第33話 日曜日~その1
――…目が覚めると、隣にはひらりが寝ていた。寝る前にメイクを落としていたので、スッピンだ。メイクを落とした顔は恥ずかしくて見せられないと言っていたが、そこまで見られない顔ではなかった。ただ、メイク後のひらりんと比べれば、一瞬同一人物か疑うレベルではあったが。でも、朝日がカーテンの隙間から入り、それに照らされたひらりの顔は可愛くて、結局、欲情する俺だった。
昨晩は、部屋に入って即2回、それからリビングに降りて、まだ残って飲んでいた鏑木さんのスタッフ(エルザのスタッフとコテージのスタッフはいなかった)に合流し、酒を飲み、そのスタッフ達も引き上げると(今思えば、途中から酔いも手伝ってかなりイチャついてた気がするので見ていられなくなったというのが当たりかも)、そのまま互いの欲望に火がついて行為が始まってしまい。小柄なひらりなら俺でも駅弁できるかなと思い、駅弁スタイルに挑戦し成功すると、高揚感でつながったままテラスに出て、最後はバックでフィニッシュした。
しばらくすると、ひらりも目を覚ました。
「おはよ、城宮サマ」
「おはよう」
「あっ、そっか。城宮サマはエルザちゃん達の応援、行かないのか」
時計を見れば、もう9時を過ぎている。エルザや加菜はもちろん、鏑木さんもすでに出かけているはずだ。俺は向かい合っているエルザの豊胸した胸を掌で包み込み、ひらりの表情を見る。ひらりはエロい笑みを浮かべ(ノーメイクでもエロさは伝わってくる)、俺の息子に手を伸ばした。
「スル?」
俺が黙って頷くと、ひらりは俺に背を向けて、自分のアソコに俺の息子の頭を宛がう。俺も位置を調節して、中にずぶりと差し込んだ。
「んっ――アンッ、城宮サマのもうすっごく硬い。…はぁ……昨日、あんなシタのにぃ――スゴイ」
「そうかな」
確かにそうだが、俺は一度寝ればリセットするようで、特に朝は性欲が強く、ハーレムを作る前も大抵、仕事に行く前にヌイていたくらいだ。俺は側位の格好でひらりの腹の辺りと腰に手を置いて、互いの腰を密着させたまま腹からも圧迫するようにひらりの奥に先端を押し込み、ゆっくりと腰を揺らす。ひらりの中は締め付けは然程なく射精感はすぐには来ないが、入ってるだけで堪らなく気持ちよかった。
「アゥッ、ソコ――イィー。はぁ、城宮サマ…昨日のウチがした話覚えてます?出資の件」
「あぁ、ひらりのナカ、具合イイなぁ。んっ、シュッシ?……あぁ、覚えてるよ」
「今度、事業計画書…はぅ……送りますね」
「わかった…検討するよ。ただ、特別扱いはしないからね」
「もちろんですよぉ……城宮サマのみたいに、かったい事業計画なので…ゼヒご検討の程を」
昨晩、ひらりと話をしていて分かったのはかなりビジネスマインドを持っていることだった。配信者としての収益構造や自分一人のキャラクターのみでマネタイズすることが長期的に難しいということも冷静に認識していた。俺は物は試しと思い、冗談っぽく俺のファンドにいくらか出資しないかと聞いたところ、ひらりは急に真顔になって、しばらく考えてから、俺にこう言ったのだった。
「むしろ、城宮様のファンドが私の会社に出資しませんか?」
驚くべきことに、ひらりは鏑木さんを出資者の一人して会社を立ち上げていたのだ。この話をする時のひらりは、口調だけでなく顔つきも変わっていた。聞けば、ひらりは鏑木さんと初めて会ったときにも、この出資の話を持ち掛けていたそうだ。大胆というか…そんな姫は普通いないだろ。鏑木さんは、姫のサポートをして成長を見届けるのが好きらしいから、ひらりをハーレムに入れたのもおそらくひらりのこの考えに惹かれたのだろう。
