※この作品はR-18です。

電車に揺られて   作:霧里

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DLC:首輪付き彼女(Hシーン

 

 

♪♪♪♪

 

休み時間。授業終了のチャイムと同時に、教室の空気がぐっと緩む。

「宿題忘れるなよ」なんて、先生の忠告を聞いていた生徒はどれだけいたのか。

ざわつき始めた教室からは、まばらな返事が返ってくるだけだった。

 

さて、この中で何人が宿題を忘れたと言うのでしょう?

 

答えは知らない。

 

怠惰な他人の事情なんて、今の真冬には関係がなかった。

 

毎度のように宿題をせびって来た子たちも「陽斗くんが良いって言うなら」って言い続けていると、だんだんとその数を減らしていき、今となれば静かなものだ。

 

「ね、ね、北見さん? 今ちょっといい?」

「え、なに?」

 

名前は、誰だったかな?

 

顔の見覚えはある。よく、陽斗くんと一緒にいる女の子の一人。

だけどそれだけだ。私にとってのクラスメイトは、宿題をせびってくる相手か、当番を代わってくれって言う子。それ以外は、同じ教室にいるってだけの人畜無害な子達に大別できる。

 

そんな私の色眼鏡に映った彼女は、後者の方だった。

 

だからこそ、余計に身構えてしまう。今まで接点のなかった彼女が、なんで急に話しかけてきたのか。もしかして、なんて勝手な想像が不安を掻き立て、背中に嫌な汗が浮かび始めていた。

 

警報の様に鳴り響く鼓動の音。動揺を態度に出さないようにしながらも、内心の不安を隠すように握ったスカートの端を引き伸ばす。

そんな机の下の状況など露知らず、彼女は私の反応を伺うように話し始めた。

 

「あのさ? 北見さん、清水くんと…その、付き合ってるんだよね?」

「ん? あ、うん。そう、だね…」

 

その問いかけ事態は陳腐なものだ。

違う人からそれぞれに同じ質問をされ続けた結果、最初はお茶を濁していた答えにも、すんなりと頷けるようになっていた。

 

自信が付いた訳じゃない。曖昧に誤魔化すよりも、頷いてしまったほうが早く開放されるのに気づいただけ。ここまで言われるんだ。きっと私達は正しく恋人同士には見えているんだろう。その実際が、ただのペットと飼い主に過ぎないとしても、それを訂正する義務もなかった。

 

「あの、さ? ケンカでも、した?」

「え、どうして?」

 

質問に質問を返してしまう。

何か余計な事を言われやしないかと警戒していたのはそうだけど、彼女の質問は全くの予想外で、思わず首を傾げてしまった。

 

「どうって…だって。彼、北見さんにだけ当たり強くない? 私達にはいつも通りなのが逆に変っていうか。それに、この間の。北見さんが、告白する前くらいまでは、普通に仲良さそうだったじゃん」

「告白って…アレは、別に…そんなんじゃ」

「でも、あの後からでしょ、付き合い出したの…」

「うん、まぁ…そうなんだけど」

 

懐かしいな。そんな事もあったっけ。

 

やっぱり告白だったって思われてたんだ。

今思えば、アレは告白なんかじゃなくてSOSだったんだよね

でも、あの後から全部が変わっちゃったのはそう。彼と一緒に居続けられるかどうかの瀬戸際で、幸運にも彼が私の手を掴んでくれただけに過ぎない。

 

「それに、ほら?」

 

人懐こく話してくれていた彼女の声が、急に鳴りを潜める。

頬を赤らめ、周囲を気にして、チラリとこちらに向けられた視線には、羞恥の色が揺れていた。

 

「首筋の…それ。ちゃんと、隠しとかないと…」

「え、あ…これは、その、うん。ありがと…」

「気をつけなよ? せめて絆創膏とかさ…あ、いや、そんなとこにあったら、それはそれで目立つかな」

 

視線で促された先。彼女の細い指先が指し示したのは私の首筋だった。

むしろ、本題はそっちだったと言わんばかりのクラスメイトからの指摘に、三つ編みの束を慌てて引き寄せる。

 

「乱暴とか…されてるんじゃないんだよね?」

 

