※この作品はR-18です。

機動戦士ガンダムSEED TR -輝ける星を目指して‐   作:開いたぞ、性癖の扉が!!

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第17話「消えていく光」

 

 

 

「ティターンズのケイ・ムラサメ少尉は居るかね」

「ムラサメ少尉、でありますか」

「居るのであれば出し給え―――彼に直接娘の護送を頼みたい」

 

 アークエンジェルのブリッジでは、マリューが第八艦隊の先遣隊と通信を行っていた。

 フレイの父、ジョージ・アルスターは大西洋連邦政府外務次官という肩書を持っているが『ブルーコスモス』のシンパとしても名前の知れている人物でもあった。

 ブルーコスモスはムラサメ研究所とも顔が知れており、ブルーコスモスの盟主を父に持ち国防産業理事を務める『ムルタ・アズラエル』は自身の財をかの研究所にかなり投資していた。

 環境保護のための眼を剥くような最新の技術から、非人道的かつ非合法の人体実験や兵器開発まで―――闇と繋がっていた研究所はそれらを相手に商売をしていたのだ。

 だからこそかのアズラエルから「ティターンズという腕利きが居る」と聞いた彼は娘可愛さにそれをタクシー代わりにしろと言うのである。

 

「しかし彼は我が艦の防衛の要でもありますから、他の適任を探しましょうか?」

「ダメだ、娘の身に何かあればどうするのだね」

「……承知いたしました」

 

 ナタルは対応をさせられるマリューを見て同情しつつも、政府と軍の関係性を考えれば従う他無いと内心で思う。

 まさか娘可愛さに貴重なMSをタクシーにされるとは思わなかったが、それでも気持ちは分からないでもない。

 少なくともMSで出て行く事も安全とは言い難い行為だが、彼らにとって―――というかこの世界ではMSとはまだ未知数の兵器であり、ようやくザフトだけでなく連合もその量産にこぎつけようという段階である。

 知らない新兵器を見てとりあえず安心だ、という気持ちはナタルたちも最初にストライクやヘイズルを見た時に思ったことだ。

 実際にはMSの操縦や白兵戦は難しく、決して乗れば安全というものではないが。

 

「ムラサメ少尉は至急ブリッジへ―――繰り返します」

 

 艦内放送がかかると、ものの数分もかからずケイはやってきた。こうした所作は子供のそれではなく、訓練された兵士である様子がうかがえる。

 

「ムラサメ少尉、出頭しました」

 

 敬礼をすると、ケイはモニターに映る先遣隊を率いる艦長と場違いな装いの男を見た。そしてそれが政府の者だと分かった。

 アークエンジェルは新造艦であり、中にはストライクという新兵器もある―――自分の出自でもある研究所関連ならなおさら自分を呼ぶ理由にはなるが。

 男はじっとケイを見ると、不満げな顔を隠さなかった。

 

「子供ではないか!」

「はっ、今年で15の若輩者ではありますが、MSの操作においては他の追随を許さない自負はあります」

「フレイ……娘と同い年だというのに、軍はこうも人手不足なのか」

「…………」

 

 ジョージは肩を落とすと、しかし聞いていた情報が正しければケイはアズラエル一押しのパイロットである。

 MSを扱うのだから、それなりに期待は出来ると踏んだ。何より娘の顔を早く見たいという気持ちが先行している。

 

「とにかくだ、MSに娘を乗せてモントゴメリへ運送してもらいたい―――報酬なら払う」

「……先遣隊との距離が離れすぎています。本艦は戦力も少ない上に現在ザフトの艦隊に追われているため、スラスターの軌跡一つで先遣隊に危険が及ぶ可能性もあります」

「そこを何とかするのが君だ!"無理を無理と言う事くらい誰にでも出来る"!」

「ッ!!」

 

 ケイの脳裏で同じ言葉を吐く金の亡者が浮かぶ。

 

 ―――この男も、そのシンパか。どうりで自分の名前を知っているわけだ。

 思った通り、フレイはブルーコスモスの家系だった。

 何故分かるのか?それはジョージ・アルスターの文言がアズラエルのそれと同じだからだ。

 しかし奴が関わっているなら、余計な事は出来ないだろう―――ケイは諦めてその提案を飲んだ。

 

