「おい聞いたか?コスプレ喫茶にすごい巨乳の子が居るらしいぜ」
文化祭当日、そんな噂が学校中に広まり押し寄せた客によってオレたちは大忙しだった
「コスプレの力ってすごいな」
「んな事言ってる場合か、さっさとテーブル片付けろ!
小山内さんにあのコスプレさせたのお前なんだからな!」
オレと一緒にテーブルを片づけながら友人はそう愚痴る
「そう言いつつそっちも喜んでただろ」
「そうだけどさぁ!」
文化祭はどんな出し物をやるかと言うのは大切だ
そう言う事もありオレたちのクラスは男子たちの強い要望により
コスプレ喫茶をやる事になった
男たちは大いに喜んだものの、当たり前だけど美味しい話ばかりではない
女子たちの機嫌を損ねないよう、コスプレ衣装は女子の方で選び
当日の作業についても女子はウエイトレスとして注文と料理を運ぶだけ
男子はそれ以外の雑用を全てやる事になっている
とはいえ、女子のコスプレを見られるならと男たちは皆やる気に満ち溢れていた
渡辺さん、工藤さん、中澤さんと人気女子を多く擁するウチのクラスは
前評判から人気になるだろうとは話していたけれど
そこに小山内さんと言うダークホースの登場により今の忙しさと言う訳だ
「小山内さん、また男子たちに絡まれてるぜ」
片づけをしつつ見てみると、客としてやってきた他のクラスの男たちに話しかけられ
中々テーブルを離れられない小山内さんの姿
小山内さんがこうして男たちに絡まれているのは単純な話で、着ているコスプレが原因だ
以前大人のお店で購入したバニー衣装、それを着て小山内さんは接客をしている
他のクラスメイトの女子たちは露出を抑えたコスプレをしている中
おっぱいを出した場違いなコスプレをしているものだからあっという間に噂になり
先ほどからずっと男たちと雑談をしている状態だ
「彼氏として助けてきたらどうだ?」
「小山内さんはあれで喜んでるし、迷惑な客を引き受けてくれてるからそのままで良いよ」
仮に露出を抑えたコスプレをしていたら絡まれるのは人気女子たちかもしれないし
クラス内で影響力のある人気女子たちの機嫌を損ねるわけにはいかない
(それにしても、よくOKして貰えたものだ)
バニー衣装については冗談交じりで着てみたらと言ってみただけだ
着るのは小山内さんだけとはいえ、露出の事もあって女子から怒られるかもとは思っていた
男子たちは当然喜んでいたけど、意外にもクラスの女子も小山内さんのバニー姿に興味深々で
準備期間に一緒に写真を撮影したりと大人気だった
こういう所は友達の多い小山内さんの人柄と言うやつだろう
いつもお世話になっている先生も根回しをしてくれたらしく
無事小山内さんは文化祭でバニーコスを着ることになった
(人気なのは良いけど、この調子だと文化祭を回れるのはいつになるやら)
コスプレ喫茶の売り上げに一役も二役も買ってくれる小山内さんと
雑用をこなす他の男たちと共に仕事をこなしつづけ
解放されたのは昼を過ぎた頃だった……
コスプレ喫茶の仕事から解放され、ようやく自由時間を得たオレと小山内さんは
お昼ご飯を持って賑わう校舎内を歩く。小山内さんはオレの希望でバニーコスのままと
言う事もあって歩くだけで注目を集めるため
「ねぇねぇ、小山内さんだよね?一緒に写真良い?」
と、男女問わず写真をお願いされ続け、その度に小山内さんは写真対応をしていた
一応隣にオレも居るわけだけど、すっかりカメラマン扱いだ
他のクラスの女子に抱きつかれる小山内さんを見てほっこりしたり
ピースサインをしつつさりげなく腕を小山内さんの胸に押し付けるテクニックを見せる
リア充を見て感心したり、写真を撮影するついでに小山内さんに告白をして振られる
男子生徒を見守ったりと、教室を出てからも慌ただしい状態だった
撮影希望の人たちを捌き終わる頃には小山内さんはすっかりツーショットチェキに
慣れたように笑顔でピースをして、オレもそんな小山内さんを良い具合に撮影出来るくらい
手慣れていた
そんな小山内さんの撮影会を終え、ようやく目当ての中庭にたどり着くと
二人とも疲れたようにベンチに座り込む
「空腹と労働でご飯が美味い」
そんな呟きに、隣でご飯を食べる小山内さんもうんうんと頷く
そのまま黙々とご飯を食べ続け、食べ終わった頃にはちらほらと
こちらの様子を見る男たちの姿
「いや~バニー衣装は予想以上に効果あったね、すごいよ小山内さん」
同じくご飯を食べ終わった小山内さんに、皆見てるよと小声で伝えれば
ちょっと恥ずかしそうに胸元を隠した
「今さら隠さなくても良いんじゃない?ウエイトレスしてる時に散々見られてたし
ここに来るだけでも何人も写真お願いされてたし」
「そ、そうかもだけど……」
空腹を満たし落ち着いた事である意味正気に戻ったらしい
「このままゆっくりしたいところだけど、どこも回らずに文化祭を終えるのも寂しいし
ちょっと見て回ろうか」