落ちた声音。近づいてきた横顔に、こっそりと耳打ちをされる。

クラスメイトとの初めての内緒話は、単に私の体を案じてくれたものだった。

 

でも、ごめんなさい。貴女の優しさを受け取る資格なんて私にはないんだ。

太ももを引き寄せ、膝においた握り拳に力を込める。

心配してくれて ありがとう。なんてどの口が。せいぜい私が口にできたのは、ありがちな言い訳だった。

 

「違うよ。乱暴とかじゃなくって…。ほら、私達つきあってるんだし、そういう事もするよねって、なんか、そういうのだから…全然、ね? 大丈夫だから」

「あ、あぁ…ああっ、うん。そうだね、あるよねっ、そういうこともさっ!」

 

まるで、私の赤面が彼女に移ったみたいだ。

 

そろそろと、猥談に移行しそうになった話の流れを断ち切るように、明るく弾む声。内緒話はおしまいだ。パタパタと振った手は、その手の話題を追い払うのに忙しくなる。

 

「真冬っ」

 

教室に響く彼の声。私と陽斗くんとを見比べるように、チラホラと好き勝手な視線が放られる。流石にこう何度も呼び出されていると、皆大きく反応しなくはなってきていたけれど、教室の片隅でヒソヒソと囁く声は相変わらずだ。

 

「あ、うんっ、今行くね。ごめん、陽斗くん呼んでるから…またね」

「あ、うん。こっちもお節介だったみたいで…。え、あれ…北見さん? 授業は? もう始まっちゃうよ?」

「分かんないっ」

「分かんないって…。えぇ…ちょっとっ…」

 

行っちゃった…。

 

呼び止める間もなかったていうか、最初から彼以外の声を聞く気がないっと言った風情だ。

 

でも、話しかけて分かったこともある。

 

北見さんが彼にいじめられている訳ではないということ。

恋人だったらそういう事もするよねって、彼女の言葉を借りるなら、そういうプレイだったのかって理解は出来る。

 

意外だな。

 

北見さん。もっと真面目な子だと思ってたのに。

あるいは、彼に合わせる方だったのか。そうなると、彼のほうがSMプレイを強いるような変態になっちゃうんだけど。それは、そういう事もあるんだろう。恋は人を変えるって言うし。誰かしら、変態チックな側面があるのは私にだって否定は出来ない。

 

「分かんないってさ、ワンコかよ…」

 

彼に手を引かれ、たどたどしく着いてく彼女を見送りながら、少女は独りごちていた。

 

嬉しそうに、彼に駆け寄っていく北見さんの背中が目に焼き付く。

有りもしない尻尾がブンブンと。目を閉じれば、そんな光景さえ浮かんで見えた。

 

学校サボって、少し早い放課後デートを楽しむって風じゃ全然なかったな。

 

彼がどういうつもりだったかまでは分からないけれど。

少なくとも彼女はただ、彼に呼ばれたから行っただけ。内緒の予定を楽しみにしているような浮かれポンチには、とてもじゃないが見えなかった。

 

「ごちそうさま…」

 

いるよね、付き合った途端に、恋人への態度が変わる男って。

心配して損した。悪い噂もやっぱり噂か。きっと、清水くんを盗られて悔しい誰かが流した嫌がらせだったんだろう。あのまま猥談を続けていれば、赤裸々なノロケ話を聞かされたに違いない。

 

でもって思う。

 

教室の出口に向けた視線に、二人の背中はもう見えない。

今更それがなんだという訳でもないけれど。彼に駆け寄っていく北見さんの後ろ姿が、少しだけぎこちなかったような?