「あっ、鏑木さんにはちゃんと断り入れといてくれよ。ハーレムの姫の会社に勝手に出資なんかしたら、まずいからさ」
「もちろん、ご主人様の了解は得ていますよ、城宮様とお会いする前から。ご主人様からもしっかり資金調達してこいって言われちゃいました…てへ」
すっぴんのひらりがイタズラっぽく笑うと、その瞬間は、完璧メイクのひらりんよりも魅力的だった。てゆうか、鏑木さんの後押しもあって、なおかつ、ひらりの会社の出資者の一人だったら、完全にステークホルダーやん。――これは多分、出資は断れなそうだな。その分、しっかりと鏑木さんから俺のファンドに出資させなくちゃいかんな。俺は性欲と金銭欲の両方が高まるのを感じつつ、ひらりの身体を強く抱きしめながら、激しい腰使いでひらりのナカで己を扱き高めていく。絶頂を迎えたひらりの甲高い喘ぎ声を聞きながら、俺はそのまま射精した。
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俺とひらりがリビングに降りていくと、晶子と金剛さんがコーヒーを飲みながらおしゃべりをしていた。
「「おはようございます」」
「おはよう」
「晶子さーん、おはようございまーす」
ひらりは、小走りに晶子の隣の席に腰掛け、晶子も微笑みかける。昨日会う前からSNSでやりとりしていたと言っていたし、すっかり仲良くなってるようだ。俺も席に着くと、コテージのスタッフが朝食が運んできた。俺は腹が減っていたことを思い出し、旨そうなソーセージにかぶりついた。
「城宮様。お食事中失礼します。昨日のバーベキューの時に撮ったお写真ですが、ご主人様から、コミュニティサイトにアップしてもいいか城宮様の了解を得るようにと申しつけられております。ご確認していただいてもよろしいですか?」
金剛さんは、そう言ってスマホ画面をそっと見せてくる。見れば、バーベキューコンロの前に立って肉を焼いている鏑木さんとピースサインをしているエルザと加菜や、晶子にひらり、俺がグラスを掲げて笑みを浮かべている写真など、多数あった。
「あぁ、金剛さん、昨日写真撮ってましたよね。もちろんいいですよ」
「城宮様のお顔も問題ないでしょうか。オーナー様の中には顔出しは好まれない方もいらっしゃいますので」
そう言われてみると気になって、もう一度さっきの写真を見る。俺と鏑木さん、4人の姫が揃って映っている写真を見返せば、4人の姫は写真からでも当然その魅力は伝わってくるし、鏑木さんも有名人オーラが出ている。そこに並ぶと俺だけ場違いな素人感が半端ない。幸運を呼ぶ石を買って美女をゲットしましたーみたいな広告のようだ。ただまぁ、俺だけモザイク掛けるのもおかしいし、鏑木さんのページに映り込むことで、それを見た他のオーナーにも俺の存在を知ってもらえるかもしれないと思い、金剛さんに了解する旨伝えた。そしてふと晶子に問いかけた。
「そうだ。鏑木さん、何か俺のこと言ってなかったかな?鏑木さんが出発する前に挨拶しなくてまずかったよな……」
「大丈夫です。鏑木様はご主人様はまだひらりさんとお楽しみだろうからと仰っておりましたので」
「そうか…でも、これだけもてなしてもらったんだし、帰ったらちゃんとお返ししないとだな」
「そうですね。さやかさんと相談します。個人的に本にサインをいただきましたし」
晶子は、俺に本2冊を見せた。1冊は最新刊で鏑木さんからもらったものだけど、もう1冊はわざわざ晶子が持ってきた本で、それに書いてもらったそうだ。んーこうゆうところも晶子はそつがないな。
「城宮サマはご主人様の本、ぜーんぜん、読んだことないんですか?」
