田プロのおかげかもしれなかった。

 

「そう言えば、晶子は鏑木臣人の本って読んだことある?」

「ドラマや映画はいくつか見たことありますが、本はお恥ずかしい話ですが、読んだことなかったので、これを機に何冊かは」

「さすが、晶子。で、どうだった」

「面白かったです。読みやすそうな本を選んだこともありますけど、ほとんど一気読みしてしまうのもありました」

 

今回のようにハーレムオーナーからお呼ばれすることは、スワップと言われており、頻繁に行われていた。コミュニティサイトでは、スワップの募集の掲示板もあり、2人のハーレムオーナーで行われることもあれば、何人ものハーレムオーナーが集まって派手に行われるものもある。俺も、今度そのような大規模スワップに呼ばれているおり、実のところ、悩みの種にもなっているのだが、ちゃんとしたスワップに参加するのは今回が初めてだった。

 

ハーレムを作るきっかけにもなった、姉河原さんのハーレムを訪れた時は、俺はまだハーレムオーナーじゃなかったし、カズとはお互いに姫を交換したが、同時ではない。リャンさんの時は、同時かつ同じ屋根の下だったが、向こうはオトコ、こっちは姫だった。このような時頼りになるのが、黒鉄、そして、さやかだ。俺は2人に相談しながら、準備を進めて行った。

 

今回は、加菜とエルザのスワップがメインで、俺は安易に応じてしまったが、そもそも、加菜の了解を得ていなかった。黒鉄に言わせれば、姫の了解なんて不要とのことだったが、俺としては、一応意思確認はしておきたかった。俺以外の男に抱かれるなんて絶対嫌だ、とか言われるかもしれないし……と思っていたが、加菜はあっさとオッケーしたので、拍子抜けというか、ちょっとガッカリした気分だった。

 

そして、マナーとしては、誘われた方が多くスワップの姫を連れて行くということのようなので、俺は晶子を選んだ。本来であれば、組織専属の姫であるさやかにすべきなのかもしれなかったが、鏑木さんは年配だし、晶子の方が年の功でうまく合わせてくれるだろうし、晶子はゴルフもしているから、話も合わせやすいし――と言うのは、自分への言い訳で、さやかを他の男に抱かせたくないというのが本音だった。此方が晶子を連れて行ってもいいかと鏑木さんに伝えたところ、向こうはひらりを連れて行くということになった。俺としては、女優の方が良かったのだが、そんなことを言うことは明確なマナー違反になるので言えるはずもないのだが。俺は、今更ながら晶子に言い訳がましく伝える。

 

「別に、晶子なら他の男に抱かれてもいいってわけじゃないんだ……晶子なら誰に対しても恥ずかしくないというか……それに、鏑木さんの本も、この日のために読んでくれたんだから、やっぱり、晶子にしてよかったって思ってる。本当にありがとう」

「そんなことはお気になさらずに。私も、加菜ちゃんの応援に行きたいと思っていましたし、阪本プロに会えるのもとても楽しみです。もちろん鏑木様にも。あと、ひらりんに会えるっていうのもすごい嬉しくて」

「へっ?そうなの、浜木ひらり知ってるの?」

「もちろん知ってますよ。私みたいな底辺インフルエンサーからすれば雲の上の人です。実は、もうSNSでやり取りをしてまして。もしかしたら、コラボできるかもしれません。あれだけの人気配信者とコラボできたら、私的にもかなりメリットあるので」

 

でも、そうすると、6Pなのか、と俄然、テンションが上がってくる。いずれにせよ、まずは、加菜の応援が先だ。俺は気持ちを鎮めるべく、車の外に視線を向けた。

 

 

++++++++++++++++++

【芦田浩喜視点】

 

 