 

たとえばそう。

 

風の強い日に、スカートの端を気にする女子のような歩き方にも見えた。

 

ー

 

がたん、ごとん、がたん、ごとん。

 

電車に揺られて、私も揺れる。

 

お昼過ぎ。まだ授業中の時間も手伝って、学校の最寄駅に人の姿はまばらだった。

 

この時の私達は、完全にバグっていたんだと思う。

私は考えることを止めていて、陽斗くんも何処かで歯止めが効かなくなっていた。

 

こんこんこんこん…。

 

執拗に叩かれる扉の音を合言葉に、私は中から鍵を開いた。

経験上、この時間のこの車両。そこが一番人目のつかない場所だったから。

まして、トイレの中ともなれば、元からの走行音も手伝って、多少の声が外に漏れることすら無い。

 

ガチャリ、鍵のかかる音がする。

 

最近のバリアフリーのおかげか、広めに作られたトイレの中は、二人で入れるくらいの余裕はあった。

 

「誰にも見られてないよね?」

「ああ、大丈夫だと思う」

「そっか…うん。じゃあ…はい、どうぞ?」

 

確認するまでもない。だって、私が早く褒めてほしかったから。

 

何を言われる前に自分から、スカートの端をたくし上げた。

太ももの隙間を通る風。それを遮るものは何もなく、彼の前に丸見えの おまんこ が晒される。最早 私の羞恥心なんて関係ない。彼がそうしてくれっていうから私もそうしているだけ。

 

どうしてこんな事になってるんだろう?

 

陽斗くんに抱かれる度、あの人に犯されていた自分を思い出していたのがいけなかったのかな? 言葉にはしなくても、態度には出ていたはずだ。

行為の最中。私の意識がそれる度、ジャラリ…と、鎖を引きずる音が聞こえていたのだって、罪悪感からくる幻聴に違いない。

 

電車で痴漢されて、脅されて、レイプされて、飼い殺しにされる。

 

トラウマになるのも当然だ。簡単に忘れるなんて出来やしない。

考えるな、思い出すな。いくら陽斗くんの命令でもさ、それを意識するってことは、それだけ意識してるってことだ。

 

傷跡をなくすには、もっと大きな傷をつければ良い。

 

精神科医でもない私達が出した結論は、つまりこういう事。

 

エスカレートしていく彼の要求は、家の中だけには留まらなくなっていた。

ちょっと人目につかなくなれば、ブラチラや、パンチラは当たり前。授業中にも関わらず、自分で自分を盗撮するような写真だって求められた。

 

今日一日、ノーパンで過ごしていたのだって、その一環に過ぎない。

 

電車のトイレで二人きり。今もこうして、丸出しの おまんこを自分から晒して見せているのだって、私を支配したい彼の欲求に沿うものだ。

 

嫌だって、私が少しでも声を上げられたら良かったのにな。

加熱していく彼からの要求には、唯々諾々と従う私に対する苛立ちも見え隠れしていた。それに気づいてはいても、私自身どうすることも出来ない。

 

どうせ、自分で考えたってロクな事にはならないんだから。

もう疲れた。何も考えたくない。全部、全部、陽斗くんが決めればいいよ。

 

結局はこうなっちゃった。こんな泥沼みたいな関係だけは避けたかったのに。

 

まぁ、それでも良いか。

 

嫌なことは考えなくて良い。ただ犯されて、気持ち良くなっている間は、忘れていられるのは確かだ。知らないおじさん相手にだって、気持ちよくはなれるけど、相手が陽斗くんだっていうのなら、私にとっては望外の幸せには違いない。

 

「マジで履いてこなかったのか? 普通嫌がるだろ…」

「そりゃ、私だって恥ずかしいけど。だって、陽斗くんが言うから…。喜んでくれるかなって、私…ずっとさ…ドキドキしててね。さっき電車でするぞって言われて、もう…むり…」

「俺が言えば、なんでもするんだな、ほんとに…」

「だって私…陽斗くんのだし。ダメ、だったの? なんか、間違えちゃった? えっと、あの…ごめんなさい。私、どうしたら良かったの?」

 

不安げに揺れる瞳。捨てられることを真っ先に恐れた真冬を前に、陽斗は何も言えなくなってしまった。

 

何も考えるな。俺だけ見てろ。

 

思い詰めすぎる真冬を少しでも楽にしてやろうと掛けた言葉は、いつしか鎖になって彼女の首輪に繋がっていた。

 

そこに嫉妬がなかったとは言わない。

 

二人でいる時。行為の最中ですら、他の男の事を思い返して顔を曇らせる彼女に、他にどう言っていいか分からなかった。いつの間にか、理由の分からない苛立ちが積もっていく。その原因に思い至った時にはもう、彼女は俺の言いなりになっていた。