「うん、行こう」
自然と手を繋いで再び校舎の中へと入って行く
来る時と違い、手を繋いでいるからか注目は集めるけれどそれだけだ
お陰でいくつか出し物を見れ回れたものの
「人気な所は並んでるし、今から並ぶのはちょっとアレかな
他に人の少なそうなところを見てみよう」
そう提案して人の少なそうな出し物を探して行く
再びいくつか教室を回ったところで人の少ない……と言うか客の居ない教室へと
辿りつく。看板を見てみるとゲームコーナーと書いてあるものの
教室内に置いてあるのは手作り感あふれるボールを投げる的当てゲーム
所謂ストラックアウトと、輪投げの二つだけだった
種類も少ないし、どちらも投げる遊びで微妙に被っているし閑古鳥も納得だ
「人居ないしここにしようか」
「え?う、うん」
小山内さんもここで遊ぶの?とちょっと困惑気味だったけれど手を引いて教室へと
入って行く。スタッフとして暇そうにしていた男子生徒たちはバニーコスを着た
小山内さんを二度見した後、慌ただしくゲームの準備を整えていた
「ストラックアウトは当てた枚数に応じて景品も貰えるみたいだね
小山内さん挑戦してみたら?」
スタッフの男子生徒からボールを受け取ると、いくつかボールを投げてみる小山内さん
ボールを投げる度にそのおっぱいも弾み、男子生徒たちは驚いた様にそれを見ていた
しかしボールは数個のためすぐに投げ終わり、男子生徒たちはあからさまに残念そうな表情を
見せる。小山内さんの方もあまり上手くは無いようで景品ゲットとはならなかった
「一応お金もかかるみたいだし、こんなものかな」
財布からお金を取り出し、小山内さんの代わりにプレイ料金を渡そうとしたところで
「あ~、実はウチお客さん全然来なくて景品まだまだあるんですよね
無料で良いんで好きなだけゲットしていきません?」
そう男子生徒から提案される。小山内さんの乳揺れ見たさに考えたんだろう
他の生徒も最初は驚いていたもののすぐに合わせるように頷き始めた
「だってさ、小山内さんどうする?」
「それじゃ……もう少しやっても良い?」
先ほどのストラックアウトに悔しさもあるんだろう、そう言うとすぐに
ボールを手にする小山内さん
「良かったら小山内さんにアドバイスしてもらえません?」
そう言うと男子生徒たちは全員小山内さんの所へ行き、次々にアドバイスをし始める
先ほどまでやる気なさそうにしていた人たちとは思えない行動力だ
小山内さんをスタッフの男性生徒たちに任せて休憩用の椅子に座る
ふと周りを見てみれば、スタッフ以外にも男性生徒たちがストラックアウトに興じる
小山内さんを見守っていた
手持無沙汰な事もあり何となく見守る男子生徒を数えると10人以上。大した人気だ
小山内さんはそんな状況を気にする様子もなく、アドバイスを聞いて何度も
ストラックアウトに挑戦している
見守る男子生徒たちに対して、存分に乳揺れを見せ続け
「……ッ、やった!」
全ての的に当てて嬉しそうに声を上げる小山内さん
アドバイスをしていた男子生徒たちにハイタッチを求められると
次々にハイタッチを交していて上機嫌だ
「ストラックアウトを攻略した所で、次は輪投げもやってみません?」
男子生徒に流れるように輪投げを提案され、小山内さんも乗り気で輪を受け取る
教室に入った時は乗り気ではなかった小山内さんもすっかり楽しそうだ
引き続き乳揺れを披露し続け、文化祭終了のアナウンスが流れる頃には
景品のお菓子を全てゲットしていた
「小山内さん、皆と仲良くなったみたいだしここで記念撮影していかない?」
「ぜ、是非撮影したいです!」
ゲームに興じる小山内さんを見て考えていた事を提案すると
小山内さんよりも先に男子生徒たちの方から賛成される
小山内さんもOKらしく、率先して位置を決めて座ると
その周りにスタッフの男子生徒、そして見学していた男子生徒も集まって行く
「隙間を空けてると小山内さん避けられてるみたいに思われちゃうから
両サイドは小山内さんとぴったりくっついてね」
そう指示を飛ばしカメラを構える
両サイドや小山内さんの後ろに居る生徒は小山内さんに小声で話しかけているらしく
小山内さんもそれに応えて楽しそうに話していた
ストラックアウトや輪投げを通してすっかり仲良くなったらしい
(両手に花以上だな、まさに小山内さんハーレム)
「それじゃ準備は良い?」
こちらの合図に、十人以上の男たちと一緒にカメラを見てピースサインをする小山内さん
小山内さんと友達になってから行っていた小山内さん人気者計画は
今回の文化祭で成功したと言って良いだろう
今後は今日みたいに男子生徒に誘われたりする機会も増えるはずだ
そんな小山内さんを彼氏として誇らしく思う
後で好みの男はどれか聞いてみるのも良いかもしれない。そんな事を考えながら
男たちに囲まれ、今日一番の笑顔を見せる小山内さんを写真に収めた……