――18番ホール、グリーン上。カップまでは、約10メートル。距離は長いが、この距離、ラインは練習済だ。後は、自信を持って、打ち切れるか。ラインの読みを短く告げた後は、もうアドバイスすることはない。俺はピンフラッグを持って加菜を見詰める。加菜は集中し切っている。このバーディーパットを沈めれば――という思いが強すぎると、良くない。ここで最悪なのはスリーパットでボギーになること。粘り強いプレーで何とかここまでイーブン、2アンダーをキープしており、このままイーブンパーなら御の字、上位戦線には残れる。ただ、この時、「2パットでいい」とは言わなかった。ここで決め切れるかが、トッププロとその他のプロの違いだ。加菜がバターを引き、ボールを打つ、やや強めだ。ボールがカップに近づく――ボールはカップに吸い込まれた。小さくガッツポーズをする加菜。俺は小さく「よし」と声を出し頬を緩めぬままま、加菜に歩み寄りハイタッチを交わした。

 

俺が、加菜のコーチになったのは、新シーズンが始まってからのことだった。元々、何人かの女子プロのコーチをしているが、ツアーに帯同するのは3年ぶりだった。シーズンが開始してから引き受けることなんて通常ないのだが、大きな組織からのオファーであったことと、ぶっちゃけ破格のギャラが理由だった。花村加菜のことは知っていた。粗削りだが、原石の予感はあった。初対面の時は、思った以上に大人しく、プレーの時の印象と違うと思ったが、コースに出れば、小さな体に類まれな闘争心があることがわかった。全く見どころがなければ、オファーを断ることも考えていたが、応じることにした。――それから、約3ヶ月。今シーズン最高の内容で3日目を終えた。

