【書籍化&コミカライズ】魔法女学園の売店ではたらく俺は、異世界から召喚された『ハーレム奴隷』です。 作:タイフーンの目
■ ☆ ■ ☆ ■
ファティマがリュータに捕らえられたその頃。
アリエラたちはオーブを持ってあらかじめ決めてあった地点に集合していた。
「一番乗りはナツメね」
「キキッ、楽勝だったっすよ」
ナツメは誇らしげな様子でアリエラに向けてオーブを見せつけてくる。
猿の獣人である彼女は、その俊敏性でいち早くオーブを入手、そのまま校舎を駆け下ってここに到着していたらしい。
「あ、ダーナも戻って来たっすよ?」
ナツメに言われて見やると、ダークエルフのダーナが、いつも通りのダラダラした歩調で近づいてくる。
「……はぁ、遠い……。到着……」
こちらは達成感とはほど遠い気だるさで、入手したオーブを見せる。
魔術で感覚を遮断できるダーナには、この学園の淫らな罠も通じなかったらしい。
「私のを含めてこれで3つね」
アリエラは、ちびサキュバス2人組を魔術でひねってオーブを手に入れた。
「あとはファティマだけだけど……」
そこで3人は顔を見合わせる。
ファティマが手こずるとは、誰も予想していなかった。あれほど優秀な彼女だ。誰よりも早く課題をクリアしてここで待っていると思ったのに。
「おかしいっすね~?」
「…………事故?」
「たまたま、逃げ隠れが得意な相手とぶつかったんでしょ、きっと。卑怯にも逃げ回ってるのよ。そうに決まってるわ。ファティマに敵う相手なんて、こんなところに居るはずないもの」
自分のこと以上に自慢げに、アリエラは言い切る。
(そうよ……あのファティマだもの)
品行方正。文武両道。
どれだけ言葉を尽くしても彼女の魅力は言い尽くせない。アリエラは彼女に絶対の信頼と、そして好意を寄せている。
だが、
「……ねえ、誰かあの性奴隷と対峙した?」
「いや、自分は会わなかったっすね」
「…………知らない……」
講堂でまみえた性奴隷のリュータ。
アリエラの目から見ても、大した魔力は感じられなかった。確かに他の男性と比べれば体格も魔力も充実していたが、ファティマが敗れるほどとは思えない。
(じゃあ、何か汚い手を使って……)
そのせいでファティマの合流が遅れているのかもしれない。
きっとそうだ。
「仕方ないけど、手分けして探しにいきましょう!」
心の奥で一抹の不安を抱えながら、アリエラはそう提案した。
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「翼……?」
ファティマの肌をまさぐる俺の手が、背中にあった彼女の翼に触れた。
「鳥の獣人か?」
「いいえ、その翼は――」
答えたのは、横で見ていたジュリ先生だ。
「天使の翼ですね。……私も初めて目にします」
「マジすか」
鳥の獣人も珍しいが、そちらは気まぐれな性格ゆえに学園の在籍者数が少ないという事情があるだけだ。
「天使の魔術耐性であれば、私の淫紋が通じなかったのにも納得がいきます」
なるほど。
他の生徒たちと同様、糸の魔術はファティマにも届いていたが、淫紋を刻めなかったのはその特殊な魔力のせいか。
「天使……羽根が4枚か」
何気なくフニフニと触っていると、
「やめっ、やめないかっ……! く、くすぐったい!」
顔を真っ赤にしたファティマから抗議を受けてしまった。
「……確かに、私は天使だ。この世界に召喚されてきた。冒険者となるべく、な」
「そういうことですか。となると、念のため確認しておきますが――」
「……私は、女だ」
2人のやりとりについていけなかった俺に、ジュリ先生が説明してくれる。
「天使族とは、生まれてからしばらくは性別を持たないといいます。一定の年齢に達してから、つまりは子を成すほど体が成熟してから、男女どちらかの性を自分で選ぶことができるのです」
「自分で……」
それでファティマは『女』を選んだってことか。
上半身を俺に脱がされ、赤く染まった頬で横を向き恥ずかしそうなファティマ。
プラチナブロンドのショートカットで、目の覚めるような美貌。
どこか中性的な雰囲気を感じたのは……そういうことか。
「思ったより小さいんだな」
「リュータ先生、女子にそういう物言いは」
「いやいや胸じゃなくて、翼ですよ」
「ああ――」
『女』を選んだ彼女は、しっとりとした柔らかな白い肌を持ち、胸部には立派な膨らみをたたえている。
細身でありながらロケット型の胸で、服の上から見るよりずっと大きく、Fカップはあるだろう。尖端の淡いピンク色は、緊張でプルプルと震えていて愛らしい。
こうしてみると普通の処女にしか見えないが――
そんな彼女の背に、左右に2枚ずつの白い翼が生えている。
その翼が、飛行可能なのか疑われるくらいの小ささなのだ。
「ボクは……天使であることをみんなには隠している。だから、なるべく翼を小さく……」
「器用なことができるんだな」
しかし、天使ってことがバレると不都合があるんだろうか?
「学校のみんなから……女子たちから、ある程度の好意をもって見られていることをボクは自覚している。男女、どちらの特徴も備えられる天使だから」
なるべく混乱を避けるため、冒険者学校でもファティマの正体を知る者はごく少数らしい。
……同じ『異世界召喚された者』同士でも、なかなか事情は違うもんだな。
俺は性行為実習のため。
ファティマは冒険者に――勇者と呼ばれるくらい優秀な戦士になるために。
「そうだ、だからボクはみんなのお手本となって、清廉潔白で優秀な冒険者にならなくては――……って、なにをするんだっ!?」
翼ごと抱きしめようとする俺に、ファティマは驚く。
なにを、って言われても……
「だから、セックスだよ」
「あ、貴方は、相手が何者でも臆することはないんだな!?」
「そりゃ性奴隷ですから。相手が天使だろうが悪魔だろうが、セックスの良さを教え込まないと」
「~~~~っ!」
「ファティマ、きみも女を選択したってことは、それを含んだ上だろ?」
「そ、それは……、い、いつかは……っ♡」
柔肌がしっとりと汗ばんで、そこから瑞々しいメスの匂いが立ち上ってきている。
戦闘中は、整った顔立ちからそれなりの圧迫間もあったのだが、こうなるともう普通の女子学生だ。
つまり、俺の得意分野。
「つ、強い男性にも憧れたのだよ!? パパ……父上のような、強くて逞しい天使になろうとも……幼い頃は思った」
「パパ?」
「ち、『父上』だっ……!」
俺の腕のなかでジタバタするファティマ。翼もバタつかせている。
しかしこうなるともう、勇者とか天使といった威厳はまったくないな。可愛らしい処女の生徒だ。
――早く、性行為を仕込みたくて仕方がなくなる。