※この作品はR-18です。

【書籍化&コミカライズ】魔法女学園の売店ではたらく俺は、異世界から召喚された『ハーレム奴隷』です。   作:タイフーンの目

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135 ローションに犯される夏!?①

 

「ローション……ぬるぬる、ネバネバ?」

 

 放課後の錬金術教室で、1年生のマキノは首をかしげた。

 

「それって、スライムみたいな?」「たぶんそう……だと思う」

 

 同級生のエリーゼが自信なさげにうなずく。

 2人は錬金術部の友人だ。

 

 マキノは、エリーゼが前夜に受けたというマッサージの話を聞いているところだった。

 性奴隷のリュータとの甘い時間。最高のマッサージ。羨ましいことこの上ない体験談だった。

 

 そして話は、リュータが『ローション』を欲していたというくだりに差し掛かったところだった。

 

「スライムを造るって、かなり高度な錬金術になるね」

「……うん。でも」

「それがあると、もっと凄く気持ち良くなれるんだ……」

「…………、うん」

 

 エリーゼは頬を染めて目を伏せる。 彼女が体験したオイルマッサージとは別の、とても気持ちのいいマッサージ。

 そのことを思い描くと、マキノもぼうっと火照ってくる。

 

(先生のマッサージ……ぬるぬるで、ネバネバで……い、いいなぁ☆)

 

 部室には2人だけ。

 錬金術部はもとから不人気な部活だ。先輩もほとんど幽霊部員。

 

 小難しい理論の多い科目なので、授業以外でも錬金術を学ぼう、と考える生徒はごくわずか。

 

 みんな、錬金術の有用性は認めているものの、自分で勉強するのは苦手。この学園は貴族のお嬢様などが多いこともあって、やはり趣味系の部活のほうが人気があるのだ。

 

 その中にあって、マキノもエリーゼも、もとから研究者の血筋。

 入学してすぐに意気投合し、2人そろってこの錬金術部の門戸を叩いたのだった。

 

「スライム族じゃなくて、普通のスライムのほうでいいんだよね?」

「うん。野生のスライム……みたいな感じだと思う。体に塗りつけるって言ってたし」

「生き物を造るのは禁忌だもんね」

「あれ? 植物までならセーフじゃなかった? スライムってギリギリ植物って聞いたことあるけど」

「それはアルゴ派の学説だよね。最近の論文だと――」

 

 準備室などで使えそうな素材を探しながら、理系女子たちの議論は加熱していく。

 

「樹液とか、海藻の粘性成分を使えばヌルヌルネバネバはすぐに――あ、これ使えそうだよ。在庫も多いし。……でも、気持ち良くなるってことは媚薬の要素も必要なのかな?」

「媚薬じゃなくても、魔力の流れを促進できれば快感は得られるかも」

「じゃあ魔素を練り込んで定着させたら――ああ、無理かぁ。すぐ魔素が逃げてっちゃう……難しいね」

「先生に聞いてみる?」

 

 マキノは、錬金術部の顧問のことを思い浮かべる。

 

「あ、今日は出張だって」

「出張? 学園外に出られるの?」

「学園長先生だけは定期報告でお城に行くんだって。先生はそのお付き」

「そっか、じゃあ……」

 

 他に、錬金術のことで相談できそうな先生といえば――

 

 

 ■ ■ ■

 

 

「な、なんでふか!? んぐんぐっ! い、いくら可愛い生徒でも、このプリンはあげられませんよっ?」

 

 マキノたちが保健室をたずねて行くと、養護教諭のミリアはおやつの真っ最中だった。

 

 ヒト族の教師。

 フレンドリーな人柄で、見た目も生徒に近く、なんならマキノたちより背も低い。

 ただ、いわゆる『ロリ巨乳』と呼ばれる体型で、サマーセーターに包まれた胸の膨らみは十分すぎるほどに大人の女性だった。 

 

 気軽に相談しやすい相手なのだが――プリンの事となると、異常なまでの執着を見せるところがある。

 今も、手にしていたプリンの皿をマキノたちから遠ざけるようにして、ガルルル……と低くうなっている。

 

「いえ、あの、錬金術のことで」

「……! なぁんだ、早く言ってくださいよ。人騒がせなんですから」

 

 こんな調子だが、彼女の知識や技術は確かだ。

 治療や検査のために各種薬品を扱うことがあり、ミリアは錬金術にも詳しい。

 

 性奴隷リュータの身体検査にあたっても、錬金術部はいくらか協力することがあって、だからマキノたちはミリアともよく交流がある。

 

 経緯を説明すると、

 

「ふーむ……人造スライムですかぁ……ローション……いいかもしれませんねぇ」

 

 真面目な顔になってうなずく。

 

「お2人の着眼点もナイスですよ」

「私たちの?」

「ええ、魔素を練り込むという点です。魔力の流れというのは、実は性行為では大事なことなんです。体内で魔力を循環させることで快感も増しますし……何より、いざ子宮の結界を外したあとにも役立ちます」

