※この作品はR-18です。

【書籍化&コミカライズ】魔法女学園の売店ではたらく俺は、異世界から召喚された『ハーレム奴隷』です。   作:タイフーンの目

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【3】騎士と聖女と性奴隷
35 ラブコメ的鈍感性奴隷に振り回されるラビさん


 

「そういえば俺さ」

 

 ある日の夕食後。

 

 キッチンで洗い物をしているラビに向かって話しかけた。

 

「はい?」

 

 彼女はまだ制服姿。ブラウスの袖をまくって、食後の皿を洗ってくれている。

 

 俺はダイニングテーブルを布巾で拭きながら背後へ、対面式キッチンに立っているラビへと声をかける。

 

「俺、気になる子がいるんだよな」

「え」

 

 例のおちんぽテイスティングを終えた日から1年生でも実習が始まり、いよいよ俺は全校女子を相手にセックスを教えることになった。

 

 一足先に実習を開始していた2、3年生では、クラスごとに2人目3人目と、複数の女子が実習を体験するようになり、今では日に20人以上の処女を相手にすることもある。

 

 そして放課後は、学校の用務をこなしつつ、家に来るようになった1年生メイドたちにお世話になったり、逆にお世話をしたりしていた。

 

 ……まあ、あの子たちの話はまた今度の機会にするとして。

 

 

 

 目下、俺が気になっているのは、実習に消極的な女の子たちのことだ。

 

 ジュリ先生の話だと、家族に強く勧められてこの学園に入学したものの、性行為実習には腰が引けている女の子たちもいるようで、実習を進めるに連れて、俺の目にもそういう生徒たちがハッキリと見えてきた。

 

 1年生では、あのサキュバスのネネーナがその筆頭だったが、今では彼女は、すっかり俺との性行為の虜になっている。

 メイド時にすらまだまだ生意気で俺をムカつかせることが多いが、最近ではオシオキが欲しいからわざと俺を怒らせようとしているふうにも見える。

 

 

 3年生には、2大巨塔が存在する。

 どちらも大貴族のお嬢さま。

 

 家の立場もあってこの学園に所属はしているものの、あれこれと理由を付けては実習から(のが)れている。彼女たちには信奉者も多く、その取り巻きたちに邪魔をされている部分も大きい。

 

 ――まあ。

 

 本人が『したくない』のであれば、俺が力尽くでどうこうするわけにもいかないのだが。

 

 ただ、3年の彼女たちは、結果的に実習そのものを妨害してしまっているので、どうにかしなければならないと3年の先生たちとも話し合っているところだ。

 

 

 

 そして、2年生にも。

 

「最近、その子のこと、どうにかしたいなって考えててさ」

「――ッ!? へ、へえ……」

 

 俺からの相談に、キッチンに立つラビは、なんとも歯切れの悪い口調で返してくる。

 

「リュータさんもお年頃ですし? 実習で色んな女の子と会うわけですし……そういう気持ちが芽生えるのも、し、仕方がないですよねー……」

「?」

 

 ラビはお皿を洗ってくれているのだが、心なしか、ガチャガチャと音が乱暴になってきた気がする。

 

 まあいいか。

 

「ラビの隣のクラス、B組の女の子なんだけど」

「ふ、ふぅーん。そーなんですねー。全然気づきませんでしたー……」

「まあ、ラビには関係ないもんな」

「か、関係な――ッ?!!」

 

 ラビはA組。

 クラス委員長で俺の召喚主とはいえ、さすがに他のクラスの事情までは網羅してないだろう。

 

「そ、その子って、どんな子なんですか……?」

「うん。2人いるんだけど」

 

 

 ガシャン!

 パリン!!

 

 

「ラビ!?」

「ごっ、ごめんなさい!」

「大丈夫か!?」

 

 駆けつけると、大皿が盛大に床で砕け散っていた。

 

「ケガは?」

「ないです……」

「良かった」

 

 床にしゃがみこんで、2人して破片を片づける。

 

「い、いいですよ、私がやりますから」

「いや危ないし。ラビは雑巾を」

「はい……」

 

 ラビが持って来てくれた雑巾で、床を拭く。

 

 魔術を使えば大まかには破片を回収できるが、こういうのは手でやったほうが間違いない。

 

「――あの」

「ん?」

「私、応援しますから」

「え……ああ、さっきの話か」

「はい」

「助かるよ」

「リュータさんが本気なら……私もがんばります」

 

 そう言って笑ってみせるラビ。

 だが、心なしか悲しそうにも見える。

 

「……。もしかして、何か誤解してないか?」

「誤解なんてしてませんよ。その、B組の子たち……私で役に立つことがあれば、なんでも言ってください」

 

 腕まくりした右手で力こぶを作る真似をしてみせるラビ。

 

「なんて子たちですか?」

「リディとアルマ」

 

 どちらもヒト族。

 2人は学園に入る前からの仲らしく、よく2人で行動しているところを見かける。

 

 リディは貴族のお嬢様。少し気の強そうな、ツインテールの女の子だ。剣と魔術の腕に優れていて、世が世なら立派な英雄になっていたかもしれない――とまで言われているらしい。

 

 一方のアルマは僧侶。

 

 見習いという程度ではなく、その若さでありながら、リディの家が治める領地で実際に司祭を務めていたらしい。おっとりした雰囲気の、おしとやかな女の子だ。

 

「そうだな、2人のもっと詳しい事情が分かればいいんだけど。ラビは前、寮に住んでただろ? そこでの様子とか知ってることがあればな、って思って」

「はい」

「B組の先生からは話を聞いたんだけど――」

「先生にまで……」

「? そりゃ聞くだろ」

 

 若干引いているラビ。やっぱり様子がおかしいような?