「うーん…まぁ恥ずかしながらね。小説とか読む習慣がないんだな。あっ、でもほら、源川まどかが出てる、去年くらいにやってた映画はネット配信で見た。あれの原作、鏑木さんだよね」
「そうそう。元々ドラマがあって、それの映画化。ご主人様は映画のために書き下ろしたんですよー」
「私も見ました。まどかさん、ずっと綺麗ですよね。肌なんか10代の頃と全然変わってないし。どんなコスメ使ってるんだろう」
「ふっふっふっ、今度、教えますよ。なんせ、同居人ですからね」
源川まどかは、10代の頃からテレビドラマや映画に出ていたが、20代の頃には視聴率が取れないなんて言われてあまり見なくなったような気もするけど、ここ数年はドラマに映画に出ずっぱりで、世代を代表する女優の一人だった。清楚だけど天真爛漫な感じで、まどかを嫌いという男はまずいないだろう。最近は肌の露出は控えているが、たまに映画祭なんかに出てくると、オシャレという言葉にコーティングされたセクシーな衣装を着てくることもあって、スタイルの良さは半端ない。あー、ヤレなくてもいいから、会ってみたいなー。
「あー、城宮サマ、ウチじゃなくてまどかちゃんの方が良かったなー、って顔してますよ」
「いやいやいや、そんなことないって。ひらりと比べてなんてことはないけど、まぁ、イチファンとして、源川まどかに会ってみたいなーとは思うよ、正直」
「でもー、まどかちゃんすっごく忙しいですからねー。今もずーっと海外ロケ?オーストラリアかニュージーランドだったか…エルザちゃんもほとんど家にいないし、広い家にウチほとんど一人なんですよー。――そっか、時差そんなないし、ちょっと電話してみましょうか?」
俺が「いや、いいよいいよ」と言うのも聞かずに、ひらりはテレビ電話でコールし始めた。うわぁ、マジでか、と思いつつ、期待を込めて待っていると、電話がつながった。
「まどかちゃーん。おひさー。元気ー?てか今大丈夫?」
「うん、撮影午後からだから。あっ、今日はエルザの応援行ってるんだっけ。優勝狙えそうなんでしょ」
「そうそう。今年まだ勝ててないから、相当気合入ってたよー。なんか勝ちそうな感じ、多分だけど」
俺はまどかの顔が見たくて、スマホ画面を覗き込もうとすると――まさに、源川まどかが映っていた。スマホ画面にアップで映り込むまどかは美女オーラがやばい。
「そだ。今ね、高遠晶子さんとそのオーナーの城宮サマもいるのね。ちょっと代わるね」
「あっ、えっと、わぁ……」
「源川まどかです。画面越しで失礼します。何卒、よろしくお願いいたします」
俺がどぎまぎし過ぎて何も言えないうちに、まどかは丁寧にお辞儀をしているのか、画面から消えた。俺なんかにもったいなさ過ぎるだろ。
「こっ、こちらこそ、よろしくお願いします。えっと…そうだ、撮影頑張ってください」
「ありがとうございます。あと……大変僭越ながら、一つお願い事をお伝えしてもよろしいですか」
「えっ、おれ…私にですか?そりゃもちろん、何なりと。……私にできることなら」
「ひらりの会社の件、無理を言ってたら申し訳ないんですが、検討だけでもしていただけると私も嬉しいです。ご検討の程、よろしくお願いします」
「あっ、はい。わかりました。ものすごく前向きに検討します」
――ここまでダメ押ししてきたか。ただ申し訳なさそうにしつつ笑みを堪えきれないひらりの顔を見ると、なんだか許せる気持ちになってしまうのは、彼女の人徳なのだろうか。スマホは俺か晶子へと渡り、緊張気味に画面越しにまどかと話している晶子を眺めながら、どう事業計画書がポンコツでないことを祈っていた。