※この作品はR-18です。

機動戦士ガンダムSEED TR -輝ける星を目指して‐   作:開いたぞ、性癖の扉が!!

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投稿するまで滅茶苦茶悩んだ。
勢いで執筆したのでかなり前に出来上がったストックを放出する形での投稿です。
細かい所やエッチなシーンとか書いてたら30話まで執筆してまだ砂漠についてません。
どうして。


ティターンズの旗の下に
第1話「ケイ・ムラサメ」


 

 

 

 C.E.70、地球・プラント間の緊張は一気に本格的武力衝突へと発達した。

 そして同時期、両者の戦争の裏で一つの計画が始動する。

 

 

 

 

 オーブ連合首長国の資源コロニー「ヘリオポリス」にその人物は居た。

 身の丈に合わない、おおよそ軍人用の制服の中でも一番小さいサイズでも彼にとってはオーバーサイズと言うべき風貌―――とどのつまり子供。

 地球連合軍―――そう呼称される団体の制服を"嫌々"着ている少年は、中立を保つこの土地での訓練以外の時間に飽き飽きとしていた。

 年頃の子供であれば学校に行き、友達を遊ぶか勉強―――いい所のお坊ちゃんなら習い事にでも精を出すようなところを、訓練を施される日々。

 だが訓練なら良い。アレを操るのならまだ楽しい方であり、虚無感で空いた心を埋めるに相応しい。少年は独り想いを馳せた。

 しかし今は自由時間。スケジュールを「成長のため」と偉い人にコントロールされているため訓練は1日のほんの少ししか行えない。

 ハッキリ言えば下らない。どうせ軍人である限り前線に出ればいつ死んでもおかしくないのに。少年の心は戦争を劇化させる大人たちの「悠長な考え」よりもはるかに速いスピードで世情を感じ取っていた。

 少なくとも連合に余裕はない。

 こんな中立国を隠れ蓑にして兵器を開発するくらいには余裕がないのだ。

 

「バレたら大変なことになるって分かってるのに……勝ちたがりってやつかな」

 

 勝ち負けという簡単なものではない事は知っているが、こうもコソコソとしていると辟易とするところもある。

 ナチュラルとコーディネイター、地球と宇宙に分かれて戦争をしている上に両者ともに着地点の無い事が少年にも伺える。

 そしてその怒りや憎しみ、悲しみの時代の中で少年は生まれた。

 自然のままに男女の間に産まれた「ナチュラル」と、親が子供に遺伝子操作を施して生まれた「コーディネイター」。

 お互いがお互いを憎しみ合う過程にはいくつもの小さな諍いがあったが―――その諍いが大きくなり始めているのが昨今の情勢でもあった。

 この時点で既に死者は甚大な数になっており、両者が戦争の着地点など見据えられない事は明白である。

 

 ―――どのみち俺は指令通りに殺すだけなんだけどさ。

 

 軍人だから、といういわけではない。

 自分が生まれた理由がそういう理由だからだ。

 連合が勝とうがザフトが勝とうが、或いはどちらも共倒れしようが―――どのみち少年には戦う事でしか己の命を守れないのだから。

 

「血のバレンタインを防いだ影のヒーローが物憂げだね?ケイ」

 

 男が少年に声をかけた。

 あからさまに研究者と分かる恰好の男はしかし軍人の少年の上司にあたる人間である。彼の仕事は少年の『コンディション』を整えるための調整役だった。

 

「やめろよ、それ―――機密保持って知らないのか」

「硬いなぁ……君は偶然にも引き起こされそうになった核戦争の引き金を事前に摘み取った―――結果的に言えば核は撃墜すれど内部で潜伏してた輩によるテロが起こって、少なからずコロニーは崩壊しちゃったけどさ?我々が何年もかけて計画した【TR計画】……その輝かしい功績の一つなんだからさ。他の【兄弟】もきっと君を誇りに思うさ」

 

 その言い草が少年―――ケイの気に障る。

 この男が苦手で仕方がないのは、親身になるフリをしてその実自分の事を実験体の一つとしてしか見ていない事にある。所詮この男には命が玩具に見えているのだろう。

 兄弟―――それらはケイにも居た。過去に。

 

「―――お前らが弄りまわして殺したくせに」

「計画のための致し方ない犠牲―――コラテラル・ダメージってやつだよ。彼らは礎になったのだ……なんてね」

「嫌いだよ、お前」

「やだなぁ……悪いのは君たちニュータイプだよ。僕らは研究者らしく知的好奇心に則って人類のためにその秘密を暴きたいだけさ」

 

 ケイには人と違う部分が幾つかあった。

 ニュータイプ―――所謂ナチュラルとコーディネイターとはまた違う、第六感のようなものが人より優れている所がそれにあたる。

 だからこそであるが、この世界の研究者の目に留まった。

 

 コーディネイターという人為的に作られた天才が居るのだから、遺伝子を研究する者はこの世に多く存在している。

 そんな人間が、他者よりも優れた感覚を持つ人間を知れば―――当然遺伝子的な観点で原因を知りたいと思う事だろう。

 ケイはそんな人間の呆れる欲望の中で生まれた一つの可能性だった。

 ケイの親にあたる人物を複製したり、或いはその遺伝子と別の遺伝子を組み合わせたり―――資金繰りのために軍事研究に手を出したりもした。

 結果としてそれらはある程度の答えを研究者たちに示したが、功を焦った一部の研究者によって被験体の殆どが無駄に死んでいった。

 ケイという名前も、アルファベット順で番号づけられただけに過ぎない。

 【ケイ(K)・ムラサメ】……それが少年の名前。11番目の被験体―――10人もの兄弟が人の欲に弄ばれて亡くなっていった。

 