「……承りました。すぐに支度を―――しかしビーコンは敵に察知される可能性があるので必ず出さずにお願いします」

「頼んだぞ」

 

 通信が切れる。

 それと同時にケイは舌打ちをした。

 民間人を乗せて先遣隊まで合流しろ―――自分一人であれば最速で迎えられるが、フレイがどの速度まで耐えられるか。

 そして自分がこの艦を離れれば防衛戦力が著しく低下する。相手にはあの嫌な殺気を放つ男と、アスランというキラの幼馴染―――ラクスの婚約者も居る。

 明らかに軍事的観点を逸脱した命令だった。

 それほどまでに愛情深いと言えば美談にも聞こえるだろうが、それで動かされる身にもなれという話で。

 

「ケ……ムラサメ少尉、ごめんなさい―――そういう事だから」

「心配はご無用です。フレイ・アルスターにはすぐに出発すると、そう伝えておいてください」

 

 マリューはケイの肩に手を置くが、既にパイロットとしての自分に切り替えたケイはそれを冷たく払うとブリッジを出た。

 機体更新後の初搭乗がお使いとなって不満が溢れながらも、ジョージ・アルスターの更に向こう―――アズラエルの顔を思い浮かべて我慢しながら、ケイはパイロットスーツを着用しに更衣室へ向かった。

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

 親が親なら子も子である。

 コーディネイターがよく言う『遺伝子が』という文言はこういう時に効力を発揮するものなのかとケイはうんざりした。

 ヘイズルのコックピットはケイと研究所の関係者以外入った事がないが、その貴重かつ機密に溢れたコックピットをこんな民間人のために公開しなければならない。

 

「ちょっと、何で私がこんなところで地べたに座らないといけないわけ?」

「これがファーストクラスの座席がある航空機に見えるか?揺れを気にして俺にしがみつくのを提案したのに、蹴ったのはお前だ」

「跨るなんて嫌よ!顔も見えるし、私急に呼ばれてシャワーもちょっとしか浴びられなかったんだから!」

「あっそ」

 

 足元で喚くノーマルスーツを着たフレイを他所に、ケイは出撃の準備をした。

 恐らく―――自分が後方のザフト艦なら、これを見て打って出るだろう。MSが2機、MAが1機しかないこの艦の戦力が減るのだから。

 あるいは先遣隊を先に潰し、退路の無いアークエンジェルを叩くか。

 ケイは己の勘に従い、最悪を想定しながらフレイにもそれを告げた。

 

「正直に言うが、最悪俺とお前かお前の父親―――どっちかが死ぬ覚悟で行けよ」

「何ですって!?守るのがアンタの役目でしょ!?」

「ランデブーポイントに近づいても無いのにこんなことをするんだ。俺は止めたぞ」

 

 ―――カタパルト接続。ヘイズル・アウスラ、スタンバイ!システム、オールグリーン!進路クリア!

 

『ムラサメ少尉、いつでもどうぞ!』

 

 ミリアリアがぎこちない発進シークエンスを行うのを他所に、フレイは未だにケイの足元で騒いでいた。

 もはやここまで来れば覚悟を決めろと言わんばかりに、ケイは出撃を開始する。

 

「ねえってば!本当に大丈夫なんでしょうね!?」

「口を閉じてしっかり捕まってろ、舌噛むぞ―――ケイ・ムラサメ、ヘイズル・アウスラ。出るぞ!」

 

 ―――きゃあああああっ!!!

 

 フレイの声がアークエンジェルから遠ざかる。

 シールド・ブースターだけでなくトライ・ブースター・ユニットと呼ばれるバックパックユニットにより更なる推進力を得たヘイズルは、フレイの叫びを置き去りにしてモントゴメリへ発進した。

 フレイはケイの忠告を聞けず、捕まらなかった結果コックピット内を跳ねまわる事になり―――結局ケイの膝の上で座る事になった。

 

「だから言った」

「……ごめんなさい。こんなに勢いがあると思わなくて」

「ヘイズルは良くも悪くもまだ発展形だからな、その辺は不親切なんだよ。エールストライクならもう少し綺麗に飛ぶ」

 