 

こんなの、どうしたら良かったんだ。

 

ただ、二人でいたかっただけなのに。

 

俺達の関係は こんなにも、縒れて、拗れて、固まって。

こんがらがった毛玉みたいに、解くことも、縒りを戻すことさえ出来なくなっていた。

 

「いや、いい…。何も考えるなって、言ったのも俺だしな…。ああ、ちゃんと言うこと聞けて偉いぞ、真冬」

「ぁっ♥ うん、えへへ…よかった。あってたんだ…」

 

頭を撫でられて、嬉しくなって、そこが真冬の限界だった。

 

じわっと、股間に滲んでくるものがある。

けれど、それももう我慢しなくて良いことに気がつくと、緩んだ割れ目の隙間から、雫を作った愛液が太ももにまで流れ出していた。

 

「真冬…足、開いて?」

「うん…」

 

トイレの壁に背中を預け、体から力を抜いていく。

軽く開いた足の間に、彼の体が入り込み、かかとが軽く浮き上がってしまう。

 

彼がズボンを下ろし、おちんちんを取り出すまでの間ですら辛かった。

愛撫なんて必要ない。言ってしまえば今日一日中愛撫され続けていたようなものだ。

 

誰かに気づかれるんじゃないかって、ずっとドキドキしてた。

 

何気ない視線でさえ気になってしまい、迂闊に立ち上がることすらできなくなる。

教室で彼女と話していた時だってそう。首筋のキスマークより、スカートの中を指摘されるんじゃないかって、そればっかりが気がかりだった。

 

くちゅり…。

 

股間から響く水音が、私に軽い忌避感と抵抗感を呼び起こす。

一瞬の、目眩のするような感覚。胎内に近づいてくる異物感と、陰唇を開く圧力に視界が滲み、浮かんだ涙が目尻から溢れていく。

 

「真冬、俺を見て?」

「あ、うん…」

 

近づいてくる彼の顔を前に瞳を閉じた。唇でキスを受け止めて、舌先でくすぐりあう。ゆっくり、ゆっくりと、奥に進んでくる程に、勃起を強くした おちんちんが狭い膣内を押し広げ、私の深くまで挿りこんでくる。

 

きっと、陽斗くんだって今日一日 悶々としていたはずだ。

本当に履いてないのかって? 疑念と、期待が入り混じった視線が突き刺さり、視姦するように私の体を舐め回していたのにも気づいてた。

 

くちゅり、くちゅり…。

 

一度奥まで届いたおちんちんが、私の中で動き出す。

 

ふわり、ふわり…。

 

大きくなる快感に、つま先からの感覚も覚束なくなっていた。

立っているのもやっとだ。今にも力が抜けて、その場に座り込んでしまいそう。

 

車両の真ん中で堂々と犯された。座先の影に隠れながら、何度もエッチなことをさせられた。そのときに比べれば、トイレの中でするなんて可愛いものだ。

だけど、何時バレるかもしれない状況が、私を酷く興奮させると、下腹に熱い快感の火が灯る。

 

「んっ♥ あ、はっ、ゃっ、んちゅっ…はぁっ、あ、は、はふっ、んんぅ…♥」

 

喉が詰まり、息が上がって。だんだんと、唇が離れている時間が増えていく。

空気を求めるように開いた口からは、嬌声ばかりが溢れ出し、次第にその声音を大きくしていった。

 

「はる、とくん…。おねがっ、ゃっ、あんまり…はげしくは、私、こえ…あっ♥」

「いいね、それっ。もっと、声出してみたら? そしたらさ、真冬も今日のこと忘れられなくなるんじゃないの? 俺以外の誰かに聞かれたかもって…なっ!」

「ぁひっ…♥」

 

急な突き上げに声が上ずり、強い快感に背筋が伸びる。

じぃんっと、突き上げられた子宮が震え、腰が勝手に落ちていった。

 

もう、立ってられない。

 

壁に背中を預け、陽斗くんの肩を掴む。それでも支えきれない体重が、彼の腰に乗り上げると、おちんちんから逃げる事さえ出来なくなる。

 

彼が腰を動かした分だけ、私の腰が踊ってた。

 

