なるほど。
ちょっとだけ、彼の気分も分かる。
女の子を押し倒した男の子の興奮がどんなにか。好きな人を組み敷いて好きに出来る体勢っていうのは、悪い気分になるものだ。
「あっ…」
見下ろして、見上げられて。そんな私達の間に、ふわり、鳥の羽のように落ちてきたのは、半分外れかかっていた私のブラジャーだった。
もう全部さ、丸見えの丸出しだ。
さんざん触られた後で、何を今更照れるものかと思っても、やっぱり裸になるってのは恥ずかしくって、頬に血が集まるのを感じてしまう。
でもそれは、彼も同じだったみたいだ。
着飾っていた下着がなくなり、ありのままの姿を その目に焼き付けた途端、萎えていた おちんちんが少しだけ元気を取り戻したのに気づく。
「陽斗くんのえっち…」
「うっ…いや、その…悪い」
「なんで謝るの? 良いんだよ? だからもっと見て? 私の体でエッチな気分になろ?」
チラリ、チラリ。泳いでいた視線が、遠慮がちにでも私の胸に向かう時間が増えてくる。頬を染め、おちんちんを元気にしていく彼を見ていると、少しだけ可愛いと思ってしまった。
「ね? 触ってみても良い?」
「あ、それは…んぁっ」
答える前に指先を触れさせると、ムクムクと おちんちんが膨らんでくる。
ちょっと休めばなんて、アレはきっと嘘だ。照れか、遠慮か。その辺りからくる謙遜だったに違いない。
指で触れて、そっと撫でて。
思ったよりも柔らかいものだと思っていた感触は「あれ?」と思う間もなく固さを取り戻すと、指先に凸凹としたものを感じ始めていた。
これ、多分…もう、挿れられるんじゃないかな?
まるで膨らみだした風船みたい。
さっきよりはまだ小さいかなって思うけど、大きくなった おちんちんはビクビクと震え出し、射精に備えて精液を蓄えだしているように見えた。
ヌルリ…ヌルリ…。
固くなったおちんちんに、溢れた精液を塗り拡げていく。
これが、私の中に挿るんだ。
想像していたよりもずっと大きい。私の指の一回り、それがまだもう少し大きくなるって考えると、本当に挿るのかなって、ちょっとだけ怖くなる。
「ね、気持ち良い?」
「んっ、あ、ああ。ちょっと、ヤバいくらい…。真冬の指、柔らかくってさ、俺の指なんかより、全然細いし。ぬるって…そんな、優しく触られると…マジで、その…」
「そ、そうなんだ…あははっ。陽斗くん、アレだね? 食レポより上手いね、エッチな実況。エロ本にでも書いてた?」
「う、うるさいな…。良いだろ別に…くっ、あっ…」
固くなった おちんちんに指を絡ませ、精液で滑らせるように扱いて上げると、目に見えて彼の反応が変わってくる。
息を荒げ、腰を泳がせて、時折ビクッと跳ねる おちんちん。
その内に、先端から透明な先走りが滲みだし、乾き始めた精液に変わって私の指を汚していった。
「ねぇ、陽斗くん? いま…どう? なんかもう、よさそう…じゃない?