 ヘイズルのそれはシールド・ブースターやトライ・ブースター・ユニットで無理やり推進力を与えているようなものである。

 だからこそ目的地へは早く到着できるのだが、フレイが居る事でそれも難しい。

 件の彼女はと言うと、初めてのMSのコックピットに緊張していた。

 

「実際は狭いのにモニターのおかげで狭く感じないのね」

「全天周囲モニターはストライクにも無い。目視で敵を捕捉しようとするとどのみち足元と背後と真上は死角で意味無いからな」

「じゃあ何でこの機体はこうなってるのよ」

「作ったやつが贅沢なんだよ、後ろもわざわざサブモニターで出せるってのに」

 

 それが良いんだけどな、とケイは付け足した。

 全天周囲モニターは何だかんだで宇宙を身近に感じられる良いものだと言うのが、彼の持論だった。

 それにモニターが大きい分、サブモニターに色々と映せる―――つまり情報量が増えるという事であり、レーダーも合わせれば狭いコックピットで如何に多くの戦況を知れるかというのが重要だと考えていた。

 ケイは不思議と機体の事になるとよく喋る―――フレイは目の前の少年に年相応の男子らしさを感じた。

 フレイは足元のおぼつかない感覚に怖がってもいるようで、ケイを掴む腕の力が強くなる。

 

「……よくこんなので戦えるわね」

「そういう訓練をしてると嫌でもこれが安心するようになる」

 

 さあ、鬼が出るか蛇が出るか。ケイは恐らくこの好機を逃さないであろうザフトの出方をうかがった。

 政治家を軍艦に乗せるからこうなる―――戦争を知れば一挙一動が死に繋がる事が分かるはずだ。

 アルテミスから出た時点で既に二隻の艦に追われている事は確定している。一隻は補給のためか一度姿を消したが、既に合流しこちらへ向かっている頃だろう。

 止めはした―――が、ジョージ・アルスターが押し切った。これは政府と軍を二つに裂きかねないがケイの知った事ではない。

 

「――――またアイツか!!しがみ付いてろよ!!」

「えっ!?」

 

 ヘイズル・アウスラは突如ローリングした。

 それはモントゴメリの搭乗員を困惑させたが、ヘイズルが元居た場所に大口径ビーム砲による射撃が通り過ぎるとその意味を理解した。

 しかし遅すぎたとも言える―――MS1機ならば回避可能だったそれは編成された艦隊では身動きが取りづらく、方向転換もままならない。

 続けざまにジャマーがレーダーを阻害し、本格的に戦闘が始まろうとしていた。

 

「敵!?なんで、アラートも鳴ってないのに」

 

 ニュータイプの危機察知能力がレーダーを上回りフレイが慌てふためくが、ケイはモントゴメリへ通信をするためにそれを無視した。

 そして通信を繋ぐと表示される、青い顔のジョージ・アルスターとモントゴメリの艦長。恐らく艦艇では敵を察知できなかったのだろう。

 

「ふ、フレイ!」

「パパ!」

 

 感動的な再会だが、そうは言っていられない状況だった。

 ヘイズルは未だにモントゴメリの射線を遮らないように接近しているが、ハッチを開けさせて出迎えられるような場合ではない。

 現にMAが緊急発進させられており、恐らくパニックであるだけの数のMAを出撃させようとしたのだろう―――MAが整備員によって艦艇から押し出された。

 ケイはフレイをアークエンジェルに戻すために引き返す必要がある。

 モントゴメリではMSを安全に着艦させる設備が整っていない。そのため敢えて遠くに居るアークエンジェルへ戻ろうと言うのだ。

 それに最悪敵が先遣隊を無視しても、ケイはフレイをそのまま連れて逃げる事が出来る―――少なくとも艦隊よりも小回りが利く。

 

「モントゴメリへ通達、本機は敵機に捕捉されているため合流を取りやめる―――!」

「何を今更!娘が目の前に居て、また戦場に送り返せと言うのか!それでもアズラエルの犬か、貴様!」

「もうここが戦場だって、まだ分からないのか!?中止だ中止!」

「ええい、私も出る―――私が輸送機でフレイを回収する!」

「パパ!どう見ても無理よ!コーディネイターがそこまで来てる!」

「ちぃっ、正気じゃない!!」

 