グチュグチュと中を掻き回される間中、先端が膣壁に強く押し付けられる。

ズンッと、突き上げられれば体が浮き上がり、引かれていく おちんちんに追いすがるように腰が落ちる。

 

「はっ♥ やっ♥ だめっ、こえ、こえっ、はると、くんっ。意地悪、いじわるは…ひゃっ♥」

 

ダメなもんか。

 

こうして、何時バレるかもわからない状況で犯されてるのが一番興奮する。

その内に、自分から腰を動かすようになっちゃって。だんだんと、声を我慢するのも忘れていって。

 

こんこんこんっ…。

 

トイレの扉を叩くその音が個室に響く。私達は慌てて動きを止めると、二人して顔を見合わせた。

 

「あのーまだ掛かりそうですか? 私も使いたいんですけど?」

 

黙っていることは出来ない。むしろそれは状況を悪化させるだけ。

頷いた陽斗くんに促され、扉の向こうを伺いながら恐る恐ると返事を返した。

 

「あ、はい。ごめ、んな、さい…。ちょっと、お腹の調子が…ぁっ…♥」

 

だけど、今日の陽斗くんは本当に意地悪だった。

 

流石に突き上げてまでは来なかったけど。私が我慢できるかどうかのギリギリを確かめるように、おちんちんの動きが再開される。

 

「はっ、ぁっ、ぁぁっ…♥ だめ、だめだって、ばっ。はるとくん、はるとくん。ごめんなさい、ごめんなさい。お願いだから動かないで、ほんとに、ほんとにばれちゃうから、まって、まってってっ、はるとくん、はるとくんってばっ…ゃぁぁっ♥」

 

少しでも動きを抑えようと、彼の体にしがみついた。その耳元で囁くように、何度も、何度も、懇願しても、おちんちんの動きは止まること無く、一瞬でも忘れていた快感が、下腹の向こうで大きくなっていく。

 

「あの…大丈夫ですか? なんか、こえ、大変そうですけど?」

「あっ♥ は、はいぃ、すいま、せん。きょうは、その、あの日で…ちょっと、ひぅっ♥ はっ、はっ…わた、わたし…重くって、だから…もう、ちょっとだけ…ごめんなさい」

「あぁ…はいはい。そういうのでしたか。じゃあ、私反対側の行きますんで。焦らないでいいですよ?」

「はい、ありが…とう、ございますっ…んっ♥」

 

扉の向こうから人の気配が遠ざかり、私はやっと大きく息を吐き出せた。

 

「な、なんで、止まってくれなかったのっ。私、ほんとにバレるかもって、すっごく、怖くて…」

「でも、気持ちよかったろ? ちゃんと声我慢できて偉かったぞ」

「んひっ♥」

 

その瞬間、またおちんちんが突き上げてくる。それだけでもうダメにされちゃった。私の腰はすっかりと落ちきって、膨らんだ亀頭が子宮口に突き刺さると、目が回るような快感に意識が遠くなる。

 

「そう、だよ…。そう、だけど。そうじゃないじゃんっ…。こんなの、こういうのはっ、あぁぁぁっ♥」

 

快感とは違う涙が頬を伝う。悲しいって今まで思ったことすらなかったのは、目の前の幸せに気付けていなかっただけ。結局はこれも、自業自得なんだろう。

あの人の言いなりになって、今度は陽斗くんの言いなりになって。

 

どこかで変わらなきゃいけなかったのに、変われなかったから、陽斗くんまで巻き込んでおかしくなってっちゃった。

 

「わかるっ、わかるけどっ! やっぱり、お前を抱く度、違うやつのこと思い出されてさ。悔しいだろっ。そいつと同じ事、全部仕返してやれば忘れてくれるのか? もっと酷いことしたら諦めてくれるのかって、やっぱさっ、考えちまって。お前は全然嫌がらないしっ、俺じゃなくてもホントはよかったんじゃないかって…んくっ!」

 

声を荒げる彼の姿に驚いて、また悲しくなった。でも、そうさせてしまったのも私なのかと思うと背中がゾクゾクする。悲しいはずなのに、もう何が悲しいのかも分からなくって、湧き上がってくる背徳的な興奮に焦がれてしまう。

