【書籍化&コミカライズ】魔法女学園の売店ではたらく俺は、異世界から召喚された『ハーレム奴隷』です。 作:タイフーンの目
体位観測室での性行為実習を終えて外に出ると、日が沈みかけていた。部屋に充満していたフェロモンのせいもあって、すっかり没頭してしまっていたらしい。
こんなとき、実習目的で設計された部屋は後片付けが簡単で助かる。ミリア先生の魔術ひとつで、空気の入れ換えも、床の掃除もあっという間だ。
リディとアルマ、そして俺の身体も水の魔術で軽く洗体してもらう。
……この方法。
割とデリケートな部分にまで水が絡みついてきて、恥ずかしくすぐった気持ちいい、という不思議な感覚になって、これはこれで楽しかったりする。
女の子たちも同様で、ぐったりしていたのに、小さくあえぎを漏らして身をくねらせたりする。
その様子を見て、また俺の下半身が反応する。自分でも節操ないというか、際限ないというか、あきれてしまうのだけれど。
そんな俺を見てミリア先生が、「お元気ですねー。もう一回出しておきますか?」と、にこやかにフェラで抜いてくれた。さすがにテクニックの面では生徒より数段上。あっさりと射精させられてしまった。
口内に溜まった精液をごっくんと呑み込んでから、ミリア先生は、
「いかがでしたか、初めての性行為実習は?」
と、リディとアルマにたずねた。
「はい。その、思っていたより熱中してしまい……」
正気に戻ったリディは、恥ずかしさに顔を真っ赤にして目を伏せる。ちなみに、まだ全裸だ。
「性奴隷さんには、恥ずかしいところをお見せしてしまいました」
「いいんですよ」
なぜか俺の代わりにミリア先生が答える。
「リュータ先生なんて、きっともっと恥ずかしいことしてたでしょうし。例えば、調子に乗ってオラオラぁ!っておちんぽ突っ込んだりとか」
「確かに」
「ちょ……!」
――してましたけどね。
もとからの性欲のせいもあるのかもしれないが、今の体――性奴隷専用の精霊としての体質も手伝って、性行為中はすこぶる調子が良くなってしまう。
「ですが、こんなにも性行為が気持ちいいものだなんて」
上気した顔をあげて、リディが言う。
「私は家のしきたりもあってこの学園に入りました。性行為は学ぶためのもの、という認識でしかありませんでしたが、まさかここまで夢中になれるものだとは思っていませんでした。……性奴隷さん、ありがとうございました」
そう改まって頭を下げられるとむずがゆくなってしまう。俺は俺で、ひたすら愉しませてもらったワケだし。
「アルマさんはどうでしたか?」
「ええ……私も、思い切って体質のことを告白して良かったと思っています。……その、先生がどう思われたかはまた別の問題ですが」
3人の視線が俺に集まる。
アルマの母乳体質がどうか、だって?
「気にするわけないって……いや、むしろムッチャ良かった。リディもそうだっただろ?」
「はい。それに私は、アルマが心置きなく性行為実習を受けられたことも嬉しくて」
「リディ様……。私も、お2人と性行為に励めたこと、とても嬉しく思います。……体質のこと、他の方にも少しずつ打ち明けていきます。そうして、授業にも参加できるようになりたいです。……もっともっと、性行為してみたいですし」
アルマの催淫母乳も加われば、実習の幅はもっと広がるだろう。クラスメイトたちも、最初は驚くかもしれないが、きっとすぐに馴染めるはずだ。
裸のままの2人は俺に向き直って、もう一度頭を下げた。
「ありがとうございました。またよろしくお願いします」
■ ■ ■
その後、アルマは大きなトラブルもなく性行為実習に合流できた。
あの放課後のプライベートレッスンでいろいろと吹っ切れたようで、親戚に当たる担任の先生にもカミングアウトできた。
実習では、やはり最初は驚かれたものの、クラスの子たちはみんないい子ばかりで、それにリディとアルマの日頃の生活態度の良さも手伝って、すんなりと受け入れてもらえた。
それどころか、甘くて興奮するアルマの母乳はすぐに人気になった。性行為実習の際には、俺とセックスするアルマに他の女子生徒が群がって、彼女の母乳を搾り取ろうとする始末。
そして母乳を浴びたら最後、興奮はさらに高まって、俺の体も激しく求めるようになる。
おかげで、彼女たち2年B組での性行為実習の時間は、俺も相当に気合いを入れないといけないほど濃密なものになった。
――で。
「いっただきまーす!」
「「いただきます」」
ある日の放課後。
調理実習室で。
異界料理部の面々に並んで、リディとアルマも食卓を囲んでいた。
彼女たちは、間接的とはいえ異界料理部のプリンに助けられていた事情もあったので、カミングアウト後のアルマも顔を出して、今度はみんなで異界料理を楽しもう、という運びになったのだ。