 ケイは艦砲射撃の砲口をこちらに向けられ、慌てて機体に先遣隊の艦隊の下を潜らせ反転した。

 この艦隊と連携して相手をしなければケイとフレイが宇宙のごみの仲間入りになるだけだった。

 計器には映らない程の距離、ケイにしか見えないそれに向かって肩部ウィンチキャノンを撃つ。

 直撃コースのそれはギリギリで回避されたものの、慌てたイージスが姿勢を崩していた。それはスラスターの光でフレイにも目視できた。

 

「み、見えるの?今のが?」

「いいから、無事でも祈ってろ―――お前じゃ勝利の女神にはなれそうにないけどな」

「何よそれ!?」

 

 ようやく先遣隊も戦闘に入ろうかという所で、アークエンジェルの動向が気になった。

 来てほしくは無いが、マリューの事だ。フレイや先遣隊の事を無視して引き返すという事は無いだろう。

 そういう所で既に艦長向きのメンタルではないが、妙に納得が出来てしまうので嫌悪感は少なかった。

 であればヘイズルはこの艦隊とアークエンジェルの連携を阻害しない動きをするしかない。

 ケイが行動を移そうとしたその時だった。

 視界の端―――モントゴメリの動きが鈍い。

 エンジンをやられたわけでもない―――明らかに内部で何かが起こっている。

 次の瞬間、モントゴメリのハッチから光の帯がポツポツと列をなした―――ガイドビーコンだ。

 

「まさか、あいつ!!」

「パパ!?」

 

 そうしてガイドビーコンが完全に灯されると、ノロノロと輸送機が発進する。その操縦席にはジョージ・アルスターその人が見えた。

 ケイは頭に血が上ると回線を繋いで激昂した。

 

「ガイドビーコンなんか出すな!!死にたいのか!!」

 

 そしてそれはケイの想像通り、ガイドビーコンという夜闇に光る街灯に群がる虫のようにジンとイージスがこちらを捕捉した。

 非常時ではガイドビーコンを出す事は推奨されない―――ここまで接近されていれば猶更だった。しかし輸送機に乗ったのが素人であり政府高官ならば、出さずにはいられなかっただろう。

 この状況で船を降りる―――つまりは逃亡しなければならないような人間である事はザフトの兵士には理解できた。つまりそれが連合にとって失いたくない何かであることも。

 だから、イージスは大口径エネルギービーム砲『スキュラ』を、ジンは手持ちのライフルを身動きの取れないモントゴメリへ放った。

 それは輸送機の出撃のために停止した艦艇を易々と貫き、その巨体を支える動力部が爆発した。

 爆発の規模は凄まじく、ケイの乗ったヘイズル・アウスラも余波の影響で弾かれる。

 未だモントゴメリの近くでまごついていた輸送機は助からないと分かる規模の爆発だった。

 

「いやあああぁぁぁ!!パパ!!……パパぁっ!!」

「……だから言った!!」

 

 ショッキングな光景に固まるフレイを無視し、ケイは即座に艦艇を沈めて油断したジンにロング・ブレード・ライフルによる射撃を食らわせ撃破した。

 横目に少女を見る―――暫くは騒がないだろう。全身に力は無く、ケイの身体にだらんと預けている。

 だがケイ自身はどうだと言われれば、調子が良くない。

 

 ―――生の感情を浴びすぎた。気持ちが悪い……!

 

 イージス、フレイ、そして彼女の父とモントゴメリ含む先遣隊の搭乗員。

 それらの思念がケイを苦しめていた。

 ニュータイプとしての感度が高過ぎるケイは、それらが自分の身体をドロリと通り抜けるような気持の悪さを感じて顔を顰める。

 特にフレイは距離が近すぎたせいで悲しみや動揺まで感じるようになった。

 

「MAはどうなってる……!」

 

 視界だけでなく全てで味方を探すが、ロクな味方は居ない―――また一機撃墜された。

 そしてそれを眉間に皺を作って確認すると、アークエンジェルの方向から気配がした―――ストライクとメビウス・ゼロだ。

 恐らくモントゴメリからの通信で反転するように言われたが、無視をしたのだろう。

 

