※この作品はR-18です。

【書籍化&コミカライズ】魔法女学園の売店ではたらく俺は、異世界から召喚された『ハーレム奴隷』です。   作:タイフーンの目

199 / 210
199 危険人物vs危険生物②

 

「【処女返り】……?」

 

 ブルルルル、と勝ち誇るユニコーンのいななきを聞きながら、俺は学園長ちゃんに駆け寄る。

 

「大丈夫っすか!?」

「う、うむ……しかし……」

 

 不安げな顔でお腹をさする学園長ちゃん。

 まさか――

 

「俺の子?」

「まだ孕んどらんわ! なぜ今そうなるんじゃ!」

 

 プンスカする童女、かわいい。

 

「伝承では、ユニコーンは禁断の魔術を身につけているとあった……数ある文献のうちのたった1つにしか記述がなく、信憑性は低かったのじゃが」

「さっき、『女を処女に変えてやる』って――じゃあ言葉どおりに」

「妾は……処女に戻っておる……!」

 

『処女最高! 処女最高!!』

 

「ちょっと黙っててくれるか?」

 

 興奮して喜びのタップダンスを踊る一角獣を横目に俺たちは、

 

「処女膜が復活してるとか?」

「魔力で触診する限り、どうやらそのようじゃ」

「処女まんこ……」

 

『どうだどうだ!? やはり処女は最高だろう!?!?』

 

 くっ、改めて目の当たりにするとちょっと言い返しづらい……!

 

『セックスの経験も消し去ってやった! どうせならそのヒト族の牡から経験を奪い去ってやりたかったが……【処女返り】ならぬ【童貞返り】させてやりたかったが、これはこれでヨシ! キツネ女も、これでまっさらな状態に――』

「いいや、それは違うぞユニコーンよ」

 

 学園長ちゃんがきっぱりと否定する。

 

「どうやら、妾の子宮結界が魔術の一部を打ち消したようじゃ」

『なっ!? 性行為の経験は……身体が覚えているというのか!?』

「リュータの形も、精液の濃さも、ピストンの激しさも、妾の膣と子宮がしかと覚えておるわ!」

『ぬっ!?』

 

 おお、さすが学園長ちゃん。

 

『……なるほど、この学園を統べるだけの能力はあるか……。しかし!』

 

 角の生えた白馬は、不穏な笑みを浮かべる。

 

『未熟な生徒たちならばどうかな? 我の【処女返り】に耐えられる魔力は感じられぬ! ふ、ふふふ……性に乱れきってしまった少女たちから、セックスの経験ごと消し去ってくれるわ!』

 

 と、ユニコーンは首の向きを変えると、だんっ、と地を蹴って再び駆けだした。今度は校舎の方向だ……!

 

「な……!? それ、ヤバイだろ!?」

「いかん、止めるぞ!」

 

 猛スピードで去って行くユニコーンを追いかける。

 

 これまでの性行為実習がリセットされてしまう……いやそれ以上に、ラビたちに俺とのセックスの思い出を忘れさせたくない!

 

「リュータよ、妾は置いて全力でゆけ!」

「全力……?」

「そちはセックス以外で全力を出したことがなかろう? あの冒険者学校の生徒たちを相手にしたときすら、魔力をセーブしておったはずじゃ。おそらく無意識的に力をセーブしておる!」

 

 ユニコーンはあっという間に見えなくなるほどの速度で走り去っている。

 追いつけるか、俺が?

 

「純粋な魔力勝負では妾以上じゃ! 今は構わん、学園の設備を多少壊しても構わんから――やつを止めろ!」

「分かりました」

「そして行く前にひとつ、やつは、ユニコーンは――」

 

 学園長ちゃんの言葉を聞いてから、俺は全力疾走に移る。

 両脚に魔力を充填し地面を蹴って、ユニコーンを追った。

 

 

 ■ ■ ■

 

 

 学園長ちゃんの言うとおりだった。

 我ながらエグいスピードだ。景色が一瞬で流れていき、あっという間に校舎のところまで戻ってきた。

 

 視力も強化されていて、遠くのものまでくっきり見える。

 ユニコーンの尻も見えた!

 

 でもあの場所は……マズい!

 

 一角獣が狙ったのは、よりによって我が家。

 玄関の外では、部活動を終えて帰ろうとする異界料理部のメンバーたちと、それを見送るラビの姿。

 

 猛スピードで迫ってくる一角獣に気づいて、彼女たちも慌てて身構えが、とても撃退できるようには思えない。

 

「くそっ、間に合えよ……!」

 

 限界突破。

 さらに加速して――両者のあいだに割り込む!

 

『ぬぅっ……!?』

 

 例の【処女返り】を発動していたらしき角を食い止め、ラビたちの眼前で踏みとどまる。

 

「リュータさん!?」

「リュータ先生! と、そっちは何者っすか!?」

 

 1年のルフラは、狼獣人らしくすぐに臨戦態勢に入ってユニコーンを威嚇する。

 

「こいつは神獣ユニコーン……処女厨だ!」

「「「しょじょちゅう?」」」

 

 この世界では聞き慣れない言葉に、生徒たちがそろって首をかしげる。

 

『ぐぬぬ……! 牡のくせに、我に追いつくとは!!』

「おまえ今、ラビたちを処女に戻そうとしたよな……!?」

 

 俺の言葉に、ラビたちはやはりまた戸惑う。

 

「こいつの魔術は、非処女を肉体的に処女に戻してしまうんだ!」

「「「!?!?」」」

 

 一角獣を押し返すのに手一杯で、それ以上説明している余裕はない。

 それでも、みんなは危険な状況だと理解してくれたようだ。ラビをはじめナターシャ先生も俺を手伝おうとしてくれていたが、触れてはマズいのだと、俺の言葉と態度から察して手を引っ込めてくれた。