 

「学校でのことは先生から聞いたけど、寮で過ごす時間のほうが、2人の素が出てるんじゃないかと思ってさ」

「はい……」

「どうすれば性行為実習に参加してもらえるか。本人たちが本当に嫌ならともかく。あの2人、ちょっと何かありそうなんだよな」

「はい…………。ん?」

「ん?」

「実習?」

「実習。……ラビ。やっぱり何か勘違いしてないか?」

 

 俺は、改めて事情を説明する。

 実習に消極的な2人をどうにかしたい、と。

 

 ジュリ先生からも性行為実習の良さを広めて欲しいと言われていたし、俺の存在理由も実習あってこそだ。

 

 

 リディとアルマ。

 単に性行為を嫌がっているのなら仕方ないが、なにか他の理由があって参加しづらいのだとしたら、出来る範囲で解決してあげたい。

 

 例えば、俺が気にくわない、なんて理由もあるかもしれないし、改善できることなら改善したい。

 

 直接たずねるのが早いのかもしれないが、同性である担任の先生も知らないプライベートな悩みを、俺が聞き出せるとも思えない。

 

 第一、年頃の女の子に――

 

『どうして俺とセックスしないの? セックスしようぜ☆』

 

 なんて話しかける強靱なメンタルは持ち合わせていない。っていうか変態だコレ。

 

 

 そんなワケで、交友関係が広そうで、同級生からも慕われてそうなラビに聞いてみた、という次第だった。それに、やっぱり一番話しやすいし。

 

 

 ――と。

 そこまで説明すると、ラビはうつむいてしまった。

 

「ラビ?」

「…………」

「俺なにか説明の順番間違ったか? って、痛い痛い」

 

 ちょうど向かい合わせで床に這いつくばっていたラビは、長いウサ耳で、俺の頭をぺしぺしと叩いてきた。

 

「いや、あの、ラビさん?」

「……あと5回叩かせてください」

「う、うん」

 

 べしべし。

 ぺしぺしぺし。

 

 痛くないウサ耳パンチ。いやチョップ?

 

「すみませんでした」

「いや、なんかこちらこそ……」

 

 耳チョップのおかげで何やら気持ちを切り替えたようで、ラビは、

 

「リディちゃんとアルマちゃん、ですか。2人は幼馴染みで、寮でも仲は良かったですね。2人部屋の同室だったし。あとは、リディちゃんは時々、異界料理部にも遊びに来てました」

「ラビたちの部活に?」

「はい。プリンが大好きで。アルマちゃんにも食べさせたいからって、2つほどテイクアウトしていくことが何度か」

 

 テイクアウト……。

 ラビたちが部活で作ったプリンをもらって、2人で食べていた?

 

 性行為実習には結びつきそうにない情報だな。

 

 ……そういえば。

 これも関係なさそうだが、保健室の先生もプリンに目がないんだったな。

 

 彼女もラビたち異界料理部からプリンを恵んでもらっていたが、発情ラビを放置した件で学園長に叱られてからは、自粛させられているのだとか。

 

「私たち的には、研究した異界の料理を他の人に食べてもらえるのは嬉しいので、喜んで渡していましたけど」

「リディもアルマも、異界料理部の部員じゃないのか?」

「ええ、リディちゃんは馬上槍術部のエースで、アルマちゃんはその馬槍部のマネージャーです」

 

 リディは、体格的には小柄なほうなのだが、魔力の扱いがうまく、運動神経も抜群だという。

 

 アルマは、そんなリディの3歩後ろを歩いて見守る、聖母タイプな女の子だという。

 

「最近は、部活を休むことも多いみたいで……確かに、言われてみると、何かあったのかもしれませんね」

 

 ラビは、うーんと考え込む。

 

「私もちょっと気になってきました。……そうだ、リュータさんも私たちの部活に来ませんか? 前に、見学したいって言ってましたし」

「そうだな」

 

 そこで偶然を装って、プリンをもらいにきたリディと会えるかもしれないし。その流れで事情を知ることが出来たら一歩前進だ。

 

「放課後の時間もだいぶ自由に使えるようになったし、それじゃあお邪魔してみようかな」

「ええ」

 

 ラビはうなずいてから、

 

「――家のことは、可愛い可愛いメイドさんにも任せられますし。ねえ、旦那様?」

「う」

 

 日替わりでやって来る1年生メイドたち。

 

「嫉妬してらっしゃる?」

「まさかぁ」

 

 ニコニコと微笑みながらラビは、顔を近づけてくる。

 

「私が? 旦那様に嫉妬することなんて? あるわけないじゃないですか?」

「いや、旦那様って。俺たちの場合、ラビのほうがご主人様なワケで」

「ふふふ」

 

 微妙に圧力のある微笑を浮かべて、ラビが迫ってくる。発情しているわけではないようだが、それに似た空気を纏っている。

 

 肉食系ラビさんに気圧されて、俺は尻餅をついて背後の壁にもたれかかる格好になる。

 

「リュータさん?」

「は、はい」

「『旦那様』にも色々あると思うんです」

「色々?」

「そう、色々です」

 

 メイドが言う旦那様。

 ラビが言う旦那様。

 

 彼女は、制服のスカートのまま俺にまたがってきた。腰にのしかかるラビの感触。体温。

 

 火照ったまなざしで見つめてきて、ラビは囁く。

 

 

「色々ですよ……旦那様♡」

 

 

 

 

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