 

いいね、それも。このまま陽斗くんと泥沼にハマってさ。好きの証明に、体だけを求め合うような不健全な愛情に溺れるのが良い。良いんだけど、想像した先の未来に胸がざわついた。

 

いつの間にか、ぼんやりと浮かんでいた不安の固まり。

 

このまま流されると、きっと良くない事が起こる。

 

それは、分かる。分かっているのに。

 

快楽を覚えた私の体は弱かった。行為の熱が上がるほどに、頭の中は薄桃に染まっていって、望む未来も、嫌な現実も、一緒くたに同じ所へ落とされた。

 

気持ちいい、気持ちいい、気持ちいい。

 

薄桃の靄の中に紅が差し込む頃には、不安の影も見えなくなり、また1つ、私を抑えていた理性が崩れたのに気づく。

 

「ぁっ、んっ♥ じゃあさ、もう考えなくていいじゃん? 考えるなって、陽斗くんが言ってくれたんだよ? エッチしてる時はさ? 二人で、ただ気持ち良くなってれば、ね? そりゃ、んっ…思い出すなってのは、まだ…ぁぁっ♥ 難しいかもしれないけど、それでも、私は…陽斗くんと、エッチできて。陽斗くんと、エッチしてる時のほうが…ひゃっ、あ、あ、ぁぁっ…だ、めって…♥」

 

途切れ途切れの愛願を遮るように、陽斗くんの動きが激しくなった。

 

「それさっ。あのおっさんにも、言ったんだろ?」

「それ、ぅっ…ごめんな、さい。だって、そうじゃないと、あの人、んはっ♥ もっと、酷い事してきて、仕方なかったのっ。言わなきゃっ、私…。あぁぁっ、そこ、それっ…子宮…あたってて、つよい、のっ♥ だから、だからぁっ…はげし、そんなされたら、わたし、わたしっ…んぅぅぅぅぅぅっ♥」

 

ギリギリだった。

 

もうちょっとで、今の状況も忘れて声を上げてた自信がある。

両手で口元を抑え、唇を引き結んでも、喉揺らす快感の音色は収まらず、がたん、ごとん、揺れる電車の走行音さえなければ、きっと外にまで漏れていたかもしれない。

 

「そんなに気持ちいいのかよ? こんな場所で犯されて喜んでるのか?」

「それ、はっ。だって、だってっ、はるとくんだからぁ、はるとくんと一緒だからぁぁっ…だから、だから、んはっ、ふぁぁっ♥」

「そうかよっ。んっ、だったら…言えるだろ? 何が欲しいんだよっ、俺に…どうして欲しいんだっ」

「あ、はぁぁ…あははっ。それ、は、それはね? 精液、精液が欲しい…。陽斗くんの一杯に、おまんこ、射精されたい…の、だから…ちょうだい? 陽斗くんの元気な精液、真冬のおまんこに、全部出して…ね?」

 

そこからは遠慮なんかなかった。

 

私はもう、声を出さないようにするだけで精一杯。

 

がたん、ごとん。電車の揺れも手伝って、不規則に動き回る彼の おちんちんに、膣内のあちこちを刺激されると、軽い絶頂に何度も体が震えてしまう。

 

腰が落ち、背筋が伸びて。

 

けれど、体を支えていた両手は今、私の口を抑えていた。

壁に預けていた体がズリ下がると同時に、力強く突き上げてきた おちんちんに受け止められる。

 

「んんぅぅぅっ♥ あ、はっ、いまっ、それ…や、だめって、強くしちゃ、だめだめだめだめ、いっちゃっ、ぅのっ。また強いの来てて、私…また、あ、はっ♥」

 

足の指をぎゅっと閉じる。お腹がヒクつき、太ももを寄せると、彼のおちんちんが、ぐいっ、ぐいっと、私の深くに入り込み、つま先が宙に浮かんでしまう。

壁に背中を押し付けられながら、子宮口を叩かれて、子宮が震え上がっちゃってて。

 

快感が爆発する。

 

目の前が真っ白になる。

 

漏れそうになる声を抑えるのに必死だった。唇に当てた指に噛みついているのさえ気付けない。だって、ビリビリと、指先に走る痛みにすら、快感を感じちゃってた。その刺激に体が震えて、また強い絶頂の波に押し流される。

