※この作品はR-18です。

電車に揺られて   作:霧里

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DLC:夢の終わり(Hシーン

 

「どうしてだよ…」

 

放課後の空き教室。伽藍としたその空間に、力のない声が響く。

怒鳴りつけたって良いはずなのに、私を前にした彼の問いかけは、ただやるせなく、やりきれない思いに満ちていた。

 

やっぱり優しいな、清水くんは。

 

私だったらきっと「どうして?」なんて言わずに、感情のまま喚き散らしていた事だろう。それを分かっていて、こんな事しちゃってるんだから、私も大概悪い子になってしまったもんだ。

 

「どうしてってさ…」

 

言われて少し困ってしまう。

 

思い当たる節なんて幾らもあった。

 

私がここにいる理由だとか、パパ活に興じている訳だとか。

それとも、清水くんの告白に、後ろめたさを感じながらも頷いてしまったのもそうだろうか。

 

「そんなの、どれもだろ…。北見は…だって、そんな事するやつじゃ…。それに、お前だって俺と、ずっと仲良くしたいって。 なんか、訳とかさ? あるんだろ?」

 

こうなることは分かってた。

 

あの人が相手をしてくれない日。欲求不満を持て余した私は、裏アカウントを作ってSNSで相手を探す様になっていた。それも、主に同級生。同じ学校の相手を狙ってだ。

 

結果としては大成功。

 

同じ学校に通う相手と隠れてエッチをする。

清水くんと付き合っていながらも、内緒で重ねる逢瀬。

その背徳感といったら堪らなかった。

 

すれ違った廊下では知らない顔をしながらも、その裏では体を求め合う。

年上の先輩にリードされるのも、年下の後輩を可愛がるのも良い。

酷い時にはさ、彼女がいる相手と浮気エッチをしたり、学校の先生まで私を抱きに来たりして、自分の魅力に自惚れたって良いだろう。たとえそれが、若い女の体の価値に依存するものだったとしてもだ。

 

もう、公然の秘密だった。

 

見て見ぬ振りをするのが正解。誰も告発しないし、出来ないのは、芋づる式に自分たちの行いが吊るし上げられるのを恐れていたから。

 

当然、小耳に挟んだ女子たちからは距離を置かれるし。どこそこでは、急に彼氏に振られたと、泣き出す女の子が現れたりと、もう校内の恋愛事情でさえグチャグチャだ。

 

正直、優越感はある。

 

今まで誰も見向きもしなかったのに、ちょっと体を許して上げただけで、急にチヤホヤされるんだもん。年頃の男の子の性欲には恐れ入る。振られた女の子だってきっと、彼に何もさせて上げてなかったに違いない。

 

そんなになってしまった私が、どうして彼からの告白をOKしてしまったのか。

 

別に、悪気があった訳じゃない。あの日、ホテルから帰った時までは、もう付き合うだなんて考えはなかったんだ。

 

なのにさ。

 

これも未練かな。

 

ううん、ただの執着だったと今なら分かる。

 

帰り道。駅から続いていた二人の道が分かれる間際。「好きだ」と言われた瞬間に、胸が高鳴ってしまった。「ごめん」て、本当ならその時に言うべきだったんだ。

 

あの時は、告白みたいに言っちゃったけど、やっぱり私は貴方とは付き合えないって。正直に全部を話して、ちゃんと終わりにするべきだった。

 

でもさ?

 

言えると思う?

 

あの人に散々犯されましたって。もう、エッチなこと無しじゃ生きていけませんって。結局、私は何も変わってない。大事な所では決めきれず、流されるままに頷いてしまった。その結果が今の私なのに、その結末に希望なんて無いのが分かっているのに。

 

少しだけ、夢を見たって良いじゃない。

 

好きな人と付き合ってさ、愛し合えたら良いなって。

 

けど、そうなる前にバレちゃったのだけは失敗だったかな。ううん、それはただの自業自得で、何もかも私が悪いのも分かってる。

 

結局、全部台無しになっちゃった。

 

私の作った裏アカに、彼から連絡が来た時には、もう何もかもが手遅れだった。

SNSのアカウント名こそ変えられていたけれど、使われているアイコンは、私が良く見知ったもののままだったんだもん。普段はしっかりしてるくせに、こういうちょっとした所で抜けているのも可愛らしい。

 

逃げても良かった。

 

ごめんなさいって、そのままアカウントを消してしまえば、疑念は残っても確信までには至らない。ううん、清水くんのことだ。確信はしていても、自分で確認するまでは信じられなかっただけだろう。

 

潮時なのかなってさ。

 

それぐらいの潔さはあっても良い。これ以上の抵抗は、あんまりにもみっともなさ過ぎて、彼が好きだった昔の私に申し訳が立たないと思う。

 

