第一話
大人気VRゲームDMMORPG<ユグドラシル>
大気汚染が世界中で蔓延して、ガスマスク無しには外も歩けなくなった時代にそれは生まれた。
多彩で広大な世界観でキャラクターが人間以外の種族からも選択が可能であり、選べる職業も豊富であった。
そしてVRということもあり、まるで現実のような風景で遊べることからその人気は止まることはなく、一時期は社会現象にも成ったことがある程であった。
人気が高かった理由としては、単純に楽しかったこともあるが、大気汚染の進んだ現実の世界から現実逃避をする場所としていたことも人気の理由の一つであろう。
多くの人がユグドラシルでの冒険を楽しんだ。多くの人がユグドラシルを心の拠り所にしていた。
——しかし、それは永遠には続かなかった。どんなものにも始まりがあれば必ず終わりが来る。
そしてそれは、ユグドラシルにおいても例外ではなかった。
どんなゲームでも10年以上も続けていれば大抵の人は飽きてくる。年月が経つに連れてユグドラシルを辞めていく人がどんどん増えていった。そうなれば運営は成り立たたなくなっていく。辞めていく人たちを引き留めるために運営がイベントなどを催したが、焼け石に水でありその勢いを止められはしなかった。
そうしてユグドラシルが開始してからちょうど12年が経った日、ログインユーザーたちに『6か月後にユグドラシルのサービスを終了する』という情報が運営から通達された。
——ハチマンside
「とうとう、今日がユグドラシル最後の日かー……」
俺は、街の近くにある小さな丘の上から街を見下ろしていた。
昔来たときはそこら中にプレイヤーが溢れ返っていて大変賑わっていた街も、今やあまり人のいなくて活気があの時よりないように見える。
今日でユグドラシルが終わってしまうために俺のテンションは下がり気味である。ほんの数年前まではとてつもない人気を誇っていたゲームであったが、何年もすればいずれ飽きられる。それによって多くの人がこのゲームから去っていった。
そしてそれは、俺の所属しているギルド『アインズ・ウール・ゴウン』も例外ではなく、理由こそ様々であったがどんどんメンバーが引退していき、結局最後まで残ったのは俺とギルドマスターのモモさん(モモンガさんの略称)だけであった。
モモさんは今日が最終日だから来てくれるかもしれないからと言いギルメン全員にメールを送っていたが……俺は来ないと思っている。
なぜなら、俺たちのギルドは社会人だけで結成されているから。みんな生きていくためには働かなくてはならないし、中には結婚している人もいたから家族のためにこのゲームを辞めた人もいた。現実の世界の仕事は超大変なのに対し給料は安い職が多いため、生きていくだけでも厳しい。そんな忙しい日々の中で、数年前に引退したゲームためだけに仕事を休んでまで俺は来ないと思っている。
——所詮大切とは言っても、ゲームの世界であるため現実と比べたら些細なことでしかない。
————しかし、俺にとってここは現実世界よりも大切な場所である。
現実の世界において俺はただのサラリーマン。大気汚染された世界において仕事に就くこと自体が難しいためサラリーマンでさえも良職とされているが、俺にとっては地獄とさして変わらなかった。毎日の過酷な仕事と深夜残業に加えて上司のご機嫌取りや上層部のやらかしの後始末などをしていくのだ。辛くないはずがなかった。まぁ俺的に一番嫌だったのは、取引先の年取った肥満体型のババア相手に性接待をしたことだな。あれは身体的にも精神的にもキツかった。他よりも若く顔が整っているからという理由で、それを上司に命令された時はマジで殺そうとも思ったほどだ(まぁ最終的には、ボーナスとして数か月の給料を貰えるとのことで渋々了承したわけだが)。
……話を戻そう。上記の通り仕事はとんでもなくキツイと分かってもらえただろうが、現実での生活でキツイのは仕事だけではないのだ。自然がほぼ崩壊した現実世界において食糧不足が深刻な問題となっており、生の食材はとんでもなく高価であり食えるとしたら上の階級の人たちだけで、たまに市場に流れてくるものだって俺の年収全部使って買えるかどうかというぐらい高価である。そのため俺たち庶民が食うのは栄養ゼリーやカプセルとなるわけだが、栄養状態はともかくまともなものを食えないことにより精神状態は日々悪くなっていく一方。
はっきり言って、『ふざけんな!!』の一言に限るような生活。正直な話、何度も会社を辞めようと思ったことか…! ……だが、俺は辞めなかった。
会社の帰りに偶々寄ったゲーム屋にて『ユグドラシル』を見つけてやり始めたことで、俺はこのゲームに嵌っていった。その時から俺の人生はユグドラシルを中心に回り始めた。最低限生きていけるだけのお金以外はすべてユグドラシルで使った。僅かな自由時間も少しの睡眠時間以外はずっとユグドラシルにいた。ユグドラシルさえあれば俺は幸せだった。だからどんなに辛くても他の会社よりは給料がマシだったので会社は辞めなかった。心底嫌ではあるが、取引先との性接待だって率先的に受けおった。ユグドラシルに課金して楽しむためだ。
俺の人生は、全ては『ユグドラシルをやるために』であった。
……だが、今日でそれも終わる。俺の人生は今日をもって終わりになる。
あと数時間も経てば、ユグドラシルを始める前の糞みたいな生活に戻ることになる。あの夢も希望のなく、ただただ退屈で辛い毎日が過ぎてゆくあの時に……。
————そんな世界で生きるぐらいなら、いっそ…………
ドーンッ!! パーンッ!!
