【書籍化&コミカライズ】魔法女学園の売店ではたらく俺は、異世界から召喚された『ハーレム奴隷』です。 作:タイフーンの目
48 王女さまはアスリート体型
昼休み。
売店の定休日であるこの日、俺はとある生徒を探して校内をさまよっていた。
性奴隷の権限を使って呼び出しても良かったのだが、まあ、まずはプライベートで話してみるのがいいかもしれない、と思ってのことだ。
生徒たちの姿を追って首をめぐらせていく。そうして、窓の外を見ながら歩いていたのがマズかった。
廊下を曲がったところで、生徒とぶつかってしまった。
「うおっ!?」
「っ――!」
転倒したのは俺のほう。
むしろ、
「平気か、性奴隷殿――」
「あ、ああ。サンキュー」
手を差し伸べられて、立たせてもらう。
ケガの功名と呼ぶべきか。ぶつかった相手は、俺が探していた生徒だった。
+ + +
「本当に、ケガなどはないか?」
「大丈夫だって」
中庭――俺たちの家があるのとは別の場所――のベンチに並んで腰掛け、シャフィーラと会話を交わす。
ぶつかったのをこれ幸いにと、俺は、昼食を終えていた彼女を誘ったのだ。
シャフィーラ・ムットゥル。
3年A組所属。
種族は【夜豹族(やひょうぞく)】だ。
褐色の肌と、大型の猫科のようなしなやかな体躯が特徴。
シャフィーラは俺よりわずかに背が高い。180センチはあるだろう。大柄で筋肉質ではあるのだが、肩は比較的細くてアスリート体型――言うならば、短距離ランナーの女子選手といった体型だろうか。
体幹もしっかりしているので、先刻の俺との衝突ではゆらぎもせず、フラフラ歩いていた俺のほうが倒されてしまった。
「そうか、傷をつけずに済んで良かった。性奴隷殿の大事な体に」
と、シャフィーラは爽やかに微笑む。
肉食獣の鋭さをたたえた美貌。両眼はぐっと吊り上がっているが、黒目がちな瞳は大粒な宝石を思わせる。
そして、こうして笑うと妙な愛らしさを感じさせるのだ。
紫がかった黒髪のショートカットに、同じ色のネコ耳。さらには長い尻尾。
捕食者としての威容と、猫の愛嬌を兼ね備えたその姿。
彼女の態度には節々に『大物感』が漂うが、それもそのはず、彼女は正真正銘の『大物』なのだ。
シャフィーラは、はるか西にある砂漠の国の『王女』なのだから。
彼女の国と、俺たちの学園がある国とは同盟国の間柄。
それで、我らが女王によって招聘され、この学園に入学してきたのが、王女・シャフィーラだ。
俺たちの国の女王は、性奴隷制度を潰そうとしている。
このシャフィーラも、その政策に賛成しているのかもしれない。
そう、シャフィーラも実習に参加しないのだ。だから俺は、シャフィーラと一対一で話をしてみようと、彼女を探していたのだった。
ただ、彼女のほうでは俺に敵意を持っているふうはなくて、ごく自然体で振る舞っている。
夜豹族の王女様は、ゆるりと首をめぐらして、ふっと微笑む。
「どうやら、皆の注目を浴びているようだな。さすがは性奴隷殿」
「いや、シャフィーラの人気だろ」
実際。
俺たちのツーショットは、他の生徒たちからの注目を遠巻きに浴びていた。
シャフィーラは、同性にも人気がある。特に下級生からのウケは抜群にいい。
このカッコイイ容姿に、王族としての気品を兼ね備えており、おまけに文武両道。
馬上槍術部のエースである2年のリディも戦闘術ではトップを争うらしいが、魔術を抜きにした純粋な体術では、シャフィーラがナンバーワンだという評判だ。
他国の王女という立場。
そして彼女自身のそのカリスマ性がゆえに、シャフィーラが性行為実習を拒むと、クラスメイトたちは遠慮してしまって、及び腰になってしまう。
そのため、3年A組の性行為実習は停滞気味になってしまっているのだ。
――「私に気を遣う必要はない」
と言って、シャフィーラは悠然と実習を見学しているのだが、どうにも居心地が悪くなってしまう。
そんな現状を打破すべく、性奴隷である俺は彼女と話をしてみようとしているのだ。
「これ、飲むか? どっちがいい?」
言って、俺は売店でも販売している【微糖缶コーヒー】と【いちごミルク】を掲げてみせた
――なお。
他国の王女様が相手なので敬語を使いたくなるのだが、それは彼女が固辞している。
シャフィーラは、他の生徒と同様の扱いを望んでいるのだ。
「――ほう。それは飲み物なのか」
物珍しそうに首をかしげるシャフィーラ。缶と紙パックだからな。一見して判断がつかないのだろう。