「ごめんね…」

「やめろ、謝るなっ。俺はどうしてお前がそんなになっちまったのかって、理由を知りたいだけなんだ」

「そっか…。相変わらず優しいんだね。じゃあ、教えてあげるよ…」

 

一歩、私が近づくたびに、一歩、彼が後ろに下がる。

のろまな追いかけっこだ。彼が私から逃げるなんて初めて過ぎて、少しだけ楽しくなってくる。

 

けれどそれも、長くは続かない。

 

後ろに寄せられていた机の山に、彼が背中をぶつけたことで終わりを告げる。

もう一歩、私が近づいた時には、彼には逃げ場がなくなっていた。

「来るな」とまでは言われないでも、明確に私を拒絶するような視線に胸が痛む。

 

恨むよ、そりゃね。

 

優しい彼に、そんな顔をさせてしまった私自身を一番恨む。

 

だから、ごめんねって言ったのに。

 

目の前の彼へと手を伸ばし。そのまま両手で頬を抑え、引き寄せた。

背伸びをした私と彼の顔が近づいて、触れ合った唇から、ちゅっと、柔らかな感触が伝ってくる。

 

困惑する彼の視線。それを遮るように瞼を閉じると、より強く彼の唇を求めていく。がちゃり、がちゃり。背中にした机の山が揺れるほど体重を掛けて、彼の体を押さえつけた。伸ばした舌で唇を割り開き、舌先同士を触れ合わせた途端に、口の中が甘酸っぱくなる。

 

本当に、もったいないな。

 

これがファーストキスだったら、どんなに幸せだったことか。

 

「いいね、清水くんとのキス…。今まで一番気持ちいいや」

「なっ、あっ、きた、み…お前、今…」

 

「はぁ…っ」と、吐き出す呆けた息。顔を離すと、目を開いた先には、真っ赤になった彼の顔があった。

 

「どうしたの? 清水くんも私を抱きに来たんでしょう? わざわざ裏アカまで特定してさ? そんな事しなくても、普通に誘ってくれればよかったのに。貴方にだったら私は…」

「ちがっ! 俺は、お前と話をするために。嘘だったら、何かの間違いで、冗談だったら良いって…」

「それは…ごめん。いくら清水くんが優しくっても、パパ活女を抱こうだなんて思わないもんね」

「そういう事じゃないってっ」

「そういう事なんだよ。私はね…もうさ? エッチな事してないと、毎日辛くって。男の子だったら分かるでしょ? おちんちん、シコシコしてないとさ、だんだんだんだん、堪んなくなってき。そういうのあるじゃん? どうせ貴方だって、私でオナニーしたことあるくせにさ?」

 

無邪気に問いかける私の言葉に、彼の顔が一気に赤くなった。

「そんなことっ」て、なんとか誤魔化そうとはしているけれど、その内心は透けて見える。

 

「よかった。清水くんにとって私は、ちゃんと魅力的な女の子だったんだね? あんまりにも何もされないから、ちょっと心配してたんだけど」

「それは、俺だって、でも…こういうの、違うじゃないか…」

「ふふっ。意外とロマンチストだよね? 清水くんってさ。分かるよ? 私だって前はそうだったもん。エッチするって、もっと大切で、素敵な事だと思ってた」

 

でも、違ってた。

 

犯されるほどに、快感を感じる自分の体。

ちょっと体を許しただけで、群がってくる男の子たち。

 

常識とか、倫理観で縛られていなければ、男女の関係なんて、こんなにも簡単な事だったんだと思い知るには十分だった。

 

「ほら? 清水くんの、もう固くなってるでしょ?」

「なっ、ちが、これは…」

「いいよ、別に? 女の子にキスされて、反応しない男の子なんていないもんね? むしろ、こんなにしてくれて嬉しいくらい。ズボンの上からでもさ、形、分かっちゃいそうで。そんなに、私とエッチしたいんだなって」

 

羞恥心が負けたのか。単に期待が上回ったのか。

目に見えるほどに顔を赤くした彼は、期待と、衝動を押し込むようにゴクリと喉を慣らす。

 

「ふふっ、顔真っ赤だね? かわいい♥ まってて、今楽にしてあげるから」

 

彼の前で膝を折る。

 

慣れた手つきでズボンを下ろすと、パンツの向こうから、ムワっとした彼の匂いが広がってくる。期待しているのは私も一緒。ビクンっと跳ねた肉棒をパンツから取り出した時にはもう、彼の先端にはヌラリと光るものがあった。

 

「ねぇ? 私をオカズしてる時って、何考えてた? ちゃんと優しくしてくれたのかな? それともやっぱり、レイプしちゃったりした? そこまでは言わなくても、ちょっとくらい強引にはしてるかな?」

 

