【カオ転三次】癖に生きる俺らと割を食うシキガミ・現地民 作:アレデルトロン
本話とは関係ないないんですけど、自分で気づいてないのも潜んでるってことでいいですよね?
俺の名前は
「おはよう明人くん」
挨拶とともに少女が後ろから小走りで近づいてくる。
「おはよう両瀬」
挨拶を終えた俺たちはちょっとした雑談をしながら学校へと向かう。
彼女の名前は
あと両瀬を紹介するのに欠かしちゃいけないのは
つまり、何が言いたいかっていうと胸の分を差し引いたとしても俺とは絶対に釣り合わないはずの子だってこと。……いや、これも
当然周りからはそうは思われてないだろう。モブの俺にどうしてあの子がってな。まぁ彼女と俺の秘密を知ってれば納得するしかないだろうけど。
午前――。
「~が、~だから、え~、ここの解は……」
つまらんっ!
こんな授業が役に立つって?冗談じゃない。俺にはそんなもの必要ない。こんなことよりもずっと大事な使命があるんだ。ここは夜に備えて寝ておくべきじゃないか?
オヤスミ!
「片見~。お前さっきの授業も寝てて大丈夫だったのか?がっつりテスト範囲って言ってたぞ?」
「大丈夫だって。いややっぱり大丈夫じゃないかも、ノート貸してくんね?」
「ホレ」
「サンキュー」
スマホで写真を撮って後で見返させてもらおう。
「もちろんタダじゃないぞ?片見。パンくらいおごれよ」
「仕方のない男だな~」
幸いカネはある。俺には割のいい仕事がついてるからな。
「仕方ないのはお前だろうがっ!」
へへへっと笑いあって会話をしめる。
やれやれ。俺のおかげでこうやって安全に生活できてるってのにパンまでねだるなんて、まったく欲深い奴だ。
放課後――。
俺は両瀬の家に来ていた。より正確には両瀬家の裏山を少し上ったところにある洞窟の前だ。
「では、行ってらっしゃいませ片見様」
執事?の人に見送られて俺は中へと入っていく。
俺の装備は頭と腰にライトをつけて、片手には50センチくらいの長さの剣。動きを妨げない程度の頑丈な服。あと、体に付けた紐。迷子防止らしい。
少し歩くと、いつものナスビ野郎が居やがる。ケタケタと笑いながらこっちに向かって飛んでくる。俺はすかさず横に跳んでかわす。
「ぃやぁー!」
着地の瞬間を狙って切りかかり、すぐに後ろに下がって距離をとる。
そしてまた飛びかかってきたら横によけて切る。これを何度か繰り返すうちに化け物は消滅してコインを落とす。
このダンジョンにいる化け物は二種類。さっきのナスビみたいな色のちっさいおっさんにデロデロのなんかきもいやつ。ナスビの方が素早くて爪が鋭いけど、人型だから動きが読みやすい。デロデロのは遅いかわりにタックルでぶっ飛ばしてきて、倒れたところに覆いかぶさってくる。あれに包まれたら窒息か、それとも溶かされて食われるのか。想像もしたくない。
一対一なら両方さっきの戦い方で勝てる。気を抜かずに相手を見て、ほかの敵が来ないように祈りながら、確実に削る。俺は馬鹿だけど命が掛かってるんだ、安全第一で何が悪い。
「よし」
おかわりを倒したところで分岐路に着く。
正直この先に何があるか全くわからない。もしどちらかの道に行って、疲れ果てた帰り道で反対側の敵が待ち構えていたらどうする?逃げ道がふさがれた状態で後ろからも敵が来るかもしれない。危険すぎる。どうせここまでも誰も来れないんだし、こうやって出口近くの化け物を少しずつでも退治してるんだから俺はこの町のヒーローだろ?
「明人くんお疲れ様。今日はどうだった?」
「ほらっ。今日も化け物どもをバリバリ倒してきたぞ!」
証拠にコインを渡しながら両瀬に俺の英雄譚を聞かせてやる。俺が両瀬と仲良くしてるのが調子に乗ってるって?そいつらは何も知らないからそんなことが言えるんだ。俺はこの町で唯一あいつらとまともに戦えるヒーローなんだ!
