※この作品はR-18です。

俺がハーレムを作る話   作:どろんぱ(仮)

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第34話 日曜日~その2

朝食を終え、コテージを出ると、晶子の運転する車に乗って、東京への帰路に着く。源川まどかと話した興奮はまだ収まらず、晶子もまだまどかとの会話を反芻しているようだった。俺は加菜の試合のスコアをスマホで確認すると、バーディー3つにボギーが2つ。出入りの激しいプレーになっているようだが、ここに来てバーディー3つというのは、勝負強いところが出ているのではないか。最終組のエルザもスタートをしていて、トップがスコアを落としたせいで、すでにトップに並んでいる。ひとまず、2人とも昨日の4Pの影響は出ていないようで一安心だ。本当は、最終日の今日こそ応援に行きたかったのだが、断れない用事が入ってしまっており……。

 

「権藤様とのお約束は、15時でよろしかったでしたか」

「あぁ、リモートの面談がその時間だから、30分前には着いていたいな」

「その前にさやかさんとのミーティングですよね」

「……晶子は当然知ってるよな。うん。うちの近くの駅で待ち合わせの予定なんだけど、何時くらいに着くかな」

「このまま車が流れれば、11時半頃には着くかと」

 

俺は、時間を聞いて、さやかにメッセージを送る。さやかとは不定期に家の外でハーレムの運営についてのミーティングをしていた。家計の管理をしているのは、さやかなのでその報告を受けることが主目的なのだが――いや、正直言えば主目的はさやかのことをじっくり味わうことだった。さやかは控え目な性格のため、夜伽も他の姫を優先していた。それ自体は悪くないのだが、俺はさやかをもっと抱きたいのだ、だって、元々、一番のタイプなんだもん。さやかのことを思い、鼻の下が伸びていたのか、晶子が、そんな俺を窘める。

 

「……私も、ご主人様とはご無沙汰ですよ」

「あぁ、すまん、すまん。えっと、今回もありがとう。晶子にはいつも助けられてるよ」

「姫としては当然の務めです。ですが、本分はご主人様に奉仕することというのは、お忘れなく」

「もちろんだよ。そうだな…今週平日のどこかで、仕事終わりで食事にでも行こう、2人で」

「はい。ありがとうございます。食事の後も…期待してますね」

 

夜伽は、甘えたがりの優衣と夏美、たまにしか家にいない加菜を優先しがちで年長組の晶子とさやかには物足りない思いをさせてしまっていたかもしれない。でも、いつもクールで自分の気持ちをあまり表に出さない晶子が、こんな風に素直な気持ちを伝えてくるのは珍しく、そのギャップがやっぱたまらん。鏑木さんは俺のよりでかいけど、硬さや回復力は、俺の方に分があるとすれば、晶子も物足りなく思ったのかな、なんて思えば、気分が良かった。そんなことを思いつつ、晶子のサングラスをかけた美しい横顔に見惚れていると、いつものドライな声色で晶子が口を開いた。

 

「それで、権藤様のお父様からのお誘いには応じられるのですか?」

「……まあ断るわけにもいかないだろうな」

 

俺は懸案事項が頭をよぎり、素に戻って他人事のように呟いた。

 

 

++++++++++++++++++

[回想シーンへ]

 

6月のある週。俺はカズの部屋を訪ねた。名目は、資産運用の報告ということになってはいるのだが、カズに会うこと自体、俺は結構楽しかった。同じ建物の住人だし、一応、スワップもしてる仲でもあり、今のところ、俺の中では一番親しいハーレムオーナーだった。この日は、前回のことを警戒したわけではないが、1人で訪れており、美鈴に案内されて、いつものリビングに入ると、先月来た時にあった将棋盤は部屋の片隅に置かれ、ソファに座ったカズと床に寝そべった初見の少女がそれぞれコントローラーを持ってゲームをしていた。モンハンってやつかな?カズの隣には愛が座っていて、俺に深々お辞儀をした。

 

「おう、ミヤっち。あれ、もう報告の日だっけ?」

「カズさん、お久しぶりです。えぇ、特にお約束はしてなかったですが、ちょっとご機嫌伺いと…あと、お父様の件、どうなったかな、と……」

「あぁ、そっか。そしたら、ちょうどよかったかもだな……」

 

俺は奥の一人掛けのソファに腰掛けると、薫子がお茶とお菓子を置いてくれて、俺にお辞儀をする。んーいつもと変わらず和服が似合っていて楚々とした仕草がたまらなく色っぽい。晶子の件で埋め合わせに美鈴も入れて3Pしたことが自然と思い出され、頬が緩んでしまう。カズの隣には、愛が座っていて、カズからコントローラーを受け取り、そのままゲームを引き継いだ。カズは、ソファから下りると、俺の前のカーペットの上に胡坐をかいたが、そのまま話を始めるわけでもなく黙っていた。

 

「それで、お父様はなんと仰っているんですか、ファンドの件。俺はいつでも、九州に説明に伺いますよ。大分ですよね?」

 

カズの父親は九州の温泉王と呼ばれており、とてつもない金持ちで、本人も何人もの姫を抱えるハーレムのオーナーだった。俺は当然、ファンドの営業をかけるべく、カズに紹介してもらうようお願いをしていたのだが、今日まで返事はもらえていなかった。カズはまるで将棋で次の手が見つからない時のように困った顔をしていたが、ようやく口を開いた。

 

「実はさ…ミヤっちには黙ってたんだけどさ……俺、今家出中で、ちちう…オヤジと折り合い良くないんだわ」

「――イエデチュウ…って、家を出る、家出ですよね、しかも家出中なんですか!?」

 

