※この作品はR-18です。

俺がハーレムを作る話   作:どろんぱ(仮)

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第43話 衣川という男~その2

―――…それから数か月後。俺は、メンバー性活をすっかり満喫していた。週末、経営者セミナーに参加すると称して、上京する。そして、女と会い、酒食を共にしてからホテルへ。翌朝もしっかりヤッて、朝食を食べてから別れる。そして、地元へ帰る。東京で雑務があればそれを片付けるが、メインは女と会うことだった。遊んだ女は、これまで3人。いずれも風俗なら1年に一度あるかないかの大当たりと言っていいルックス、しかも、皆、そろって性格が良く、マナーも心得ている。灰原が言っていたように、法外な金に見合う女を提供するという言葉に嘘はなかった。まだ3人だけだが、少し振り返ってみよう。

 

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一人目は、モデル。灰原からは、会う予定が決まっているのなら、早めに予約したほうがいいと言われていたので、俺は月曜日にその週の土曜日に会える女を探した。選べる女は9人。少ないか…と一瞬思うが、どの姫も魅力的すぎて、9人からでも選ぶのが大変と言うのが本音だった。この前見た葉月静佳がいればと思ったが、残念ながらいなかったので、俺は、モデルという肩書に惹かれて、その姫を選んだ。一晩の金額は60万円。決して安くはないが、金銭感覚は麻痺しつつあった。ただ、待ち合わせの時点で、大勝利を確信した。サングラスをしていてもいい女と分かるオーラ。俺に気付くと、サングラスを外し、笑顔を向けた時、俺の鼻の下は腹まで落ちた。

 

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二人目は大学生。今回は6人の中から。若ければいいというわけではないが、たまには若い女もいいかなと思って選んでみた。金額は50万円。シルバーランクであれば、もっと多くの姫達から選べるらしいが、俺は今の人数からですら選ぶのに苦しんでいるから、ブロンズランクでも十分だ。この子も可愛いくて甘えてくる感じが堪らなかったが、酒が飲めないというのと、泊まりがNGということが計算外だった。何事も姫の同意がなければしてはいけない、それは入会後、灰原からかなりきつく言われた。そんなに言うなら入会前に言ってくれとも思うが、金を支払ってしまった以上、言うことを聞くしかない。組織は、メンバー契約を無条件で解除することができて、その場合は預かり保証金は返ってこない。入会から1年間で約2割のメンバーが解除されていると聞かされれば、脅しではないと思いゾッとする。

 

「でも理不尽に解除されたら普通怒るでしょ。金返せとか言って裁判とか起こされたりしないのか?」

 

俺は説明を聞いた時、灰原に挑発的に聞いてみた。それに対し、灰原は、少し困ったような顔(憐みかもしれない)で答えた。

 

「裁判ですか…衣川さんは、私どもの組織の名前や住所をご存じですか?」

 

……そう言えば、知らなかった。今まで書いてきた書類も、全て此方は署名や押印しているが、組織から印が押された書類を貰ったことがない。

 

「それにですね、私どもは言ってしまえば、反社会的組織です。保証金だけで済めばむしろ幸運です。……脅かすのはこれくらいにしておきましょう。常識ある方であれば、不自由は感じないはずです」

 

まぁ、確かに今のところ感じてはいないが、せっかく泊まりで来ているのに、泊まりNGというのは損した気になる。俺はその後、灰原に相談すると、検索時に泊まりokの姫を選べばいいと言われ、あっさり解決した。

 

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三人目は、葉月静佳。ようやくタイミングが合って、会うことができた。なんて言うのか、普通に美人。一人目のモデルのように目立つ美人ではないが、威圧的でなく親しみやすい感じの美人(好みの問題か?)だし、2人目の大学生のように甘えてくるわけではないが、自然な気遣いと時折のエロさのギャップがドストライクだった。ベッドの上でも存分に責め立てても静佳も楽しんでいるのが伝わって来るし、静佳の方からも貪欲に求めてくるくらいで、あんなに長時間シ続けたのは久しぶりだった。

 

当然、翌週も会う約束をした。金額が一晩40万円というのも懐に優しい。一度会えば、次の約束は組織を通さずとも出来る。ただし、金は支払わなければならない。組織に黙って金を払わずに会うなんていう危ない橋を渡るつもりはないし、静佳も応じるはずがなかった。三回目は、少し間が空いてしまったが、温泉旅行に行った。静佳も楽しんでくれていた…はずだ。俺はあまり話すのが得意な方ではないのだが、静佳は聞き上手なので、自然と話が弾む。静佳は決して出しゃばって話す方ではないが、いざ話せば、話上手で引き込まれる。静佳の影響で、動画のサブスクに入って静佳おススメの海外ドラマを見たりもするようになった。静佳は、まさに、理想の愛人だった。