そんなことを考えていた俺は、街から聞こえる花火の音により意識が戻された。街の方を見てみると大きくて綺麗な花火が多数打ちあがっており、それを街の中にいるプレイヤーが騒ぎながらそれを見ていた。
「…もう15分前か。そろそろ、ナザリックに戻るとしますか…」
唯一の残留メンバーであるモモさんとの約束を思い出し、俺は立ち上がった。もう一度街の方を見てみると、多くのプレイヤー(昔と比べると大分少ないが)がおり最後までユグドラシルを見捨てなかった人たちがこんなにいることに対しほんの少し喜びを感じながら、俺はアイテムを使ってナザリックへと転移した。
———モモンガside
「モモンガさん、お疲れさまでした。またどこかで会いましょうね」
そう言ってヘロヘロさんはログアウトしていった。俺はもう少し残らないかと声を掛けようとしたが、ブラック企業で働いて疲れているヘロヘロさんを無理に引き留めるのも悪いと思って途中で言葉を噤んでしまい右腕が中途半端に伸びた格好でヘロヘロさんを見送った。
「また会いましょう、か。…ここ(ユグドラシル)以外で一体どこで会えるんだか…」
俺はログアウトしたヘロヘロさんがいた席を見つめながら残り時間をどう過ごそうと考えていた時ふと、先程ヘロヘロさんがログアウトする前に言った言葉が頭をよぎった。
『しかし驚きました。まだナザリック地下大墳墓が残っていたなんて』
本人にとっては悪意はなく、単純に驚きであったからつい言っていたのであろう。しかし、俺にとってその言葉はとても心に突き刺さるものだった。
その発言を思い出したら、俺の頭の中は怒りで支配されてしまい気付いた時には目の前のテーブルを思いっきり叩いていた。
「ふざけるな!! ここはみんなで作ったナザリック地下大墳墓だろ!? なんでそんな簡単に見捨てることができる!?」
だが、俺は怒って思いの丈を叫んだおかげか少し冷静になった。
別にみんなはここを捨てたわけではない。各々がやむを得ない事情があって引退していったのだ。それに俺たちは全員社会人、生きていくためには仕事をしないといけない。ギルドメンバーの中には家族がいる人もいるので、ゲームと現実のどちらを優先するかなんて誰にでもわかる。
そう、この状況は‶仕方のないこと″なのだ。
「そうだよな。仕方がないことだよな……」
「——元気ないですね、モモさん。何かあったんですか?」
声のした方に俺が目を向けるとそこには円卓の間の扉を開けて立っている者がいた。考え事をしていたせいで周りが見えずに気づかなかったんだろう。そこに立っていたのは、唯一俺と一緒にユグドラシルに残ってナザリックを支えてくれた友人のハチマンさんであった。
——ハチマンside
俺はナザリック地下大墳墓の前に転移して、ギルメンだけが所持している<リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウン>を使って第9階層に転移した。
モモンガさんがどこにいるかはわかっていたので真っすぐ『円卓の間』まで行ったまではいいのだが、扉を開けて俺の視界に映ったのは元気がなさそうな友人の姿だった。
モモさんは、『死の支配者/オーバーロード』であるため、全身が骨だけでできておりその上から高価なローブを着ている。まさに、支配者のような感じを醸し出している。ぱっと見ただけだと顔を下に向けているだけの様に見えるが、付き合いの長い俺にはモモさんがどこか元気のないように見えたのだ。
「ああ、ハチマンさん。来てたんですね、全然気が付きませんでしたよ」
「『一緒に最後迎えよう』って約束したんですから、そりゃあ来ますよ。…それよりも、何かあったんですか?」
「……実は、さっきまでヘロヘロさんがインしていたんですが、寝不足で明日も早いからといってログアウトしていまいまして…」
「あ~、確かにヘロヘロさんのところとんでもないブラックだって言われてたな」
