【書籍化&コミカライズ】魔法女学園の売店ではたらく俺は、異世界から召喚された『ハーレム奴隷』です。 作:タイフーンの目
学園での性交強化合宿は、つつがなく進んだ。
午前中、体術の授業後からは、足腰がフラフラになった3年A組の女の子たちを引き続き犯して、『同級生セックス』の気持ち良さを教え込んでいった。
そして昼休み。
A組の女子たちのランチタイムにまた口内射精を与えてから、俺はふらりと2階の渡り廊下へと足を運んでいた。
今日の俺は、学園唯一の男子生徒。
『売店のお兄さん』ではなく、だから、いつもなら売店があるそのスペースには用はない。
ただ、いつもの習慣というか何というか。
ふと気になってしまうのが元サラリーマンの悲しい性だ。
――と。
その、売店のない渡り廊下で、1人立ち止まっている人影を見つけた。
「……ラビ?」
「あ、リュータさん!?」
俺の声に驚いたラビが、こちらを振り返る。
「どうしてここに?」
「ラビこそ。悪いけど、今日は売店お休みだぞ?」
「……その。お休みなのは知ってたんですけど。……ここに来れば、何となくリュータさんに会えるかなって」
「お、おう……」
ほんのり頬を染めてそんなことを言われると、つい照れてしまう。
ラビが可愛いのはいつものことだけれども、今日は目線を合わすだけでやたらと恥ずかしい気持ちになって、心臓もバクバク鳴っている。何だコレ……。
すると、モジモジしていたラビがふいに首をかしげて、
「……あれ? リュータさん、ちょっといつもと違うような?」
「え? ああ、まあ制服だしな」
「それはそうなんですけど……それだけじゃなくて」
「?」
そう言うとラビは、品定めするような視線で俺の周りをぐるりと回り、全身を
「うーん……外見はそんなに……あえて言えば身長が少し? ううん」
などと唸っている。
「何か気になることがあるのか? 例の浮遊魔術の関係か?」
「それはわずかに。魔力が強まっているなぁとは思うんですけど……」
どうやらそれだけではなさそうだ。
ラビが気づいた違和感の正体を確かめるため、俺たちは保健室のミリア先生を訪ねていった。
簡易な検査を行ってみたが、
「――確かに、体格も、魔力の質・量ともに微妙な変化がありますね。身体に不調はないんですよね?……これは一体?」
原因以前に、そもそも俺にはハッキリした自覚症状すらない。
とはいえ、俺の身体のことを誰よりも熟知しているラビと、高度な検査技術を持つミリア先生が言うのだから、何かが起きているのは間違いないのだろう。
この2人でも突き止められないとなれば――
+ + +
「なんじゃ、面白いことになっておるようじゃのぅ」
俺とラビとミリア先生は、そろって学園長室を訪れていた。
加えて、通りがかったケイト先生も連れ立っての、計4名で学園長席の前に並ぶ。
もしも俺の身体に異変が起きているというのなら、性交強化合宿に支障が出るかもしれないから、3年の学年主任である彼女にも立ち会いを求めたのだった。
「まったく、そちはつくづく規格外じゃな」
2人からの話を聞いたテレジア学園長ちゃんは、体格に合わない大きな椅子からピョンと飛び降り、俺のことを近くでジロジロ検分したあと、そんなふうに言い放ったのだった。
「面白いことってなんすか?」
俺からの問いかけに、学園長ちゃんはキッパリと告げる。
「リュータ、そちは若返っておる」
「若返り?」
そう言われても俺はまだピンと来なかったが、ラビとミリア先生は「なるほど」と顔を見合わせて、そろって俺の横顔をまじまじと見つめてくる。……なんだろう、気恥ずかしい。
「いや、その……若返りって? 生徒のフリをしていたら、身体も若くなったみたいな?」
「いくらそちでも、さすがにそこまでの面白ギミックは備えておらんじゃろ。……それじゃよ、それ」
学園長ちゃんは、扇子の先で俺の胸元を示す。
「……服? 制服のせいですか?」
「というより、その校章じゃよ」
「え?」
夏服の白いシャツ。
その左胸のポケットには、金色の糸で、この学園の校章がデザインされている。
「この校章が? どうして若返りに――」
「それはもともと、妾の紋章じゃ」
「学園長の?」
学園長は、持っていた扇をパシンっと開いて見せた。その扇面には、確かに校章――彼女の紋章があしらわれている。
「……そういえば、学園長のもとの姿って」
前にこの学園長室で見せてもらった、豊満ボディの狐妖女姿。
今の姿が本来なのか、あの妖艶な姿が本性なのか、それは分からない。けれど彼女は、魔術で外見を変えることができるのだ。
「肉体年齢を自由に変化させる魔術――それは、妾の一族に伝わる秘術のひとつじゃ。そしてこの紋章は簡略化した魔法陣。変化魔術の補助のために用いておる」
「そんなものを校章に採用してたんすか」
「ま、変化魔術の他にも、結界魔術の支援にも使えるでの。……あとは、新しく校章考えるのが面倒くさかったという理由もある」
「学園長……」
ともかく、その校章が――魔法陣が作用して、俺の身体はほんの少しずつ若返っているという話らしい。
しかし、どうして俺だけが?