 

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「それで、シルバーランクに変更するおつもりなんですね?」

「えぇ、まぁ……」

 

この日、俺は地元から金曜日のうちに上京し、とあるタワーマンションの一室を訪れていた。隣に座るのは、山城弁護士、そして、目の前に座るのは、起業家?それとも投資家なのか、よくわからないが、初対面の宇城亨(うきとおる)だった。宇城は、俺が手土産に持ってきた日本酒を飲み、それを隣に座る自分の愛人にも注いでいた。宇城のことは、ここに来る前に山城弁護士から聞いていた。まだ20代ながら、学生時代に起業した会社が成功し、その会社を売って数億円を得たらしい。今は、その金を使って投資をしたり起業の準備をしているそうで、俺と同じく山城弁護士がクラブに紹介したメンバーだそうだ。

 

「組織はやり方がうまいっすよね~、メンバーなって姫と遊んだら、絶対愛人にしたいと思いますもん。なぁ?」

 

宇城は隣の美女に微笑みかけ、ほろ酔いの彼女も宇城と見つめ合って笑みを浮かべる。聞けば、どこかのアイドルグループに所属する歴としたアイドルだそうだ。確かに可愛い。

 

「宇城さんも、シルバーランクにはすぐに変更したの?」

「いや、半年くらい経ってから…かな。愛人は作ろうと思ってたっすけど、いちお、チョイスは慎重にって思ってね。ほら、あんまり短期間で愛人切ると、警告の対象になるって聞いてるし」

 

――警告のことも説明しておいた方がいいだろう。組織には、サッカーのようにイエローカードとレッドカードがあって、メンバーが不適切な行動をした場合、まずはイエローカードが出される。そして、もう一回イエローカードを出されると、レッドカードで解除になる。もちろん、一発レッドカードで解除ということもあるそうだ。イエローカードは半年経過すると取り消されるが、その半年間はかなり慎重に行動する必要がある。そして、イエローカードには相当しないものの、好ましくない行動があると警告が出され、それが積み重なるとイエローカードになるそうだ。

 

「気を付けてくださいね、紹介した人がイエローカードや警告食らうと、私の方にも警告が来るんだから」

「いやいや、組織から紹介料たんまりもらってるんだから、そんくらいのリスクは当然でしょ」

 

宇城に言い返されると、山城弁護士はワイングラスを揺らしつつ、笑っている。ワイングラスの中は冷たいお茶だ。山城弁護士はあまり飲み過ぎると勃たないそうで、女とヤる時は酒を控えるそうだから、今日はこの後、女と会うつもりなのだろう。

 

「乃亜ちゃんは、宇城さん以外にも愛人してんの?」

 

俺が聞くと乃亜は、笑みを浮かべて、指を三本立てた。

 

「はぁー、オレにもっと甲斐性があったらハーレム作って乃亜を迎えるんだけどなー」

「宇城さんは、そろそろオーナー審査、申し込めるんじゃないですか?」

 

うなだれてぼやく宇城に山城弁護士が問いかけると、宇城はうーんと呻く。

 

「資産だけならギリ大丈夫かもしれないっすけど、年収がね……、それにオーナー3人の紹介も必要だし。あと、あと、オレみたいなポッと出の金持ちだと、将来性ないと審査通らないらしいんすよね。オーナーなっても、短期間で解散するのもカッコ悪いでしょ。ほら、袋井譲治みたいにさ」

「袋井譲治って…あの実業家の?ハーレムオーナーだったのか……」

 

袋井譲治と言えば、若くして成功した実業家で、一時期はマスコミにも取り上げられていたが、脱税で捕まってからは転落し、ドバイかどっかに逃げたと言われていた。

 

「一時期は10人くらいのハーレム作ってたそうですけどね」

「山城先生は、袋井譲治のこと知ってるんですか?」

「いや、直接は知りません。ただ、長年メンバーしてますと、色々情報は入ってくるもんですよ」

 