 

「ユニコーン、なんでそこまで処女にこだわるんだ? だっておまえは……『牝』なんだろう!?」

 

 さっき学園長ちゃんから聞いたことだ。

 こいつが『牡』だったら、処女好きなのはまだ分かるが、牝なのに処女にこだわる理由が分からない。

 

「なるほど、ユニコーン殿も性行為がしたいんすね!」

 

 ルフラちゃんが、ポンと手を打つ。

 

「セックスはいいっすよ! 自分たちもリュータ先生にいっぱい犯してもらって毎日ハッピーっすから! お相手がいないなら『つがい』を探してみましょうか? 立派な牡とズポズポすると、最高の気分になれるっすよ~!」

 

 他の生徒たちも、そうだそうだと同意するが、ユニコーンは俺から離れると首を振って否定する。

 

『ちがぁああああう! 処女を捨てたいわけではない! それにつがいなど、我が本気になればいつでも手に入る!! 見てみろ――っ!』

 

 ごおおおおっ、と風が渦巻き、光とともにユニコーンの姿が人型に変わる。

 

 プラチナブロンドの美女だ。

 長くたなびく髪はややボサボサだが、顔は意外にも高貴な雰囲気。たれ目がちで長い眉毛。額には、やや控えめな一本の角。

 

 神官のような服装に、ロングブーツ。スタイルもいい。だぷんと揺れる胸や、腰つきなんかも女性的な魅力が抜群。

 

 本人が言うとおり、その気になれば、消極的なこの世界の男でもどうにか堕とせそうなプロポーションをしている。

 

 ……ただ、表情と発言がなぁ。

 

「我は処女を……ピュアピュアな処女を眺めるのが好きなのだぁ!」

 

 さっきまでの威厳たっぷりの声も、ややハスキーな美声になっている。それはいいんだが、興奮して力説する表情は、美女っぷりを台無しにしている。

 

 圧倒されつつも、ルフラちゃんはくじけず尋ねる。

 

「牝なのに……っすか?」

「そうだ!」

「女性好き?」

「それも違う!! 我が好きなのは『処女」なのだ! 知識のない無知な処女が――できるなら、知識はあってエロいことをしたいけどエッチができない悶々としたむっつりスケベ処女が良い!! 男と交わりたい欲が溢れつつも、部屋でひとり自分を慰める様子を、観葉植物になって静かに観察しまくりたい!! うへ、うへへへへ……!」

 

「怖いっす」「観葉植物?」

 

 ユニコーンの思わぬ変態っぷりに生徒たちが引いている。そりゃそうだ。外見が綺麗なお姉さんなだけにギャップがえぐい。

 

「我は! そんな清純な乙女たちの悶々とした魔力を身に浴びて、神獣と呼ばれるまでになったのだ!」

「神獣っていうより魔獣とかのたぐいじゃないのか?」

 

 世に解き放っていい存在じゃないな。

 特に厄介なのはその魔術だ。

 

 またぞろ、額の角が輝きだした。

 女を処女に、そしてどうやら男も童貞に戻せてしまう魔術。あんなものをラビたちに食らわせるわけにはいかない。

 

「どけ! ヒト族の牡! おまえだって処女のほうがいいだろう!? さっきのキツネ女が処女返りしたときも、ドスケベな目で見ていたではないか!」

 

 おのれ、ラビたちの前で余計なことを。

 

「どかぬなら全員まとめて【処女返り】を――」

「――そこまでじゃ」

 

 すっ、と学園長ちゃんがユニコーンの背後に現れた。いつもの童女姿ではなく、全力を解き放った成人女性の姿で。

 

「ぬぐぐっっ!?」

 

 尻尾を伸ばしてユニコーンの身体をぐるぐる巻きにし、魔術で拘束する。

 

「まったく。望まぬ者を処女に戻すなど、許すわけにはいかんぞ。少なくとも、この学園内ではの。――助かったぞリュータよ。そちのおかげで間に合った」

 

 どうやらすでに追いついて来ていたところ、隙が出るのをうかがっていたようだ。その辺の駆け引きと技術は、さすが学園長ちゃん。

 

「先ほどの演説も聞かせてもらったぞ、ユニコーンよ。しかしこれは、思ったより重症じゃな。少々、荒療治が必要かもしれん」

「荒療治?」

 

 首をかしげる俺に、学園長ちゃんはコクリと頷く。

 

「教えるしかなかろう、性行為の素晴らしさを。悶々として、魔力を漏らしてしまうのは処女だけではないと――性行為実習を受けた生徒たちでも、いや、セックス漬けになったメスじゃからこそ放てる『スケベな魔力』を、こやつに浴びせてやろうではないか」

「でも淫紋プールでこいつも知ってるはずじゃ」

 

 いいや、と学園長ちゃんは否定する。

 

「水底に封印しておったからな。こやつはボンヤリとしか見えておらんかったろうし、魔力は遮断されておったから感じられんかったじゃろう。見せてやるのじゃよ、『生』でな」

 

 うーん、ヤバイ獣が相手とはいえ、無理やり嫌な光景を見せるのは気が進まないんだが――

 

「す、スケベな魔力……っ!?」

 

 おや?

 

「お、おまえらー、そ、そんなものがあるハズ……、えっ。あの淫らなパーティーって、処女のあれこれより濃密な魔力が? す、スケベ……なのか??」

 

 こいつ、もしかして食わず嫌いか?

 処女の悶々フェロモンは浴びたことあっても、ガチセックスは見たことないのか?

 

 それなら。

 

「ヤってみますか。性行為実習なら――俺に任せてください」

 

 俺が言うと、ラビたちからも「おー」という歓声があがった。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。