 

ドクン…ドクン…。

 

強い鼓動を響かせるように、おちんちんが私の中で震えあがった。

 

電車の中で犯される。自分から望んで精液を飲み込んでる。

倒錯的な快感に、もう、全てがどうでも良くなっていた。

 

気持ちいい、気持ちいい、気持ちいい。

 

なんでこんな事したんですかって聞かれたら。だって気持ちが良かったからって答えられる。あなたもやってみたらって、快感の泥沼に相手を引きずり込んだって良い。

 

「あぁぁっ…でて、るぅっ。はると、くんの…せい、し、はっ♥ あぁぁ…わたし、の中、おまんこ、一杯に、あつくって…はぁっ♥」

 

ドクン…ドクン…。

 

おちんちんは私の中で何回も震え上がり、その度に精液の熱と快感が植え付けてられていった。

 

一体どれだけ溜め込んでいたんだか。

 

今日一日中我慢してたのは私だけじゃなかたって分かる。

 

ああ、でもちょっと困ったな。

 

「ねぇ、陽斗くん?」

「ん?」

「私…今日、パンツ持ってきてない、よ?」

「あ、あぁぁ…それは、そう、だったな」

 

せめて、履かないでも下着だけは持ってくるべきだった。

こんなに出された後じゃ、きっと歩いてる間に垂れてきちゃうし、パンツの一枚もないと絶対太ももにまで流れてきちゃう。

 

「あの、さ? 陽斗くんのパンツ…貸して?」

「俺の? いや、でも…そしたら、俺が」

「男の子はズボンがあるから良いじゃん。ちょっと擦れるのくらい我慢してよ。どうしても勃っちゃた時は、私が…ほら、また後でしてあげるから、ね?」

「うっ」

 

男の子は正直だ。

 

おちんちんなんて分かりやすいのをぶら下げて、それもまだ私の中に挿っているんだから、顔色を伺うより簡単に彼の期待を感じ取れてしまう。

 

「今はだめだよ? もう駅ついちゃうし。流石に、これ以上したら私だって…」

 

私だって…私なんかどうだっていうの?

陽斗くんがしたいっていうならさ、私に断れるわけないじゃない。

今ここで2回戦を始めたって、口では嫌がりながらも、破滅的な予感に体が喜んでしまうのは目に見えていた。

 

「分かった、分かったから。ちょっとまって、パンツちゃんと脱ぐから、離れてくれ」

 

けれど、先に耐えきれなくなったのは彼の方だった。

愛液と精液でドロドロになった おちんちん。私の中から抜け出たソレをペーパーで拭いてあげると、甘勃起し始めた おちんちんを前に「うぐっ」と、彼の口から声が漏れた。

 

「あはっ、変な顔」

 

剥き出しになったおちんちんの皮を伸ばして、何とか先端を守ろうとはしていたけれど、それをズボンに仕舞った瞬間の彼の顔といったらなかった。

きっと、チャックの金属部分に触れて痛いんだろう。足を動かす姿も腰が引けて見えて、どこかぎこちない。

 

がたん、ごとん、がたん、ごとん。

 

電車に揺られて、私も揺れる。

 

トイレから顔を出して右左。人目がないことを確認した私達は駅につくと同時に、そそくさとその場から逃げ出した。

 

ー

 

その帰り道。手を繋いで歩いている私達は、正しく恋人同士に見えているんだろうか? きっと誰もが、さっきまでそこの電車の中でエッチをしてたなんて思うまい。

 

久しぶりに気分が良かった。胸で支えていた何かが取れた気さえする。

 

思い切って電車の中でしたせいか。ううん、きっと多分その時の興奮が、まだ残ってて、悪戯が成功した後のような心地にさせているだけ。

 

それでも良かった。

 

嫌な思い出も、この先の不安も、何も考えなくて良い。

陽斗くんに全部任せて、私はただ気持ちよくなっていれば良いだけだもん。

 

こんな楽なことって他にある?