「しかし恨むのはやめてくれよ、ケイ。僕は君を買ってるんだ―――遺伝子操作や成長過程での直接的な改造では精神に問題が起こったニュータイプの作成レシピの最期のピースが、自然繁殖で生まれた普通の子供とはね。どおりで再現性が無いわけだ」

「もういい、どっか行け」

 

 ケイは男の脛を蹴ると、不貞腐れるように背を向けた。

 未熟を感じているが、返す言葉がそれ以上に見当たらない。

 男にとって研究しか取り柄が無いように、ケイにとっても彼の研究一つで生死が決まる事に変わりはない。

 訓練の時だけが己の生きる理由を感じさせる唯一の安らぎだったというのに、それも今日のカリキュラムを終えてしまったのだから厄日と言うしかない。

 

「血のバレンタインの英雄だとか、くだらない」

 

 TR計画はニュータイプを研究する事だけが計画ではない。

 ニュータイプを研究し、それらにしか扱えない兵器を作りデータを集める―――やがてそのデータを量産機へ反映し、質と量の双方で敵を圧倒する。それがTR計画の主だった目的である。

 そして件の事件はそのテストに赴いた先の偶然に過ぎない。

 研究機関―――ムラサメ研究所は資源や資金の面で連合と協力関係にあるものの、詳細には武器の研究なども行っているとはいえ独立機関である。

 所属不明機による核攻撃の阻止はプラントに緊張感を与えたが、しかしプラントの有権者ともつながりのある研究所が事件の隠ぺいに一役買い、表向きは【連合の反コーディネイター派の暴走】と片付けられた。

 あの時の事件が偶然か、はたまた研究所が被験体がケイでは都合が悪くなり核でもみ消そうとしたか。

 真相は定かではない上に核を用いる姿勢は気に入らないが、その際に機体に付けた兎のエンブレムがきっかけで「白兎」とも言われるようになったのは―――このエンブレムを作った兄弟たちが生きた証のようで悪い気はしない。

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 白兎―――昨今噂になっている所属不明の新型兵器。

 教授から渡された課題もまだ済んでいないというのに、ある生徒は監視カメラの映像に小さく映る白兎の事で頭が一杯だった。

 ザフトの機体と違う、ずんぐりとしたシルエットに大きな盾が―――重そうな印象なのにそれでいて恐ろしいほどの加速と、人が乗っているとは思えないほどの滑らかな軌道で核がコロニーへ迫る前に迎撃しきった。

 正確な射撃で一発も外さない所がこの機体のパイロットの腕を感じさせる。

 その時の映像を見ながら、生徒はため息を吐いた。なぜこんなにも気になるのか。

 戦争なんて好きなわけが無いのに、この機体に何故か気を取られる。

 

「お?キラのやつ、また白兎に恋してるぞ」

「なっ!?ち、違うよ!!これは……そ、そうだ、研究だよ!教授から頼まれて」

「嘘つけって、この前もそのボケボケの映像見てうっとりしてたじゃねーか。何が面白いんだか」

 

 キラと呼ばれた少年は友人からの指摘にそんなに見てたか、と数えてみたが―――それなりに見ていたかもしれない。動画サイトの再生数を独りで稼ぐ程には。

 

「そそそ、それより何か用?」

「ん、教授がお前の事呼んでたぞ。見かけたら引っ張って来いって」

「またぁ!?」

 

 人使いのあらい教授だと思いながらも、キラは手元の端末を閉じて移動するために立ち上がる。

 件の白兎が近くに居る事も知らずに、少年たちは紙一重の平和を今日も過ごそうとしていた。

 

 

 

 






Tips:ケイ・ムラサメ
ムラサメ研究所という研究機関で生まれたナチュラルの美少年。
人類の革新と言われる『ニュータイプ』とMSのパイロットとしての才能を持つ。
11人兄弟の末っ子であり、兄や姉は他界済みの天涯孤独。
名前の由来はアルファベットの「K」であり、11番目に生まれた事から付けられた。
他の兄弟と違い遺伝子操作されずクローンでもない正真正銘のナチュラルのニュータイプであり、研究所の偶然の産物もとい最高傑作でもある。
甘えたがりの末っ子でありながらも兄弟の死を皮切りに大人ぶるようになるが、それが原因で問題を引き起こす事もある。


Tips:TR計画
ケイの所属する研究所が立てた計画。
当初は生まれた子供たちの成長を待って緩やかに行われる筈の計画だったが、世界情勢の変化により過激化。非道な実験を繰り返していた。
ニュータイプ能力の研究と、それらを利用した兵器開発を指すものとして使われる。
しかしケイは計画の目指す先がそれだけではないという事を知っているため、計画に従って動いている。


Tips:キラ・ヤマト
ヘリオポリスで暮らす工学カレッジに通う少年。
謎のMS『白兎』が映り込んだ映像を常に持ち歩いている。
友人は居るものの疎外感や孤独感が強く、1人で居る事が多い。



~簡単にわかるケイ・ムラサメ~
ケイ「計画に必要な才能だけ持って生まれたよ!褒めて!」
研究所「(は?何この異常な感応波は?ほな他の兄弟要らんな、食い扶持減らすついでにやりたい事全部試すか)わあ、すっごーい!じゃあ計画始めるね!」
兄弟「命のバトン、繋ぎます」
ケイ「待゛ っ゛ て゛ !!」

現代ケイ「命のバトン貰ったから生きなきゃ」
連合「血のバレンタインや!核を使います!人のGO!」
ケイ「お前お前お前お前(核攻撃阻止」
???「残念、ユニウスセブンの内部テロのための陽動でした~(コロニー崩壊」
ザフト「ニュートロンジャマーや!人のGO!」
ケイ「」

主人公の見た目に関する挿絵

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