もちろんリディとアルマは馬上槍術部に所属しているため、入部というわけではなく、あくまでゲストという立ち位置だ。
それでも。
ラビ。ルフラちゃん。ナターシャ先生。他の部員たち――部活のメンバーは、理解者が増えて嬉しそうだった。
俺もお呼ばれして、並んで異界料理に舌鼓を打つ。
今日は俺も知らない世界の料理ばかり。食すのをためらうようなものもあったが、いざ口にしてみると意外と美味だったり。モノによっては、完全に舌に合わないものもあったりと。
そういう諸々を大勢で共有して、批評し合うのはなかなか楽しい。
また、リディとアルマが参加するというので、この日もデザートにはプリンが用意されていた。
皿の上でぷるんと震えるその姿を眺めて、俺はつぶやく。
「ミリア先生も誘えば良かったかな」
「それが、お声はかけたのですが」
と、アルマ。
今回の件は、アルマたちの了承を得て、ミリア先生自身が学園長に報告を上げていた。
生徒からの賄賂に応じて保健室を利用させていたという罪を告白して、懺悔したという格好だ。
プリンを献上していたリディ。その行動の原因を作ったのだと自責するアルマ。
そんな2人が反省する姿を見て、ミリア先生も観念したというか、さすがに良心が痛んだらしい。
「自分から罪を告白したのは偉い、とか何とかいう話で、プリン禁止令が解かれたって聞いたけど」
「ええ。学園長先生の温情で。私たちも、なんのお咎めもなく。……それよりも、実習が遅れたぶん、リュータ先生によく教え込んでもらうようにと、激励されました」
頬を赤らめるアルマ。確かに、最近の彼女の授業態度は、極めて積極的だ。
「……ただ、ミリア先生は」
「ミリア先生は?」
「『反省した姿には進歩が見られるし、禁止令は解いてやるが、嬉々として賄賂を受け取っていたことについては罰が必要じゃ』――と、学園長先生がおっしゃられて。私たちが辞したあとも学園長室に残されて、おしおきを受けたようで……」
「おしおき……」
「おしりナデナデの刑……だったそうです。かなり効いたらしく、そのため、今はプリン自粛中だということで。そんなに恥ずかしい刑罰だったのでしょうか?」
不思議そうにするアルマ。
確かに。
おしりナデナデの刑という呼称だけを切り取れば、そんなに恐ろしいものだとは思えないだろう。
しかし、学園長ちゃんのあの魔術を体験した俺からすると、その恐ろしさは容易に想像できる。
あの、感度を倍加する魔術。
あれを仕掛けられてお尻を撫で撫でされたら……? トラウマ級の快感を植え付けられてしまうことだろう。
他の生徒たちもその恐ろしさを知らず不思議そうにしているが、ナターシャ先生だけは理解したらしい。
「ナターシャ先生も、受けたことあるんですか?」
引きつった顔をする彼女に問いかける。
「いえ、私はありませんが……以前、同じような刑を受けた先生は、しばらくお尻でしかイケない体になってしまったそうで……」
「お、おぉ……」
やはり恐るべし、おしりナデナデの刑。
まあ、とはいえあのミリア先生のことだ。しばらくすればまたプリン禁断症状が出て、我慢できなくなるだろう。
そのときには、堂々と異界料理部をおとずれて解禁されたプリンを楽しめばいい。
「しかし、このプリンというお菓子は本当に美味しいですね。驚きました」
これまでミリア先生に献上するばかりだったリディが、初めて食べたプリンの感想を口にする。
「ミリア先生が執心するのも納得です。他の方も、きっと気に入るでしょうね。異界の料理を敬遠する方は多いですが――私もそうでしたが、もったいないですね」
「やっぱり、異界のモノだと聞くと怖いのか?」
「……ええ。部の皆さんの前では言いにくいですが……」
と、リディが視線をめぐらせるが、ラビたちは一向に気にしない様子だ。
「未知のものを口に入れることに、抵抗が多い者は多いでしょう。――こうして、皆さんとご一緒させてもらえれば、そんな抵抗も薄れますが」
「っすよねー! どんなゲテモノだって、みんなで食べれば怖くない! っす」
「いや、それは怖いんじゃないか?」
「ぅえ? グロテスクだったり、くっさいものほど燃えないっすか?」
「あー、分かるー。ねちょねちょしたのも好きー。でも他の部活の子に勧めても食べてくんないんだよねー」
「もったいないっすよねぇ。お口の中で弾ける系も楽しいんっすけどねー」
「…………」
なるほど、こういうルフラちゃんみたいなタイプの子が多いから、この部活の料理は敬遠されがちなのか。
確かに今日のメニューだって、ぱっと見、手を出したいとは思わない外見のものもあるしな。
ラビはこの中では慎重派というか、俺に食べさせてくれるときも、しっかり味見して俺の好みに合わせてくれているけども。