えっ、こんな豪邸に居て、しかもハーレムの姫5人も抱えて、家出中?俺は困惑してカズの次の言葉を待つが、カズはすまなそうにしているだけで、俺は助けを求めて薫子を見た。

 

「ご主人様が家出しているのは紛れもない事実です」

「――そうすると、九州のご実家から家出して、今、東京に住んでいるということですか?」

「そそっ、そうゆうこと」

「でも、この家とか学校の費用とかは……」

「それは当然、オヤジが払うっしょ。俺まだ小遣い制だし」

「お小遣いももらってるんですね……」

 

カズはいつもの調子を取り戻し、今度は俺が困惑していた。これって家出というのかな。助け舟を出してくれたのは、当然、薫子だった。

 

「今から1年と少し前、ご主人様は、家出を宣言されました。それから転校手続きに引っ越しの準備等されて、準備が整うと、満を持して、住み慣れたご実家を離れ、中学3年生の4月から今の学校に転入されたのです」

「それって普通の転校のような気もしますが……で、姫のみなさんは……?」

「私と愛と由芽は、九州にいた頃からご主人様にお仕えしていて、美鈴と祥子は、此方に来てからハーレムに迎えました」

「その費用は……」

「大主人様がご負担されております」

 

カズの父親のことを「大主人様」って言うのかな。俺は改めてカズの方に向き直る。

 

「ちなみに、カズさんは何で家出したんですか?」

「なんつーのかな。やっぱ、九州はローカル過ぎてグローバルな活躍ができないっつーの。ほら、俺のポリシーはみんなの役に立ちたいってことだからさ、九州にいつまでもいると、フィールドが狭いままじゃん。それでオヤジと意見対立したってゆうか、コンフリクトが発生した、みたいな?」

「なるほど…そうすると、お父様に私のファンドのことを紹介するのは難しいですね。そんな事情があるとは知らず、カズさんを困らせてしまっていたんですね。すいませんでした」

「そんな謝んなよ。俺とミヤっちの仲なんだからさ。それに、ミヤっちもリャン兄と義兄弟になったんだろ。そしたら、俺とミヤっちも義兄弟ってことやん。これから、ミヤにぃって呼んだ方がいい?もしかして?」

 

あぁ、そう言えば、カズもリャンさんの義兄弟になってるって黒鉄が言ってたっけ。

 

「城宮様のことは、私から大主人様にお伝えしておりました。それで――」

「そうそう。それで、先週、実家に帰った時に、オヤジと話してさ」

「えっ、家出中なのに、実家に帰ってるんですか?」

「たまにだよ、たまに。先週帰ったのも、2か月ぶりくらいだし、マジ久々っつー感じ?」

 

薫子が、俺の耳元に顔を寄せて「家出の直後は毎月帰省されていらっしゃいましたので」と耳打ちしてくれた。俺の中でもはや「家出」の概念が崩壊しつつあったが、俺の常識が通じる相手では元々ないのだと思いなおし、カズの話の続きを待つ。

 

「オヤジにミヤっちのこと聞いたら、是非、一度話したいって言っててさ」

「ホントですかぁ!あざーっす。いつがいいとか仰ってましたか?何なら来週にでも…えっと…いや、何んとか予定調整するので、ぜひすぐにでもっ!」

「いや、それはリモートでいいって。日時も後で伝えるから、でも一つ条件つーか、お願いもあってさ……」

「あっ、そうなんですか。それなら、それで私は構いませんけど、条件?お願いって言うのは――」

「ねぇ、カズ、由芽センセイ、まだ帰ってこないのー?」

 

ゲームに熱中していた少女がいきなり声を出した。画面を見れば、どうやらモンスターを倒したらしい。とゆうか、姫なのに主人に向かって、ずいぶんな口の聞き方じゃないか、そう言えば、俺にも何の挨拶もなかったし。なっとらんのではないかと、俺も一端のオーナーのつもりで、薫子さんの反応を伺うも、注意する様子もない。俺は、続いて、カズを見ると、デレっとした顔で俺に言った。

 

「あぁ、ミヤっち、わりー。紹介遅れたけど、俺のカノジョの桜坂――」

「はぁー?彼女なわけあるか、バカカズ。金貰って遊んでやってるだけだろ。パパ活じゃなくてカズ活?みたいなもん」

「いや、確かに金は渡してるけど、それはお試し期間ってやつで、一応、プラトニックな交際を――」

「誰が交際なんかするかって。うちが貧乏だからカズを利用してんの。それに今日だって、由芽センセイに勉強教えてもらいに来てるだけだから」

 

あー、何か一気に色々話が出てきて、情報過多だわ。俺は薫子に助けを求めて視線を送り、薫子が口を開こうとする直前、リビングのドアが開いた。

 

「ただいま帰りました。あっ、ハルちゃん来てたんだー」

 

ハルと呼ばれた少女は急に立ち上がると、入ってきた、年齢的にはそう変わりはなさそうな女性に駆け寄った。そして、その女性は奥に座っている俺に気付くと、やや小走り気味に俺に近づいてくる。そして、見事な立ち居振る舞いで正座の姿勢を取ると、三つ指を付いて、深々と俺にお辞儀をした。

 

「初めてお目にかかります。右原由芽です。どうぞ、お見知りおきの程を」

 

あー、この子がカズのハーレムの5人目の姫ということね。俺はしっちゃかめっちゃかな状況に混乱しつつ、とにかく、この場は薫子に全て説明してもらうしかないと心に決めて、薫子を見た。薫子は、俺の縋るような視線に気づくと、菩薩のような表情で俺だけでなく、この部屋にいる全ての者達に向けた慈愛の表情を浮かべていた。

 

 

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