私の問いかけに答えはない。

 

けれど、おちんちんは正直だった。

 

レイプって、その言葉に強く反応を返した肉棒は、先端から先走り汁を溢れさせる。

 

きっと、想像をしてしまったんだろう。

 

私を無理やり犯す自分の姿ってやつを。襲われて、泣きながらも、快楽に開いていく私の姿を。思い返したのか、今思いついたのかまでは分からないけれど、私を犯したい欲求は、確実に彼の中で育っているみたいで安心する。

 

勃起した肉棒を指先でくすぐりながら、ちろっと先端を舐め上げた。

「うわっ…」と漏れる声。ビクンッと強く跳ねる肉棒が可愛らしい。

 

零れた先走りの汁を指で掬いながら、塗り拡げるように肉棒を撫でる内に、だんだんと、彼の呼吸も荒くなっていった。

 

「気持ち良いでしょ? 顔に書いてるよ?」

「…」

 

「イヤ」とも「ダメ」とも「やめろ」とも言われない。私を引き離すことだって簡単なはずなのに、すっかりと、彼は私が与える快感の虜になっていた。

 

やっぱり、あの人の言う通りだったな。

 

彼の前でやってみてご覧って。服を脱ぐまでもなかった。

ちょっと おちんちんを可愛がって上げただけで、あれだけ優しかった彼ですらも、性欲に抗えなくなってしまう。

 

それは少しだけ、寂しいような。彼は違うって、信頼を裏切られたような気持ちもあった。けれど、私の愛撫で彼が気持ち良さそうにしているのを見ると、ちょっとだけ満足している自分もいたんだ。

 

もっと、気持ち良くしてあげたいなって思う。

 

先端を舌で舐め、キスをした。そのまま口を開くと、唇の間に亀頭が滑り込んでくる。熱の入った彼の吐息が私の前髪を揺らすと、胸のドキドキが強くなった。

 

更に奥へと彼のモノを咥え込む。

 

口の中で肉棒がビクビクと震える肉棒を、今度は舌を使って愛撫する。

 

押し出すように裏筋を舐め、舌の表面を絡みつかせると、凸凹と浮き上がった血管の形ですら伝わってきた。軽く肉棒を吸って上げただけで、もう射精してるんじゃなかってくらい、吸い上げられてきた先走りの汁が、私の喉の奥へと流れ込んでくる。

 

震える肉棒を咥えたまま、上目遣いに彼を見ると、自然と二人の視線は重なっていた。

 

物欲しそうな顔だ。

 

今、私が口を離そうとしたら、きっと彼は無理にでも私を使おうとするだろう。

そんな想像が、私の情欲を一段と煽る。既に滲み出していた愛液が、パンツを通り越して、太ももを伝っていった。

 

「きた、み…おれ…」

 

それはもう、いつも優しかった彼の顔じゃない。欲望に正直になった、一人の男の子の顔だ。そんな風に見下されると、私だって堪らない。

早く欲しいって、精液、飲んで上げたいって、先走りの汁以上に、口の中が涎で溢れかえる。

 

「いいよ」って、答えて上げる代わりに、肉棒への愛撫を強くした。

 

舌で舐め回しながら、ちゅっと吸い上げると、昇ってきた精液が おちんちんを更に固く、大きく膨らませる。唇をすぼめて、頭を引いて。肉棒が唇から抜けそうになった途端、彼の腰が大きく動いた。逃さないようにと頭を抑えられ、突き出された肉棒が、口の中を一杯に、喉の奥まで押し込まれてしまう。

 

頭を撫でられたことは合っても。こんな風に押さえつけられたことはなかったな。

 

嬉しい。

 

私なんかで、こんなに興奮してくれてさ。

私なんかでも、彼を満足させてあげられてさ。

 

ドクンっ…!!

 

肉棒が強く脈を打った瞬間。吐き出された精液が、口の中を一杯にして、大量に流れ込んでくる。熱くて、ドロドロとしてて、先走りなんかより全然濃い精の匂いが鼻の奥から逆流してくると、頭の中が白く染まっていった。

 

ゴクリ…ゴクリ…。

 

精液を飲み込んでいる間にも。

 

ドクン…ドクン…。

 

続いた射精は、容赦なく私の口の中を汚していった。

 

「んふっ! はっ、はぁっ…はぁっ、ふぁ…んくっ、はぁ…あ、はぁぁ…」

 

何度も何度も喉を鳴らし、噎せ返りそうになるのを必死に堪える。

飲み込んでも飲み込んでも、ドロドロとした精液は喉に絡みつき、ようやくと射精が収まった後も、私の口の中は、まだまだ飲み込みきれなかった精液がこびりついたままだった。

 

「えへ、えへへ…。いっぱい、出しちゃったね? どう? 私でするオナニーよりも気持ちよかったかな?」

 