ヘロヘロさんとは、俺たちのギルドのメンバーでスライムの上位種である『古き漆黒の粘体/エルダー・ブラック・ウーズ』のことである。
メイド好きということでブリムさん(ホワイトブリムさんの略称)やグラースさん(ク・ドゥ・グラースさんの略称)を交えた4人でメイド話をしていたのは良い思い出だ。懐かしいなぁ、一般メイドや戦闘メイド六連星<プレアデス>などの作成の際には俺も素材集めを手伝ったもんだ。
「その、忙しい中来てくれたことはとてもうれしかったんですけど……できれば、最後まで残ってくれたらなぁと思ってしまって……」
モモさんは言い淀みながらも、思っていたことを素直に告げてくれた。正直に言うと俺もその気持ちはあるが、みんな現実(リアル)で忙しいため仕方がない。モモさんは優しいため忙しい中来てくれたヘロヘロさんにそんなわがままは言えなかったのだろう。
仕方のないことではあるのだが、このままだと最後だというのに暗い気持ちのまま終わってしまうこととなる。
そんな状態で『ユグドラシル』の終わりを迎えるのは駄目だと思った俺は、話を切り替えるためにモモさんへとある提案をした。
「……それはしょうがないことですよ、モモンガさん。——そうだ! もう少しで終わっちゃいますけど、最後は悪の組織らしく玉座の間で迎えませんか? 俺はいい終わり方だと思うんですけど」
「……それもそうですね。あ、それじゃあ最後なんであれ持って行きましょうか」
俺の提案に乗ったモモさんの雰囲気は、先程よりは良くなっていることに俺は安堵した。
そんなモモさんが目を向けたのは、俺たちのギルド武器である《スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウン》であった。
あれを見ると制作の際の思い出があふれ出てくる。あれを作るためだけに多額の金や数少ない有休をつぎ込んだりしたもんだ。中には家族のことを二の次にしてこれを作ってた人もいた。本当に色々なことがあったんだと思える。
そういえば『ギルド武器』ということもあり作ったはいいけど、これまで一度も使ったことがなかった。本来なら『ギルド武器』を持ち出すのはリスクのことで褒められない行為なのだが、こんな最後になってわざわざウチにカチコミに来るような酔狂な奴がいるとは思えないし、今まで他人に遠慮しまくっていたモモさんからの願いであれば俺に断るという選択肢はなかった。
「いいっすね、それ。より魔王の風格がでていいと思いますよ」
そんなことないですよと手を振って否定くるモモンガさん。本人はああいっているが、モモンガさんが持つと本当に魔王なんじゃないかと思うくらい似合っている。
実際に6~7年ぐらい前、運営がイベントとして『誰が一番の悪役に見えるか』というコンテストを催したときに、俺やペロさん(ぺロロンチーノさんの略称)を中心とした他のギルメンたちとでモモさんに内緒でコンテストにギルド武器持たせたモモンガさんの写真を送ったら、なんと優勝してしまったのだ。その時のこととPvPの強さから、モモンガさんは世間から非公式のラスボスと言われるようになった。
ちなみにその後、モモさんに勝手に写真を運営に送ったことがばれてすごく怒られたが、優勝景品である神器級のアイテムを渡したらすぐに機嫌が良くなった。
この時の写真を俺はまだ持っているので、忘れられない記憶の一つである。まぁ、本人に見せたら怒ると思うが…。
「じゃあ行こうか、我がギルドの証よ」
俺たち二人は円卓の間を出て、第10階層にある玉座の間へ向かうべく足を進めた。
道中にプレアデスたちがいたので、最後くらいは仕事をさせてあげるべきと俺が言ってモモンガさんが了承したので、俺たちの後ろに追従するように命令して俺たちは『玉座の間』へと歩みを始めた。
——数分後。
「いつ見ても派手だな~、この扉」
「まぁ、作った人たちが変態レベルでしたし」