 

もはや恋心はそこになく、ジャラリ…鎖の音が聞こえるだけ。首輪に繋がる音が、鈴のように響いていた。

 

「この、トランクスって言うの? 結構楽だねこれ? 部屋着用にさ、今から買いに行こうよ? このままだと、私もちょっと…歩きづらいし」

 

いつも履いてる下着に比べて、締付けられない男物の下着は意外と快適だった。

サイズの合わない彼のパンツ。ブカブカと、緩いゴム紐がなんとか腰のあたりに巻き付いているだけで、今にもずり落ちそうで歩きにくい。

流石にこれを持って帰ってもな。彼シャツならぬ、彼パンも悪くはないかと思ったけれど、もっとちゃんとサイズの合ってるものの方が良い。

 

「ついでに、私の下着も一緒に、どうかな?」

「トランクスは良いとして。下着って、俺もか?」

 

覗き込んだ彼の横顔がみるみると赤くなっていく。

ラブコメでもありがちな展開。男の子なら垂涎の成り行きかと思ったけれど、やっぱり現実はお話のようにはいかないみたいだ。彼女と一緒とは言え、下着売り場に特攻するというのはハードルが高いみたい。

 

「そうだよ? だって、陽斗くんしか見ないし。それとも…ノーパン派? 男の子って、脱がせるのも好きだって聞いてたけど?」

 

勝負下着なんて、私には縁遠いものだと思っていたのにな。

私の身支度一つで陽斗くんが喜んでくれるなら、お互いにとっての都合も良いはずだ。

 

「どっちって言っても変態臭いな、俺」

「違わないじゃん…。私にあんなしておいて」

「それは…。ごめん真冬、流石に今日のはやりすぎだったと思う。電車の中でだなんて、お前にとっては…」

 

不意に足を止めた彼が私の前に立ち、勢いよく頭を下げてくる。

特に驚きはしなかった。というか、随分前にこうなるんじゃないかなって予想してて、結局そうはならなかった展開が遅れてやってきたに過ぎない。

 

「そんな事ないよ、陽斗くんは悪くないから」

「ほんとにごめん…って、なんだそれ?」

 

半ば食い気味に。しれっとした感じで答えると、伺うような彼の視線に見上げられていた。

 

「ふふっ…。ううん、別にね怒ってるとかじゃなくって。最初にエッチした後に「ごめん」って言われるかなって用意してたんだけど、思ったより言う機会がなくてさ」

 

まぁ、少しくらい嫌味や皮肉がなかったと言えば嘘だけど。

それは単に、御主人様に構ってもらいたい飼い犬の心境と大差はなかったはずだ。

 

「あぁ…。やることやっといて謝るのも変だろ。それに、あの時はお前…」

「悪いのは私だもん?」

「それだ。絶対言ってたろ?」

「あははっ、バレた? そうだね、だって悪いのは私だもんって思ってたし」

「今も思ってるか?」

「まぁ…少し。でも、ほんとに陽斗くんが悪いんじゃないんだよ? あの時メチャクチャにして欲しかったのもそうだし。今日だって、良くて共犯でしょ?」

 

ジャラリ…。鎖を引く音がする。

 

諦観かな? 何かを諦めるように首を振った彼の顔に罪悪感は既になく、掴まれた右の手首に、体がぐいっと引っ張られた。

 

「違うな。真冬は俺の物なんだから。その、私が悪いってやつも俺のだろ」

「なにそれ。屁理屈っていうんだよ、そういうの。人の罪悪感とらないでよ」

「屁理屈が何だ。責任くらい取らせろ。ほら、行くぞ…」

「あっ、ちょっ…引っ張んないで。ちゃんと歩くから…」

 

彼に手を捕まれ。置いてかれないように足を動かす。

今までと何も違いは無いはずなのに、少しだけ動かす足は軽やかに。慌てること無く彼に追いつくと、その腕にぎゅっと抱きつけたのは、ちょっとした進展だった。

 




「なぁ…真冬。下着売り場ってどこにあるんだ?」
「え、あぁ…そっか、そうだよね。えっと、こっち…あのデパートの」

行った先の試着室でおっぱじめたら流石にやばいと思います。

ノーマルエンド。
電車から始めたんだし。電車で終わらせても良いかと思ったけど、ちょっと強引になってしまった。

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