賢者タイムっていうんだろう。

 

射精を終えた肉棒は萎え始め、彼の顔色にも罪悪感が戻ってくる。

 

「ごめん…北見。おれ、偉そうなこと言っときながら、こんな酷い…」

「謝らないで。誘ったのは私だもん。清水くんは何も悪くないよ、全部私のせいにして良いんだから」

 

唇を白く染める精液を指先で拭い、舌先でぺろりと舐める。

立ち上がった私は、彼の体により掛かると、自分からブラウスの胸元を緩めていった。

 

「きた、み? おまえ…なにやって…」

「何って? 続きでしょ? フェラだけで満足しちゃった? そんな事ないよね? ふふっ、おちんちん…また、元気になってきてるし?」

 

おしえてよ?

 

寄りかかった彼の耳元で囁いた。

 

「貴方が、どんな風に私を犯したかったのか。オナニーの中でしか出来なかった事が今なら出来るんだよ? 北見が悪いって、私が悪いって。無責任にエッチするの、きっと最高に気持ちがいいよ?」

 

言葉を重ねる度に、彼の顔色が険しくなっていく。

興奮に吐息は荒くなり。勃起を取り戻した肉棒は、咥えていた時以上に逞しい姿を見せてくれた。

 

「ね? だからしよ? 私だって貴方に抱かれたかったんだよ? なのに、色んな人が私を襲って、ダメにされちゃった。だからさ、もう我慢なんかしなくて良いよね? 貴方も私を犯した一人になるだけだもん。お互い勝手に気持ち良くなってさ、後腐れ無く別れようよ? ね?」

 

自虐的な北見の言葉に、清水は腹の底から ふつふつと怒りが湧いてくるのを感じていた。だけどそれは、何処か快楽の衝動にも良く似ていて、振り払おうとする程に、心に絡みついてくる。

 

どうしてこんなになるまで気づいてやれなかったのか。「明日からも仲良くしてくれますか?」あるいは、その時にでも強引に引き止めることが出来たなら、何かが違っていたんじゃないだろうかと、後悔の念が強くなる。

 

最初はただの同情だったと言われれば否定はしない。

 

電車の中で痴漢されていたクラスメイトを助けただけ。一度助けた以上は、最後まで助けになってやりたいと、出来るだけ気にかけるようにしていただけ。

下心なんて尚更無くて、むしろ、なるべくそういう事には気を払っていたつもりだった。

 

そこに異性としての好意があった訳じゃない。

ただ、男女の間で友情が成立しなかっただけ。

 

一緒に登校して、一緒に帰って、たまには二人で寄り道して。

付き合ったのかって噂が出る度に、ボディーガードだよと、完全に嘘は言わないでも周りにはそう説明していた。

 

ああ、そうさ。ボディーガードだよ。

 

守ってやらなきゃって思いは強くなるほど、俺は自分から彼女に手を出すことが出来なくなっていた。そのくせ、大事な所で何も守れていないどころか、俺の存在が彼女を縛る鎖にされていたんだ。

 

そんな自分を殴り飛ばせたとして、今更何が戻る訳でもない。

 

それどころか、俺の肉棒は、欲望の捌け口を求めるように更に勃起を強くしている始末。彼女がそれを望むなら、もう良いんじゃないか? メチャクチャに犯してやって、そうしたら、お互い楽になるんじゃないか。隣にいる彼女が、ただのオナホにしか見えなくなるほどに、思考が熱を帯びていく。

 

こんな風に喋るやつじゃなかった。

 

もっと控えめで、落ち着いていて、自分の話よりも、俺の話をよく聞いてくれていた。「うん、うん」と頷きながら、時折「くすっ…」と漏れる柔らかい声音が好きだった。

 

そんな彼女の声が、蠱惑的に耳をくすぐってくる。誘う言葉の一つ一つに胸が高鳴り、開けていく胸元、晒された胸の膨らみから視線が離せない。

 

「私のせいにして良い」「貴方は悪くないから」「無責任に犯して欲しい」

自暴自棄なのは見て分かる。縋るものもなくして、全て諦めてしまえるくらいにメチャクチャになりたがっている。

 

トゲだらけの言葉一つ一つが俺の理性に突き刺さった。

自分の言葉で傷ついていく彼女の姿に痛ましさを覚える反面、晒された裸体に興奮せずにはいられない。

 

彼女の細い指先が、俺の頬を撫で、首筋を流れていく。正直、それだけでも気持ちが良かった。少し冷たい指先も、それは、いつも手を引いていた彼女と何も変わっていないのに、もうどうしようもなく手が届かないのだと分かってしまう。

 

彼女の言うとおりだ。

 