「生徒はみんな、この校章を普段から身につけてますよね?」
そもそも俺の制服は、女子の制服を真似て作られたものだ。女子制服にも同じ位置に同じマークが付いている。体操服にも、だ。
「ケイト。このリュータの制服、もしやジュリに作らせたか?」
「え、ええ。縫製魔術で――」
「やはりな。ヤツの腕ならばそういう結果にもなるか……」
学園長はケイト先生に指示して、ジュリ先生を学園長室に招喚した。
職員室で休憩していたジュリ先生は、突然の呼び出しにも至ってクール。
「いかがなさいましたか、学園長?」
「うむ。昼休みにすまんな。……ジュリよ、その刺繍には何の糸を用いた?」
するとジュリ先生は俺の胸元を一瞥して、
「急な発注で材料が足りなかったもので、私の秘蔵の一品を使わせてもらいました。――なにか支障があったでしょうか?」
「いいや、支障というか、強い効能がの」
学園長に経緯を説明されてジュリ先生は、
「なるほど……それは気づきませんでした。確かに、リュータ先生、お肌の艶が……」
ジュリ先生の一言に、教師陣がハッとして俺の顔を凝視してくる。
「ほ、ホントですね! さっきより潤っているような……!」
「これが校章の効果……!?」
「……そちら、興奮しすぎじゃろ。ほれ、リュータが居心地悪くなっとるぞ」
学園長が、ミリア先生とケイト先生をたしなめる。
「そちらがジュリの制服を着ても、若返りはせんぞ?」
「うっ……!」
「わ、私はそんな……!」
狼狽える教師陣を横目に、ラビが学園長に問いかける。
「もしかして、リュータさんの体質が原因なんですか?」
「うむ、さすがはラビ。リュータのことならば何でもお見通しか。……そうじゃ、その金色の糸には、相当量の魔力が蓄えられておる。そして――」
その糸が魔法陣の形に刺繍されたことにより、魔力は、指向性を持った魔術として発動した。
若返りの効果を持った魔術。
ただし、魔法陣が小規模なためにその効果は限定的。
学園長のように自身も変化魔術を使い、その補助として使うならば十分な威力を発揮するらしいが、魔法陣単体では人間を若返らせることは出来ない――
ということなのだが。
「リュータは魔力の影響を受けやすく、反映させやすい体質じゃからの」
限定的な効果でも、その若返りの魔術を朝からずっと浴び続けていた俺に、とうとう変化が現れてきたのだという。
つい最近、浮遊魔術を身につけてしまったように、今度は若返りの魔術の影響を受け、肉体的・魔力的に変化が生じている。
「一定値を超えたんじゃろう、ここからもっと急激に変わっていくかもしれんな」
実際に、身長はわずかに縮み、隣にいるラビと目線の高さが近づいてきている。昼休みが始まる前は、まったくそんなこともなかったと思うのだが。
「……ラビ、よく気づいたな」
「え、えへへ。いつもそばで見ているから……ですかね?」
「ラビ」
こうしてすぐに甘酸っぱい空気になってしまうのもアレか、若返りの副作用なのか……。
「ここでイチャつくでないぞ?」
「「わ、分かってます……!」」
俺と声をそろえて否定してから、ラビは、
「あ、あの……ですが、大丈夫でしょうか? リュータさんは魔力の影響をドンドン吸収しちゃって、身体に悪い影響が出てしまったりとか」
「ふむ。いま見たところは適応しておるようじゃし、平気じゃろう。……しかしそんなに心配ならば、ラビ」
「?」