時は少し流れ秋――。その日、俺は運命と出会った。
やっと涼しくなってきてフル装備で山を登っても汗をかかなくなってきた。ダンジョンの中はいいけど、たどり着くまでが暑くて参ってたんだよな。
「おはようみんな。うわさは聞いてるかもしれないがこのクラスに転校生がやってきた。ツーさんどうぞ?」
膝まで伸びる茶髪の三つ編みを揺らしながら入ってきたのは一人の美少女。制服の上からでもわかるほどの大きな胸にすらりと伸びた長い脚、白い肌。
教壇の前に立つとクラス中を見渡す。
「ぼくの名前は
たまたま緑に輝く瞳と目が合い、まばゆい笑顔を向けられる。アイドルなんか目じゃない。彼女は一瞬で見るものすべての心を奪った。
「ぼくの席はどこ?」
「佐藤さんの隣が空いてるのでそこに座って下さい」
「わかった。1年間よろしくね」
担任にも微笑みながら言うと、ゆらゆらと周りを見ながら生徒の間を通っていく。
「君が佐藤?」
「そ、そうだけど……」
「仲良くしようね」
「ええと、よろしく……?」
「うんっ!よろしく!」
数日後――。
「へぇーっ!静佳はお魚が好きなんだね!」
「ちょっ!ツー、声が大きいってばっ!」
「あ……ごめん。ちょっと興奮しちゃって…」
「静香ちゃん恥ずかしがることないよ~。私もイルカ好きだし~」
「やっぱ憧れるよね、海!」
「ツーの前の学校はどうだったの?海は近くにあった!?」
「なかった…けど、」
「けど?」
「海水浴には何回か行ったことあるよ」
「いいなーっ!」
「静香も大興奮じゃん!」
海水浴か……。ツーの水着はすごいんだろうなぁ。モデルと比べてもスタイルがいいもんな。……やべっこっちまで興奮してきたぞ!
「てかツーのセーラー可愛くない?」
「えへへ…そうかな……?」
「そうだよ~。照れちゃってかわいいなぁ~」
「はぁっ。なんでうちの学校はブレザーなんだか……」
「あんまセンスないよね」
「ねー?」
「ん?……ツーそのペンどこで買ったの?」
「かたつむりのキャラペン?見たことないかも?」
「これ?…前の学校でもらったやつで、えーと……電伝虫って言ってたかな?」
「でんでん……?そのまんまじゃん!」
「きも…かわいい?でしょ、って」
「確かにちょっとかわいいかも?目つきがちょっと怖いけど……」
「けど前の学校か~。地域限定品とかだったのかな~?」
「じゃあ売ってるの見たことなくて当たり前ね」
ワンピース?いや……ビキニのほうがツーの魅力を最大限に……。あえてマニアックにスク水ってのも…逆に体型が出てエロいかもしれないっ!ああっ見たい!でも俺がこの町を離れたら……!
「明人はどう思う?」
「え、わっ…ツー!?」
ボーっと見ていたツーから急に質問が飛んできて言葉に詰まる。やばい何の話だっけ?ツーは何の水着が似合うかだっけ????
「主食はパン?ごはん?」
「俺はご飯派だな」
「やっぱりごはん派が多いのかな?…道夫は?」
「ぅえっ?ぼ、僕はラーメンが好きだけどっ!?」
佐藤がキョドる。
「ぇ?」
「やば」
案の定女子たちが怪訝な顔をし始める。
「麺か~。ぼくも好きだよ、ラーメン。」
すかさずフォローを入れられるツーは優しい子だ。いや、普通にラーメン好きなだけか?ただおいしいものに共感してるだけな気もする…。
「エッ!つ、ツーもラーメン好きなのっ!?だったら2丁目にすっごいおいしいところがあって……」
「じゃあみんなで行こうよ。静香来れそう?」
「一応家に聞いてみる」
「私は行けるよ~」
「聞かれてないじゃん。もちろん私も行けるけどっ!」
「えへへへ。明人も来るでしょ?」
「ああ。行くよ」
俺の青春はここから始まる!