「やっぱりか……来るな!先遣隊はもう役に立たない!」

「でもまだ……助けられる人が居るかもしれない!」

「あれはもう死に体だ!敵の本当の狙いはアークエンジェルとお前なんだぞ!」

「遅かったか……嬢ちゃん、引き返すぞ!」

「……はい!」

 

 キラは渋々だったがアークエンジェルの直掩に回った。

 ようやく戦況が見れるようになったと、ケイも少し口論する予想を立てていたが空振りに終わった。

 モントゴメリやバーナード、ローに取りついていたジンを3機で撃墜しながらアークエンジェルへ引き返す。

 が、やはりと言うべきかイージスを始めとする精鋭と言うだけあって中々逃がしてはくれない。

 ムウは通信を開くと、囮を買って出た。

 

「兎に角ムラサメ少尉はフレイの嬢ちゃんを降ろしてやれ。その方が全力で戦えるだろ」

「了解」

 

 通信が切れたタイミングでヘイズルが爆発的に加速する。

 メビウス・ゼロを駆るムウはそれを見て殺人的な加速だと感嘆すると、反転しイージスへ攻撃を始めた。

 キラはそれを援護しようとしたが、ムウに制止されアークエンジェルとヘイズルの着艦を援護した。

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 アークエンジェルにガイドビーコン無しで危なげなく着艦したケイは、ノーマルスーツの中に涙を溜めるフレイを整備員に預けてまたも出撃した。

 彼女の事は婚約者のサイという男が何とかするだろう―――今はイージスとストライクを引き合わせない事が重要だった。

 幾ら口や心では戦えると言っていても、キラに幼馴染を殺したその後の考えがあるとは思えない。

 なら自分が殺した方が後腐れが無い―――民間人のキラが自分で手をかけて後悔するくらいなら。

 それにシグーのパイロットの気配もする。十中八九奴はこちらを目指しているだろう。

 生き残りのMAを相手にしていたジンを相手の認識外から撃ち落とす。

 ムウは善戦しているようだったが、イージスのパイロットの腕もありそれがいつまでもつか。

 

「白兎か……!」

「すまん、MAだとこれが限界って所だ―――撤退する!」

 

 ムウがイージスによって機体にダメージを負い撤退する。

 MAでイージスやジン相手にヘイズルの往復までの時間を稼いだのだから、十分すぎる働きをしたと言える。

 伊達にエンデュミオンの鷹と呼ばれているわけではないとムウを見送ると、ケイはイージスに向き合った。

 

「機体を変えようと、俺はお前を……!」

 

 アスランは目の前の姿を変えた敵を見据える。

 構えるイージスのその背後、彼を援護するかのように1機分の光が向かう。

 ケイは天性の第六感でその正体を察知し、苦い顔をした。

 

「また会ったな、白兎―――!」

「シグーか……!」

 

 最悪の1対2が始まろうとしていた。

 

 

 




Tips:ムルタ・アズラエル
デトロイトに本拠を置く軍需産業をはじめとする企業グループを取りまとめる経営者であり、研究所の出資者の一人。出資額の殆どを占めているため発言権が他の人間よりも強い。
本来であればブルーコスモスの盟主を務めている筈が、この世界では環境保護団体として体を成さないブルーコスモスに危機感を抱き「昨今のコーディネイター勢力の台頭は自身の不徳の致すところ」という名目で父親にその席を譲っている。
ただ、総資産は父親を優に超えるため親子関係は複雑。

Tips:ジョージ・アルスター
大西洋連邦の外務次官でフレイ・アルスターの父親。
ブルーコスモスに所属しており、娘の無意識に差別感情が見られる程の反コーディネイター主義を掲げている。
不甲斐ないアズラエルの犬の代わりに娘を自ら迎えに行こうと輸送船を操作するくらいには親バカ。モントゴメリの善意でガイドビーコンを出してもらったが、その光をザフトに目撃され死亡した。

Tips:ケイ・ムラサメ
ガイドビーコンなんか出すな!→言わんこっちゃない
アズラエルの犬と言われて不快感を隠せない。

主人公の見た目に関する挿絵

  • いるね
  • いらないね
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