そういう気遣いなしにコンタクトを受けた生徒は、そりゃあ避けるようになるよな。
未知の料理。舌に合うか分からないどころか、危険が伴うかもしれない代物――
考えてみれば、先日のカップやきそばだってそうだ。
あれは俺が正しい食べ方を知っていたからみんなに気に入ってもらえたが、もし間違った食べ方をしていたら同じ結果にはならなかっただろう。
こっちの世界の住人にとっては、食べ物とは思えないパッケージ。そして、中にはカチカチの麺。
あのまま食べても首をかしげていただろうし、仮にお湯を注ぐところまでたどり着いたとしても、例えば湯切りをせずにソースを混ぜても薄味でマズいと断定していただろう……。
「みんなは、他の生徒にも食べて欲しいと思うのか?」
俺は改めて、部活のメンバーたちに問いかける。
答えは、みんなそろってイエス。
この楽しさを分かち合いたい、けれどうまくいかない、というのが共通の気持ちらしい。
「うーん、じゃあ食堂に置いてもらうとか?」
「その意見はあったのですが……」
俺の素朴な提案には、ナターシャ先生が答えた。
「……実は、今の調理員さんたちはこの学校の卒業生ばかりで。かつて、異界料理部に所属していたのですが……」
「おお、なら話は早そうじゃないっすか」
「それが、彼女たちはかつて『大災厄』をもたらしたときの部活メンバーで」
「それって、学園を崩壊させかかったっていう?」
「はい……それで、もう二度とあのような悲劇は起こさせまいと、自分たちで安全安心な料理を生徒に届けることをモットーに、今の食堂を立ち上げた方々でして……」
「ああ……」
そこに異界料理部が割り込んで行くのは無理筋か。
「学園外……結界の外から食材を仕入れるしかない状況だし、うまく協力できれば良いのでしょうけれど……まあ、食堂のメニューにできるほど、単一の料理を大量に召喚するのは難しく……再現料理にしても同様で」
「そう上手くはいかないか」
ラビの所属する部活でもあるし、実際、参加しても楽しい部活だから、なにか力になれたらいいのだが。
「プリンのように、簡単に作れて持ち運べるものならば勧めやすいですよね」
俺と同じような想いを抱いているのか、リディも積極的に議論に加わってくる。
「見た目も可愛らしいですし。私、よろしければ馬上槍術部の部員にも勧めてみましょうか?」
「リディ様、それでしたら私もマネージャーとして、料理部の皆様を手伝って調理に当たりたいと思うのですが」
「おおー、ありがたいっすねー!」
「いえ、私たちがリュータ先生の性行為実習を受けられるようになったのも、皆様のおかげですから」
プリンの見た目と、リディによる推薦。そして味。
それならば、間違いなく受け入れてもらえるだろう。
「料理の外見、正しい食べ方、勧める人間の信頼度と、そして勧める相手……か。その条件を整えれば、異界の料理でも食べてもらえるってことだな」
ちなみに、この学園の生徒や教師は、昼は校舎内にある食堂で食べるか、寮で自作した弁当を持ってきて食事を済ませている。
食堂では、複数あるメニューの中から好きなものを選んで食べられる。
一方で、朝と夜は寮に附属する別の食堂が提供していて、こちらは全員同じメニューだ。
どちらも無料。
生徒たちは学費から、教師たちのぶんは職場の福利厚生の一環として、給料から少額を差し引くことで運営費に充てているらしい。
「ガッツリと食堂に取って替わるのは無理だし、提供の仕方を工夫して……」
「場所なら」
と、ナターシャ先生。
「2階の渡り廊下に、空きスペースがあります。昔は売店が入っていたので、備え付けのカウンターなど設備も整っていて……」
場所の候補もアリか。
「じゃあ、あとは誰がやるかだな」
「そうですね」
アルマがうなずいて、俺の言葉を継ぐ。
「先生がおっしゃられるように『誰の手から渡されるか』という観点はとても大事です。私も僭越ながらトリア教の司祭を務めていますが――」
リディの家が治める領地で、教会の運営を担っているアルマだ。
「たとえ由来に
「お、おう……」
「あとは商売を始めることの許可ですね。領主さま――この場合なら学園長先生から許可を取りやすい、対等に交渉できる人物なら、なお適任でしょう」
僧侶であるアルマから商売について講釈を受けるというのも、なんとも生々しい話だが。
でも、割とある話なのかもしれない。中身を知ってもらうにも、まずはパッケージを整えるのが大事、ってことだな。
「しかし、そんな都合のいい人間が校内にいるか?……異界料理部と交流があって、異界料理に偏見がなくて、生徒や教師からの信頼が厚くて、あとは比較的時間の都合も付きやすいほうがいいよな……ん?」
「「「……じー」」」
「え?」
首をかしげる俺に、なぜか全員の視線が集まっていた。