【書籍化&コミカライズ】魔法女学園の売店ではたらく俺は、異世界から召喚された『ハーレム奴隷』です。 作:タイフーンの目
ベッドでラビと寝ているところを見つかったあと。
大声に気づいた生徒たちが、ドヤドヤと入ってきてまたもや裸体をさらすハメになったり、ジュリ先生がやって来て生徒たちを追い出してくれたり、ようやく俺の魔法が解けたり、床にへたり込んでしくしく涙を流す保健室の先生を励ましたり、完全に熟睡したラビがジュリ先生によって学生寮まで移送されたりと――
まあ、色々とあったが。
俺に対してのお咎めは、まったく無し。
先生たちのあいだでの伝達ミスが事の発端だったらしく……、一番叱られていたのは生徒が寝ているにも関わらず、【異界料理研究部】が調理したプリンのおこぼれをもらいに行っていた、保健室の先生だった。
プリンを失い、学園長ちゃんからも叱られた保健室の先生は、傷心のまま俺の身体検査を行った。失意のどん底にあっても手際はよく、俺はほぼ突っ立っているだけで良かった。
「性奴隷用の精力剤もあるんじゃがな。この検査結果を錬金術部に渡して、そちの体質に合ったより効果的な薬を作らせるつもりじゃ」
とは、検査に立ち会っていたテレジア学園長ちゃんの
……精力剤と治癒魔術をガンガンつぎ込んで、俺は種馬のごとく働かされるらしい。最初は様子をみつつ、慣れてきたら、1クラスの女子全員を相手にするようになるのだとか。
「めざせ! 30人連続中出し!! ……じゃ!」
「いえいえ学園長先生」
と、保健室の先生は、俺の体をぺたぺた触診しながら言った。
「この性奴隷さん、スペックすごいですよ。すぐには無理でしょうけれど、経験を積めば、生徒1人あたり3回ずつはいけるんじゃないですかねぇ?」
「ほぅ! さすがはダンサーバニーの召喚術じゃな。では、お顔と胸、膣内と、3カ所ずつへの射精も可能か」
「2、3年生になれば、お尻でおちんぽミルクを搾り取るカリキュラムもありますし。たくさん出せるようになって欲しいですね」
「そうじゃな。1年生にはまず、恒例のアレもあるしな」
「あれですね! 学年全員が一列に並んで座って、性奴隷さんがそのお口に順番におちんぽ入れていくんですよね♡ 私、あれ好きでした。順番を待っているときのドキドキ感。隣の子がしゃぶってる淫らな横顔。口元から流れ落ちるいやらしいお汁。そしてとうとう、次は私の番で……♡ ああ。懐かしいなぁ。楽しい思い出です♡」
「行事が目白押し、スケジュールも押し気味じゃからのぅ。準備も急がねばなるまいて。……うむ、しかし、よい性奴隷を召喚できて良かったわぃ!」
学園長は満足げにうなずいて、
「性奴隷のリュータよ、ぜひ妾の生徒たちをたんと可愛がって、性行為の気持ち良さを骨身の随までたっぷりと教え込んでくりゃれよ!」
マジすか。
それはそれで楽しみだけれど、それまで俺の体は持つのだろうか。体、鍛えないとなぁ……。
■ ■ ■
とまあ。
何から何まで、もとの世界の常識が通用しないこの世界だった。慣れるのには時間がかかるかもしれないが、ありがたかったのは文明度の高さだ。
魔法が発達しているおかげで、少なくともこの学園内で過ごす分には、たいした不便もなく暮らしていけそうだった。
「…………でもなぁ」
その夜。
俺はひとり、寂しくつぶやいた。
「性奴隷の扱いって……。奴隷だけれども……」
俺は、校舎の裏にぽつんと建つ『奴隷小屋』に押し込められていた。
木造の、こぢんまりとした建築物。いや、構造物? 四畳半ほどの広さで、三方を金網で囲まれている――
そう、周囲から丸見えなのだ。
あれだ。
小学校にあった『うさぎ小屋』みたいなやつだ、これ。
さもなくば、簡易独房。
便器と簡易水道らしきものは付属いているが、風呂はない。キッチンスペースもない。ただし、金網には結界が張られてあるらしく、風が吹き抜け放題ということはない。室温(?)は、意外と適温。
だから、与えられた薄いブランケットだけでも寒さは感じない。でも、床は板張りでごつごつする……。
「性奴隷は体が資本じゃないのかよ……」
特段、虐待している意識はないらしい。
性奴隷とは、『こういうもの』というのが常識なのだ。性奴隷は、あくまで授業中にだけ必要な存在。学生寮や職員寮で、活躍する場面はない。だから、授業ですぐ『使える』校舎のそばで、こうして暮らす。
人権意識は、比べものにならないほど薄いのだということは分かった。まあ、そうでもなければこんな制度は成り立たないのだろうし。
いいさ、昼間は楽園な分、夜くらいは我慢しよう。
「寝るか……」
やることもないので、ブランケットにくるまって横になる。
眠れずにそのままでいると、しばらくして、どこかから妙な音が響いてくるのに気づいた。
ゴリゴリ……、という何かを削るような音。
「――地面か?」
地中から鈍く響いてくるその音は、この奴隷小屋を目がけて近づいてくるようだった。
え?
なにこれ怖い……。
ゴリゴリ、ゴリゴリ……
ゴリっ、
ゴリゴリゴリゴリっ……!!
異音は、小屋の直下で止まった。
しばしの沈黙のあと、床下から、くぐもった声がしてきた。
(離れて……この上から、離れてください…………)
訳も分からず俺は、とりあえず忠告のとおり、小屋の隅へと避難する。
俺が退避したのを確認したのか、声の主は次の行動に移った。謎の光線が床板を下からくりぬいて、その穴からは――見たことのあるピンク色のウサ耳が2本、にゅっと飛びだしてきた。
俺が声を失っていると、穴の中から見知った顔がぴょこんと現れた。
「こんばんは、リュータさん」
ラビだった。
俺を召喚した『ご主人様』はこちらを見て、
「――今夜はお月様が綺麗ですね」
にこり、とほほ笑んだ。