それとも…さ? このまま手で抜いて上げた方がいい?」
「それ、は…」
少しの逡巡。
そんなに気持ちよかったのかな、私の指。だとしたらちょっと嬉しい。
それでも、もう一度と果ててしまったら、今度こそまた勃つのかどうかわからなかったんだろう。欲望に区切りをつけるように、彼はグッと息を呑みこんだ。
「真冬は…平気か? その、するってさ…」
「…ダメっていたら、止めてくれるの?」
「それはっ…あ、あぁっ…う、うんっ。もちろん…」
「ふふっ…嘘つき、無理しちゃって。おちんちん もうこんなだよ?」
少し力を加えて おちんちんを擦り上げると、目に見えて彼の顔に快感が浮かび上がる。
「はぁ…はぁっ…。んっ、すぅっ…はぁっ…。うん、良いよ、きて、陽斗くん。私も、もう…お股、ムズムズしちゃってて、陽斗くんが、欲しい…ですっ」
零した吐息をまた吸い上げるように。大きく深呼吸を繰り返す。
もともと、ちょっとした意地悪だ。やめるなんて選択肢がある訳もない。
私だってもう限界。このまま止められたら、この場で自慰を始めたっておかしくはなかった。いや、それもおかしいんだけど。やっぱり正気じゃ、こんな事出来ないから…。恋の病。その熱に唆されているのに気づいていても、抗うなんて考えもしなかった。
寝そべる彼の上に跨って、勃起したおちんちんの上で足を開く。
「真冬、良いのか? おれ、代わるぞ?」
「いいの、このままで…。だって、陽斗くん…また出しちゃうかもでしょ?」
「そ、それは…いや、流石に2回目でそんな簡単に」
「どうかな? もう、さっきと同じくらいガチガチなのに…。いいから、大人しくしてて…私だって、いま、いっぱい いっぱい なんだから…んっ♥」
下着を寄せて、割れ目を開いて、陰唇の内側を引っ掻いた おちんちんの先端に身悶える。
このまま腰、落としたら、絶対に挿っちゃう、けど…。
本当に大丈夫なのかな?
割れ目、ちょっと擦られただけで頭クラってするのに、中にだなんて。
痛いとかって話も絶対嘘だ。こんなの気持ちいいに決まってる。だって、男の子のおちんちん挿れるためにあるんだよ? それなのに、痛いとかってさ…信じられるわけないじゃない…。
だから、きっと、大丈夫で…。
「ぁっ、ぁぁぁっ…挿って、ヌルって、これ…あ、あ、あ、んふっ…♥ はぁっ、はぁっ、あ、ぁぁぁ、やっ…んくっ、んあっ♥」
沈み始めた先端に、入口を押し広げられていく。
おちんちんの一番太い所。そこを越えさせるだけでも一苦労だった。
体を内側から広げられる抵抗感は確かに強い。
自分でも触れた事のない場所を強引に広げられて、その刺激をどう逃がしていいかが分からない。
身悶えて、腰を揺らせて、それが気持ちいいのかどうかもわからないまま、腰が落ちていく。自分からそうしたんじゃない。ただ、体に力が入らなくなっていっただけ。
ゆっくり、ゆっくり、少しずつ慣らしていくつもりだったのに。
溢れ出した愛液で滑ったみたいに、流れ出した先走りが先を急ぐみたいに、閉じていた私の中は広げられて、初めて受け入れた おちんちんの形に広がっていった。
「んっ、はぁっ…あっ、ふかっ…これ、まだ…挿って、おちんちん、うそ…まだ、はっ、はっ、あっ、半分…なの?」
もう、奥まで挿ったつもりで、ふと視線を落としてみれば、私の割れ目に突き刺さった おちんちんは、まだ半分ほどの余裕を残しながら、少しずつ私の中に沈んでいくのが目に映る。
「だ、大丈夫か? 真冬? あんまり、無理したら…あっ、くっ…」
「へ、へいき…だけど。はる、とくんは? わたしの中、きもちいい? なんか、痛かったりだとかさ…くるしかったり、しない?」
それが、それだけが気がかりだ。