毎日とは言わないでも、最近のオカズはもっぱら北見だった。柔らかな肌と、そこに灯る温もりを何度も想像しては、想うだけならと、いくらも犯した事だってある。

 

まるで夢のようだ。

 

SNSの裏アカを見つけた時は、悪夢みたいだと思っていたのに、どうして今はこんなに彼女の体に引き付けられる。ダメだって言ってやらないといけない。やめろって、彼女を引き離さないといけない。こんな事をしたって、お互い傷つくだけじゃないか。

 

「それの何がいけないの?」

 

やめてくれ、頼むから、そんな事を言わないでくれ。

俺の好きだったお前は、そんな事を言うやつじゃなかった。ダメなことはダメだと、ちゃんと言えるやつで、そんなボロボロになってまで、自分を傷つけたがる女の子じゃなかったはずだ。

 

俺のシャツのボタンが、一つ、また一つと外されていく。

手慣れた彼女の手つきは、繰り返した数を思わせるには十分だった。

 

開けた胸板に寄せられる彼女の裸体。押し付けられた胸の膨らみに、ゾッとするような情欲が湧き上がる。乾いた喉に涎が張り付き、胸が締め付けられるほどに息苦しい。

 

これを、我慢できる男がいたら教えてくれ。

 

蠱惑的に囁く声。寄りかかってくる女の体。胸板に重なった膨らみが、柔らかく形を変えていく間にも、熱り立った肉棒に指先が添えられる。

射精を終えたばかりの筈の肉棒は、すぐにも固さを取り戻すと、酷い興奮に残っていた理性は焼き切れていた。

 

「きゃっ!?」と、聞こえた悲鳴にすら、強い興奮を覚える。

 

今から北見とセックスする。もう頭の中はそれだけで、最悪な気分のはずなのに、最高に興奮してしまう。並んでいた机の上に彼女の体を押し倒し、押し倒した拍子に、弾んだ胸の膨らみを鷲掴みにした。

 

「んっ♥」と、甘く震える声音に誘われて、俺の肉棒に精液が昇ってきてしまう。

 

何度も、何度も、何度も、何度も…。

 

こんな乱暴に使われることにすら快感を覚えるほどに、北見はボロボロになってしまっていたんだ。そんな彼女を労るどころか、更に傷つけようって俺は最低以外の何物でもない。

 

ああ、それなのに…。

 

悔しいよな。許せないよな。

 

この憤りを何処にぶつけて良いのか分からなかった。

俺に押し倒された北見は、怯えるどころか、何処か嬉しそうで、そんな姿が余計に癪に障ってしまう。

 

こんなの、ただの八つ当たりだ。

 

頭の片隅で理性が叫んでも、一度癇癪を起こした感情は止められない。

 

「なにっ、嬉しそうにしてんだよっ。こんな風に、今までもさっ、犯されてたってのか? 自分は被害者です みたいな顔して、お前だって十分に加害者じゃないかっ!!」

 

北見を責め立てながら、俺は滾った肉棒を彼女の股間へと近づけていた。

スカートを剥ぎ取り、足を開かせ、滾った肉棒を見せつけるように、まっさらな下着の上へと押し付ける。

 

ぐちゅり…。

 

湿った下着の向こうから、愛液が溢れてくる。

それは、肉棒に纏わりつくと、軽く擦れただけで快感が絡みついてくるみたいだった。

 

「はっ、んっ、はっ、はっ…北見、北見っ!」

 

我慢なんて無理だ。言葉も忘れるほどに、肉棒を擦り付けるのをやめられない。

愛液で濡れた下着に包まれていると、まるで本当に中に挿れてしまっているみたいで興奮が高まっていく。

 

「あっ…!」

 

自分でも、情けない声が出ていたと思う。

声を上げ、肉棒を震わせ、快感が爆ぜると同時に、飛び出した精液が北見の体に降り注いでいった。

 

髪に、頬に、胸元に、真冬の体に熱い何かが降りかかる。

 

体を焦がす精の熱。快感で薄桃に染まる頭の中。

開けたブラウス、剥ぎ取られたスカート。ほとんど裸になった私を汚す白濁液。

 

流れた白濁液はポタリと雫を作り、だらだらと胸の谷間に流れていった。

最初の勢いをなくした後も、射精の名残りは続き、糸を引くように溢れた精が下腹部を染め、おヘソの穴に吸い込まれていく。

 

そんな自分の姿を、私は呆けたままに見下ろしていた。

 

二度目の射精の後、私を見下ろす彼と目が合った。

その顔には後悔の念と、恍惚とした快感の名残りがみえる。

 

彼が私の体で射精してくれた事がとても嬉しい。これから先、どんな女を抱いたとしても、彼は真っ先に今日の事を思い浮かべるんだろう。

 