俺たちは玉座の間の前まで来たが、いつ見てもここの扉はデカいだと思う。そしてその扉がゆっくり開いたことで、玉座の間の中が見えてきた。部屋の左右には俺たちギルドメンバー全員の旗が掲げられており、真ん中には長く真っ赤で綺麗な絨毯引かれていて、天井には巨大なシャンデリアが飾られていてどこか神聖な雰囲気を醸し出していた。
俺たちはその中を進んでいき、玉座の前まで来た(連れて来たプレアデスたちは玉座の下で跪くように命令した)。
そうして辿り着いた玉座の横には、頭に角があり腰から翼が生えてる以外はとても容姿が整っている美人な女NPCの『アルベド』がいた。
アルベドは、ギルドメンバーの一人であるタブラ・スマラグディナに作成したNPCで、第1階層から第8階層までにいる階層守護者を束ねる守護者統括という役職に就いている。
そして俺は、他のNPCとは違ってアルベドに関しては少ない関わりがある。
「改めて見てみても、アルベドって凄い美人ですよね(タブラさんどんだけ課金して創ったんだろ)」
「確かに凄い美人ですよねアルベド。そういえばアルベドって、ハチマンさんがタブラさんに頼んで創られたNPCの一人でしたっけ?」
「ええ、まぁ」
そう、実はアルベドは俺がタブラさんに依頼して作成してもらったNPCの一人なのだ。つまり俺は、アルベドにとって産みの親ということとなるのだ!
……まぁ見た目と役職以外は、ほとんどタブラさんに任せきりだったので正直怪しい所ではあるが。
「アイテムとかならともかく、俺にはタブラさんやブリムさん(ホワイトブリムさんの略称)たちの様なキャラ創りの才能はなかったので。そういえば、作成は頼んでたけどアルベドの設定は見たことなかったなぁ」
「そうなんですか? でしたら、ちょっと覗いてみませんか? 俺もアルベドがどんな設定を付けられているのか気になりますし」
「そうですね。俺も気になりますし、どうせ最後なんで見てみましょうか!」
ユグドラシルでは、制作したNPCには『フレーバーテキスト』というものがあり、そこに自由に設定を付け加えるが出来る。もちろん、設定を付けたからといって特別何かが起きるわけでもなく、文字通りあくまで香りつけでしかない。ただ、アルベドを制作したタブラさんは俺たちのギルドでは『設定魔』として知られており、作ったNPCには絶対に設定を付ける。だから俺は、このアルベドにタブラさんがどんな設定にしたのかが気になった。
俺が了承するとモモンガさんが、《スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウン》を使ってアルベドの設定画面を開いたから覗いてみたのだが、それを見て俺とモモンガさんは後悔した。
なぜならそこには——
………
……
…
「「いや、長っが!?」」
——とてつもない量の文章が書かれていたからだ。
あまりの文章の多さに眩暈ともう設定画面を閉じてしまいたい衝動に駆られたが、「わざわざ開いたのにすぐに閉めるのはそれはちょっと」とモモンガさんに言われたので、取り敢えず読むことにした。まぁ、読むといっても今の俺たちには時間があまりないから、スライドして流すように読んだんだけど。
そうやってどんどん下へいって最後の文章を見たときに、俺たち二人は固まった。なぜなら、アルベドの設定の最後の部分に『ちなみにビッチである。』と書かれていたからだ。
「ビッチって……」
「あ~、そういえばハチマンさんはビッチ否定派でしたっけ? というかそれ知った上でわざわざアルベドの設定に『ビッチ』って付けたんなら、タブラさん性格悪すぎでしょ!?」
「あー、思い出した。そういえばアルベドが完成した際に、やけに設定を見ろって迫ってきてたっけ。見た目が完璧だったからほとんど読まなかったけど……。あれはそういうことだったのかよ…!?」
今頃になってタブラさんからのちょっとしたイタズラに俺は頭を抱えてしまう。見た目は俺の好みドストライクなのに、中身は俺の嫌悪するビッチとか……あの人最後にとんでもねぇ置き土産していきやがって……!!