今もこんなに広げてきてさ、私の中苦しいくらいなのに。きっと、指で擦って上げていた時よりも強い力が掛かっているはずだ。あんなに固くして、腫れ上がったみたいに膨らんでて、そんなのを強く締めちゃってたら、気持ちいいよりも、痛みの方が先にくるかもしれない。
「俺は、うんっ。大丈夫。はぁっ…確かに、ちょっと、狭いけど。でも、真冬の中、ぴったりと俺のにくっついてくれててさ…ヤバい、気持ちいいんだ」
「あ、あぁぁ…そ、そう、なら…うん」
それは、なんていうか、褒められて嬉しいような。でも、知らず知らずにエッチな反応を返していた自分に、恥ずかしさも込み上げてくる。
「んぐっ…あ、こ、これ。あ、そか、そう…なんだ、これ、多分…陽斗くん?」
「ああ、そうだな。なんか、行き止まりっぽいけど、もうちょっと、いけそうだよな?」
処女膜。
きっと、私達が考えたのは同じ言葉だっただろう。
私の腰に陽斗くんの手が添えられる。頷いて、頷き返して、大きく息を吸い込んだ私は、なるべく体から力を抜こうとはした。
それでも、無意識の抵抗は残る。
これ以上進んだら痛いかもしれない。だんだんと苦しくなっていくお腹の中に、そんな予感は確かに合った。くっついた肌を引っ張られ、ささくれを引っ張った時にも似た感じ。痛いのと、初めての不安に太ももが寄っちゃって、これ以上体が落ちていかないように、ささやかな抵抗を返してしまう。
「俺から、行くな?」
「うん…。おねがいっ」
腰を捕まえる指に力が入り、体がおちんちんに向かって落ちていく。
ぷつんっと、挿ってみればあっけない。
けれど、敏感な腟内に響く衝撃は、私に「ひくっ…」と、震える声を上げさせるには十分だった。
「真冬…挿ったよ? 大丈夫か? その…痛いとは思うけど…」
「ううん…平気。痛いのは、うん、少し…でも、ちょっとピリピリするだけで、ほんと、平気…なんだけど…。なんていうか、そう…びっくりしちゃって…」
「そっか…。でも、わるい。今ダメって言われても、俺無理だ…これ、こんなの、このまま続けてもいいか?」
「それは、うん…。私だって、最後までして欲しい…から。すぅぅっっ、はぁぁぁっ…。大丈夫、大丈夫なんだけど。ちょっとだけ、ね? 息、整えるまででいいから…」
「分かった。落ち着いてな…ちゃんと待ってるから。慌てないで良いぞ」
なんか、変な感じ。
私のお股、彼のお股に乗っちゃてる。
さっきまで、おちんちんの分だけ隙間があったのに、もう全然、ぴったりで。
お腹、熱いな。お腹の下の方、おヘソの近くまで、何かが挿ってきてるのが分かるんだ。
ビクビクしてて、モゾモゾしてて。揺り籠みたいな感覚でゆっくりと、私の体が揺れている。揺れてるのはだって、彼が腰を動かしてるからで、待ってるからだなんて言って、陽斗くんまた私に嘘ついてる。
そんな、待ち切れないみたいにさ。私がお預けさせてるみたいだと、なんだか申し訳なくなってくるじゃない。
「もう、いいよ…大丈夫、だから」
ほらね。頷いただけで、彼の顔が輝いたみたいだ。
一段と波が高くなったなったみたいに、私の体が持ち上げられて、そのまますとんっと落とされる。
「じゃあ、悪い。ちょっと、キツイかも、しれないけど…」
「ううん。ごめんね…待たせちゃった。でも私、もう全然、動けなくって、陽斗くんに、任せる…から。せめて、好きにしていいから、だから…あっ♥」
私の言葉を遮って、快感の波が私の体を持ち上げた。
下から持ち上げられては、落とされて、私の中が勃起したおちんちんの凸凹にかき回されると、身悶えるような衝撃に声を上げてしまう。
「あっ♥ はっ、やっ、はげし…ぃっ。んふっ、はっ、おなか、おく…とんって、はる、とくんっ、あ、はっ、はぁはぁっ、ひゃっ♥ それ、そこ…だめ、お腹、裏側…こすれ、てっ、て…んふっ、はぁっ、ひゃっ♥」
だめと言いながら、もっとして欲しい。
普段ならすぐに止めてくれるのにな。エッチの時の彼は意地悪になるんだろうか?