乃亜はタバコを吸いに行くと言って、バルコニーに出て行った。乃亜がいなくなると、花がなくなり、急にしけた雰囲気になる。美人と言う存在は、偉大だ。俺もタバコを吸いたくなったが、バルコニーで乃亜と2人きりになるのは気まずくなりそうだから、後にしよう。

 

「やっぱりハーレムオーナーになるっていうのは大変なんですか?」

 

俺が誰とはなしに言うと、2人の顔が真顔になった。

 

「それは大変ですよ。オーナーの資格を持つのは100人くらいしかいませんからね。それに新たにオーナーになるのも年間10人もいないと言われています」

「へぇ、それしかいないんですね」

「衣川さん、そんなことも知らなかったっすか?オーナーになるのは、社長に大御所芸能人にスポーツ選手、それに昔からの金持ち。ITバブルの時は、IT長者が結構オーナーになったみたいっすけど、今は何人残ってるんだか…」

「ハーレム解散の理由の1/3は資金不足で強制解散と言いますからね」

「へぇ…山城先生、詳しすぎませんか?」

「乃亜もいつ、ハーレムに連れて行かれるかわかんねーし。くそっ、早くオーナーにならないと」

 

俺は、灰原の言葉を思い出した。愛人契約は双方の合意に基づき継続される。姫の側から解除を申し出ることもあるそうだ。仕事の事情やら体調面やら、やむを得ない事情もあれば、単に嫌がられて解除されることもあるとのことだ。ただ、双方が継続を希望しても終わることがある。それが、オーナーからのハーレムへの指名だ。ハーレムリストに載っている限り、姫はオーナーからの指名は断れない。そして、ハーレムに入ったら愛人は続けられない。これは組織においては、絶対のルールなのだ。

 

「山城センセイも、前の愛人…結構長く続いてんだですよね、高遠晶子、イイ女でしたよね~」

「ふふ…2年3ヶ月です。致し方ないです。こうゆうことがあることは、わかっていたことですしね」

「宇城さん、乃亜ちゃんはリストに載ってるのか?」

 

宇城は、バルコニーの方を見ながら、黙って頷いてからこちらを見ると、自嘲気味に言った。

 

「えぇ、残念ながら」

「衣川社長の姫は、確かリストに載せていないんですよね」

「はい、そうなんですよ。これ意外とラッキーなのかな」

 

静佳は、リストは×にしていると聞いている。愛人は俺の他にも1人いるけど…ただ、オーナーにいきなり連れて行かれることはないということだ。思わず、にんまりしてしまう。

 

「いや、最近は結構リスト載せない姫多いっすからね。ライフスタイルの変化とか多様性ってやつみたいっすよ。はぁー乃亜がハーレムに連れていかれたらトラウマになりそう。俺もリストバツの姫探そっかな~」

 

~~~~~~~~

 

それからしばらく話をしてから、俺と山城弁護士は宇城のマンションを辞した。タクシーを拾うべく広い道路に出て、左右を見回すが、車通りは少なく、タクシーは見当たらない。俺は山城弁護士に声を掛けた。

 

「山城先生はこの後、女のところですか?」

「はい。恥ずかしながら」

「さっきのお話だと、前の愛人はハーレムに入ってしまったんですか?」

「えぇ、ですので、今は次の愛人候補を探しているところです」

 

以前、画像を見せてもらった山城弁護士の愛人は、大人っぽくてスタイルもよく、確かに上玉だった。

 

「衣川社長、愛人には入れ込み過ぎない方がいいでよ。愛人以外にも適度に遊ぶべきです」

「……」

「私は年甲斐もなく入れ込み過ぎたようです。そんなつもりはなかったんですがね。いなくなって分かりました。晶子は、いつの間にか私の中で愛人以上の存在になっていたんだ、と」

「はい…覚えておきます」

 

山城弁護士を先にタクシーに乗せると、俺はスマホアプリを頼りに駅まで歩くことにした。明日は静佳と会う約束をしているが、その前に灰原に電話して、シルバーランクに変更しよう。そして、静佳を愛人にする。東京には投資用で購入したマンションもあるし、静佳さえ良ければ、そこに住んでもらってもいい、そしたら東京に来た時は俺はそこに泊まればいいし。静佳のことを独占できないまでも部屋を提供したなら、もう一人の愛人に勝った気持ちになれる。

 

俺は夜道を歩きながら一人ほくそ笑む。こんな風にウキウキした気持ちになれるのはいつ以来だろうか。俺は、思わずスキップをしてしまい、すぐにやめた。やっぱりタクシーを拾うとするか。

 

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