 

~~~~~~~~

 

「それじゃ、明日は6時にクラブハウスで。遅れるなよ」

「えっ…コーチはこの後の食事会来ないんですか?」

「俺はいいよ。うまいもん食ってこい。ただあんまり食い過ぎるなよ」

 

いつもであれば、加菜と夕食を一緒に食べてホテルに戻るが、この日は、加菜に予定があった。今日は加菜のオーナーが応援に来ており、阪本エルザのオーナーとの食事会に行くと聞いていた。もちろん、食事会が、食事だけで終わるはずもない。女子プロゴルファーの中には、試合期間中であっても、性交渉を持つ者も少なくない。自分とてツアープロの頃には、昂った日には女を部屋に連れ込むことはあったし、コーチングプロになった後、コーチをしている女子プロと関係を持ち、試合期間中毎日抱いていたこともあった。それ故、頭ごなしに、否定するつもりはなかった。

 

俺が、ゴルフバッグを担いで、クラブハウスを出ようとすると――タイミング悪くと言うべきか、加菜のオーナーの城宮氏と背の高い女が入り口のところで待っていた。

 

「加菜、ナイスプレイだった。いやー、最後のパットすごかったな。マジで興奮した!」

「ご主人様…ありがとうございます…」

 

やや頬を赤らめ俯き加減に言う加菜の表情は、俺の前では見せない女のそれだった。普段の城宮氏のことはよく知らないが、加菜の応援に来る城宮氏は、いつもテンション高くはしゃぎ気味で、とても、ハーレムオーナーの貫禄があるとは思えない。それでも、自分の事実上の雇い主でもある城宮氏に挨拶もせず、立ち去ることは出来ず、立ち止まり、一礼する。

 

「どうも、お久しぶりです。城宮さん」

「あぁ、芦田プロ、お疲れ様です。今日は、この後もよろしくお願いします」

「いえ、俺は……」

「そう言わずに。鏑木さんからは、加菜のコーチにもぜひ来て欲しいと言われているんですよ」

 

俺は舌打ちを堪えるも、困惑が表情に浮かんでしまう。阪本エルザのオーナーが作家の鏑木臣人ということは、業界の中にいる人間であれば知っている者は少なくない。エルザがまだ10代の頃にオーナーとなり、ゴルフ界に入ってきたため、挨拶くらいはしたこともあった。ただ、目の前にいる城宮氏も含め、自分とは違う世界の人間であるという気持ちは強く持っていた。金の力で女を所有する男達――その他大勢の男達からすれば、僻み、妬みの対象だった。俺も自分の腕一つでそんな地位に登り詰めたかったが、今では、自分の分は弁えている。ツアープロとしては成功したとは言い難いが、コーチングプロとしては成功、いや、大成功を収めたと言っても過言ではない。今では、大事にしている妻も子もいる。俺は、断ろうと顔を上げた――のだが

 

「わかりました。僭越ながら、ごちそうになります」

 

俺の言葉に城宮氏と加菜の顔に安堵が浮かぶ。俺が行かなかったからと言って、鏑木氏が気を悪くするとは思えないが、招待したのに来ないということは、多少なりとも鏑木さんのプライドを傷つける可能性もなくはない。俺ごときが意地を張るのも、大人げないし、プライドなんてとうに捨てている。挨拶して、旨い肉を食ったら、早々に引き上げよう――そう思い、城宮氏達の後に続いた。

 

 

++++++++++++++++++

 

 

「おー、ここかぁ。立派なコテージじゃん」

 

晶子の運転する車から下りると、コテージの大きさに圧倒される。少なくとも1家族が宿泊するようなものではなく、団体客が宿泊するようなものだった。もう一台、後ろから付いてきた芦田プロが運転する車から、芦田プロと加菜が下りてきて、4人揃うと、コテージに向かった。入り口には、金剛さんが立っていて、深々とお辞儀をして迎えてくれた。

 

「お待ちしておりました。城宮様。皆さま、お揃いですね」

「はい。今日はお招きいただき、ありがとうございます。あと、これ一応、お土産です。バーベキューと聞いていたので、お肉です」

 

俺は、晶子から大きな保冷用のバッグを受け取り、金剛さんに渡した。

 

「ありがとうございます。今日は大人数ですから、お肉はどれだけあっても大歓迎です。それでは、此方へどうぞ」

 

コテージの中は、広く、綺麗で、高級リゾートという感じだった。エントランスから広いリビング、その先には外に張り出した広いテラスがあり、背景には森林が広がっている。そこでは、既にバーベキューが始まっており、大きなバーベキューコンロの前で、鏑木さん自らが肉を焼いていた。そして、俺に気付けば、軽くを手を上げ、おれもぺこぺことお辞儀を返しながら、テラスに小走りに向かい、鏑木さんに挨拶した。

 

「お久しぶりです。お招きいただきありがとうございます。こちらに控えるのは加菜と晶子です。ご挨拶させていただいてもよろしいでしょうか」

「もちろん。お会いできるのを楽しみにしてましたよ」

「お初にお目にかかります。高遠晶子と申します」

「はじめまして、花村加菜です。よろしくお願いします」

 