ダメって言えば言うだけ同じ所を責めてきて、まだ初めての衝撃が抜けきらず、固さの残る腟内がどんどんと絆されていく。
逃げ場なんてないよ。
だって、彼の体に跨っているのは私だもん。
少し休みたくって腰を逃がそうとしても、彼に捕まえられた腰は、すぐに引き戻されてしまう。
とんっ、とんっ、とんってさ。
その度に、おちんちんが どんどんと深くにまで挿ってくるんだ。
「あ、あぁぁ…う、そっ。まだ、挿って…はると、くんっ、おちんちんっ、あ、まっ、んふっ♥ おっきくなって…きてて、あ、あ、くぅぅ…んふっ…あ、はっ…あ♥」
処女膜があった所さえ、先端の広がった部分が過ぎていく。
どんどんと、近づいてくる肉棒の感触。熱くて、固くて、ビクンっと、元気に跳ねる彼のおちんちんが、おへその下のすぐ近くにまでやってくる。
いよいよと、そこにある大事な部分を意識させられ、深く落ちていく ような快感に体が震え始めていた。
子宮、だよね? 多分、入口、その辺りで…。
とんっ、とんっ…。快感の波に体が持ち上がる度に、おちんちんの先端が近づいてくるの。お腹の奥をかき回されて、閉じていた秘部を乗り越えられて。
女の子の本能なのかな? 気持ちよくなればなるほど、体、勝手に落ちてちゃって…。
背中がゾクゾクとした。
背伸びをしたネコみたいに背筋が反り返ると、私の腰が、彼の腰に押し付けられる。
もう、苦しいのなんて何処にも見当たらなかった。
ううん。息が詰まるような苦しさも快感の波間に消えていき、お腹の奥を、子宮を浸す熱感に変わっていく。
気持ち良い。気持ちがいい。
やっぱりこれ、ダメだ。オナニーでもあんな気持ちよかったのに、おちんちんだなんて、我慢できるわけがない。絶対、私が、エッチなんかじゃなくって、こんなの誰だって、我慢できるわけがなくって…。
「真冬っ…俺、もうっ、そろそろ…いいかっ、お前の中、今度こそっ!」
名前を呼ばれただけで天にも昇る心地だった。
私の中で彼の おちんちんが膨らんでいくのが分かってしまう。
とんっ、とんっ、とんっ。彼の動きに合わせて、彼の上で体が弾んで、高まる快感の高波に連れて行かれそうになった体はやっぱり、腰を掴む彼の手に引き戻される。
「あ、あ、あっ、だめっ。きもちいい、それっ、陽斗くんっ。深いの…良くって。きもちいい、きもちいいっ。なんでこんな…っ、わたしエッチにっ…もっと、ああぁっ、だめっ、だめって、ばっ…はるっ…わた、先…いちゃっ、んふっ♥ はぁぁぁぁ…あ、あぁぁっ…」
ゾクリと、とうとう絶頂迎えた私は、大きく息を吐いた。
目の前がクラクラする。一瞬、真っ白になった頭の中は、またすぐにも薄桃に染まりだす。
こんなの、もっとされたら、もっと気持ちよくなって。
お腹に抱えた熱感がグツグツと煮えたぎり、今にも溢れ出してきそうだった。
一人で迎えた絶頂よりも、もっと強い快感の予感。逃げ出したくなっても、すっかりと快感に嵌ってしまった私の体は、さらに深くまで おちんちんを飲み込んでいく。
「エッチでっ、良いじゃないかっ。俺は、真冬が、エッチでも、良いってっ…」
「わかんないっ、あぁっ、やぁぁ、わかんないのっ。こんなの、しらなくって、ごめんなさいっ、ごめんなさいっ! 私また、一人でっ、いっ、ぅっ…ゃぁぁぁっ♥」
ゾクゾクと、体が震え上がって、また絶頂を迎えて。
その瞬間、無防備になっていた私の子宮口に、とうとう彼のおちんちんが届いちゃってた。
「あっ♥」
時間が止まったような気がした。
私、このままイッちゃうんだ。
おちんちんの先で、大事なとこグイってされて。
お腹の奥で感じる、大きな絶頂の予感。さっきのよりも、もっとずっと強い快楽への予感に怖気た心が竦んでしまう。
ふるふると、頭を振る。それで、なにか解決できるわけもない。