彼の心に傷をつけられた。

 

これで、ずっと、一生、一緒にいられるんだ。

 

「これで、貴方も加害者だね? 共犯同士さ? もっと気持ちよくなろ?」

「まっ、北見…俺は…んっ」

 

彼の顔を引き寄せキスをした。舌を絡め、謝罪の言葉ですら奪い取る。

萎えた彼の肉棒に触れた途端、ゾクッと、快感に震え上がった彼の体は興奮を取り戻し、私の指先を押しのけるように肉棒を滾らせた。

 

「ねぇ、清水くん? 知ってる? いつも清水くんと一緒にいるお友達。この間私とエッチしたんだよ? 私達、付き合ってるって知ってるのにね? 彼にだって付き合ってる子いたのにね? 内緒だよって言ったらさ、目の色変えて襲ってくるの。馬鹿みたいに腰振って、ふふっ…。一杯射精されちゃった。外に出してってお願いしたのにさ。みんなみんな、中に出してくるの。気持ち良いって、我慢できないってさ。今日はダメな日なのって泣いたら余計に激しくされてさ…。私の中、最高に気持ちがいいんだって、私のオマンコが吸い付いてくるのが悪いんだって…」

 

その独白に、犯される私の姿を想像したんだろう。

悔しさと、妬ましさ。苦々しく歪む顔。薄暗い興奮が彼の肉棒を刺激すると、射精の直後にもかかわらず、すぐにも固さを取り戻していく。

 

「それで…お前は、どうだったんだよ?」

「どうって?」

「とぼけるなよ。ダメとか言いながら、泣いて見せながらさっ。ずっと感じてたんだろ?」

「ふふっ。そうだよ? 皆さ、バカみたいな顔して、バカみたいに腰振って。ちょっと前まで見向きもしなかったくせに。エッチさせてあげるって言っただけで夢中になって、ホントバカみたいに可愛いの」

 

その瞬間だった。

 

下腹部に突き刺さる衝撃に息が詰まる。

積まれていた机の山が崩れそうになるのも構わず、腰を押さえつけられた私の体が、ガクガクと揺らされ、体の奥へと肉棒が突っ込まれていた。

 

「あぐっ、ぃひっ♥ はっ、あっ、はいって、しみずく、んの。はっ、はげし、すご、だしたばっかなのに、そんな元気にさ、あはははっ。やったね。体の相性よかったんだ。ほんと、ほんとさ…普通にエッチできてたらよかったのにね?」

「それをメチャクチャにしたのは北見だろっ! なんで、俺達、ちゃんと付き合えてたじゃないかっ! なのにっ!!」

「あはっ、あははははっ。そうだよ、私のせい、ぜーんぶ私が悪いの。私が全部台無しにして、だからっ! これで、いい、このまま終わらせてよっ、私も、貴方もさっ、最低なところまで落ちて、終わっちゃおうよ?」

 

笑ってた、笑いながら泣いてもいた。

 

悲しくって、嬉しくって、私の心は完全に道を見失う。

 

やっと、彼とエッチが出来て嬉しいはずなのに、どうしてもっと早くこうなれなかったのかって悲しくなる。でも、もうそんなの全然関係なくって、ただ男の子に乱暴されるのが気持ちがいい。自業自得の自縄自縛。自分で自分の首を締め続け、気づけばその息苦しさにすら快感を覚えていた。

 

ああ、ダメだ。もう、気持ちの良い事しか分かんない。

 

もっと痛かったり、苦しかったり。恥ずかしくって、でも幸せで。

好きな人との初めてのエッチは、きっともっと色んな感情を噛み締められた筈だった。なのに、既に快感の虜になった私の体は、気持ち良くなることしか私に教えてくれなかった。

 

上から下に、押しつぶされるような感覚に息が詰まる。

狭い膣内を強引に広げられ、膣の襞を無理に引っ張られると、鋭い刺激に腰が跳ねた。

 

本当ならそのどれもが、苦痛になって、その苦痛ですら、二人の思い出になったはずで。

 

「ひゃっ♥ はぁっ、いっ、んぅ、あっ、あっ、や、はげしっ♥ すごっ、清水くん、清水くんっ。おちんちんが、おちんちん、私、奥に、ずんって、ひゃっ♥ はぁっ、はぁぁぁっ、ふぅぅっ、はっ、もっ、もっと、もっとしてっ♥」

 

気が狂うほどに気持ちがいい。

 

痛ければ痛いだけ、苦しければ苦しいだけ。

 

もう正気じゃいられなかった。

 

彼に使われる自分の姿に酔いしれる。

 

閑散とした教室に、響き渡る女の嬌声と、ぶつかり、弾ける水の音。

腰を打ち付けられ、下腹部に灯った熱感が強くなる。一瞬、頭の中が白くなって、引きずられるように腰が落ちていくと、とぐろを巻いた快感が肉棒を締め付けた。

 