俺がそんな風に頭を悩ましていると、モモさんが《スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウン》を用いて最後に書かれていた『ちなみにビッチである。』という11文字を消去していた。
「流石にビッチは俺としても可哀そうだと思いまして。…でも、どうします? 消したは良いですけど、タブラさんの設定に空きがあると何かもやもやしますし……何か書いた方がいいですかね?」
「まぁ、何かしら書いた方がいいとは思いますけど……う~ん、何を書いたものか」
「ん~。…………あっ! そうだ!! だったらこういうのはどうですか?」
俺が残りの11文字に何を書こうか悩んでいると、何やら閃いたらしいモモさんが文字盤をタッチしていった。打ち終わったのを見て、モモさんが何を書いたのを確認するために覗いてみると、そこにはこう書かれていた。
『ハチマンを愛している。』と。
「ちょいちょい! ちょっとモモさん、止めて下さいよ!/// これモテない奴がやる、恥ずかしいやつじゃないですか!?///」
「えー。別に良くないですか? どうせ今日で全部なくなっちゃうんだし、最後くらいこれぐらいふざけたって誰も笑いませんって! それに確かぺロロンチーノさんや獣王メコン川さんも自分のNPCに似たようなこと書いているので、ハチマンさん一人だけじゃないですから!」
「ん~…(ペロさんやメコ川さん(獣王メコン川さんの略称)と同じとされるのはちょっと引っかかるけど……まぁ、どうせ最後だし別にいいか) ——はぁ、分かりましたよ。それでいいですよ」
モモさんがふざけて書いたことに抗議した俺だが、どうせ今日で最後ということと他にも仲間がいることを引き出して問題ないと言って来た。
正直言ってめっちゃ恥ずいのだが、モモさんの言う通りであることやモモさんが『円卓の間』にいた時よりも楽しそうにしていることに比べたら俺の羞恥心など些細なことだと思ったので、俺はそう書き直すことを了承した。
「じゃあ、これで決定! あっ、そうだ! ついでにニグレドとるベドの2人の設定にも、『ハチマンを愛している。』って書いておきますねw」
「……もう好きにしてください。ここまで来たら、一人も三人も変わりませんし」
そうやってアルベドたちの設定に無事(?)俺の黒歴史が刻まれた後は、昔のことなどで盛り上がったりしたことで、気が付いたらあっという間にサービス終了時刻の1分前となっていた。
それを俺が確認すると、モモさんが顔を向けて話しかけて来た。
「あと一分で終わりですね」
「そうですね。……ハチマンさん、今まで本当にありがとうございました。あなたがいたからこそ、俺はこうやって最後までこのゲームに残ることができたんだと思います」
「! ————いやいや、それを言うなら俺の方こそですよ! モモさん、あの時あなたが俺をこのギルドに誘ってくれなかったら、こんな最後を迎えるのは不可能だったと思います。だからはっきりと言えます。俺はモモさ……いえ、モモンガさんとこのギルドの皆さんと会えて、幸せでした」
モモさんの口から出てきたのは、俺への感謝の言葉だった。それを聞いた俺は、出るはずもないのに目に熱いものが込み上がってくる感覚に襲われたために手で覆った。そして、息を整えた後に俺もモモさんへ向けて感謝の言葉を告げた。例えこれが、最後の挨拶となってもいい様に。
「っ!! ——ありがとうございます……っ。…………では、さようなら。ハチマンさん。また何処かで会えることを願ってますよ!」
「ええ、また何処かで会いましょう! モモさん!」
そう言い終わった後に、俺たちは目を閉じた。
時間は00:00となり、これにてユグドラシルは終了した。
………
……
…
——ん?
「「あれ?」」
——そして、ここに‶新たな世界″が始まった。
どうも皆さんお久しぶりです! 『カチコミ侍ニン任にん』です!
今年はようやく大学を卒業し、就職先も決まって個人的には一安心なところですが皆さんはどうお過ごしでしょうか?
上記のこともあり色々と準備があったため、今日まで投稿が出来なくて申し訳ないと思っております。申し訳ありませんでした!
そして、これからはどんどん投稿頻度を上げていきます! ……っと、言いたい所なのですが、実はまだまだ仕事に慣れていないためまたしばらくの間は投稿が不安定になってしまうことを予め伝えると共に、謝罪をさせていただきます。すみません!!
できるだけ早く仕事に慣れて、色々と滞っている話の投稿を少しでも多くしていきたいとは考えておりますので、どうかお願いいたします。
それと、この話を見て面白いと感じてくれた方は、『高評価』と『お気に入り登録』、『感想』のほどをどうかよろしくお願いいたします!
それでは皆さん、さようなら!