自分の体が、もう一つも自由にならないんだ。少し休ませて欲しい、ちょっとでいいから心の準備がしたい。
腰を逃がしたくても、指が食い込むほどに彼に掴まれていた。
動けないし動かせない。軽い絶頂を繰り返していた腟は おちんちんを締め付けて、閉じた柔肉を押し開きながら、おちんちんが私の中を駆け上がってくる。
陽斗くん、陽斗くん、陽斗くん、陽斗くん…。
爪が立つほど強く、彼の胸板にしがみつく。
腰が落ち、背筋が伸びて、お腹の奥に抱えた予感が とうとうと溢れ出すと、快楽の熱が全身に広がっていった。
ずんっと、沈みこんでいくような感覚。
気持ちの良い、快感が、心地よくって、幸せで…。
とんっ…。
おちんちんの先端に子宮口を叩かれる。
ぷつんっと、まるでそれは、処女膜が千切れた時みたいにあっけなかった。
私の中で何かが途切れたみたい。ガクガクと腰が震えがり、ゾクゾクと背筋が震えて、クラクラと頭の中が白くなって。
その時になって、私はようやく自分が思い違いをしていたことに気づく。
一人でしていた時もそう。さっきまで何度も絶頂を重ねていた時もそうだ。
こんなに気持ちの良いことなんかない。彼にして貰えるって言っても、少しの心境の変化だけ。私の受け止め方の違いでそう大きく変わるものじゃないと思ってた。
なのに、それは全然違ってて。
お腹の奥に抱え込んだ重たい快感の塊。
それを おちんちんに突き上げられた瞬間、沈み込んでいく様な感覚が全身に響き渡る。
初めて子宮で迎えた絶頂は、私の予感の何もかもを塗り替えて、ふと、頬に零れた涙にすら喜びを感じてしまっていた。
「ぃっっっ…ぅっ、ぁ、ぁ、ぁ、はっ、はっ…はぁぁっ、ひくっ、ぇぅっ、ぃぃぃぃっ…あ、は、ひっ…ん、はぁ、はぁっ、あぁぁぁぁっ…♥」
ドクンっ! ドクンっ! ドクンっ!!
同時に、おちんちんがお腹の中で震え上がった。
熱い何かがおヘソの真下にまで流れ込んでくると、ふわり、ふわり、意識が遠のき、ただ、ただただ、幸せだなって、どうしようもなくなってって…。
ドクンっ! ドクンっ!! ドクンっ!!!
やっぱり、陽斗くん、エッチだな。
少し休めば、なんて…控えめすぎるよ。
熱いので満たされていく感覚は、文字通り彼のものにされていくような倒錯を私にもたらした。もうどうしようもないくらいの多幸感が湧き上がり、彼への愛情が、また強い快感となって私を虜にしてしまう。
だって、最初の時より、これ、絶対、一杯出てて、こんな、こんなに出されちゃったら、私、大丈夫な日でも、大丈夫じゃなくなっちゃいそうで…。
お腹の中、深い所にまで、大事な、大事な、私の子宮に、彼の精液が注ぎ込まれていくのを感じると、子宮が震えて、体が震えて、私はまた大きな絶頂を迎え入れていた。
「ぃひっ♥ は、あ、はっ。ふぅっ、はぁっ、あ、ぁぁぁぁ…」
ようやく、絶頂から戻ってきた時にはもうクタクタだった。
これ以上は絶対に無理。もう、何処にも入んないよ。おちんちん、隙間から、精液、溢れてて…なのに、まだ出し足りないっていうみたいに、ビクビクしてる。
「はっ! あっ! はぁ…っ! っ…んっ♥ ぁっ、ふぅっ…ふぅっ…んふっ、はぁはぁはぁ…んっ、はぁ…あぁぁ…はぁぁ…ぁっ♥」
途切れ途切れの息を吐き出し、合間合間に深呼吸を重ねて、続いた絶頂の衝撃は強く、快感の余韻はまだまだ抜けきらない。真冬、真冬。名前を呼ばれただけで頭の中がまた白くなって、私はしばらく軽い絶頂と、その弛緩の間で体を震わせ続けていた。
「…その、大丈夫、か?」
「うん…大丈夫、は、大丈夫…だ、けど…んっ」
ようやくと会話をする余裕が生まれた後も、快感の余韻は続いたまま、軽い酩酊感と、酷い脱力感に動くことすら叶わない。
「陽斗、くんは? もう、平気? 満足してくれた…かな? 私、ちゃんと…エッチできた? まだ、だったら…私、ごめん、ちょっと…やすませ、て」