「妊娠したいとき……ですか?」

 

 マキノとエリーゼは顔を見合わせる。

 

「そうですよ。精子をしっかりと捕らえるために必要です。かなり高等技術なので、3年生の2学期で学ぶような内容ですが――さすがはリュータ先生ですね。出張マッサージでそんなことまで伝授していくとは」

「へえ……! じゃあエリーゼって」

「一足先にその一部を体験させてもらった、ってことですね」

「そ、そんな……」

 

 2人から注目を浴びてエリーゼは照れて小さくなる。

 

「人造スライム――ローションに魔素を練り込んでマッサージに用いれば、魔力の流れをより体感しやすくなるでしょう。……いい試みです! 私もお手伝いしましょう!」

 

 ミリアは立ち上がり、鍵の掛かった薬品棚を開けると、中から小さな瓶を取りだしてきた。

 親指ほどのサイズのガラス瓶だ。コルクで栓がされてある。中には液体。

 

「……キラキラ、光ってる?」

「これはリュータ先生の魔力から抽出した、魔素です」

 

 通常、魔力の源である『魔素』は不定形で、特殊な液体に溶かすことで保存が可能だ。

 しかし、その状態では何の力も発揮できないので、こんな風に綺麗に発光することはない。

 

「規格外の魔力……なんですね、やっぱり」

「そういうことです。身体検査のときに合意を得て抽出してもらったものなんですが……これを使ってみましょう」

「でも貴重なんじゃないですか?」

 

 魔素を取り出し保存する行程――その面倒さを考えると、申し訳なくもなる。

 

「これも性行為実習のためです! やっちゃいましょう!……まずは、プリンを食べてから!」

 

 

 ■ ■ ■

 

 

 錬金術教室に戻って、マキノたちはミリアに試作品を紹介した。

 

「ほうほう、いい感じですねぇ……」

 

 ビーカーに入った、ゼリー状の試作品。

 つつくと弾力があって、指ですくうとドロリと液状になって、さらに指の腹で擦り合わせるとネバネバした触感になる。

 指を離すと――

 ネチャァっ……と、なんだかいやらしく糸を引く。

 

「これをリュータ先生の手で、あんなところやこんなところに塗り広げられて……」

「き、気持ち良さそうですよね……☆」

 

 感触についてはエリーゼのこだわりを多く採用している。マッサージ体験者としての実感を受けて、粘り気などを調整したのだ。

 

「改良点はありそうですか?」

「そうですねぇ、あとは美容効果の高い素材も入れちゃいましょう。……これを使うのは生徒の皆さん……そして、あわよくば教師陣。お肌にいいものは大ヒット間違いなしです! えーと、アレとコレと、アレも入れて……びゃーっと混ぜて、それから匂いも重要ですね。フローラルな……いえ、その時々で自在に変えられるように? であればカメレオン草の効果も――」

 

 再現は難しそうなレシピだが、改良された人造スライムローションは、確かにさっきよりも上質なものに出来上がった。

 

「さて! ではいよいよこちらの出番ですね!」

 

 リュータの魔素が入ったガラス瓶を掲げるミリア。

 マキノとエリーゼの期待も高まってきた。

 

「いきますよー……」

 

 キラキラと綺麗な魔素の液体がビーカーに注がれる。

 人造スライムローションは、すぅっと魔素を吸収して――

 

 ――プルンっ

 

「う、動いた!?」

「あっ、でも一瞬だけ……」

「ふむふむ、魔素が混ざったことによる反応でしょうか? 初めて見る現象ですね……」

 

 しばらく3人は凝視するが、それ以外に目立った反応はなかった。

 匂い、手触りにも変化はない。

 

「これって上手くいったんでしょうか?」

 

 マキノはたずねる。果たして、性感マッサージ向けのスライムローションになったのか……。

 

「そうですねぇ。まだ魔素を含んだとはいえ、活性化には至っていないようです。少し寝かせてみましょうか。あさってには錬金術の先生も帰ってくることですし。……『封印庫』に入れておきましょう」

 

 封印庫とは、危険な薬品などを収めておく専用の棚だ。

 

「準備室の奥のやつでいいですか?」

「いいえ。個別に入れておきましょう。これは貴重なものですし、他の薬品と反応でも起こしたら大変ですからね」

 

 ノリは軽めなミリアだが、こういうところはさすがに教師だ。マキノは、言われた通りに、他の薬品が入っていない封印庫を案内する。

 

 小型の金庫に似た形状。

 その中へビーカーを大事に仕舞って、しっかりと鍵を掛ける。

 

 ミリアも指差しして封印庫をよく確認してから、

 

「ヨシ! これで大丈夫ですね! 実用化が楽しみです!」

 

 その大きな胸を張って喜んだ。

 

 

 

 

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