こつん、こつん…。

 

奥を突かれる度に、腰が弾んでしまう。

自分から腰を踊らせて、彼の肉棒を奥ヘ、奥へと、導いた先には、私の子宮口があった。

 

「そこっ、あっ♥ そう、そこがいい、そこ、にっ、ぃぃっっ♥ 私、大事な、とこっ。んはっ♥ 一番大事なとこ、貴方の精液、欲しいって。分かるよね? お腹の奥のとこで、私達キスしちゃってるの。だからね? だして、だしてっ♥」

 

逃さないように、離さないように、もうずっとさ、離れないように。

彼に抱きつきながら、腰を持ち上げ、子宮口を突き上げる肉棒を、膣全体で締め付けた。

 

「ぅぉっ! きた、み…おれ、も、もうっ…!!」

 

抱きついていた彼に抱き返される。ううん、もっと乱暴に、逃さないようにするみたい強く体を押さえつけられた途端、ピッタリと、深い所で繋がった肉棒が震え上がった。

 

ドクンっ…。

 

脈打つ肉棒に合わせて お腹の中が熱くなると、私の子宮を埋め尽くすような勢いで精液が流れ込んできた。ふわり、ふわりと、体が満たされ、心が溶けていくみたい。

 

「あ、はっ♥ やだ、清水くん…せいえき、どくって、私の中、あ、やば…これ、きもちぃ♥」

 

もう、何度もされた中出しの筈なのに、今までで一番気持ちが良かった。

ドクンっ…ドクンっ…。射精を続けながら、グイグイと子宮口に先端が押し付けられ、重たい快感が全身を包み込む。どこまでも、どこまでも、落ちていく感覚の中、お腹に注がられる性の熱に、恍惚としたまま動けない。

 

お薬、まだ残ってたかな? 早く飲まないといけないけど…。

 

妊娠。

 

思い浮かんだ言葉に、ほうっと溜息がでる。恍惚とした快感の中、緩んだ二人の隙間から精液が溢れてきてしまう。満たされた心と体。快感の熱が引き始めた私が最初に考えたのは、何の情緒もない杞憂だった。

 

まぁ、でも…今は、良いか。呆けた頭ではそれ以上は考えられずに、お腹に抱えた幸せをただ噛みしめる。

 

このまま時間が止まればいいのに。

 

シンデレラだって、そう願った事だろう。ううん、彼女にだって、時間の針は平等に進んだんだ。私なんかに、それが覆せるはずもなければ、魔法の様な奇跡も起きないまま、終わりの時はやってくる。

 

♪♪♪♪

 

止まらない時計の針が指し示した時間。聞き慣れた下校の合図は、私に夢の終わりを告げていた。

 

 

ー

 

「生理が、来ないの…」

 

それを聞いたお母さんの顔といったらなかった。

 

信じていた娘に裏切られたって。もっと怒られたり、失望されたりするものだと思っていたのに。「気づいて上げられなかった」って「ごめんね」って、何度も何度も謝られて、わんわん泣かれると、私だってどうして良いか分からなくなる。

 

本当なら一人でこっそり処理をしたかった。けれど、堕胎なんて保護者の同意もなく出来るわけもない。あの人なら何とかしてくれるんじゃないかって思っても、次の日から連絡はつかなくなってしまった。

 

そんなの酷いだとか、言える権利もない。

 

体とお金だけの繋がりが、私の妊娠を境に切れただけ。

後処理も込みで、少なくないお金を貰っていたんだと思えば、一概にあの人ばかりを責められたものじゃない。

 

いまさら警察に通報したって、あの人ならきっと逃げ おおせるだろう。

 

悩んでる時間なんてなかった。お腹が膨らみだしてからじゃ遅いんだ。

一度口を開けば、洗い浚い、今までの全部を白状するしかなかった。

 

痴漢されたこと、脅されていたこと。断りきれなくって、最後には快感に逃げてしまったこと。自棄になって、色んな男の子と体を重ねていたから、お腹の子が、誰の子なのかも分からない。

 

結局、学校は退学というか、転校させられた。

遠くに引っ越した私は、それっきり、清水くんとは顔を合わせる事すらなかった。

 

知らない土地、新しい生活。以前と違って、学校の友達にも恵まれた。

ここでは、昔の私を知る人なんかいない。

 

がたん、ごとん、がたん、ごとん…。

 

電車に揺られて、私も揺れる。

 

通学時間帯の電車は、田舎といえどもそれなりに混み合っていた。

すし詰め状態とまでは言わないでも、何かの拍子に誰かにぶつかるくらいに車内は狭い。

 

どうしても、思い出しちゃうな。

 

初めて、痴漢をされた日の事。

 

一つ思い出せば、その後のことまで思い返してしまい、体は自然と快感を呼び起こしにいってしまう。

 

どうしよう?