「いや、それは、うん。俺も、もう…出そうにないし。真冬、ありがとう…すっごく良かったよ。もうさ、一人でとかホントにできなくなりそうだ」
「そっか…そう、なんだ…えへへ…♪ そっか、よかった…」
何となく、それが嬉しかった。
彼に満足してもらえたことで、ようやくと落ち着きを取り戻した私は、そのまま倒れ込むように広い胸板に頬を寄せる。
「ねぇ…陽斗くん、我儘言って良い?」
「ん?」
「今日は…その、さ? 泊まっていってくれない? 今から一人になるの…ちょっと寂しい」
押し付けた頬、寄せた耳元からドクンっと、強い鼓動が伝わってくる。
「ああ、良いぞ。家には…友達の家に泊まるって言っとこうかな…」
「…友達?」
その言い訳がなんとなく面白くなくって、彼の胸板を指で抓った。
「ぃっ…。こら、真冬。分かった…よ、そんな拗ねるなって」
「拗ねてない。自信持って言い触らせって言ったの陽斗くん…」
「今日は真冬の家に泊まるから。これでいいな? 後で母さんにからかわれてもしらねーぞ」
「…良い、別に」
なんていうか、自分でもびっくりだ。
こんなに子供っぽく、誰かに甘える事が出来るなんて思ってなかった。
胸板に押し付けた唇から歯を覗かせてみせたり「あむっ」と、甘噛したかと思ったら、舌を出してぺろりと舐める。
「あのな…真冬。そんなにされると…その」
「もう、出ないんじゃなかったの?」
「出なくたって、変な気にはなるんだよ…。それに、なんだ…その」
「うん…」
言ってる傍から固くなり始めた おちんちんに気づいた私達は、どちらからもなく口を閉ざす。でも結局は、気まずい沈黙もそこそこに、おずおずとお互いの体へ伸びる食指を止められないでいた。
ー
いつもより早い時間。ちょうど通勤ラッシュのピークを1・2本ずらした時間帯でも、電車の中は随分と余裕があった。
陽斗くんと二人、並んで立っていても押しつぶされるような事もなく、二人でお喋りするのもどうということはない。
ただ、ちょっとだけ、ちょっとだけね。
窮屈な電車の中、彼に守られている時間も今となっては恋しいと思う事がある。
それはきっと隣の芝ってやつ。じゃあ、あの満員電車に戻りたいかと言われれば流石に遠慮したい。
それにさ。
少し早く起きるようになって、いつもは慌ただしく出ていくお母さんを見送るだけだったのが、ちょっとだけお話する時間も増えていた。会話の内容なんてよくある親子のそれ。今まですれ違ってきた分、少し距離感を掴み損ねながらも、お互いの私生活を気にかけるような他愛のないものだ。
隠していても良かったんだけど。
やっぱりね。
もし、家の中でばったりあって、驚かせちゃうような事があってもいけないし。
朝ご飯に誘われてるって話もしなくちゃって思うと、どうしたって最初に説明しておかなきゃいけなかった。
「今度の休み、家に連れてきなさい」だってさ。もう連れ込んだって言ったら、卒倒するんじゃないかな。でも、彼氏ができたって言ったら、泣いて喜ばれたのにはちょっと驚いちゃった。
がたん、ごとん、がたん、ごとん…。
揺れる電車が駅に停まり、彼と一緒に駅を出た時だった。
「まふゆーん♪」
耳馴染んだ明るい声が、たっと駆け寄ってくると、遠慮のない子犬のような勢いで抱きついてくる。
「羽流…。急に抱きついてくるの止めてってば、あぶないから」
「まふゆんなら、受け止めてくれると信じてっ」
「そんなに力持ちじゃありません」
ふいっと顔を背け、抱きついてきた羽流を振り切るように足を動かす。
いつもならこんな事、しやしないんだけどな。羽流 相手なら まぁいいかって、決してぞんざいに扱ってるわけではないんだけど、彼女になら多少気を緩めてもいいと甘える部分はある。
「あっ、ちょっ!? まってよ、まふゆんっ。私も一緒に行くってばっ!」