「今日、夜にでもリュータの身体を『調整』してやるとよい。寮の外出許可は出してやる。……こっそり抜け出さなくてもいいように、のぅ?」
「う、ううっ!」
俺たちはまた、そろってたじろぐ。
ゆうべラビは、規則を破って『夜這い』に来てくれたのだが、それもこの人にはバレバレだったのか。
「性交強化合宿はハードじゃからな。体調確認だけでなく、たっぷりと癒やしてやるとよい。……それに、その男子制服は合宿が終わったらリュータにくれてやることになっておるらしいぞ?」
学園長ちゃんはいっそう悪い顔で笑って、
「今はせいぜい同世代ほどの若返りじゃが……ずっと着用しておれば、妾と同じくらいにちっこくなるかもしれん」
「り、リュータさんがちっこく……!?」
「ちっこくなったリュータと、仲良くイチャイチャするもよし」
「い、いいえっ! そんな、私は……っ! 小さいリュータさんにあれこれするのは……さすがにっ!」
なぜか顔を真っ赤にするラビ。チラチラと俺のことを見る目が、随分と火照っている。
……これ、発情しかけてないか?
「いくら身体が縮もうとも、中身は大人。問題はなかろう。本人さえ良ければな。合法じゃ。合法リュータじゃ」
「え、ええっ!? ご、合法リュータさんっ!?」
その言い方だと、普段の俺が違法みたいに聞こえるんだが?
「ち、小さいリュータさんと……い、一緒に!? アーンして食べさせてあげたり、口の周りについたソースを拭ってあげたり、抱っこしてあげたり……! あ、ああっ、添い寝はアリでしょうか!? お、お風呂は?♡ お、お姉ちゃんと一緒にお風呂入りますかっっ?♡」
「暴走しかけてるから。ラビ、深呼吸深呼吸」
「は、はいっ♡ すみません……っ! すーっ、はーっ、すーーっ、はーーーっ……」
今からこの調子か。
やばいな。コレはすさまじい勢いで甘やかしてもらえそうだ。
ラビお姉ちゃんか……。
正直、楽しみです。
「午後からの合宿メニューはどうしましょうか?」
ラビが落ち着くのを見計らって、ケイト先生が学園長の指示をあおぐ。
「基本方針は今のままでいいじゃろ。細かな調整は必要かもしれんが」
と、真面目モードの学園長ちゃん。
「3年生にはまたとない機会になるはず。何しろ、肉体まで若返っておるんじゃからな。……まあ、リュータの精力は元からケタ外れじゃからその点ではともかく、『同級生とのセックス』は貴重な経験になるじゃろう」
「承知しました。教師陣でも共有しておきます」
話が付いたところで、ケイト先生はジュリ先生を伴って退室していく。
「さてさて。こんなところじゃろうが……んむ? ラビよ、まだ治まっておらんか?」
見ると、ラビはまだ頬の紅潮が抜けていなくて、うっすら汗すら掻いている。
今までの情報は、発情しやすいダンサーバニー族の彼女には、少々刺激が強すぎたらしい。
見かねた学園長ちゃんは、扇の尖端で俺を、そして次にラビを指して、
「仕方あるまい。2人とも、午後の授業には遅れてゆけ」
「え? どういう――」
「どうもこうもなかろう? その状態では、ラビは授業にならんじゃろう。そちが責任を取るのじゃ。……ミリア、保健室を貸してやれ。今度は鍵をかけ忘れるなよ?」
「わかってますよぉ。2人にベッドを貸したら、ちゃんと鍵を締めます」
俺たち2人のために、サクサクと話が進んでいき――
最後に、学園長ちゃんはこう言って念を押してきた。
「リュータ、保健室でラビを抱いてやれ。今のそちは『3年生』……可愛い後輩の面倒を、きちんと見てやるんじゃ。よいな?」