晶子と加菜は、鏑木さんが鷹揚に頷くのを見てからテラスに歩を進めると、鏑木さんの前で両膝を床に付いて深々とお辞儀をした。すると、鏑木さんの近くに2人の女性が近づいてきて、挨拶の姿勢を取る。

 

「それじゃ私の姫もご挨拶させてもらいましょう。エルザは先日ご挨拶してますが、ひらり、城宮さんに挨拶なさい」

「阪本エルザです。またお会いできて嬉しいです」

「浜木ひらりです。はじめまして、お会いできて光栄です」

 

2人とも同じように俺に膝を付いて挨拶する。エルザはスポンサーブランドのTシャツにハーフパンツ、ひらりはタンクトップにデニムのショートパンツ。どちらも健康的でありつつ、エロい。姫達の挨拶が終わると、テラスに入らずにいる芦田プロに気付き、入ってくださいと声を掛けつつ、鏑木さんに紹介する。

 

「芦田プロです。私が加菜のオーナーになってから、頼み込んで、加菜のコーチをしていただいています」

「この度はお招きいただきまして…のこのこ来てしまいました。すいません」

「いやぁ、こちらこそ来ていただきありがとうございます。花村プロの快進撃はやはり、芦田プロの指導の賜物でしょう。色々、お話を聞かせてください。みなさん、どんどん肉を焼きますから、今日はどんどん食べてください。エルザと花村プロは、明日の試合に影響でないくらいにね」

 

エルザは立ち上がると「はぁーい」と答え、加菜の手を引いて、バーベキューコンロ近くの椅子に陣取った。近くにいた給仕の女性に席に案内され、飲み物を聞かれたので、俺はビール、芦田プロも1杯だけと言いながらビールを頼んだ。晶子はウーロン茶、ひらりは「同じもの」と言って、グラスを掲げレモンサワーを頼んでいた。改めて辺りを見回せば、「今日は大人数」という言葉のとおり、俺たち以外にも5~6人の人たちがいて、思い思いに肉を食べていた。さらにはコテージの中ではキッチンで料理をしている人やお運びをしている人もいるので、全部で何人いるのかはわからない。晶子が「お肉取ってきます」と言って立ち上がると、ひらりも、それに付いて立ち上がる。そこに飲み物を持った女性がやってきた。

 

「はじめまして。葉月静佳です。ドリンクお持ちしました」

 

チームエルザのスタッフなのか、それともこのコテージのスタッフなのか。判別しがたいが、やけに美人で、一瞬見入ってしまう。芦田プロと乾杯し、晶子とひらりが持ってきた肉を食らう。陽はまだ落ち切ってはないものの日陰になっていて風が心地いい。俺の隣にはひらりがいて、目の前には晶子、隣はおっさんの芦田プロだが、美人と食べる酒食は美味しく、それが自然の中で食べるのならば尚更だ。

 

「ひらり…ひらりんは、配信者なんだよね。配信の業界の人も、そのぉ、組織に入る人は多いの?」

「うーん、そんなには、いないかも。組織は審査がキビシメだから。ウチらの業界はヒジョーシキな子多いしね。ウチも、まさかいきなり誰かのハーレムに入れてもらえるなんて思ってなかったし。ご主人様にはむっちゃ感謝してます」

 

実は、この日のために俺はひらりの動画を見て予習してきていた。大体、食べているか、ゲームをしているかで、短いものだと踊ったり、歌ったりしていた。アニメ声と作り物めいたパーツの整った容姿、小柄で意外と胸は大きめ……魅力しかなく、ライブ配信の時には投げ銭までしてしまった。実際に会ってみると画面越しよりも可愛いし、気さくで、場持ちが良く、俺の話によく笑ってくれるというのも、ポイントが高い。鏑木さん、目の付け所がいいなー。気付けば、隣におっさん…ではなく、芦田プロの姿はなく、視線を彷徨わせれば、エルザと加菜の席で何やら話している。ゴルフの話をしてるのだろうか、エルザと加菜は熱心に聞き入っている。まぁ芦田プロも楽しんでくれているのなら何よりだ。

 

俺は、晶子とひらりが話しているのを聞きながら、グラスを空けると、葉月さんにお代わりを頼む。既に飲み物はビールからワインに切り替えて、酔いも回りつつあるが、この後の4P、もしくは6Pのことが頭からは離れない。あまり飲み過ぎてしまうのはまずいと思いつつも、俺は酔ったからと言って使い物にならなくなるような男ではない。むしろ、よりエロくなる。エルザも加菜も明日は試合だから、早く寝なければならないはず。そう思えば、刻一刻と4Pの時間は減っているのだが……鏑木さんを見れば、芦田プロと話をしていて、自分のフォームのチェックをしてもらっているようだ。

 

――あれ、エルザと加菜は……と思えば、いつの間にかテラスにはいない。俺は思わず、立ち上がり、周囲を見回した。――やっぱりいない。もしかして、もう寝ちゃうの、今日の4Pないってこと?俺は冷静さを失い始め、縋るように、ふらふらと鏑木さんに歩み寄った。鏑木さんは俺に気付くと、俺が口を開く前に、人差し指を上げて、囁いた。

 

「それじゃ、行くとしますか。19番ホールに。場所はあそこです」

 

人差し指が示したのは、テラスから見える森林の奥に見えるもう1棟のコテージ。そこへの渡り廊下を今まさに、エルザと加菜が歩いていた。

 

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