懲りずに駆け寄ってくる足音は、けれど途中で ぱっと途切れた。
振り返れば陽斗くんに襟を掴まれて「にゃーん…」とぶら下がっている羽流の姿。
忙しい子だな。
子犬かとおもったら、今度は子猫になっている。
「お前は…どうして朝からそんな元気なんだ?」
「そりゃ陽斗と一緒さ。朝から真冬の顔を見れて、心の○○○が騒ぐからだよっ」
ピーっと、その甲高い修正音が耳に響くようだ。
駅前にあった視線のいくつかが、こちらに向けられると、私達はそろって顔を赤くする。
「にゃはははっ♪ いいねっ♪ その感じは上手くいったって顔だ」
「まぁ…な。それに関しては、ありがとう」
「ホントだよ。あんまり まふゆんを困らせるんじゃないぞ。もし、泣かせるような事があったらさ…っと」
ふるり…。
羽流は器用に体を震わせると、襟元を掴んでいた陽斗の手から抜け出していた。
「そいじゃ あとでね、真冬」
「あれ、一緒にいかないの?」
「付き合いたてのカップルの間に挟まれろと? そんなの針の筵じゃん」
「あっ、あぁ…うんっ。ごめんね、そんなつもりじゃ私。あの、羽流っ。私からも、その…ありがとう」
「いいって、いいって。後で惚気話聞かせろよな?」
「う、うん…」
惚気話…。とは言うものの。実際は、猥談になりそうな気配はあった。
何を、どんな風に、どうなったのか。秘め事の全部を話せるわけではないけれど、どこまで話したものかと考えるだけでも顔が火照ってきてしまう。
ああ、でも。彼の名誉のためにも、彼が失敗しちゃった話はしない方が良いかもしれないと、心に深く刻む真冬だった。
「で? どうだったよ?」
「どうって…別に、普通だったよ…?」
「普通ってなにさ? 普通を語れるくらいの経験が、まふゆんにはあるっての?」
「そ、れは…ないけど。でも、べつに…そんなさ? 変わったことするわけ無いでしょ? 教科書通りっていうか、ね?」
「そんな教科書はない。保健のにだって書いてなかったのに。私期待してたのにっ!」
「そんな期待は捨てて。ていうか、書かれてても困るし…」
「あはは、毎年内容変わっててさ? どの年代を読んだかで性癖変わるやつだよね」
「PTAに怒られるやつでもあるよ、きっと…」
「それなぁ。ふーん…。じゃあ、ちゃんと満足はさせてもらえたんだ?」
「そ、そうだよ。うん…良かったって、思う…」
「そかそか。私の杞憂で良かったよ」
「杞憂って?」
「ん? まぁ、まふゆんの可愛さの前に、陽斗の陽斗が暴走するんじゃないかって…。初エッチ、失敗って、まふゆんのスマホに悲しい履歴が残りゃしないかと…」
「…」
「はるとーっ! ちょっとアンタさーっ!!」
「まっ! ばっ…!! 羽流っ!! バカでしょっ!? バっカじゃないのっ!! 止めてってばっ、陽斗くんだって気にしてるのにっ!」
「あははは♪ まふゆんは素直で可愛いねぇ。あぁ…でも、その大声はちょっとまずいなぁ」
その瞬間、二人の猥談に聞き耳を立てていた教室は、どこか居た堪れない空気に包まれるのだった。
ハッピーエンド。なんのかんので、イチャラブHはやっておきたかった。
以下、編集後記。
バッドエンドやってる時に、もっと真冬の感情を拘束するべきだったな。
もうちょっと尺つかって、圧掛けて、思考力を奪った上で、自分からくるように仕向けられれば、もっとよくなったかな。反省。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
良ければ、いいね、高評価いただけると、励みになります。
誤字報告ありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。
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