 

落ち着かないし、もどかしい。

 

車内の空調のせいか、口の中は酷く乾いていて、そのくせ、股間には常にはない湿り気を感じ始める。

 

少しくらいならって、魔が差すのに時間は掛からなかった。

ちょっとだけって言い訳をしながら、わざとらしく太ももを擦り合わせる。

拙い恥丘への刺激は、余計に体を焦らすと、下着にまで染みを作り出す。

 

でも、それだけじゃ全然物足りなかった。

 

隣を盗み見て、後ろ人の気配を探る。

 

車内の広告を見る振りをしながら、周囲の様子を観察した後、少しだけ立っている位置を動かした。鞄を持ち直し、意識的に死角を作った私は、そのまま自分の太ももを撫で擦る。

 

ちょっとだけ、ちょっとだけでいいから…。

 

少し気持ち良くなって、そうしたら、我慢できるはずだから。

 

そんな訳が無い。

 

一度灯った情欲の火を消す方法は、一つしか無いのを私は知っている。

それでも、恥丘を脅かす熱に、惹かれる指を止められない。

 

内股を撫ぜていた指は、いつしか恥丘に触れ、割れ目の溝をなぞり始める。

ゾクリ、ゾクリと、快感が立ち昇り、濡れ始めた指先を止めることすら難しい。

 

触りたい…触りたい…。

 

割れ目への刺激だけじゃ物足りなかった。

 

クリトリスなんか触っちゃったら、絶対声出ちゃうのに、その強烈な快感が欲しくて堪らない。

 

ゆっくり…ゆっくり…。

 

少しだけ、掠めるだけなら平気なはず。下着の上から、ちょっと撫でてさ。

そうしたら、今は、終わりにするから。だから、ちょっとだけなら、声、我慢できるよね? 私…なら、大丈夫…。

 

「んっ…♥」

 

触れた途端に肩が跳ねた。ぎゅっと、つま先に力が入り、反射的に太ももが閉じてしまう。クリトリスから溢れた甘い痺れが、背筋を駆け抜ける。頭が一瞬真っ白になった後、詰まった息を吐き出すように「はぁ…♥」と、震える吐息が零れてしまった。

 

気づかれて、ないよね?

 

誰も私になんかに注目してないよね?

 

周囲の様子を伺っても、さっきまでと変わった様子は見られない。

濡れた指先をスカートの端で拭いながら、ほぅっと吐き出した吐息の色は、果たして何色だったのか。

 

ほんと、何やっているんだろう?

 

ちゃんとするって、もうこういう事はしないって決めたはずなのに。

 

思い出す度に我慢が効かなくなった。

少しでも解消しないと、次の自分が何をしでかすか分からない。

 

欲求不満…なのかな。

 

昨日、ちゃんとオナニー出来なかったもんね。

朝も、あんまり時間なくって、そのままだったし…。

 

♪♪♪♪

 

唐突に流れたメロディーに、ビクッと肩が跳ねてしまう。

私の内心などつゆ知らず。悶々としている間にも、電車は学校の最寄り駅についていたようだ。

 

電車を降りた私は、人波に逆らって歩き出す。

 

遅刻、しちゃうかもしれないけど、学校でするよりは良いだろう。

少し待てば、人の気配も途切れるだろうし。その時に ちょっとだけ、トイレを借りれば、今日はなんとかやり過ごせると思っていた。

 

「北見」

 

そんな私を呼び止めたクラスメイトの声に、私の心臓はドキンっと、期待の音色を響かせる。求められれば断れない。もう、脅す必要さえないんだ。

案の定。振り返った先に立っていた男の子の顔色には、さっきまでの行為を問うような影があった。

 

興奮か、羞恥か。

 

ただ、ほんのりと染まった頬は、隠しきれない情欲の面影がある。

 

「えと…あの。こっち…きて」

 

おもむろに彼の手を引いた私は、何処か人気のない場所を探して歩き出す。

この先に線路なんかない。袋小路の行き止まり。ここが私の終着駅だった。




ぜーんぶ台無しになるEND。ここが彼女の行き止まり。

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この後の真冬ちゃん。

1・内気な男の子と、脱童貞甘々セックス
2・やっぱりレイプされて、夜の女王爆誕ルート。
3・ただの勘違いで自爆する。

順当に行くなら2へ。何も知らず、お客としてやってきた清水くんと再会してくれると湿度あがるかな。
救いを求めるなら、3→1に繋げばいいんだろうけど、急にラブコメが始まるくせに間違いなくヤンデレルート。お好きな方で妄想してね。


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