「甘いのはどちらだろうか?」
「いちごミルクだな」
「では、そちらを」
甘い物好きか。意外だな。
紙パックに附属しているストローでの飲み方を教えてやると、チューチューと吸って、
「うむ、美味だ」
と、満足げだ。
そんなふうに年頃の少女らしいところもあるが、ささいな振る舞いひとつ取っても気品が感じられる。
いい具合に食後の一服で喉を潤したあと、俺は本題に入った。
「性行為実習のことなんだが――」
シャフィーラも、この話題を振られることは察していたようだった。
「やはり、性奴隷殿としては困ってしまうのだろうか? しかし、私としてもこの一線は譲れなくて、な」
「えっと、どうやら俺のことが気に入らないって聞いたんだが」
「ふむ? 誰がそのような? 私は、性奴隷殿に対して嫌悪感などは抱いていないが?」
事前に担任の先生から得ていた情報によると、俺との性行為を拒んでいるという話だったのだが――。
話を聞いたとき、先生はなにか言いにくそうにしていたので、もしかしたらもう少し込み入った事情があるかもしれない。
「俺の実習のやり方に不満があるとか?」
「私は性行為を教わる立場だ。方法論には詳しくない。そこは全面的に学園の方針に従うつもりだが――」
女王の誘いが入学のきっかけだったとはいえ、性行為実習への抵抗でもないらしい。
「……じゃあ、一体なにが」
俺がたずねると、シャフィーラは、俺の目を見ながら、けろっとした顔で、
「それは、性奴隷殿が早漏だからだが? ……言わなかったか?」
「は、初耳……な気がしますけど……」
「ふむ、そうか」
こ、心へのダメージが……しんどい……。
確かに俺は、数に限りなく、それも短いスパンで射精ができる。
そして相手は、教室いっぱいの発情女子生徒たち。
だから我慢する必要はないどころか、むしろガンガン射精することが推奨されてしかるべきで……。
「それが性奴隷殿の職務であることは理解しているつもりだ。しかし私としては、やはり男子たるもの、耐え忍ぶ強さが肝要だと思っている」
王族の風格を漂わせながら、シャフィーラは言う。
「――どのような誘惑にも耐え、めくるめく快楽にも屈することなく、ここぞという場面で熱く精をたぎらせる男性と、私は性交したいと思う」
「な、なるほど。いやでも、性行為実習は否定してないんだよな?」
「無論。私は、性行為を学びたい」
「でも、早漏はイヤだと?」
「私の初めてを捧げるのだ。理想の男性がいい」
「くっ、乙女か」
「乙女だ」
そうなんだよな……。忘れがちなんだが、生徒たちは皆、年頃の女の子なのだ。
「……それじゃあ、射精を我慢できるようなら、俺ともセックスできるのか?」
「うむ、是非お願いしたい」
「射精に耐えるって、例えばどんなレベルだ? 時間で言うと――」
「時間か、うむ。そうだな、一晩は耐えられるほどの強靱さは欲しいな」
「無茶を言う……」
シャフィーラたち夜豹族の種族特性は、その名のとおり、本来は夜行性であることと、そしてその生命力に満ちあふれた肉体だ。
だから求める性交のレベルも、より苛烈になるのかもしれない。
――俺の体なら一晩中のセックスにも耐えられる。
その点では、シャフィーラのお眼鏡には適うだろう。
だが射精をしない、というのはどうだろう。彼女の言う『忍耐』とは、当然、平常時のことではなく性行為に臨みつつの『我慢』を指すのだろう。
となれば。
もし彼女に挑むとしたら、この極上の肉体を相手に、ひたすら射精を耐えることになるのだろうが――。
シャフィーラは、アスリート体型ではあるが、しっかりと女性としての身体もできあがっている。仕草が上品で、艶っぽさも兼ね備えている。
こんな王女様を相手にして、果たして俺は耐え忍ぶことなんで出来るだろうか?
いや、そもそも、まずはその舞台を整えなければならない。
授業の時間ではまったく足りない。
彼女をその気にさせるには、もっとまとまった時間が必要だ。
――よし、いいだろう。
やってやろうじゃないか。
「む? 性奴隷殿?」
俺は立ち上がり、シャフィーラに宣言する。
「わかった。俺がシャフィーラを相手に一晩、射精を我慢できたらセックスしていいな?」
シャフィーラはゆっくりとうなずいて、
「ああ、それは願ったり叶ったりだ。強靱な牡との濃密性交で処女を失えるのならば、この学園に入った甲斐があるというもの」
「よし、なら……」
俺はぐっと拳を握って、
「それなら、性交強化合宿で決着をつけよう!」